長らくおまたせしました!
たぶん、この話賛否両論になるかもしれません………
追記:ある方から螢の口調に違和感を感じると、指摘されましたので、修正しました。
それは、さかのぼる事数分前……………
「誰…………?あなたは一体…………?」
突如、降ってきたハルバードの柄の先端に降り立った青年に対し、響は問いかけたものの当の青年は何も答えず、ただ無機質に見える瞳で響を見据えていただけだった。
「あ、あのー………?聞こえてますかー……?」
再び、問いかけるが反応は至って変わらずただ響を見据えて…………見つめていると言ったほうが正しいのだろうか。
(えぇ〜、なんかそうやって見つめられるとなんか恥ずかしいよ〜〜。なんか気まずい空気になっちゃってるし、助けて未来〜〜)
と、心の中で未来に助けを求めているとヒョイ、と青年が柄から降りて、地面に着地した。咄嗟に身構えた響は青年がどの様に動いても対応できる様、警戒した
。数秒の静寂……………それを断ち切ったのは青年の方だった。
「あ、どうも始めまして。ガイスト・K・レヴナンドです」
「ふぇ!?えと……立花響です……」
と、ペコリとお辞儀をして挨拶をした青年―――ガイストに響は思わず挨拶を返してしまった。そしてまた、静寂――――
もはや、響の心中は色んな意味で乱れていた。
(えぇーー!?なんで挨拶!?いや、咄嗟に返した私もそうだけど………なんか、気まずい!気まずよーー!!でも、何話せばいいんだろ……。今日は天気がいいですね………いやいや、いま夜だし暗いからよくわからないよ!?)
まあ、響がテンパるのも無理はない。響が今まで会ってきた敵は大抵は襲ってきた者ばかりであったからいきなり挨拶してきたのは始めてであったのだから。
(あ、でもよくよく考えてみればこの子は一体誰なんだろう?突然の事だったからすっかり忘れてた…………)
と、ここでようやくガイストが、一体何者なのか疑問に思った。ここには先のノイズの出現で市民たちは避難しており、響以外はいないはずだ。そして見たこともない服装をしている。つまりこの場所にいるという事は………
(もしかして………あのノイズを操っていた人なのかな?だとしたら、どうしてこんな事をしたのか聞かないと!)
と、意を決し彼から話を聞こうとした響だったが、
「「あ、あの!あ………」」
同時にガイストからもなにか聞こうとしたのか、響に話しかけ、偶然にも重なってしまった。
「あのー、先に貴方が」
「いやいや、ガイスト………くんから先に」
「いやいやいや、僕たちは後でいいのでまずはえっと…………響さんから」
「いやいやいやいや、まずはガイストくんから」
「いやいやいやいやいや、まず響さんから」
「いやいやいやいやいやいや」
「いやいやいやいやいやいやいや」
「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや」
「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや」
もうなにがなんだかわからなくなり、もしもこの光景を他の装者達が見たら『なにやってんの?』って思うだろう。が、二人は共にどっちが喋るのか真剣に譲ろうと思っているのだから。と、そんな譲り合い合戦が続くのかと思いきや、ふと響は自身に向けられていたガイストの右手の手首にブレスレットがはめられているのを見かけた。
「あれ?それって…………」
「え?これがなにか?」
「もしかして、このブレスレットってだいぶ前にツヴァイウィングのコラボで予約販売された奏さんモチーフのアクセサリーだよね?」
そう、何故ならそれはいつぞやに予約販売で数量限定で生産されたアクセサリー会社とツヴァイウィングのコラボ商品であり、天羽奏をモチーフとしたブレスレットだったのだ。
響も、ネットでチラッと見たことはあるが当時はツヴァイウィングにあまり興味がなかった為、こんなのがあるんだ〜と思う程度であった。それが今、目の前の少年がはめていたということは……
「は、はい!昔、プレゼントとして貰ったんですよ。でもツヴァイウィングを知っているって事はもしかして………」
「うん!私もツヴァイウィングのファンなんだ」
「そうだったんですか!?良かったです!僕たちの周りにツヴァイウィングを知っている人がいなかったので………とっても嬉しいです!」
響がツヴァイウィングを知っていた事がよほど嬉しかったのか、まるで子供の様に飛び跳ねるガイスト。見たかぎりだと中学生くらいの身長で中性的な顔立ちもあってか何処か愛らしく見えた。
で、その後二人はツヴァイウィングの話題で意気投合して仲良くなり――――
「へぇ〜〜、ガイストくん。奏さんが好きなんだね」
「はい!でも、まさか響さんもツヴァイウィングのファンだったなんて驚きましたよ!」
