PMCグリフィン&クルーガー本社、其処は鉄血と人類の
「ヘリアン、AR小隊の帰還はまだなのか?」
人間の、白髪混じりの男だ、それなりに歳を重ねているだろうがその肉体は鍛え上げられ、微塵の衰えを感じさせず、歴戦の雰囲気を漂わせている。
「はい、間も無くヘリで帰還するとのことです、クルーガー社長。」
ヘリアンと呼ばれた女性、銀色の長髪、モノクルを付けた、赤い制服を着ている。
「そうか…しかし別の世界の人間とは、未だに信じられんな。」
クルーガー…本名をベレゾヴィッチ・クルーガー、グリフィン&クルーガー(以降G&K)の創設者にして戦術人形の運用を確立し、G&Kを世界最大手まで成長させた男は顎髭に手を当てて考え込む、長年生きてきたがこのような事態は遭遇したことなど無い。
「失礼、クルーガー社長、404小隊から機密通信が、どうやら此方も異世界の人間と遭遇したようです。」
追い打ちをかけるようなヘリアンの言葉にクルーガーは静かに頭を抱えた。
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イーグル、AR小隊side
『間も無くG&K本社に到着します。』
クルーガー達が頭を抱えている頃、AR小隊とイーグルを乗せたヘリは順調に飛行を続けていた。
「ねーねーイーグル。」
「なんだ、あー…SOPMODⅡ?」
長時間の移動で退屈になったSOPMODがイーグルへ声を掛けた。
「SOPで良いよ!あのね、イーグルの世界って本当に鉄血とかわたし達みたいな戦術人形とか居なかったの?」
「あぁ、そもそも戦術人形の様な高度なAIを搭載したアンドロイド自体架空の物のような扱いだったからな、どうやらこの世界は俺の居た世界よりも大分技術が発達しているらしい。」
イーグルの言葉にSOPMODはそっかーと返しながら自分の席に座り直す。
「しかし手錠も何も無しとは些か無用心じゃないのか?装備も預かりになったのは銃くらいだろう?」
イーグルは両手を広げてみせる、その手に嵌めているのはアンブレラの開発したタクティカルグローブ、耐刃、耐衝に優れたケブラー繊維を使用し、ナックルガードはカーボンテックファイバーでコーティングされていて、殴るだけでも相手にダメージを与えることができる、某BSAAのエースはそれでモールデッドを殴り飛ばしていたが…。
「抵抗する気などこの状況で起きますか?」
AR15がその手に持つARをちらつかせる。
「ジョークだ、流石にARを持っていては敵わないからな。」
ニヤリと笑うイーグルに対し、AR15も笑みを浮かべる。最初は警戒していたAR15もSOPMODⅡへのイーグルの対応を見てて少しずつではあるが警戒を解いていた、メンバーの中で一番幼い性格であると同時に悪意などにはかなり敏感なSOPMODⅡが懐いているところをみると悪い人ではないとわかっているからだ。
「しかし随分と重装備なんだな、イーグルはどんな部隊に所属していたんだ?」
M16がイーグルの横に置かれたマスクを持ちながら問う。
「ふむ…簡単に言うならば、君達の言う…E.L.I.Dだったか?それと似たような奴らの鎮圧を主にしていた部隊だな。」
「なんと、それならその重装備も納得です。」
「まぁ、詳しくは君たちの本拠地についてからだ、そこで包み隠さず説明する。」
M4が感嘆の声を漏らすと同時にG&Kの本社が見え、全員が降りる準備を始めた。
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ファルコン、404小隊side
「ねー、ファルコン、どうしたらあんな動きができるの?人形の私達から見てもあそこまでの動きとかAIMは難しいと思うけど?」
「何、長いこと銃を握ってきたからな、それにあれくらいできなくては生き残れないような状況ばかりだったから自然と身についた。」
同じくG&K本社に向け飛行するもう一機のヘリの中で9がファルコンに問う、心なしか少し距離が近い気もするが…。
