遅くなると言いながら2週間くらいしかたっていない…………。
まあ、そんなことより本編へどうぞ。
中に入るとシロエたちは一人の青年に気づいた
「あれ、アカツキさん? 《伯爵》と知り合いだったの?」
コクリとアカツキはうなづく
「シロ、知り合いか?」
直継はシロエに聞く
それに対しシロエは答える
「うん、この人はアカツキさん。《暗殺者》のロールプレイヤー。腕はかなりいいよ」
そして、アカツキの方を向き、直継の紹介をした
「アカツキさん、これは直継。《守護戦士》。僕の古い知り合いでかなり頼りになる人。信用していいよ」
私にはあんなに簡潔に紹介してたわよね…………
「俺は直継。よろしくなっ! お前がオープンだろうとむっつりだろうと、俺はすべてのシモネタに付き合うぜっ」
初対面の人に対してそれはいくらなんでもアウトだと思うわ、直継…………
「そう言えば《伯爵》。何か《外観再決定ポーション》が欲しいって言ってたけど…………どうして?」
…………これは私が言ったらダメね。
「アカツキ、説明しなさい。私の口から言うのは間違いでしょう?」
「分かっている」
彼女も分かっていたようだ
「シロエ殿、《外観再決定ポーション》を売って欲しい」
細く頼りない声
それは男性ではあり得ない声と言うわけではない
しかし、その声の男性が《外観再決定ポーション》が欲しいと言ったら、それは一つの事実を表すことになる
「ア、ア、アカツキさん。も、もしかして…………」
あら、シロエは結論に辿り着いたようね
「女だったの?」
アカツキはコクリとうなづいた
「こりゃびっくりだわ」
直継も横で驚いていた
…………私、出る幕ない気がするわ
銀行の貸金庫にシロエが《外観再決定ポーション》を取ってまたここに戻ってきた
「はい、アカツキさん」
彼女はポーションをもらってホッとしていた
「少し待っていて欲しい」
そう言うとアカツキは倉庫の奥に消えていった
「シロエ、ありがとうね」
私は先にお礼を言っておく
「別いいよ、これくらい。今までは使い道のなかったアイテムだし」
シロエの言うことも確かである
でも…………きっとあの子は…………
「おーい、大丈夫かよー?」
直継は聞く
倉庫の奥から返答が返ってくる
「大丈夫だ、問題な…………うっ」
………………アカツキ、それ大丈夫じゃない、大問題よ
「アカツキ、どうしたのかしら?」
「このポーション、結構痛い」
………このままフラグ回収しなければいいんだけど
「そう言えばシロエ。あなたにお礼したいんだけど、何がいい? 私はあなたがいらないって言うならいいけど…………きっとアカツキはそれだけじゃ降りないわよ?」
「それは…………ちょっと大変そうです」
シロエははっきりと困っていた
そんな時、倉庫の中からゴキッとかボキッとかグシャッとかビリッとかどう考えても人体から出たらまずい音が聞こえてきた
…………あのポーション、あんなにやばいことしてたのね
正直、《大災害》前にやっていて正解だったわ
それと…………死亡フラグは回収しないわよね?
「ぐうっ…………。ううっ…………」
「おい、本当に大丈夫なのかよ」
「大丈夫だと思いましょう。死ぬなんて効果ないはずだもの。それと…………あなた達がいったら最悪ひどいことになるわよ、セクハラ的な意味で」
それは彼らもはっきりとわかっていたようで素直に彼らはうなづいた
「もう、大丈夫だ。―――感謝する」
少ししてアカツキは倉庫から出てきた
…………やっぱり身長も性別も現実に合わせたわね
本人は嫌だろうけども
アカツキの身長は150cm程度
大学生にしてはかなり小さい方で、同年齢のほとんどの人がアカツキをマスコット扱いしていたっけ…………
まあ、それも仕方ない話だと思うわ
小さくて顔も髪もきれいなこれぞ美少女って感じの子がいたら、マスコットになるか、いじめられるかの二択になることが多いもの
まあ、アカツキはどっちも嫌だろうけど、いじめられるよりはましよ
「うわっ。美少女だぜ。ホンモノだわ」
…………私は少女というのには老けていると言いたいのかしら、直継?
