殿がだんじょんなどに行くのは間違っておりますぞ!   作:志葉親子を見守る天井

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個人的に折神はキョウリュウ折神とウシ折神が好きです。
伸びて自らの意思で蹂躙したりとかロマンじゃん?
肩キャノンとかガトリング二丁拳銃(拳銃ではない)とか大火力とかロマンじゃん?
何が言いたいかというとキョウリュウサムライハオーはロマンの塊って事ですよ、ええ。
因みにダンまちではベル君・アイズさん・レフィーヤさんの三人組が大好き。レフィーヤさんの概念的二股をすこっていけっ。

え、あのちょ、待ってベートさん許し───


第二幕 邂逅(かいこう)神一族(かみのいちぞく ) 其ノ壱

「神と話し合いの場を持つ事になった」

 

『······え?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は数時間ほど前まで遡る。

 

(なるほど、確かに黒子達の報告通りだな)

 

傍らに黒子を連れた丈留は街を見渡しながら、改めて謎の世界に飛ばされたと痛感した。そして一度だけ千明に借りたアールピージーの様だ、とも。

 

獣耳や尖った耳が生えていたり、頭と身体の大きさのバランスがおかしい者達。

 

見た事もないにも関わらず、何故か解読出来る謎の言語。

 

所々ですれ違う武人達。

 

そして、見た目はほぼ人間と変わらない───異様な気配を放つ者達。

恐らくはこの者達が神なのだろうと、外道衆(人外)を相手に戦い続けた丈留の勘が告げていた。

 

(しかし、どうしたものか)

 

本来ならば神なる者に片っ端から話し掛けて然るべきなのだろうが、丈留の場合はそう簡単にはいかなかった。

 

触らぬ神に祟りなし。

日本に限った話ではないが、古来より神というものは気まぐれであり、下手に関わると何をされるのか分かったものではない。

かつての自分ならば兎も角(昔でもそうだったが)、今は志葉家を背負う当主の身。そんな自分が自らの不注意でその身を滅ぼす訳にはいかないのだ。

 

そして何より丈留は人見知りなのだ。要は先程までのは言い訳である。どうしたものかじゃねぇしっかりしてくれ十九代目。

 

そんなこんなで二十分程歩いて、そろそろ身体がこの世界の日常(異常)に慣れ始めた頃、腹が空腹を訴え始めた。そういえば朝食どころではなかったと思い返すと、黒子は懐を(まさぐ)り、資金(銅貨)の入った小さな麻袋を取り出した。

 

あくまで黒子達が集めたのはこの世界の実態だけ。元の世界に戻るまでここで活動する為の最大の課題、食についてはまだ調べがついていなかったのだ。

 

何処か食事処は無いものかと見回すも、運悪くも周りは酒場ばかり。この時間帯でさえ酒臭さ・胃酸臭さが月曜の駅前の居酒屋通り並なのだ、夜の事を想像するだに恐ろしい。

 

酒場の通りに気付かなかった黒子は申し訳ないと頭を何度も下げるが「いい、気にするな」と声をかける。

 

丈留もこの臭いに思う所があるどころか一言二言物申したい気分ではあったが、侍として、そして当主としてだけの教育を受けてこなかったという経緯もあり新鮮にも感じていたのだ。

 

と言っても腹は減っているので食事処にでも行こうと酒場地域から出ようしてふとあるものが目に止まった。

こじんまりとした酒場、その入口のすぐ側の席で突っ伏している男女。

片やかつて彦馬が言っていた"ゔぁいきんぐ"の様な身なりをした筋骨隆々な───黒子曰く『どわーふ』という種族らしい───男。

片や赤いポニーテールの目立つ、スポーティーな恰好をした歳若そうな女性。

 

そういえば旅行の話が出た時に日本は他国と比べ治安が良い事で有名だと聞いたが、流石に朝っぱらから寝ていたら流石に財布を盗られるのではないか。

 

丈留はいびきをかいている二人に歩み寄るとそっと肩を揺すった。

 

「おい、起きろ。こんな所で寝るな」

 

「ゔ、んん······?」

 

「ゴガァア···ぐご?」

 

しばらくすると目が覚めたらしく、頭を抑えながら丈留の方へと顔を向ける。

 

「······どうしたんジブン?ウチになんか用か?」

 

「え、ああいや、こんな所で寝てたから色々心配になってな」

 

「寝て······あぁせや、ガレスと呑み比べしてたんやったわ」

 

「それで随分飲んでたみたいだが、ちゃんと払えるんだろうな?」

 

「あっはは!なんで君がそんな事気にするん?変わった子やな!それにお金ならこの通······」

 

問いただした丈留に対してドヤ顔を決め、机を撫でる女性。しかしその速度は少しづつ上がっていき、比例するように顔が青ざめていく。

 

「が、ががががガレス!財布!あと起きぃ!」

 

急に慌ただしくなった女性は前の席で二度寝を決めだした男を叩き起す。

 

「ぬぅ、一体どうしたロ」

 

「ええから!財布!」

 

「いや呑み比べはワシの勝ち······あ」

 