今に至るという訳である。
「いや〜、私の場合は友達からライブ誘われて、そこから知ったっていうかなんていうか〜」
「そうなんですか!僕たちはテレビの音楽番組でたまたま流れてた曲で知って、そこからファンになって」
「あ、ガイスト君は音楽番組からだったんだね。でもまさか、ツヴァイウィングを知ってる人に会えるなんて思わなかったよ〜」
一応、誤解しないように言うがこの青年、ガイストはあの黒衣の軍服を纏った者たちの一人であり、本来なら響とは敵対し合う関係であるはずだ。
が、なぜこの二人はそれすら忘れて和気藹々しているのか。クリスの言葉を借りるとすれば、ガイストと響、この二人が『馬鹿』に分類される人間であったことと、二人がたまたまツヴァイウィングのファンであった事が意外な化学反応を起こし、今の現状を形作っているのであった。
…………実際に言葉にしてみると何が何だか分からないが、そうこうしてる間に二人の会話は段々と盛り上がりを見せてきた。
「やっぱり、『逆光のフリューゲル』ってツヴァイウィングを代表する曲ですよね!あのサビのとこを聴くとなんたか、盛り上がりますよね?」
「わかるわかる!ライブでその部分を聞いた時なんかもうわーってなって、もう感動しちゃって」
「あ、響さんもそう思います?ですよね〜、あのサビ部分をライブで直に聞いたときの昂揚感!僕たちもう魅入っちゃいましたよ」
しかし、始まりがあれば終わりもある。二人の話題はそんな、ガイストが放った何気ない一言に響が反応したことで終わりへと向かう。
「アレ?『僕たち』って………もしかしてガイストくん、同じツヴァイウィングが好きな友達がいるの?」
響からしてみれば、その質問は真っ当なものであり、つい先程ガイストが話した中で『僕たち』という単語にもしかすれば、彼の知り合いにツヴァイウィングのファンがいるのかと、できたら自分にも紹介してほしいという純粋な気持ちで投げかけたのだ。
――――しかし、その響の疑問に対してガイストは…………
「?僕たちは僕たちですけど………」
と、まるで
「えーっと、さっきのはガイストくんに友達がいて、その人達もツヴァイウィングのファンなのかなーって聞いたんだけど………」
「え?僕たちに友達はいませんよ?僕たちは僕たちです」
「えっ…………」
まさかの言葉に響は更に困惑した。まさか、『僕たち』という単語がガイストと友達の事ではなかったのだから。
しかし、なぜ『僕たち』という二人称を使うのか、それが響にはわからなかった。
「それはいったいどういう…………」
事、と響が再び問いかけようとしたその時、二人のすぐそばで耳をつんざく様な轟音が起こった。
「「―――――――ッ!?」」
突然の轟音に私とガイストくんは思わずビクつき、音が鳴った場所に視線を向けた。
音の発生源はさっきの衝撃だったのか、土煙が立ち昇っていてうまく視野できなかったけど、何処からか風が吹いて土煙を晴らしてくれたおかげで、轟音の正体がはっきり見えて…………私は絶句した。
「ク、クリスちゃん!?」
それは、私とは別の場所で戦っていた筈のクリスちゃんが倒れていてその状態はとても酷かった。
装甲部分は所々がひび割れて、中には砕け散っているものもあったけど、何よりも身体中のあちこちにつけられた傷がとても痛々しく、つい生きているのかと疑ってしまう程だった。
一体、向こうでクリスちゃんに何があったのかと思考を動かそうとした時だった………
「はっ!俺たちが殺りあっている時に敵さんとのんびりお喋りか?ノーネーム」
「ッ!?ヴィルヘルム……さん…………?」
別の方から、声音からして男性の声が聞こえ、そこへ振り返るとビルに空いた大穴………ちょうどクリスちゃんが倒れてる場所から直線にある所に、ガイストくんと同じ黒い軍服と赤い腕章をつけた白髪の男の人が佇んでいて、そばにいたガイストくんはさっきまでの活発さが嘘のように消えて、顔を青ざめて、あの男の人の名前を呼んでいた。
でも、確か、ヴィルヘルムさん………だったかな?さっき、ガイストくんのことを『ノーネーム』(さっき、ガイストくんが反応していたからそうだと思う)って呼んでいたけど、なにか関係あるのかな……?と考えていた時だった、
「ちょうど、いい。てめぇが、殺らねえなら
「ヒッ……!」
瞬間、形容しづらい悪寒が私の脳天から爪先まで走り、まるで蛇に睨まれた蛙のように硬直した。今まで、色んな人と戦ってきたけど、どんな人が相手でも繋いだ絆と歌で勝利を掴み取ってきた。
でも、あの人の目はなに?まるで獲物を狙うような飢えた狼のような…………いや違う、そんなものなんか生易しいと思うくらいあの人から放たれているキャロルちゃんやサンジェルマンさん、ヴァネッサさんとは違う得体のしれないプレッシャーはなに?
