赤髪海賊団との出会いから早6年が経過した。また飛ばしたのは許してくれ、この6年間言うほどイベントらしいイベントがなかったからだ。いや、あったにはあった。奴隷解放事件とかヤソップの加入とか、あと、懸賞金とかは付けられたぞ。四皇の幹部並みの金額でビビッたけどな!まあ一回カイドウとの揉め合いがあってヤソップ、ベックマン、ルウ達幹部組と一緒にアイツの幹部をボコボコにしてやっただけなんだが。いや、世間から見れば名も知られてない男が四皇の幹部倒すってことだけでも大事だわ。
まあそれ以来偶にカイドウの一味から使いが送られてきて勧誘されるようになったんだがシャンクスが「俺の仲間は死んでもやらん」って言いながら門前払いしてたな。あれは男の俺から見てもシャンクスイケメンだったわ。
まあそんなことは置いといて今の話をしようか。
俺達は
と言っても俺は案外酒に弱いので余り酒場には通っていない。元日本人の俺からすれば昼から酒を飲むシャンクス達の感性がイカレてるとは思うが。まあ今あいつ等航海してるし陰でこういうこと言っても怒られはしないだろう。
「あ!マルコ!!」
「おうルフィ、何か用かよい。」
酒場に行かなくてもルフィには会えるので困りはしないんだが。
「へっへ~ん、見てくれよ!!」
そう言ったルフィは頬唇を引っ張った。ルフィがどれだけ引っ張っても伸び続けるそれは明らかに人間業ではない事は理解できる。
「ルフィお前...食ったのかよい!?悪魔の実ィ!!?」
「ああ!ゴムゴムの実のゴム人間になったんだ!」
嘘だろ...ルフィがそれを食ったってことは原作が始まってると言う事だ。よく見れば目元に刺し傷があるし。ちょっと血が滲んで痛そうだな。
「シャンクスから聞いたけどマルコがシャンクスの一味で唯一の能力者って聞いたぞ!見せてくれよ!」
「ああ、見せてやるからちょっとだけ目を瞑ってろい。」
言われたとおりにルフィは目を瞑ったので、俺はしゃがんで右手に青い炎を灯し、ルフィの左頬に触れる。すると青い炎は彼の左頬を青く照らし出し、彼の頬に吸い込まれるようにして消えた。
「...もう目を開けてもいいよい。」
「何したんだ?マルコ。」
俺は左手を青く燃やしながら
「その頬の傷が早く治るようにおまじないをかけたのさ。」
「すっげ~~!!!なんだその炎!!」
俺が質問に答えてやったのに聞いてないとは...これがモンキー家というものなのか。
そんな事より原作だ。始まりの瞬間は見過ごしたがまだ一大イベントが残っている。
それだけは見逃すまいと考えた俺は酒場に向かうことにした。
「どこ行くんだよマルコ!」
「ああ、お前を見てたら久々に酒の一杯でも飲むかなと思ってな。マキノさんとこに行くよい。お前も来るだろ、ルフィ。」
「うん!行く行く!」
「じゃあかけっこだ、お前が勝ったらジュース奢ってやるよ。」
「ホントか!?よーし、いくぞー!!」
かけっこの勝負は俺がワザと手を抜き、ルフィに勝たせてやった。この年で俺のジョギングペースと張り合う辺りは流石だと思わされた。
☆★
「開いてるかよ~い。」
そう言って酒場のウエスタンドアを開け、中に入る。
「あ、マルコさん!久しぶりですね。あなただけ来ないものだからてっきり船長さんと絶交したのかと思いましたよ。」
「いやァ...俺は酒に弱くてね。あいつ等のテンションにはついていけねェから席を外してただけだよい。あとルフィも一緒だからジュース出してやってくれよい。」
「わかりました~」
マキノさんはそう言い準備に取り掛かったので俺はカウンター席に座る。ルフィも俺の隣の席に腰掛けた。
「マルコ~、何なんだよその能力~。」