私の時は全くなかったわよね
自分で褒めてても意味はないけど、私はこれでも綺麗の部類にはいるのよ
髪ボサボサで常にパジャマに等しい姿してるけど、それさえなければいいのにって言われるのよ
コホン、少し見苦しいわね
そんな中直継がさらに口を開く
「駄目だな、お前」
なんだろう、とても嫌な予感しかしないんだけど…………
「さっきの言葉は訂正だ。お前はオープンスケベにもむっつりスケベにもなれない。なぜなら男じゃないからだ。お前はぱんつをはく側だ。身分を弁えろっ」
…………今すぐこいつを神殿送りにしたいんだけど
「シロエ殿。この人は頭がおかしいのか?」
アカツキもとても困っている
「頭がおかしいじゃなくて……えーっと。おかしな人なだけだよ?」
「なんでそうなるっ‼」
「黙りなさい、おかしな人。今すぐ神殿送りにされたくなければね」
もちろん冗談よ?
目が笑っていないように見えるのは気の所為よ
まあ、私のことを誤解している人にとっては最大の脅し文句だけどね
あ、黙った
「ちょっ、《伯爵》。落ち着いて」
「そ、そうだぞ、ルナ。いくらなんでもそれはやりすぎだ」
…………冗談通じないわね
シロエもアカツキも私を説得しようとしていた
そんなに冗談に見えないかしら?
「冗談よ、冗談。神殿送りにしたいのは確かだけど、そんなの今やる意味はないわよ。それに私がそんなことやるわけないじゃない。殴りはするけど」
「いや、どう見ても殺気が飛んでたんだが…………」
…………演技なんだけど、それ
そんな空気をアカツキは急いで変えた
「そ、そんなことよりシロエ殿。ポーション代はいくらはらえばよい? わたしの全財産でよいかな?」
やっぱりお礼をするわよね
観念なさい、シロエ
この子はこういうことには絶対に引かないわよ
少し後ろでニヤニヤと見ておきましょうか
私は少し離れた場所に行くと、一人の男がそれについてきた
直継だ
「…………何か用かしら?」
「いやな、お礼の話なんだが…………。あっちでも話をするつもりなんだが、しばらく俺たちと一緒に行動しないか?」
…………ふむ、つまりこれは…………
「あなたはナンパしにきたの?」
直継は少し困ったように返事をする
「いや、確かにやってることはナンパと一緒だけどもよ…………」
「認めちゃってるじゃない」
私は深くため息をついた
「言いたいことは分かるわ。確かに私もアカツキも女の子だし、ギルド勧誘戦争が激化してる中、一人で行動するのは危ないと言いたいのね?」
そんなことをスラスラと言う私を見て、直継はとても驚いていた
「お前、意外と頭いいのか?」
「意外とは余計よ」
これぐらいなら少し考えれば分かるわよ
まあ、そう考えると私はともかくアカツキは組んだ方がいいでしょうね
私はどうしようかしら?
少し考えてみる
第一に私を勧誘しようなんて言う愚か者はあまり過去のことを知らない馬鹿野郎だけ
私のことを知っている人はあまり勧誘したがらないはずよ
だから、私が得れる利権は何もないかしら?
逆に組んで損することは…………それもないわね
なら、信頼できる仲間が多い方がいいかしら?
というか、それが利点ね
なら、私の答えは決まったわ
「直継」
「なんだ?」
あら、答えは分かっているのかしら?
笑っているわよ
「私はあなたたちについていこうと思うわ。それとここも貸し出しましょう」
「そう言うと思ってたぜ」
直継はそう言うと、じゃああっちにも話つけてくると言って去った
…………私にしては上出来かしら?
