ピクシブであげたssですがこちらにもあげていこうと思います。
五等分の花嫁、二乃の耳かきssです。

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次女は恋人っぽいことをしたい

5つ子姉妹の次女、中野ニ乃は朝早くに目が覚めほかの姉妹が

まだ目覚めてないことをいいことに1人思いにふけっていた。

 

先日、とある男子に告白をした。

相手は自分たち姉妹の家庭教師を勤めている上杉風太郎。

出逢いこそ最悪のスタートをしたが気付けば彼に魅了されていた。

 

地球上に1人くらいはあんたのことを好きになってくれる女の子が

きっといるわよ、なんて大口叩いておいて結果自分がその1人になって

しまっている。姉の一花にも言われたがなんて都合がいいのだろうか。

最初はどんな手を使ってでも彼を私たちの前からいなくさせようとした。

 

それが今となってはどうだ。

どんな手を使ってでも彼を振り向かせようとしているではないか。

もちろん彼に罪悪感は感じている。薬まで使って追い出そうとしたのだ。

許されるはずがない。むしろ恨まれてもいいくらいだ。

だが彼は仕事を全うしている。自分たちのことをしっかり考えてくれている。

そんなところに引き込まれていき告白までに至った、のだと思う。

 

ニ乃「………フー君、私に振り向いてくれるかしら」

 

最近は彼のことをフー君と呼んでいる。以前三玖にあだ名を考えてと

ちょっとだけ無茶振りしたときの呼び名。

今は自分しかそう呼んでいない。

 

ニ乃「呼び方は私が1番距離近いわよね。でもあまり気にしてないのかな………。

旅館では勇気出して混浴に、ちょっとだけ入ったけど、多分私だって気付いてないかもだし………」

 

姉の一花曰く。

今のニ乃は恋する暴走機関車。彼に振り向いてもらうためなら過激なアプローチも

惜しまない。ブレーキが壊れている状態なのだ。

 

ニ乃「まだ、こ、恋人同士にはなってないけど点数稼ぎは多いにこしたことはないわよね〜。恋人らしいこと………恋人らしいこと………」

 

恋する次女は考えこんだ。

 

 

 

 

「なんだ、今日はニ乃だけか」

 

ニ乃「あ、フー君いらっしゃい」

 

風太郎「ほかの奴らはどうした?」

 

ニ乃「一花は仕事。三玖もバイト。四葉は運動部の人とご飯。五月は図書館よ」

 

風太郎「……仕方ない、か」

 

最近はなかなか全員集まって勉強が出来ていない。とはいえそれは

仕方ないことだというのも理解している。それぞれのやりたいこと、目指すものに

よって進む道は違うのだから。強制して進めても意味はない。

 

ニ乃「…今日は2人っきりよ?フー君♡」

 

風太郎「っ、」

 

彼も1人の健全な男子。それに今いるのは自分に告白をし、好きだということを

明確に露わにしているのだ。意識しないわけがない。ましてやそういうことに対して

耐性なんて全くないて言っていい男。それが風太郎だ。

 

風太郎「………いいからまずは宿題をチェックするぞ」

 

ニ乃「はーい」

 

ニ乃(今日は思いがけない2人っきり!完全に予想外だったけど、これを見逃す手はないわね!今日はフー君にたくさんアタックしてみせるわ!!)

 

機関車はどうやら発進しているようだ。

 

風太郎「………」

 

ニ乃「………」

 

すでに勉強が始まって少し経つが2人は真面目に勉強に取り組んでいる。

風太郎はともかくニ乃もなんだかんだで真面目な性格だ。自分の成績に直結するということも影響しているだろう。

 

風太郎「………」

 

ニ乃「………あ、フー君ここ教えて欲しいんだけど」

 

風太郎「………」

 

ニ乃「フー君?」

 

風太郎「ん、なんだニ乃?」

 

ニ乃「教えて欲しいところがあるの」

 

風太郎「いいだろう。どこだ?」

 

ニ乃(無視されたかと思って怖かったわ………な、何もしてないわよね?)