「ああ、これは...そうだな、お前は“幻獣物語”って絵本を読んだことはあるかい?」
「ない!」
あまりの答える速さに内心呆れつつも俺は話を続ける。
「まあいいよい、その中にどれだけ刺されても撃たれても死なない鳥のお話があるんだ。」
「すっげー、そんな鳥がいるんだな!」
「...俺はその鳥になれるんだ。」
少し歯を光らせて、言う。
「えええええええええええ!!!???すっっっげぇええええええ!!!見せてよ、鳥の姿!!」
「まあまあ、あとで見せてやるよい。だから少し落ち着け。」
ゴムゴムの影響なのか、目玉や舌が飛び出ているルフィを宥める。
「―はい、オレンジジュースよルフィ。」
「わぁあ、ありがとう!」
マキノにお礼をいい、そのままぐびぐびと飲みだす。一気に飲み干した彼はそれはさぞ幸せそうな顔をしていた。やっぱり俺は人の笑顔を見るのが好きだな。
「...あれ、マルコさんは子供っぽいっていわないんですね。」
「そらなあ、俺も子供っぽいようなものだからよい。」
そんなほのぼのとしたやり取りをしていると、突然ウエスタンドアが思いっきり蹴り飛ばされた。それがマキノさんの顔に当たりそうだったので、俺がマキノさんの目の前に立ち、受け止めた。
「おいお前!危ないだろ!!」
その事に対して怒りを露にしたルフィが山賊に突っ込もうとするが、俺が慌ててルフィの首根っこを掴んで静止する。
「...なんだぁテメェ。」
山賊の首領、俺の前世の知識が正しければ恐らくヒグマがルフィを睨み付ける。ルフィもまた奴を睨み返し、突っかかって行こうと暴れる。
「離せよマルコ!あいつはマキノの顔に傷つける所だったんだぞ!!」
「ハッ、んなの店主がそんな所にいるのが悪いんじゃねェか。」
「なんだと!!」
山賊の口車に乗せられどんどん怒りがヒートアップしていくルフィを横目に、俺も言葉を発する
「まあまあ、結局俺が防いだんだから彼等は只の客だよい。ルフィ、終わった事に対してそこまで追求するんじゃねぇよい。」
「何でだよ!!お前は悔しくないのかよ!!」
「終わり良ければ全てよしって言うだろ、結局誰も傷つかなかったんだからそれでいいだろい。」
「ハハ、そこのお前は話がわかる奴じゃねェか。おい小僧、今回はそいつの顔に免じて大目に見てやるよ、はーっはっは!」
「くそ、くそォ!!!」
舐められて悔しいらしいルフィはまだ暴れる。俺はルフィに小声で「今は我慢しろい。」とだけ言って元の席に座らせた。ルフィは今すぐにでも殴りたい衝動を抑えて何とか席に留まってくれた。
そうして店内は先程までの穏やかな雰囲気とは異なり、急にがやがやと騒がしくなりだす。
「なぁ、昨日の海賊共の顔見たかよ。」
「ああ、酒ぶっかけられても文句一つ言えねェで!!」
「なっさけねぇ奴らだ!!はっはっは!!」
「おれァああいう腰抜け見るとムカムカしてくんだ。海賊なんて所詮はカッコだけだ。」
「バカにすんなよお前等!!!」
「あ?」
「やめなさいルフィ!」
堪忍袋の尾が切れ、山賊に突っかかろうとするルフィをマキノさんが必死に止めさせようとするが、これぐらいでルフィが止まらないことは十分理解している。なので俺は傍観する事にした。
「シャンクス達をバカにすんなよ!!!腰抜けなんかじゃあないぞ!!!シャンクス達をバカにすんなよ!!!!」
「...チッ、美味かった酒が台無しだ。お前等、連れてけ。」
「やらせねぇよい。」
ルフィを捕らえようとする山賊共を殴る蹴るで一人ずつ気絶させていく。
「ルフィ、お前は間違っちゃねぇ。寧ろよく耐えてくれたよい。」
「マルコ...!!」