またこれから忙しくなりそうだなあと思いつつ、私は水を飲んだ
次の日、私たちは戦闘訓練に出かけていた
アカツキはなんだかんだで彼らと一緒に行くことに決めたようだった
なんかシロエ殿を主君と仰ぎ、主君の忍びとして働くとかなんとか言っていたみたいだけど…………まあ、いいわ
そこに突っ込むのはいろいろと野暮ってものよね
フィールドにでてから少ししてモンスターは現れた
ふむ、《
レベルも低いしあまり脅威ではないわね
『俺らの縄張りに入ってくるとはいい度胸だな。お前らやるぞ!』
『『『おう‼‼』』』
何かしら?
今、私たち以外の声が聞こえたのだけど…………
ここで私はゲームの頃、ほとんど役立たずだった《吸血鬼》のスキルを思い出した
それは《異形との会話》
ゲームの頃は彼らの作戦が筒抜けだっただけの効果しかなかった
もしかして、これって…………
ちょっと後で調べないといけないわね…………
そのためにもこの戦闘をサクッと終わらせないと
レベル的には余裕なのだけど…………
「《変化:霧》」
私は姿を消し、《茨棘イタチ》に近づく
直継は壁役として敵の
アカツキはと言えば少し困っているのか、動きにぎこちなさがある
シロエはそんなアカツキを心配しているようだ
まあ、初戦闘なんて普通はこんなものよ
私は敵の背後から姿を現して、持っている刀でざくりといく
そして、すぐに霧になって消える
『兄貴、どうやら俺はここまでっす…………』
『『『ブライーーー‼』』』
まずは一体
…………やっぱり彼らの声ね
『おのれ、どこ行った、あの野郎‼』
…………あ、敵愾心が私に集まっちゃった
しかし、いないに等しい私に敵愾心を向けたところで何の意味はない
大きな隙になるだけだ
「おらっ‼」
直継が隙だらけの《茨棘イタチ》に一撃を叩き込む
同時にアカツキも別の一体に一撃を叩き込む
相当のレベル差があるため、茨棘イタチたちは一撃で倒れた
『やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ‼死にたくなぁぁぁぁい‼』
『助けてーーー‼誰かーーー‼』
人間とほとんど変わらない断末魔をあげる《茨棘イタチ》たち
…………嫌な気持ちになるわ
それも何も悪くない人間を殺してしまったような嫌な気持ち
それはとても良心を傷つけた
しかし、今は戦闘中
こんな風にボーッとしていたらやられるのが関の山である
最も姿が見えてればだけど
残りの《茨棘イタチ》は二体
私の出る幕ではなさそうね
アカツキと直継の一撃によって、二体の《茨棘イタチ》は倒れた
『うわあああああああ‼』
『ぎぃゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼』
断末魔がすごく耳に悪い
これはとても慣れそうにはないわね
でもこれからも私は戦闘することになる
…………どうにかできないかしらね?
「ちみっこ、初めてにしてはなかなかやるな」
「ちみっこ、言うな。バカ直継」
あっちでは意外にも直継とアカツキが話している
やっぱり直継は人付き合いが意外と得意ね
さてと、そんなことよりシロエに話をしないとね
「シロエ」
「ん? 《伯爵》? どうしたの?」
シロエはこちらをきちんと見てくれる
さてと…………
「質問があるわ。私は今回みたいに姿を隠していた方がいいかしら?」
「うーん、正直どっちの方がやりやすいの? 《伯爵》は」
シロエは質問を返してくる
いやまあ、確かに今回のだけじゃ判断はできないわよね
「…………私は姿を隠していた方が楽ね。連携は取れないけど」
私は自虐気味に笑う
私は最初から連携なんて取れない
一人勝手に突っ走るのが本当はやりやすい
そっちの方が連携を取れるし
むしろ連携を重視した時、私は連携を重視できなくなる
「じゃあそれでいいと思うよ? 僕は確かに状況判断したり、作戦だしたりするけど、それが絶対最善の手だって訳でもないしさ」
私の自虐気味の笑みにあわせてなのか、シロエも自虐気味に笑った
全くこの《腹黒メガネ》は………………最善の手ではないとか、絶対に嘘言ってるでしょ?