 

風太郎「………と、こうなるからこの式が入るんだ」

 

ニ乃「なるほどね、ありがとフー君♡」

 

風太郎「っ、集中してろ」

 

ニ乃(投げキッスじゃあまり効果はないのかしら………)

 

彼へのアピールはこのくらいじゃ全然足りないと感じ、勉強はしつつも

意識はどんどん彼へのアピールに向けられた。

気付けばノートを見るより彼を見ているくらいだ。

 

ニ乃(勉強してるフー君カッコイイなぁ♡)

 

ニ乃(………あら?)

 

ニ乃「ねぇ、フー君。耳、どうかしたの?」

 

風太郎「耳だと?」

 

ニ乃「だってさっきから指で掻いてるわ。バイキン入るわよ?」

 

風太郎「マジか、気付かなかった」

 

ニ乃「もしかして………」

 

ニ乃はそこまで言いかけてふと思った。

 

ニ乃(これ、もしかしてフー君に耳かきしてあげられる!?)

 

ニ乃「フー君!!」

 

風太郎「な、なんだ急に?」

 

ニ乃「耳かきしてあげるわ!!」

 

 

 

風太郎「………どうしてこうなった」

 

風太郎は考えていた。

今の状況を。

ニ乃が急にテンション上げて耳かきをすると言い出した。

無論断った。勉強をしろとも言った。

だがニ乃にブレーキはかからなかった。半ば力づくで押し倒され、ニ乃の膝に頭を

乗せている。いわゆる膝枕だ。

 

風太郎「………暴走機関車め」

 

風太郎は一花がニ乃のことをそういう風に喩えていることを知っていた。

まさにその通りだと感じている最中だ。

 

ニ乃「フー君。もっと私の方に頭寄せて?」

 

風太郎「これくらいでいいだろ………」

 

ニ乃「これじゃあよく見えないのよ。ほらコッチに来る!」

 

風太郎「うお!?」

 

風太郎は軽く耳を摘まれたと感じたら痛みを感じはしないもののそのまま引っ張られた。

 

風太郎「………強引だな」

 

ニ乃「素直じゃないからよ。うん、これでよく見えるわ」

 

風太郎「………好きにしてくれ」

 

ニ乃「もちろんそのつもりよ。耳かきも持ってきたし始めるわよ」

 

ニ乃は家にあった耳かき棒を手に取り風太郎の耳を覗き見る。

 

ニ乃「………ねぇ、フー君?」

 

風太郎「なんだ」

 

ニ乃「ふだん耳の手入れしてないでしょ」

 

風太郎「………」

 

ニ乃「してないでしょ?」

 

風太郎「………はい」

 

ニ乃が風太郎の耳を確認するとお世辞にも綺麗とはいえない光景だった。

彼が彼自身に無頓着なのは理解していたからある程度予想は出来たが予想をあっさり

超えてきた。

 

ニ乃「もう、私の旦那様になるんだからもう少し自分を磨いて欲しいわ」

 

風太郎「待て、飛躍し過ぎだ」

 

ニ乃「そんなことないわよ。結婚なんて気付けばあっという間に来るわ。私はフー君のお嫁さんになるんだから、フー君には私に相応しい旦那様になってもらわなくちゃね♡」

 

風太郎「………それと耳かきは関係ないだろ」

 

ニ乃「そんなことないわよ!同じ家に住むのだから仕事で疲れた旦那様を労ってあげるのもお嫁さんの仕事だわ」

 

風太郎「………なら今する必要は」

 

ニ乃「まずは彼女になるんだから大好きな彼氏に耳かきするのなんて普通でしょ?」

 

風太郎「………」

 

風太郎は諦めた。

今のニ乃に何を言っても話にならないと理解してしまった。

 

ニ乃「いい?やるわよ?」

 

風太郎「………あぁ」

 

ザリっ………

 

風太郎「っ…!」

 

ニ乃「い、痛かった!?」

 

風太郎「い、いや………痛みは無い。ちょっとびっくりしただけだ」

 

ニ乃「な、なら良いけど………痛かったらすぐに言ってね!フー君に痛い思いさせるのなんて嫌だから」

 

風太郎「お、おう」

 

ニ乃「じゃ、改めて………」

 

手に持った耳かきを風太郎の耳に入れる。

ザリっ………

風太郎の耳は乾燥した垢がへばり付いていた。細かい垢もあり産毛に引っかかっていたものが耳かきに触れる。

 

風太郎「………ん、っ」

 

ニ乃「くすぐったい?」

 