ガレスと呼ばれた男は緩慢な動きで懐を探るも、直後に硬直し顔から一切の感情が消え失せた。

 

「───アカン、終わったわ」

 

「心配するなロキ、ワシも共に逝こう」

 

「いや逝くなら一人でな?」

 

「ワシに死ねと?」

 

「へーきへーき!『重傑(エルガルム)』なら余裕やって!」

 

「そんな訳なかろうが」

 

「あのーお客様、そろそろ寝るお会計をお取りしたいのですが······」

 

「「あっ」」

 

起こした丈留そっちのけで醜く言い争う二人にそこへ話しかけてくる店員。控えめに言ってしょーもない景色である。

それを見かねた丈留は黒子を傍に呼び寄せる。

そして店員と二人の間に割り込んで、

 

「コレで足りるか」

 

「「!?」」

 

麻袋を机に置いた。

何となく察していたのだろう、黒子はしょうがない人だ、と頭を振り肩を竦める。やれやれ系主人公かな?

 

「少々お待ち下さい、ひぃふぅみぃよぉいつむぅななやぁ······はい、確かにちょうどお預かり致しました」

 

「え、ええんか!?」

 

「すまん助かった!この借りはいつか、いつか必ずッ!」

 

「あ、あぁ······大変だな」

 

いきなり現れた謎の男(イケメン)に縋るようにしてしがみつく二人。その勢いに殿様も引き気味である。

 

「ホンに、ホンにありがと────うぷ」

 

「お、おい頼むからよしてく」

 

「危うくワシも死ぬところじゃオロロロロロロロロロロ

 

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああぁぁぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで謝罪とその他諸々の為に『ぎるど』とやらの会談用の部屋で話し合う事になった、と」

 

「丈留、人助けもそうだが······」

 

「······色々とお疲れ様です、殿」

 

「······ああ」

 

(((ダメだ、ゲ○のせいで完全に萎えてしまっている···)))

 

悲しい悲しい事件によって食欲を大幅に削られた丈留は帰って早々風呂に浸かり、他の者に少し遅れて茶漬けを何とかか掻き込み、今回の成果を報告していた。

 

「しかし黒子たち達に金の単位を調べさせ十万円相当は持たせた筈がまさか全てなくなるとは、余程の量か高い酒だったらしいですな。大の大人が全く羨まし、いやけしからーん!」

 

「まぁそれは一旦置いておく(忘れる)として、偶然とはいえこの地における有力組織と何らかを持つ事が出来たのは大きな収穫だ」

 

「ええ、調べによればこの『ろき・ふぁみりあ』とやらはこの地においての二大勢力。あちらへの戻り方が分からぬ以上、この機会をものに出来れば確実に大きな助けになる事でしょう」

 

「あぁ、なのでなるべく早めに話し合いたいが、流石に今日にでもというの無理だろうな」

 

「だがこちらとしても一週間も待つ訳にもいかぬし、明後日位が妥当だろうか」

 

「では取り敢えず開催は明後日、時間は向こうから指定してもらうというのはいかがでしょう」

 

「ああ、その位が丁度いいかもな」

 

話が一旦終わるや否や、いつの間にかひかえていた黒子達が机や和紙を目の前に用意し始めた。

丈留は黒子達にひとつ頷き労うと、スボンのポケットから鮮やかな朱色のガラパゴスケータイ、『ショドウフォン』を取り出し、それを開いてから片側を捻じると上側から筆の穂首が現れた。

 

手馴れた様に手早く手紙をしたためると懐から"火"の字が刻まれた五角形の物体を取り出し、そのまま放り投げた。

 

するとどうだろう、空中でカチャカチャとひとりでに動物の様な形に変形し、丈留の周りを飛び回る。

 

『折神』。

志葉家、及び志葉家に仕える家臣の一族の当主の証であり、シンケンジャーと共に戦い続けてきた自らの分身でもある。

 

丈留の所持する折神、獅子折神に手紙を渡すと彼はあっという間に居間を飛び出して行った。

 

「アイツには先程出会った神、ロキの放つ気配を覚えさせた。撃ち落とされでもしない限りそれを辿って手紙を渡してくれる筈だ」

 

「後はあちら次第、か」

 

「今はただ待ち、信じるしかありません」

 

「······あぁ」

 

 

 

 

 

 

そして二日後、遂に訪れた運命の会合。

果たしてこの先にどの様な未来が待ち受けているのか。

シンケンジャー外伝、次回へと続きます。




どうでもいい設定その1
全ての戦いが終わった後、丈留は彦馬の勧めで様々なものに挑戦してみるものの、どうしてもこれだと言えるものがない。
そこで彦馬は早々に侍達にもメールで相談するのだが、千明は殿様がゲームをやった事がないと知るなり「まず最初にやるゲームと言ったらコレっしょ!」と彦馬にドラ○エを推薦した。
初めは渋った彦馬だったが、これまで十五年間お勤めを頑張ってこられたのだから偶には、と千明の案を採用する事に。
後日、制限時間の三十分を守れるか心配し頭を悩ます殿様の姿があったとか。小一か?

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