神速の殺戮姫は太陽を嫌う   作:クトゥルフ

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はい、どうも太古の海神クトゥルフです。
文字数結局4000程度。
5000を目指してはいるんですけどねえ。
今日で自宅学習期間も終わるので多分またペースは落ちると思います。
さてとそんなことより本編をどうぞ。


神速の殺戮姫がさらに加速したようです

月明かりが照らす森の中を数匹の《茨棘イタチ》に囲まれて青白く神秘的に光る紅いドレスを纏った女性が進んで行く

まあ、いつものごとく、私なんだけども

しかし、お礼って何されるのかしら?

お礼参りなら考えなしに殲滅で済むけど、それ意外だとどうすればいいのか分からないわね

あ、そうだ

『ねえ、お礼って言っていたけど何をするの?』

私を案内している《茨棘イタチ》の一匹に私はそう聞いた

『はい、我々の秘宝やお金などをお礼として差し出します』

その子は元気に答えてくれた。

…………嘘ではなさそうね

しかし、物か…………

まあ、それくらいしかできないのかもね、《茨棘イタチ》だし

期待はしない方がいいわね

《茨棘イタチ》がそんなすごいお宝なんて持ってないだろうし

まあ、困りはしないけど

今は人の姿をとっているけども、モンスターが周りを囲んでいるからか襲われることはない

そうこうしているうちに一番先頭を進んでいた《茨棘イタチ》は立ち止まる

うん、だいたい分かるわ

目的地についたか、最悪なものに出会ったかのどちらかよね?

今回はどちらかしら?

『や、やばいよ!! 見つかった!!』

『逃げなきゃ!』

『逃げないで! 戦わないと!』

彼らの言葉を聞くに後者ね

『くくく、うまそうな《茨棘イタチ》どもだ。そこの亜人も美味しそうだ』

そいつは先頭の《茨棘イタチ》を蹴散らし、こちらへと歩みを進めた

それは《魔狂狼(ダイアウルフ)》に似ていた

しかし、《魔狂狼》とはどうみても違う点があった

それは顔が三つあったのだ

《魔狂狼》の特異個体、《暴食の狂狼》

そう、それこそがこの辺りで稀に見る隠しボスである

そいつに会うなんて運がないわね、この子たち

『貴方たち、今すぐ逃げなさい! 死ぬわよ!』

私は《茨棘イタチ》たちにはっきりという

そして、一匹以外《茨棘イタチ》は逃げ出していった

まあ、逃げたというよりは隠れたんだけどね

『くくく、貴様らがまず贄になるか、そうか、そうか』

《暴食の狂狼》は私たちを見てほくそ笑む

『大丈夫だ、すぐに逃げたものも後を追わせるからな』

そして、《暴食の狂狼》は飛びかかってきた

その巨体には見合わぬスピードで

私に向かって爪を振り下ろす

しかしながら、その爪はわたしに当たることはなかった

『ふむ、逃げたか。まあ、匂いを辿れば良いな』

そして、《暴食の狂狼》は匂いを辿るために地面に鼻を近づけた

 

その頃、私たちは森の中に隠れていた

《暴食の狂狼》は私一人で倒したことはあるから、倒せないことはない

しかし、今回は少しだけ事情が違う

『ねえ、貴方? なんで逃げないのかしら?』

そう、一匹残っていた《茨棘イタチ》だ

その子を守ってとなると話は違う

ヒットアンドアウェイを中心とする私の戦い方では守ることができないのだ

だからこそ、この子が邪魔になる

『私は強くなりたいんです! だからこそ戦わないといけないんです!』

『ふーん、そういうことね? その心意気は認めてあげるわ。でも、今の貴方が足手まといになることも気づいているでしょう?』

これは少し厳しいことをいうことになるわね…………

『それは……………、でも、私は強くなりたいんです!』

『それは分かってるの。だからこそよ。勇敢と無謀をはき違えないで。今の貴方はあれと戦ったら確実に死ぬわよ?』

『くっ…………分かりました』

悔しそうに彼女はそう言った

これはちょっとやり過ぎたわね

『分かればいいわよ。とりあえずここから私の戦闘でも見てればいいわよ。参考にできるところはないだろうけども』

そう言って私は森の中から出て行った

目前の《暴食の狂狼》を何とかしてから、あの子を何とかしてやらないとね…………

 

『ふむ、戻ってきたか。死に急ぐとは愚かだな』

《暴食の狂狼》は二つの首でニヤリと笑う

『まずは一つね?』

《暴食の狂狼》と同じように私もニヤリと笑う

足元には一つの首が転がっていた

『き、貴様!? な、何をした!?』

ふふ、余裕がないことに今更気づいたようね?

『夜の王たる《吸血鬼》に喧嘩を売るなんて貴方は死にたいのね? 襲うなら、本当に弱そうなのだけを狙いなさい』

その間にもナイフでもう一つの首を切り裂く

『ぐ、グガァァァァァァ!!』

《暴食の狂狼》は苦しそうに呻く

ここまで攻撃をされて、一方的にやられたら攻撃を始めるでしょうね?