知りたくても知りたくないでも知らなきゃわからないし話しあえないでも知ってしまったら私の何かが壊れるでも話し合わないとだけど恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い助けて未来―――――!!
「――――何をしている?ベイ」
と、横から女性の声が聞こえた事であの悪寒が消え身体の硬直が解けた。でも緊張がなくなったのか、思わず私は膝をつき四つん這いになって荒い息を吐いた。顔と身体中には今でも冷や汗が止まらず流れ、目眩も起きていた。
「なんのつもりだ?レオン。てめぇは、なぜ俺の楽しみを邪魔しやがる?」
「まず、こちらの問に答えてほしいな。カズィクル・ベイ中尉殿。お前はいったい、何をしている?」
「見てわからねぇか、ノーネームの代わりにこいつを試そうとしていたところだ。
「それはガイストの担当だったはずだ。それに、
そして、ようやく息が整ったところで顔をあげると、白髪の人が誰かと会話していた。その人は私達と同い年くらいの黒髪の女の子で、その手には何か青い何かが引き下げられて……それが何なのか、私は秒でわかりそれの名前を咄嗟に叫んだ。
「翼さん!?」
「ん?ベイの殺気を受けてまだ意識があったのか。ただの経験の浅い娘なのかと思っていたが、そうでもなさそうだな。それと―――」
「え?わっ――!」
そう言いながら、さっきの会話でレオンと呼ばれていた女の人は引き下げていた翼さんを投げ飛ばした。
投げ飛ばされた翼さんは宙に弧を描きながら落下し、咄嗟に私はむりやり身体を動かしてキャッチするけどよろめいて倒れてしまう。
「彼女は無事だ。致命傷………とまでは行かないが、せいぜい意識は失っている程度だ。もっとも多少の傷はあると思うが」
そして、翼さんの容体を間近で見て私はまた絶句する事になった。
クリスちゃん程ではないけど、身体中にはそこかしこに火傷と切り傷があって、レオンさんの言うとおり致命傷じゃあないけど、なによりあの翼さんがこんな傷をつけられる程に負かしたレオンさんが何者なのか、得体のしれない恐怖を抱いている中で
「さて、ベイも散々だが………なによりガイスト」
「は、はい!」
レオンさんの矛先は私からガイスト君へ向いて、隣にいたガイスト君は一瞬ビクッとしながらもレオンさんに返事する。
「お前はお前で何をしていた?弁明があるならここで聞くが」
「え、えっと…………それは……その……」
そんなレオンさんの冷たい眼差しにガイスト君は縮こまってしどろもどろになってしまった。
でも、任務……?そういえば、さっきレオンさんとヴィルヘルムさん(レオンさんからはベイって言ってたけど、なんだろう………)は私の事を
「あらあら、なんだかとても面白いことになってるわねぇ?」
「ともかくノーネーム、あなたは後でお説教ね」
ふと、どこからまた知らない声が2つ聞こえ、ヴィルヘルムさんとレオンさんの元に3つの人影が姿を現した。
出てきたのは、赤髪の少女と仮面をつけた紫髪の女性、そして紫髪の女性と同じ仮面をつけたボロ布を纏った大男。
大男を除いて、どちらもガイスト君とレオンさんとヴィルヘルムさんと同じような軍服を着て、左腕には赤い腕章をつけていることからこの二人もレオンさん達の仲間なのかなと思っていた時、ドスンとなにかが落ちる音が響き、咄嗟にそっちに視線を向けると………
「切歌ちゃん!?調ちゃん!?マリアさん!?」
さっきまで、翼さんやクリスちゃんとは別の場所で戦っていた筈のマリアさんと切歌ちゃんに調ちゃんが傷だらけで地面に倒れ伏していた。まさか、この三人もあの人達に………?