風太郎「す、少しな」

 

ニ乃「フー君可愛いわ♡」

 

風太郎「なぜそうなる」

 

ニ乃「でもあまり動かないでね。耳かき初めてだし」

 

風太郎「初めてなのかよ………」

 

ニ乃「私の初めてはフー君って決めてたのよ」

 

風太郎「さいで………」

 

耳かき棒を持ち直し、風太郎の耳を覗き込む。

いきなり奥を攻めるのはさすがに怖いので手前の産毛に付いてる垢を取っていくことに決めた。

 

サリっサリっ………

カリっカリっ………

 

ニ乃「手前だけでも割と取れるわね」

 

風太郎「ん?奥じゃなかったのか?」

 

ニ乃「まだ全然入ってないわよ?耳の入口だもの」

 

風太郎「自分でやるのとはだいぶ違うもんなんだな………」

 

ニ乃「私に任せておきなさいフー君!」

 

風太郎「お前初めてなんだろ………」

 

サリっサリっ………

耳かきをしてるからか自然と2人は小声で話していた。耳かきをしてる側もされてる側も

不思議と口数は減っていった。

 

ニ乃「んー………」

 

風太郎(いつもこれくらい集中して勉強してくれないものか………)

 

ニ乃「………入口の方はだいぶ綺麗になったかしらね。フー君、少し奥に入れていい?」

 

風太郎「ん、頼む」

 

ニ乃「任せて」

 

風太郎は自分でも気付かないうちにニ乃の耳かきのなすがままになっていた。

カリカリっ………ザリっ………

 

ニ乃「フー君、痛くない?」

 

風太郎「………あぁ、大丈夫」

 

ニ乃「なら良かったわ」

 

カリカリ………ガリっ

 

風太郎「っ………」

 

ニ乃「い、今ちょっと強めにしちゃった………フー君痛く、ない?」

 

風太郎「いや、大丈夫………むしろ………」

 

ニ乃「?」

 

風太郎「………いや、とにかく大丈夫だから」

 

ニ乃「そ、そう?」

 

風太郎(気持ちいいなんて言ったら負けた気がする)

 

ニ乃「じゃあ、もう少し奥に………」

 

カリカリ………カリカリ………

耳の中に響く音が大きくなる。大きくなりはしたがうるさくは感じない。不思議なものだ。

ニ乃の手つきも少しは緊張が解けたのか大きく動いている。耳を摘んでいる指も少しずつ力が入ってきている。

特に痛みはないので何も言うこともなく、なすがままに耳かきをされている。

 

ニ乃「………ん、結構奥に」

 

風太郎「………っ!?」

 

ニ乃「きゃ!?ちょっとフー君!!いきなり動かないでよ!!」

 

風太郎「す、すまん!ただ………今………」

 

ニ乃「ん?どうしたのよ?」

 

風太郎「いや、その………お前の、胸………がな」

 

ニ乃「………え?」

 

風太郎(こいつ!まさか気づいてないのか!?それともそこまでブレーキ壊れてたか!!)

 

風太郎「………もういい。動いてすまなかった」

 

ニ乃「ほんとよ。刺さったりでもしたら私泣くわよ」

 

風太郎「なんでお前が………」

 

ニ乃(やったわ!フー君ったらかなり意識してるわ!)

 

ニ乃の容姿は言ってしまえば美少女。それもかなりの。

加えて発育は良い。膝枕で耳かきをしてる最中にニ乃が前屈みになれば膝に乗せている風太郎の頭に豊満な胸が接触するのは必然だった。

とどのつまり確信犯だ。

そしてニ乃は顔には出さず耳かきを続行する。

 

カリ………カリカリ………

カリカリ………ガリっ

 

ニ乃「フー君、ちょっと強くしていい?」

 

風太郎「わかった」

 

ニ乃「ありがと」

 

彼の了承を貰い、ある一点を見つめる。

耳道にへばりついている耳垢だ。乾燥しているので少し強気に出ないと取れなさそうなくらいだった。

ニ乃は一呼吸置き慎重に耳かき棒を入れていく。

狙った箇所に辿り着いたのを確認して耳垢に触れていく。

ガリ………ガリガリっ………

 