『うう、貴様ぁ!!』

《暴食の狂狼》はやはり爪を振り下ろし攻撃をしてきた

『ふん、遅いわよ』

爪が振り下ろされた場所に私はいなかった

『どこへいった!!』

『背中よ、背中』

そして彼は私を振り下ろそうと暴れようとする

ふん、その程度で振り落とされるほどヤワじゃないわ

私は背中に乗ったまま、彼の最後の首を切り落とす

『うぐああああ!!』

『これで終わりね』

私はそう言って彼の背から降り、ナイフをしまう

さてと…………

私は隅っこで呆然としている彼女に声をかける

『お礼をしたいんでしょう? 案内して頂戴』

『は、はい!!』

彼女の目に希望の光が宿っていたのは見なかったことにしておきましょうかね

そして、彼女は私をお礼の会場もとい宴会会場(《茨棘イタチ》たちの《茨棘イタチ》たちによる《茨棘イタチ》たちのための)に案内してくれた

 

うん、一つ聞きたいことがあるのよ?

 

どうしてこうなった…………

 

 

 

『はい、着きました!私たちの住処です』

そこは広い洞窟だった

ゲームの頃、こんな洞窟あったかしら?

『えーと、あそこですね。もうすでに宴会が始まっていますが』

『そう、分かったわ。じゃあ行きましょう』

宴会会場、いや、イタチがただ何かのお肉や何かの植物を食べて、水を飲んでいるだけだけれども、その会場に入るととても歓迎されているようで

『おっ、俺らを救ってくれた亜人の姉ちゃんだ!』

『亜人の食習慣は分からねえけど俺らの精一杯のご馳走を楽しんでいってくれよ!』

『そうそう、無礼講ってやつだ!』

たくさん話しかけられたわ

人間も《茨棘イタチ》も大差ないわね

さてと、とりあえずこの宴会の主役であることは変わらないし、とりあえずここにいましょうかね

そうやって宴の中心から離れたところに私が座っていると、そこに先ほどの《茨棘イタチ》が話しかけてきた

『あの、ルナさん』

『何かしら?』

正直、何を言いにきたのかは分かっている

『私を強くしてください』

予想通りだ

この子は勇気を持っているのは確かだ

今のままでは無謀とも呼べる勇気だけども

この願いを聞き入れて問題なのはどうしたら強くできるか分からないこと、私の戦い方とは違う戦い方を教えなきゃいけないことの二つだ

まとめてしまえば《茨棘イタチ》の育て方なんて知らないの一点張りなわけだけども。

しかし、まあ、受けないのは可哀想なのよね

どうしようかしら?

私が悩んでいるとやっぱり断られると思ったのか、彼女は悲しそうな表情をした

うーん、仕方ないわね

『まだ断るとは言ってないわよ。鍛えてあげてもいいんだけどね?問題が幾つかあってね』

そう言うと彼女は明るくなった

分かりやすいわね、この子

『何が問題なんですか?』

『私にも都合があること、貴方の都合、貴方と私じゃ戦闘スタイルが大幅に違うことの二つかしら。前者は多分何とかできるんだろうけど、後者は貴方が何とかしなければいけない問題ね。手助けはできるけどね?』

後は彼女次第ね

さてと、どうするかしら?

『私はいつも暇なんで大丈夫です! それに強くなれるかは自分次第だってことも分かっています!』

『そう、分かってるのね。じゃあ、ちょっと待って』

私は《従者の鈴》を取り出して彼女の首回りにつける

『これで都合の問題も大丈夫ね。さてと、これからよろしくね。えーと貴方の名前は?』

『えーと、サンです。これからよろしくお願いします』

サンね

月と太陽ね

すごいワザと感があるんだけど気のせいかしら?

『分かったわ。よろしくね、サン』

こうして私はサンを強くするために特訓することになった

 

特に私が参加することなく進んだ《茨棘イタチ》たちの宴会はついにクライマックスに突入した

クライマックス、《茨棘イタチ》たちがお金とお宝を私にお礼としてくれる、そのための式みたいな物らしい

…………お金も道具も別に困ってはいないんだけどね

それに《茨棘イタチ》のお宝だから、あまり期待はしていないんだけど

まあ、それでも好意は受け取らないと相手に悪い

『それでは我々からのほんのお礼の気持ちです。我々の秘宝、《流星の小太刀》とほんのわずかなお金です。どうかお受け取りください』

かなり高齢であろう《茨棘イタチ》がそう言うと、私は驚愕を隠せずにそのまま声に出してしまった

『え…………!? なんでそれが…………!?』

《流星の小太刀》

癖のある秘宝級武器で素早さを四倍にするくらいしか効果はない

しかし、私みたいにヒットアンドアウェイをするならそれはとても良い武器になる

本来なら大規模戦闘で手にはいる物なんだけど、まさか《茨棘イタチ》たちが持っているとは…………

『どうかしましたかな?』

不思議そうにこちらを見てくる長老と思われる《茨棘イタチ》に『何でもないわ。ありがたく頂戴します』と言って、宴会はついに終わり、私はやっと《茨棘イタチ》から解放された

すでに朝日が差し込んできていて夜は終わっていた

………………さてと、急いで帰りましょうか

私は新しく手に入れた武器を装備して、そのままコウモリになり、全速力でアキバの街に戻った

 

アキバに帰ると、アカツキたちに朝帰りをひどく怒られてしまった

…………うん、今回は仕方ないわね

 




はい、《茨棘イタチ》のサンがルナの弟子になりました。
そしてルナの素早さがさらに上がりました。
サラマンダーよりはやーい。

そんなことより次回予告ですね。
間違いなくススキノに行きます。

それではまた次回。
感想や評価などお待ちしております。
あと、アンケートを活動報告の方でしておりますのでそちらもどうぞ。
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