レオはエクロ盗賊団のボス、ヘルゴンザからポケモン捕獲部隊の隊員に任命され、日々、その活動を続け、年齢も16を過ぎていた。
そして、エクロ盗賊団、ヘルゴンザの部屋。
「さぁ、レオ、成果はどうだ」
レオはいくつかのモンスターボールをヘルゴンザの前に置いた。
「ハンターを襲撃した、ハンターの獲物だったポケモンが野生だったからそれを捕獲してきた、それから戻る途中に珍しく野生のポケモンがいたからそれも捕獲してきた」
「ハンターの手持ちポケモンはどうした?」
「戦闘不能にしてそのまま置いてきた」
「あのな……」
「甘いな、レオ」
ヘルゴンザの部屋にJが入ってきていたのだ。
「J……」
Jは多くのモンスターボールを机に置いたのである。
「相変わらず仕事が早いな、J」
「こんなに多くどうやって……」
「簡単なことだ、砂漠を移動するトレーナーから奪えばいい」
「ポケモンが言う事を聞かないだろう」
「なに寝ぼけたことを言っている、痛めつけてモンスターボールを破壊してから捕獲すればいい」
「やり方が相変わらず汚いな」
「ふっ、何を言うか、盗賊団に所属しながらある意味同業者であるハンターからしか獲物を狩れない臆病者が」
「なんだと!!」
「ましてや、自分の手持ちのブラッキー、エーフィーは戦闘に使わず、団が保管するポケモンだけを使用するなど、自分のポケモンに汚れ仕事をさせないつもりか?ヘドがでる」
「うるせぇ!!」
「かかってくるか?この間もブラッキーたちで挑んできてボーマンダに痛い目見せさせられただろ」
「そこまでだ、レオ、J」
「ちっ……」
「まぁいい、さっそくだがモンスターボールを破壊して捕獲しなおす」
「まて、J、いいものが手に入った、試してみよう」
レオたちはヘルゴンザに連れられアジトの前に来た。
「これはなんだ?」
レオの前にはアームのような物がついた大型の機械があったのだ。
「これはなスナッチマシンだ」
「スナッチマシン?」
「まぁ、見てろ、レオ」
ヘルゴンザはJが強奪したモンスターボールを投げたのである。
モンスターボールからはストライクが出てきた。
「こうやって起動してと……」
ヘルゴンザが機械を起動するとアームが収納されていたモンスターボールを掴んだ。
「目標をストライクにセットして、ほらよ」
アームが動きモンスターボールがストライクへと投げられストライクはモンスターボールに吸い込まれたのである。
「なにっ!?」
「ほう」
レオが驚愕し、Jは何故が笑みを浮かべていた。
「どうだ、このスナッチマシン、モンスターボールを狂わせてトレーナーのいるポケモンでも捕獲できちまうんだ、まぁ、移動が大変だが今回みたいにモンスターボールを強奪した時は便利だろ」
「モンスターボールならなんでもいいのか?」
「ああレオ、性能も使用するモンスターボールに準ずるみたいだな、ま、スナッチマシンで狂わせたモンスターボールだから一貫してスナッチボールってところだな」
それからと言うもの捕獲部隊の行動は過激と化していったのだ。
「やめて!!」
『ヒメッ!!』
J、率いる捕獲部隊はスナッチマシンを持ち出し砂漠を移動していた女性を襲いヒメグマをスナッチしようとしていたのである。
「スナッチマシン用意」
Jはスナッチマシンを準備した。
「まて、何もあんな一般のトレーナーから奪わなくても」
レオはJを静止しようとするがJは仮面を着けたレオを蹴り飛ばしたのだ。
レオは任務中は素顔を隠すため仮面を着けており、また、使用ポケモンも組織のポケモンだった。
「ぐっ……」
「我々は犯罪組織だ、何者から盗ろうと変わりわない、偽善なお前は今までのようにハンター狩りでもしていろ」
「ちっ……」
レオはハンターを襲撃し、ハンターの手持ちポケモンを奪い、ハンターが捕らえていたポケモンで野生のポケモンだったものは捕獲し、奪った手持ちのポケモンはアジトでスナッチマシンで捕獲していったのである。
「スナッチマシンの登場で効率よくポケモンが集められてるな、だかな……」
ヘルゴンザはレオを見た。
「この数じゃ不満か?」
「あのな、ハンター襲撃するならハンターの獲物全部持って帰ってこい」
「野生の個体ならともかく捕獲済みの個体はスナッチマシンがなければ無理だ」
「そういうと思ったぞ」
「は?」
ヘルゴンザは何かしらの機械をレオに渡したのだ。
「これは……」