「って、よく見たらベイ?あんたちょっと、やりすぎじゃないの?おおかた、レオンにその事に咎められてたんでしょ?」
「るっせぇ、マレウス。コレでも手抜いてやったんだ。なのに、コイツときたらよ片腕だけでコレだ。ハッキリ言って、つまらなかったぜ。つか、テメェとバビロンもレオンと同じだろ?そこんとこどうなんだ、あん?」
「まぁ、そうね………聖餐杯が言ったとおり、私達と同じ聖遺物を扱ってはいたけど、精々身に纏う程度。でも、まだ何か隠し持ってるみたいだからここから先が楽しみって、ところかしら?」
「私もマレウスと同じよ。ともかく、彼女たちの力量差もわかったことだし、この後の成長に期待しましょう」
聖遺物……?身にまとう………?一体何を話しているのか、私にはさっぱりわからない。ううん、それ以前にあの人達は誰なの?何が目的でこんな事を………
「まぁ、いい。ガイスト、お前の処遇は猊下に委ねる。今は戻るぞ」
「あ、は、はい………」
「待って!!」
レオンさんに呼ばれて、あの人達の元に行くガイストくんを呼び止めると、あの人達の視線が私の方へ向いた。それでも私はなりふり構わずに聞きたいことをハッキリと叫ぶ。
「あなた達は一体誰なんですか!なんで、こんな事を…………」
そう叫んで数秒も経つとレオンさんが、ため息を吐き、口を開いた。
「…………そういえば、ガイストが名乗っていなかったのを忘れてたな。私達は――――」
推奨BGM:Letzte Bataillon
「私達は、『聖槍十三騎士団』。後者の質問に関しては………あなた達『
チラッとレオンさんが視線を赤髪の少女………確かマレウスだったかな?に向けると変わりにマレウスちゃんが自分たちの事を話したけど、『聖槍十三騎士団』………?実力を試す……?聞いたこともない組織や動機に困惑している私をよそにマレウスちゃんはクリスちゃんへと歩みだした。
「今回はあなた達《S.O.N.G》への宣戦布告だから、手は抜いて………ってベイはやり過ぎたみたいだったから…………だ・か・ら・ね」
そして、クリスちゃんの元に辿り着いたかと思うと、その手をクリスちゃんの胸に添えて、それから全身の負傷箇所を撫でるように擦って………え?
「いわゆる応急処置なの。さっきのお詫びとして、
「チッ、マレウスの野郎。よけいな事しやがって………」
一瞬で……さっきはあんなに酷かったクリスちゃんの傷が塞がっていた。なんで?一体どうやって?それにどうしてあんな事を?
「でも、アフターケアはこれっきり。次にまた会ったときは…………全力で、殺しにかかるからね」
「ッ――――!」
そう妖艶な笑みで言って、ルサルカちゃんはガイスト君たちの元へと戻ると懐からなにかを取り出して………って、テレポートジェム!?
「ああ言っとくけど、私達はパヴァリアと関係ないから。ただ、知り合いのツテで譲ってもらっただけ。じゃ、バァーイ♡」
そして、そのままマレウスちゃんがテレポートジェムを使って、一瞬、ガイストくんが悲しそうな表情で私を見ていたけど、確認する間もなく消え去って後には私と倒れ付す皆だけが残った………
ピピッ!
『ようやく繋がった!大丈夫か!?響くん!』
「し、師匠?」
『通信妨害を受けてな。ついさっき、通信が回復したところだ。ところで何があった!?』
「……………………皆が、皆が………凄い、怪我で………」
『なにぃ!?一体何が起こったと言うんだ!?説明してくれ響くん!』
そう師匠が訪ねてくるけど、今の私は押し寄せてきた情報量の多さ、そして翼さん達を打ち負かした未知の人たち、そしてあの時感じだ人とは思えない悪寒で頭がいっぱいいっぱいになって、その事で緊張の糸が途切れたかのように、
『響くん?響くん!!』
私はそのまま………意識を失った。
ふむ、まず彼らと彼女らの邂逅はなったか。
いやはや、しかし同じ聖遺物を使っているとはいえ、こうも違うとは。いや、これもまた一興か。
だが、これはまだ序幕にすぎない
君と彼女、そして刹那と出会うのはまだ先であるが、彼女を引き立てる為のコーラスとして頑張ってくれたまえ………
CM風次回予告
ルサルカ「は〜い♡皆のアイドル、ルサルカよ♡今日は私達の顔見せということで、いつもよりドヤって見せました〜。え?次回から私の出番ずっと後?マジで!?」
というわけで、ひとまずは序盤の半分は終了。この様に不定期で更新することもあると思いますが最後までよろしくお願いします。
あと関係ないけど、FF7リメイク超たのしー!!