「てめぇ...どういうつもりだァ!!!」
ヒグマが激昂し、腰に携えている刀で俺に切りかかる
「「マルコッ(マルコさんッ)!!!!」」
一刀、俺の左肩から腰にかけて綺麗な一刀が入る。痛みがないわけじゃないが俺の体は蒼い炎に照らされ、即様再生を行う。
そんな俺の様子を見たヒグマは「ヒッ!!」と怯えて一歩後ずさった。
「てめぇ...悪魔の実の能力者か!!?」
「そうだねィ、俺は不死身の体を持つ男さ。この力を手に入れた6年前から姿形も変わってねェからよい。」
「ば...化け物めが...クソ...こうなったら」
ヒグマが何かを地面に投げる。それは一度大きな音を発した後、多量の煙を発生させた。
「チッ、煙幕かよい!」
「オラッ!こっち来いガキ!!」
「うわっ、くそ!!放せ山賊!!!」
「うらァ!!!」
両腕を不死鳥の羽に変化させ、煙幕を羽ばたいて薙ぎ払う。すると煙は晴れたがヒグマとルフィの姿はなかった。
「くそっ、取り逃がしたかよい。」
「てめぇ、俺達の仲間をよくやってくれたなぁ!!!」
生き残っていた山賊共が俺に斬りかかってくる 俺は不死身の体で特攻し、一人ひとり薙ぎ倒して行った。
後ろを見ると腰が抜けてその場にへたり込んでいるマキノさんが。
「すまねェマキノさん!怖い思いさせちまって!すぐ終わらせる!!」
「舐めてんじゃねぇ!!」
俺の言葉にさらに怒りだした山賊を一人ひとり確実に蹴り倒していく。殺生はしたくない為ナイフは使わない。
最後の一人を蹴り倒し、マキノさんの方に近寄る。
「大丈夫かよい!」
「...ありがとうございます、少し捻挫しましたけどルフィが!...あ!」
突然マキノさんが俺の奥を見て驚いた。この状況でそこまで驚くものがあるかと思いながら俺も後ろを見た。そこには俺の仲間達、そして
「...ん?何だ、何でこんなに酒場が荒れてるんだ...って、マルコじゃねェか!やっと酒を飲む気になったか!」
「それどころじゃねェよい!!ルフィが俺達をバカにする山賊の親玉に反抗して連れてかれた!!」
「何ィ!!?本当か!!!?」
「本当じゃなきゃこんな笑えねェ嘘は言わねェ!!!気配を見る限りアイツは沖の方に出てる!だが怪我してるマキノさんを放ってはおけねェよい。だからシャンクス、お前がルフィを助けてやってくれよい!」
「わかった、待ってろよルフィ!!」
勢いよく飛び出すシャンクスを、俺達はただ眺めていた。
☆★
「はっはっはっはっは!!!はーっはっはっは!!!」
沖に木霊するヒグマの笑い声はそれはもう煩わしいモノだった。
「まんまと逃げてやったぜ!まさか山賊が海に逃げるとは思うまい!!!」
「くそ!卑怯だぞお前ッ!!!」
「あ?お前は聖人か何かか?賊って言うのは卑怯から成り立ってるんだよガキ。」
「うるせぇ!!シャンクス達は卑怯じゃねェし!お前らの何倍もカッコいい!!」
「調子乗るなよガキが」
ヒグマはルフィの首根っこを掴み、船の外、手を放せばそのまま海へドボンの所にルフィを掴んだ手を伸ばす。
「お前が能力者かどうかは知らねェが、この高潮の中でガキが生き延びるのは不可能だ...!!」
「くそっ!このヤロォ!!」
本人曰く、ピストル並みに強いパンチが放たれるが、リーチの無さによってヒグマには届かない。
「あばよ、ガキ」
パッと、掴んだ手が放される。そのあまりに急な出来事にルフィは対応できずそのまま海に落ちてしまった
「あバガボボボボ!!!」
「ははははははははははははは!!はーっはっはっはっは!!!カナヅチかよ!!ザマァねぇなぁ!!」
―グルルルル...!!
「...は?」
ヒグマが後ろを振り向く。するとそこには...