まあ、私はそれも確かだと思うけどね
さてと、そんなことより
「シロエ、もう一つ」
「何?」
私は先ほどまでの表情とは一挙変わって真剣な顔になる
この願いはちょっとシロエに悪いわね…………
「シロエ、私は戦闘訓練を一人でやらせてもらうわ」
「どうして? いや、無理に止めはしないけど」
シロエが不思議そうな顔をする
「今は公にしない方がいいと思うことなんだけどね…………」
私はシロエに耳打ちをする
「使えなかった特技とか、ゲームの頃とは違う使い方ができるかもしれないわ」
シロエの顔も私と同じく真剣になる
「もしかしてそれを試しに?」
「ええ」
「………………分かった。これはみんなには内緒かな」
「そうしてくれると助かるわ。じゃあ」
こうして私は一人単独行動を始めた
アカツキや直継の焦ったような声が聞こえたが、多分シロエが何とかしてくれるだろう
…………頼りにしているわよ、《茶会の参謀》さん…………
私は森の中を蝙蝠の状態で飛び回っていた
この疾走感はとても心地よいわね
私の気分はとても良かった
だからと言って目的のものを見逃さないようにしっかりと目を凝らす
まあ、蝙蝠は超音波で周りを把握しているからそっちが正しいんだけども
少しして前の方向に《
一匹は頭に骨を被っている
あれは《
他はただの《緑小鬼》と………
…………彼らで成功するなら、他のモンスターでもほぼ成功できるわね
私は彼らに目標を定めた
『そこの貴方たち?』
『だ、誰だ⁉』
《緑小鬼》たちは驚き戸惑っている!
ふふふ、第一段階は成功みたいね
次行きましょう
『ふふふ、姿を現してあげましょう』
そう言って私は《変化:蝙蝠》を解く
『なっ⁉ 冒険者⁉』
『ええい‼ こ、殺すぞ‼』
《緑小鬼》たちは武器を構え、私に襲いかかろうとしている
冒険者って、《緑小鬼》の間でも言われているのね
まあ、そんなことより攻撃をやめさせましょう
『ねえ、貴方たち?私に勝てるとでも?』
『うるせえ‼ぶっ殺…………』
血走った《緑小鬼》が攻撃をしてこようとする
しかし、それは途中で止められてしまった
『待て、アル。この冒険者の言うことは確かだ。私たちは勝てない』
《緑小鬼の呪術師》がアルをなだめる
話が通じそうな《緑小鬼》がいて助かったわ
『しかし、珍しいな。我々を倒しにきたわけではなく、話をしに来るものとは』
いろいろと私の考え読まれてるわね、これ
まあ、いざとなったら殺…………いえ、何でもないわ
『あら、よく分かったわね? その通り、私は貴方たちに話をしにきたのよ』
『けっ、人間なんぞ信用できるかよ』
アル、貴方の反応は普通よ
そして、《緑小鬼の呪術師》、貴方は…………
『待て、確かに冒険者だが、人間ではないぞ。彼女は我々と同じ亜人種だ』
……とっても鋭いわね
後腐れないように補足はしておこうかしら?
『…………ごめんだけど、私は人間にもなれるわ。この状態でも人とは話せるし』
《緑小鬼の呪術師》はとても関心を持ってくれたようだ
『ほう、それは興味深いな。おっと、自己紹介がまだだったな。さっきから君に突っかかっているのはアル、そこの無口なのがファー、そして、私がコンだ』
…………これは丁寧にどうも
『私たちは群れとわかれて旅をしていてね。あまり無益な戦闘は避けたいんだ』
…………好戦的じゃない《緑小鬼》って気持ち悪いわね
…………さらに群れから外れてるって……さすが異常者ね
『まあ、別段私は困らないけどね。で? 君は私たちに話をしにきたんだろう?』
コンは私に聞く
さてときちんと言わないとね
『ええ、単刀直入に言うわ』
そして、私は真剣な眼差しで訴える
『私に力を貸してくれないかしら?』
はい、予定通りにはいきませんでした。
次回こそPK戦かな?
しかし、サブタイトルどうなるかな…………。
今は他の作品のタイトルを変えて使ってますけど、多分ネタ切れしてタイトルを考えることになりそうですw
感想、指摘、誤字報告などいろいろ待っています。