予定通りシロエと遭遇します。
あと、私関連の代物が出てきます。
※ルナの口調、この時点で崩壊してますね。まあ、アカツキとあえて落ち着いたってことで許してヒヤシンス
※といいながら結局書き直しました。
…………シロエ、どこよ………
私は大きくため息をついた
機から見れば蝙蝠が大きく息を吐いているように見えるのかしら?
いえ、そもそも彼らからは私の姿が見えないわね
実際はあの小さな友人の為に技の練習も兼ねて蝙蝠に変身して、《外観再決定ポーション》を持っている《腹黒メガネ》を探しているだけで、見つからないからため息ついているだけなのだけど
《大災害》と呼ばれたあの日から数日が経過していた
私はその間ほとんどシロエを探すのに費やしていたけども、それでもいろいろな情報が入ってきた
曰く、この世界で死んでもゲーム通り生き返られるとか
曰く、ギルドによる勧誘合戦が起きているとか
そんな情報は頭の片隅にとりあえず置いておく
「まあ、今の私に勧誘を仕掛ける人間はいないだろうけどね」
私は広がる街を見下ろしそう言った
今、蝙蝠の姿で空からシロエを探しているのだ
誰が蝙蝠をプレイヤーだと見抜いて、空まで登って勧誘するだろうか
まあ、そうじゃなくても私を勧誘しようとするのは少ししかいないはずだ
「まあ、そんなことよりシロエを探しましょうかね……《変化:霧》」
次の瞬間、蝙蝠の身体が粒子と化して、消滅した
もうどちらの姿も慣れたものだ
私は空気と変わらない身体を下へと向かわせた
少ししてシロエは見つかった
その傍には大きな《
…………少し驚かしてもいいわよね?
私は自身の身体をシロエたちの元へ進ませて行く
そして霧の姿のまま、シロエに話しかける
「久しぶりね、シロエ。ちょっと頼みたいことがあるんだけど、いいかしら?」
「この声は……《伯爵》かな?」
「なんだ、シロ。知り合いか?」
…………シロエ、少しは驚いてくれてもいいじゃない……
私は身体を霧のままその場を漂う
「うん。多分この辺りを漂っていると思うんだけど…………、いい加減姿を現したら?」
そう言われて私は仕方なく姿を現し、シロエに文句をぶつける
「シロエ、あなた、私のこと何か幽霊と同等の存在として扱わなかった? ねえ、今扱ったわよね?」
「そう思うんなら、霧になって近づいてくるのをやめた方がいいと思うよ」
「なあ、シロ。こいつなんなんだ?」
初対面の《守護戦士》が全力でこちらを警戒している
いやまあ、何もない空間から突然現れたら、警戒したくもなるわよね
「ああ、紹介するよ。こちらは《伯爵》。《暗殺者》で、《吸血鬼》」
「ルナよ。よろしく」
「で、こっちは直継。《守護戦士》」
「よろしくな、ルナ」
直継と呼ばれた《守護戦士》はこちらに手を伸ばしてきた
いやまあ、ただ握手を求めてきただけだけども
「それよりもちょっと二人に質問があるんだけど」
私はそれを無視して話を続けた
何か直継が凹んでいたように見えたが気のせいだと思っておく
「え? 《伯爵》が質問?」
「ふん、悪いかしら?」
ちょっと離れたところで直継は何かを考え込んでいた
《暗殺者》……《吸血鬼》……とつぶやいているところを見ると私のことを知っていたような気がしたのね、きっと
「それで? 質問って?」
「外観再決定ポーションって持っているかしら?」
…………売れるはずもないし、使ってもいないだろうから持っていると思うんだけど
「え? それなら持ってるけど……どうかしたの?」
シロエはそう言った
よし、これなら大丈夫ね
「シロエ、ちょっと私についてきて」
真剣な眼差しで私はそう言った
それを見て、シロエは何か大変な事情があると察したようで、
「何だか分からないけど分かった。直継、行こう」
とだけ言った
直継はそれを聞いて立ち上がり、言った
「女の子の頼みとあったら仕方ないな。シロはむっつりだし。あー、それとルナ。聞きたいことがあるんだが…………」
直継がこちらを向いて真面目な表情で言う
後ろでシロエが騒いでいたが気にしないで私は彼に言った
「目的地に向かいながらでいいかしら?」
「おう、一向に構わない祭りだぜ」
「じゃあ、行くわよ」
私は先に歩き始める
それに彼らはついてきている
街の隅に溜まって凹んでいる冒険者たちはその光景にとても驚いていた
「そろそろ聞いてもいいか?」
「いつでもどうぞ」
…………完全に僕は蚊帳の外だなあ………
シロエは一人ため息をつく
そんなシロエの前では自分の友人たちが話している
「ルナは、《神速の殺戮姫》だろ?」
《神速の殺戮姫》
それはルナの称号だ
僕たち、《放蕩者の茶会》同様、伝説として語られるソロプレイヤーで、いくつもの大規模戦闘に現れ、圧倒的な速さと攻撃力でモンスターを即座に殲滅していったため、ついた称号だ
「ええ、そうよ」
直継の質問にルナは素直に答えた
「やっぱりか。今も最前線にいるのか?」
直継はそう聞いた
その答えはノーだ
彼女は《放蕩者の茶会》が休止した後、戦場には大手ギルドが呼びかけない限り出てこなかった
その理由は分からない
「いいえ、ちょっとやることがあってね。最近はアキバの街に篭りきりよ」
彼女はシロエの予想通りに答えた
直継はまだ質問する
「そういや、シロエとはどこで知り合ったんだ?」
「それは《黒剣騎士団》から大規模戦闘の誘いがきた時ね」
シロエはその時のことを思い出していた