風太郎は今まで聞いたことの無いくらいの音と感触に一瞬身を強張らせる。

深く重い音が自分の耳の中で響いている。

自分ではとてもじゃないが手を出せない所まで入っている状態だ。

ここまで来てしまってはニ乃に任せるしか自分には選択肢はない。

 

ガリ………ガリガリ、ガッ………

ニ乃はなかなか上手くいかないようで苦戦していた。

ニ乃「む〜………」

耳垢に届いてはいるが引っかからせることが出来ず不満の気持ちが溢れ出る。

耳垢は頑固にへばりついているようでだんだんとニ乃の耳かき棒に力が入る。

 

ガッ…ガッガッ………ガリッ

 

風太郎「んぉ………っ」

 

ニ乃「ん、はぁ。ようやくちょっと剥がれたわ………フー君痛くない?」

 

風太郎「問題ない」

 

ニ乃「このままいけば………」

 

ガリッガリッ………

ごづっ………

 

ひときわ重い音が響いた。垢が剥がれかけたようだ。

しばらくの間空気に触れていなかった地肌が露わになり、じわじわと熱くなっていく感覚。

なんだか水が抜けたような感覚にも似ていた。

 

風太郎「なんか、ジンジンする……」

 

二乃「え、うそ……大丈夫……?」

 

風太郎「痛みは無いから安心してくれ。そ、そんな泣きそうな顔するな……」

 

二乃「う、うん……続けていい?」

 

風太郎「ん」

 

剥がれかけた耳垢に再び狙いを定めて耳かき棒を近づける。

下から上に掬い上げるように。耳かき棒を耳垢に引っかけて剥がそうと試みる。

 

グッ……ググッ……

ガリッ……ガッ……

 

少しずつではあるが耳垢は剥がれてきていた。

露出した肌に空気が触れ感覚が敏感になってくる。

 

二乃「……もう、少し」

 

二乃は小さな声で呟いた。

それが風太郎に向けて発せられたのか、もしくは二乃自身に向けられた言葉なのか。

判断は出来なかった。

風太郎も今は余計な発言をしようものなら耳の中が大変なことになるかもしれないので可能な限り黙っておこうと考えていた。

 

ガッ…ガヅ……ビリッ

 

二乃「あ」

 

風太郎「っ」

 

不意に耳垢が一気に剥がれ、匙の上に乗っかる。

同時に露出した肌の部分が熱くなるような感覚が風太郎に走る。

 

風太郎「…取れ、たのか?」

 

二乃「うん……あとはこのまま取り出して……」

 

慎重に耳かき棒を耳の外に出し、机の上のティッシュに乗せる。

 

二乃「はぁぁ……良かった〜」

 

風太郎「ふぅ、なんとか無事に済んだか……」

 

二乃「耳かきって案外疲れるのね。集中するからかしら?」

 

風太郎「されてる側も気が気じゃなかったがな」

 

二乃「どうだったフー君?私の耳かき!」

 

風太郎「……まぁ、それなり、に……」

 

二乃「っ!ほんと!?」

 

風太郎「っ、それなりに!だからな!!」

 

二乃「でも!それなりに気持ち良かったってことでしょ!?」

 

風太郎「〜〜〜っ」

 

二乃「またして欲しくなったら私に言ってね!絶対よ!!」

 

風太郎「わかった!わかったから!!」

 

二乃「う〜ん、でも今日はこれで終わりにするわ。もっと勉強してからフー君にしてあげたいもの」

 

風太郎「そのやる気を勉強にだな……」

 

二乃「これも勉強よ。フー君を攻略する大事なね♡」

 

風太郎「〜〜〜っ!もう頭どかすぞ!勉強再開だ!」

 

二乃「え〜?膝枕してなくていいの?」

 

風太郎「っ、終わりだ!早くこい!!」

 

 

 

 

今日の分の勉強を終え、風太郎も帰宅した。

二乃は今日のことを思い出し顔を綻ばせていた。

 

二乃「えへへ、フー君可愛かったなぁ。膝枕も出来たし今日はかなり点数稼げたんじゃないかしら。もっともっと私の魅力を感じてもらって、早く私に惚れてね」

 

 

 

 

 

「大好きよ、フー君♡」




最後まで読んでいただいてありがとうございます。
頻度は低いかもしれませんが自分のペースで書いていこうと思っているので
またよろしくお願い致します。


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