「こら9、あまり近すぎも良くないわよ。全く…寝坊助に至ってはファルコンの膝で寝てるし…。」
ジロッと睨む416の視線の先ではファルコンの太腿に後頭部を乗せ、アイマスクをつけながら寝息を立てているG11が居た、本人曰く「ファルコンの服の触感が枕にピッタリ」とのことらしい。
「悪いわね、ファルコン、ウチのG11が迷惑をかけて。」
45の謝罪の言葉にファルコンは軽く手を振り。
「別に構わないさ、まだ子供の頃、いつも年下の奴等にはこうやってたからな。」
G11のほっぺたを軽く指でつつきながらファルコンは笑みを浮かべる、そこに下心は全くなく、慈しむような笑みにバラクラバを外したファルコンのどこか儚げな印象の素顔も相まって、近くにいた9はもちろんのこと45と416の2人も軽くドキッとしてしまった。
「ほ、ほら!本社が見えてきたわよ!全員降りる準備をして!」
「え、ええ!ほら寝坊助!起きろ!」
「痛い!うぅ…わかったからそんな強く叩かないでよ…。」
どこかグダグタし始めた404小隊の面々にファルコンは疑問を浮かべる。そんなファルコンに9が小声で囁いた。
「ファルコン…すごいね、45姉をあんなに取り乱せられるなんて。」
「待て待て、なんで俺の脇腹を抓るんだ。」
「さぁ〜なんでだろうね〜?」
そんなやりとりの中5人を乗せたヘリもG&K本社に到着した。
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NO side
G&K屋上ヘリポート、現在そこは途轍も無く険悪な雰囲気が立ち込めていた。
「いきなり随分なご挨拶だな?BSAAはいつからサイコパス集団に成り果てた?」
自身に向けられたナイフをグローブで受け止めながらイーグルはマスク越しにファルコンを睨む。
「黙れ…!この世界でもアンブレラが存在しているということは又惨劇を繰り返すつもりだろう!その傘が何よりの証明だ!」
始まりはAR小隊と404小隊にとって見慣れた光景からだった、416がM16に突っ掛かり、それを諫めようとしたファルコンがイーグルの右肩に縫い付けられたワッペンを見た瞬間、ナイフを抜き放ち、イーグルに襲い掛かったのだ。
「お前の言うアンブレラが俺の知ってるアンブレラならもう
「何を世迷言を…!傘の色を変えたくらいでお前達が犯した罪は無くならないぞ…俺のようやくできた家族を奪ったあの時のように…!」
ファルコンの慟哭にイーグルも共鳴するかのようにマスクを取り、声を荒げた。
「家族を奪われた…か、それは此方も同じだ!俺達、新生アンブレラはその贖罪の為に戦っている!俺は旧アンブレラの人間だが、俺が旧アンブレラの犯した罪を知った時はその罪を償おうとする者は俺も含め沢山居た!俺も目の前で両親や仲間が食い殺された!テメェだけが苦しみを背負っている訳じゃないんだぞ!」
益々ヒートアップする2人に先程までM16に突っ掛かっていた416もその怒気に思わず身がすくみ、慌てて止めようとしたM16はイーグルの言葉に思わず声が詰まってしまった。
「随分と騒がしいが何かあったのかね?」
消して大きくはない、しかし威厳のある声が響く、AR、404両小隊が声のした方向を見るとそこにはクルーガーがヘリアンと共に此方に歩いてくるところだった。
「ふむ…」
クルーガーは一息つくと最早インファイトにまで発展し始めたイーグルとファルコンを見やる。
「そこまでにしておけ、これ以上この場を騒がすなら此方も考えがあるぞ?」
クルーガーは警告するが冷静さを失った2人は聞く耳を持たず、クルーガーへ
怒鳴り返す。
「「関係ない奴が口を挟むな!」」
イーグルは右ストレート、ファルコンは左フックをクルーガーへ繰り出す…が
「ふん、こそばゆいな。」
「「!?」」
なんとクルーガーは身動ぎ1つせず、2人のパンチをその身に受け止めたのだ、信じがたい光景に2人は一気に熱が冷め、冷静さを取り戻した。
「さて、落ち着いたかな?」