あの日、彼女は途轍もないことをしてしまった
夜、《黒剣騎士団》と《D.D.D》の二つのギルドが《闇に輝きし混沌の宝珠》という大規模戦闘に挑戦していた
シロエは《
今は湧き出てくる《狂信者》や《狂人》、《人喰い鼠》などの雑魚モンスターと戦っていた
「くそっ! きりがねえ!」
誰か叫ぶ
確かにきりがない
あちらこちらから襲ってくるモンスターはかなりレベルは高く、さらに数が多かった
……さっきもここで全滅したんだよね……
これで何十回目だろう
今までの大規模戦闘の中でここまで苦戦したものはなかった
その時だった
「……何度も何度も全滅に追い込んでくれやがりまして…………。ええ、もう我慢の限界ね。二度と外に出られないようにその身に恐怖を刻み込んでやりましょうか…………」
赤いドレス、蒼白い身体、黒い長い髪、その姿はとても美しいものだった
確かあれは《神速の殺戮姫》と呼ばれた伝説の《暗殺者》だったっけ
確か自分と同じパーティーにいたはずだ
「…………何だか怒っているようにも見えるんだけど……」
攻略が進まなくて苛立つプレイヤーは確かにたくさんいた
だからこそ攻略しないと気が済まないと皆思っていたのだ
しかし、彼女の怒りは何か違うように思える
それがなんなのかは分からない
そんな時彼女は動いた
「奥の手、《変化:化物》」
次の瞬間、月を背に立つ巨大なモンスターがいた
それは月に映える銀の毛並みを持ち、人間のように立っている狼だった
名前は《吸血鬼ルナ・ツェペシュ》
「な…………⁉」
突然のモンスターの乱入にみんなが騒ぎだす
しかし、そこは大規模戦闘慣れしている集団
すぐにそのモンスターを始末しようと三つのパーティーが向かった
「ゴギャァァァァァァァァァ!!」
そして三つのパーティーが全滅した
多くの《狂信者》や《狂人》などを巻き込む凶悪な拳はほぼ一撃でパーティーを粉砕したのだ
「な…………」
シロエはそのあり得ない攻撃力に驚いた
90レベルにもなる《守護戦士》が一撃で倒されるなんて聞いたことがない
そんなの《暗殺者》でも無理だ
いったいあのモンスター、いや、彼女は何をしたんだ
シロエは少し興味を持った。
少し離れたところにいた《D.D.D》のクラスティも《黒剣騎士団》のアイザックも、驚くことしかできなかった
「何なんだよ、あれ…………」
「…………真っ先に潰しといた方が良さそうですね」
《D.D.D》も《黒剣騎士団》もこの場は協力するしかない
あれはそれほどやばいと、本能が告げていた
皆が協力してモンスターを倒そうとすると、一人、また一人とプレイヤーが死んでいった
しかし、着実にHPを減らすことができていた
そして、数十分たったその時
「ゴガァァァァァァァァァァ!!」
モンスターが吠える
そして、月が紅く染まった
「な、なんだよ…………」
しかし、それだけでは済まなかった
「貴様ら、よくも我が信者たちをやってくれたな」
この大規模戦闘の本来の大規模戦闘ボス、《這い寄る混沌》が祠から出てきていた
「くっ……、まだいるのかよ……」
アイザックがこれはきついとばかりに言う
シロエも確かにこれはきついと思った
クラスティも諦めムードに突入していた
そして…………、《吸血鬼ルナ・ツェペシュ》からとどめの一撃をもらった
この後、《吸血鬼ルナ・ツェペシュ》は、何とかして大規模戦闘を終わらせたようだった
シロエは街のゲートで彼女を待っていた
理由は簡単、彼女が何をしたのかなどを聞くためである
そして彼女は戻ってきた
シロエは彼女に声を掛ける
「えーと、ルナさん?」
「私のことはルナでいいわよ、腹黒メガネ。さっきの戦闘について聞きたいのかしら?」
こうしてシロエは彼女から《変化:化物》の説明と自身のステータス補正について聞いたのであった
その後、クラスティさんやアイザックさんに手に入れたアイテムや金貨をすべて差し出してまで謝罪してたっけ…………
まあ、一部アイテムや金貨は報酬として返されたけれども
少々長い間、昔のことを思いすぎていたようだ
いつの間にか、前の二人の話は終わっていて、不思議そうにこちらを覗き込んでいた
「おい、シロ。大丈夫か?」
「何か老人のように遠くを見ていたけど…………」
自分はそんなに精神年齢が老けたのだろうか…………
「大丈夫だよ、ちょっと昔を思い出しただけで。そんなことより、伯爵。目的地にはまだつかないの?」
「いや、もうすぐよ。少しすればつくわ」
彼女はそういって一人先に歩いていった
「ついたわよ。ここは私のアジト。中に入って」
「…………伯爵、なんでビルを所有してるの?」
シロエは私にそう聞いてきた
その顔はとても驚いていた
その横で直継は声も出ないようだった
「え? 便利だからに決まってるじゃない」
この時、シロエたちは強く思った
(ルナはどうしてビルなんて個人所有してるんだろう…………)
そんな二人を尻目に私はアジトへ入っていった
はい、ここでお礼を。
りじゅさん、ログホラ寿司さん、助言、感想ありがとうございます。
まあ、感想の方で返信しましたが。
あとお気に入り登録してくださったみなさんもありがとうございます。
さて、次回はアカツキに《外観再決定ポーション》をあげてから戦闘訓練、PKとの戦いとなると思います。
ちょっと投稿遅くなるかもしれません。
でも気長に待っていてください。
感想、評価、批評、質問、助言など待っています。
それではまた次回!