「何だこの化け物は...おい、止めろ!!うぎゃあああああああああああああ!!!!!」
化け物、この近海の主がヒグマを小船ごと喰らい尽くす、それでもまだ足りないのか、今度は溺れているルフィに目をつけた
ワニの様に身を潜め、遅く、だが確実にルフィの身を喰らわんと近づく。
そうして一定の距離近づいた後、一度身を完全に海に沈め、勢いよく飛び上がった―
「わああああああああああ!!!!」
「ルフィ!!」
その大きく鋭い歯を持つ口が閉ざされる。血しぶきが飛び出し、ルフィの周りの海水が赤く染まった。だがルフィが怪我をすることは無かった。
「...シャンクス!!」
ルフィをかばった名のある船長、赤髪のシャンクスは主を睨む。
「失せろ」
獣の目をした鋭い眼光が、主を射抜く。主のみに向けられた圧倒的な敵意に対して、主は海へ逃げる事を選択した。
主が海の中に潜り、その余波の荒波が静まるとシャンクスは打って変わって柔らかい表情をルフィに見せる。
「恩に着るよ、ルフィ。マルコ達から全部聞いたぞ。」
「ひっぐ...!!えぐ......!!!」
「俺達のために戦ってくれたんだろ......おい泣くなよ、男だろ?」
「......だっでよ!!シャンクス...!!!」
―腕が!!!
「安いもんだ、腕の一本くらい。お前が無事で本当によかった。」
「......う...............!!!うう.........!!!」
―うわあああああああああああああ!!!
★☆
数日後、ついにフーシャ村と別れる日がやってきた。名残惜しくもあるがお別れの時間だ。
「シャンクス!マルコ!もうこの村には来ねぇって本当か!?」
「おいマルコ、お前あんまりルフィと会ってねェのに俺並に懐かれたのか!?」
「そりゃあ、お前等と違って俺は酒場以外で会うことが多かったからねぇ。」
そう考えたらシャンクスは本当に人を引きつける才能があるようだ。ここを拠点とした航海を俺は全てサボってたからルフィとか町の人とも仲良くなれたが(村長は別)シャンクスに関してはただ酒場で会うだけだったのに。
「...随分長い拠点だったが遂にお別れだな。悲しいだろ」
「俺は物凄く悲しいよい、シャンクスよりも長くいたからなぁ。」
「はっはっは、マルコ、お前にしては珍しく航海に出ないなんて言ってたもんなぁ。まあお前の能力なら生きてる限り何度でもここに辿り着けるだろ。」
「生きてるって、俺は海に落ちない限り死ぬことがねぇよい...で、ルフィはどうだよい、悲しいか。」
「うん、まあ悲しいけどね、けどもう連れてけなんて言わねぇよ。自分でなる事にしたんだ。」
「どうせ連れてってやんねーよ!第一お前なんかが海賊になれるか!!」
「なる!!!おれはいつかこの一味にも負けない強い仲間を集めて!!世界一の財宝を見つけて!!海賊王になってやる!!!」
「ほう...俺達を超えるか...じゃあ、」
―この帽子を、お前に預ける。
パサッと、ルフィの頭の上に自らの宝物である麦わら帽子を置く。そうして我等がレッドフォース号に向かって歩を進める。
「いつかきっと返しに来い。立派な海賊になってな。」
「.........!!!」
「錨を上げろォ!!帆をはれ!!出航するぞォ!!!」
そう言って、俺達は旅立った...が、まだ俺には用事がある。
少し肩が震えているルフィに手を置いているマキノさんに「悪い、ちょっとその場所譲ってくれ」と言って退いてもらう。退く際マキノさんは俺を見て少し驚いていた。
「おい、ルフィ、顔上げろ。」
俺は帽子のせいで表情がわからないルフィに声をかける。顔を上げるとやはり涙顔だったが、俺を見て少し驚いた顔になる。
「マルコ...その姿...!!」
「いつか約束したろい、俺のこの姿をお前に見せるって。少し遅くなっちまって悪い。」
獣状態、体中が青く燃える不死鳥の姿。それが俺の力であり、あいつ等との繋がりの証なのだ。
「......俺も、ここに置き土産をして行こうかよい。手出せ、ルフィ。」
俺はルフィに手を出させ、その手のひらの中に一枚の紙切れを置く。
「...何だ...これ...。」
「その紙をずっと持っておけ。そうすればいつか俺達とまた会える。」
俺は不死鳥特有の蒼く燃える羽を羽ばたき、空を舞う。
「またな、次会う時はもっと強くなってろい。」
そう言い残し、俺はレッドフォース号に向かい飛び立った。
当たり前だと後ろから聞こえた気がした。
この小説のマルコは不老設定でいきますのでそこの所よろしくお願いいたします。
後、最新のマルコが動物の傷の再生能力を上げたのって覚醒描写なんですかね?