苦悶の声も上げず、クルーガーは2人を諭す。
「ッ…申し訳ありません、関係ない貴方に手を出してしまって…」
「此方もです、増してや助けて頂いた貴方達に迷惑を掛けてしまいました…」
2人は深く頭を下げ、クルーガーは頷くとヘリアンに目配せをし、この場は任せて欲しいと伝えた。
「畏まりました、AR小隊、404小隊は各員補給を済ませ、今回の件を纏めるよう、後に改めて今後の指示を出す、それまでは各員待機するように。」
クルーガーとヘリアンの雰囲気を察してかAR小隊、404小隊の面々は敬礼をするとそれぞれの宿舎へと向かった。
「さて、事情を説明して貰えるかな?異世界からの客人?」
クルーガーの言葉に2人は大きく頷いた。
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No side
「成る程、バイオテロにBSAA、それにアンブレラ社…すまないな、どれも聞いた事がないし過去のどの文面にも記録がない。」
場所をグリフィン本社、クルーガーのオフィスに移し、イーグル、ファルコン、クルーガーの3人は早速お互いの状況を話し合っていた。
「此方はまず2060年の地球がこの様な惨状になってるのが信じられません…それに1905年のコーラップス…この様な代物はどの国からも見つかってはいません。」
デスクの上に置かれた資料の中の年表を見ながらイーグルが声を出す、そしてファルコンはイーグルへ声をかけた。
「イーグル、お前の言うことを聞いているとどこか俺とも食い違いが無いか?」
「…嫌な予感がしなくも無いんだが、ファルコン、お前が死んだのは何年の何月何日だ?」
面倒な事になると確信しながらイーグルはファルコンへ尋ねる、クルーガーも顎に手を当てながら聞く。
「西暦2013年、6月30日だ、場所もはっきり覚えている、中国、ターチィだ。」
ファルコンの言葉にイーグルはC-Virusのあの事件か…と小さく呟き、口を開いた。
「ファルコン、俺は2017年12月14日に死んだ筈なんだ、そして此処からが肝心だ、俺はクリス・レッドフィールドにも会った事がある、そしてレッドフィールドからはお前の様な存在は聞いた事が無い、しかしC-Virusのあの事件は起きている、そうなると…」
イーグルの説明に被せるように話を聞いていたクルーガーが口を開いた。
「パラレルワールド…平行世界か?」
クルーガーの確信した意見に二人も同意する、その見解が一番辻褄が合うからだ。そしてクルーガーは2人にある話を持ちかける。
「ふむ、二人は実戦経験は有るな?」
クルーガーの言葉に二人は勿論有ると答える。そしてクルーガーの口から出た言葉は…
「我がG&Kの戦術人形、及び新任指揮官の練度向上、そして戦術人形を率いる指揮官として鉄血と戦っては貰えないだろうか?」
なんとクルーガーが頭を下げ、2人に戦術人形を率いる指揮官、並びに教官になって欲しいと頼み込んだ。
「…身元もハッキリしない、それも初対面で殴り掛かった怪しい人間2人にその様な事を頼むとは思いませんでした…」
「何か理由でも有るのですか?クルーガー社長。」
2人は当然訝しむ、いきなり指揮官になって欲しいなどと普通ならばあり得ない事だ。
「現在、我が社に所属している指揮官は実戦経験が十分な者は少なく、殆どが民間人上がりの者が多いのだ、故に着任して早い段階で殉職してしまう指揮官も少なからず居るのだ、少しでも犠牲を減らす為にも是非君たちに指揮官になって欲しい。」
クルーガーの言葉に2人は迷わず返答を返す。
「「此方こそ、助けて頂いた恩もあります、その件、受けさせて下さい。」」
「…ありがとう、君達のG&K指揮官就任を心より歓迎する。」
2人は敬礼をしクルーガーと固く握手を交わした。
短い上に話が飛んでる気がします…文才が無いのが悔しいです…相変わらず不定期な上、仕事が繁忙期の為またかなり期間が空く可能性がありますが、失踪だけは絶対しないので寛大な心で待ってて頂けたらと思います。