「小型のスナッチマシンだ、腕に装着してチャージしてモンスターボールを握る事でスナッチボールに変化できる、これでお前はどんどんスナッチしてこい」
「……」
そして、いつからかヘルゴンザはエクロ盗賊団という組織の名をスナッチマシンを用いてトレーナーからポケモンをスナッチするスナッチ団という名称に改名していたのである。
一方、レオは小型のスナッチマシンを使用してハンターから根こそぎポケモンをスナッチしていった。
しかし、それは次第にレオの心を壊していったのだ。
レオはハンターからしかポケモンを狩らなかったがやはりハンターの手持ちでもハンターが愛情をもって育ていたポケモンもおり、それを奪っていくことにレオは心を何度も壊していったのである。
「よっ、レオ」
レオは雑用係だった頃のスナッチ団の共有スペースで無気力に転がっていた。
「……ヤッチーノ」
「なに、魂抜けたみたいな面してんだ?」
「……さぁな」
「お前、もっと元気出せよ、今日、お前誕生日だろ、17歳」
「……忘れてた」
「忘れんなよ……!!前に俺たちがあげたコートもいいサイズになったじゃねぇか、そのコート、最初はブカブカでルーカスのサイズだったのにダニエルとキャサリンがいけるっしょ、みたいな感じで、アリスは流石に早いって反対してたけどな」
「……ルーカス、ダニエル、キャサリン、アリス……」
「たまにはさ、あいつらの思い出話でもしようぜ」
「……!!クソォォォ!!」
「!?なんだよ」
「……俺はもうあいつらに顔向けなんてできない、ただの悪党だ」
「……!!ほら、ルーカスだって元は悪党だろ」
「……金品強奪とポケモン強奪じゃ、話が違う」
「……まぁまて、組織の中じゃ、金品がポケモンになっただけだって意見が大多数だぞ」
「……お前はどうなんだ、ヤッチーノ」
「え?」
「金盗られるのとナゾノクサ奪われるのどっちが辛いか?」
「それは……」
「レオ、ボスからの命令だ、メタングを手持ちに連れたハンターがいるらしい、スナッチしにいく」
この場にJが入ってきたのだ。
「J様」
「どけ、ヤッチーノ、さっさと準備しろ、レオ」
「わかってる」
レオは立ち上がったのである。
『ブラッキー……』
『エーフィー……』
「ブラッキー、エーフィー、お前たちはここで待っててくれ、すぐ、済ましてくる」
レオはヤッチーノの横を通った。
「この組織を終わらせる」
「それで爆弾なんて仕掛けたのか?」
「さぁな」
「お前よ、わざわざ人やポケモンに危害がない場所に仕掛けやがって、言っておくが後戻りはできねぇぞ、俺はボスの命令があればお前を追いかけて捕まえるからな」
「勝手にしろ」
そう言いレオは出て行ったのだった。
「嫌だな、これからお前と敵対しなきゃいけないなんて……」
昔のことを思い出し終えたレオは経由地であるカントー地方のクチバシティに着いたのだ。
「俺のスナッチ団裏切りはヤッチーノはとっくに気づいてたんだよな、あいつ、ああ見えて頭キレるからな、ま、俺はトゲピー連れた女の子逃がしてヘルゴンザにボコられたのは予想外だったがな」
そこへ、
「レオ君」
「ん?」
レオの元へオーキド博士がやって来たのである。
「オーキド博士、なぜここに」
「ローガンから連絡があったのじゃ」
「……にしても、よくここにいると分かったな」
「何でもミレイちゃんがレオ君のバイクに乗って戻ってきたらしいの、ローガンも驚いておったわい、スクーターなら誰でも運転できるがまさかあんな大型のバイクを乗りこなすとはの、それで一緒に来てたスナッチ団の男がローガンに色々説明したらしいぞ」
「……ヤッチーノ、また余計なことを……」
「で、ここからはミレイちゃんからの伝言じゃ」
「ん?」
「『Jを倒すまで何年でも待ってる』だそうじゃ」
「……」
「約束じゃ、レオ君、シャドーはレオ君が壊滅させた、それに伴いスナッチ団も壊滅に近いレベルまでになった、レオ君の人生で戦う相手はそのJだけじゃ、それが終わったらミレイちゃんとちゃんと会ってくれんかの?」
「……」
「レオ君」
「わかった、ただし、5数年経ってもオーレに戻らなかったら諦めるように言ってくれ」
「わかったぞ」
「すまない、俺はこのまま船でシンオウに向かう」
「レオ君も無理は禁物じゃぞ」
「俺の心配はいい、伝言頼んだぞ、博士」
「ああ」
そして、レオはシンオウ地方へと旅立つのだった。
以上にて、コロシアム編の前日譚は終わりです。機会があったらその他のレオのエピソードも公開していこうと思います。