戦姫絶唱シンフォギアDB   作:聖杯の魔女

8 / 12
ルサルカ「今年でシンフォギアが10周年になるのね〜」
響「そういえば、思ったんだけど、ルサルカちゃんたち(Dies irae)は、今年で何年になるの?」
ルサルカ「確か発売されたのが2007年だから……今年の12月21日に15周年になるわね」
翼「シンフォギアが5年後の2012年に放送されたことを考えると、何処か馴染みを感じるな」
螢「そもそも、聖遺物というアーティファクトを用いて戦うというのはある意味、Dies iraeが原点じゃないかしら?」
響「じゃあ、つまり、螢ちゃんたちは私達の先輩ということなんだね!」
螢「な、何言ってんのよアンタは!?/////は、早く話を進めるわよ!//////」
翼「ハハハ、櫻井は可愛いな」
螢「〜〜ーーーー!!!/////やっぱり、アナタ嫌いよォ!!!//////」


というわけで、長らくおまたせしたした。最新話をどぞ


ACT5

ー切・呪りeッTぉー

ーα式・百輪廻ー

 

「「はあああっ!!」」

 

と、切歌は鎌の刃部分を分裂させてブーメランのように投擲、調は左右のヘッドギアホルダーから小型の丸ノコを連続で放つ。が、しかし………

 

「ふふっ、そーれっと」

 

相対する敵………『ルサルカ・シュヴェーゲリン』と名乗った少女が操る黒い蛇のような生物にまたたく間に噛み砕かれ、有るいは避けられてしまう。

そう、先程から切歌と調の二人は彼女が操る黒い蛇のようなものに翻弄されており、疲弊がありながらも戦っていた。だが、改良型とはいえLiNKERの制限時間はそう長くはなく徐々にギアとの接続が弱まっているのも時間の問題だった。

 

「へぇ?私のナハツェーラーにここまで耐えれるなんて。けど、見た限りあなた達のそれって時限式でしょ?疲労の顔、見えているわよ?」

「「ッ!!」」

 

しかも、その事を相手に見破られていることに二人は歯噛みする。

しかし、それでも戦況が悪い事には変わらない。だからこそ、二人は次なる一手をかける。

 

「切歌ちゃん!」

「ッ!ハイです!」

 

お互いやる事がわかったのか、各々の武器を構えて仕掛ける。まず、最初に調がナハツェーラーと呼ばれた影の怪物へ、先程と同じようにヘッドギアホルダーから小型の丸鋸を複数飛ばす。だが、やはりと言うべきかことごとく躱されていくが、それでも調は丸鋸を飛ばすのをやめなかった

 

「ちょっとなに?またさっきと同じやつ?別にいいけど、少しは学習とかしたら………」

 

ふと、ルサルカはある違和感に気づいた。よく見たら、先程まで居たはずの獄鎌の歌姫(切歌)の姿が無く、何処へ行ったのかと目を動かした瞬間

 

「とったデスッ!」

 

と、頭上から叫び声が響き見上げるとそこには自身のアームドギアである鎌を振り上げて、ルサルカへと斬りかかろうとしていた切歌がいた。

そう、調はナハツェーラーを引き寄せる為の単なる囮であり、そのスキに切歌が手薄になったルサルカへとその刃を振りかぶる。

とった。と、二人は完全に信じていたゆえに………

 

「なるほど、よく考えたわねぇ。けど、残念〜」

 

という余裕綽々な声と共に、切歌の瞳には軍服を斬られながらも肌には何一つ傷がないルサルカの姿が写った。

 

「んなぁ……!?」

 

ありえない。完全に手応えはあった。なのに、これはどういうことだろうか?そう思考する切歌の後方から

 

「切ちゃん!後ろ!」

 

という調の叫び声と共にどこからともなく鎖が4つ出現し彼女の四肢を絡み取り、引き上げる。

 

「ああっ!!??」

 

とっさのことの驚きと、四肢を鎖で縛られる痛みに苦悶の叫び声を上げる切歌。ふりぼとこうにも、鎖はただガチャガチャと音をたてるだけで、逆に締め付けられていくだけだった。

 

「よくもぉ!!!」

 

その姿を見て、激昂した調は先程相対していたナハツェーラーを弾き飛ばし、すぐさま脚部のローラーを走らせて、ルサルカへと突撃する。

だが、しかし……

 

「ッア―――――――!?」

 

ルサルカまであと僅かというところで、調の動きが止まった。別段、鎖に縛られたわけでもルサルカの放つ圧に屈した訳でもない。

原因は調の足元……いや、正確的には黒い帯のようなものが調の影に重なるように伸びていた。

 

「作戦としては申し分なかったけど、あいにく私達はあなた達とは違うの。でも安心して。今回はあなた達を殺す気は微塵もないから。とりあえず、今の実力を測ってただけの様子見だけ♪」

 

そして、調はそのまま出てきた鎖に足を巻き付けられそのまま縛られていた切歌へと投げ飛ばされ、直撃。そして、切歌を縛っていた鎖はまるで魔法のように消え、拍子に切歌を拘束していた物はなくなり、共に地面に激突。同時についにLiNKERの効果がきれたのか二人が身に纏っていたギアは消失しボロボロになった二人が道端に打ち捨てられた。

 

「今回はこの程度で済ませてあげる。それに、あなた達、よく見たら結構わたしのタイプなのよねぇ。だから、あまり傷つけたくないのよ。だから、今はおやすみなさい♪」

 

という、ルサルカの一言を最後に二人の意識は暗闇に沈んだ

 

ーーーーーーーー

 

「…………全然、敵わなかったデス」

「うん………」

 

病院の休憩スペース、そこに設置されているベンチに座り、あの日の事を思い出していた二人。今の彼女らには悔しい思いでいっぱいいっぱいになっていた。

 

「調………アタシ、悔しいデス……!」

「私もだよ………!切ちゃん………!」

 

震える声で徐々に肩を奮わせるふたり。

二人揃えば、怖いものなんか無いザババの刃を、二人の自負とも言える信念をあのルサルカと名乗る少女に軽くあしらう程度に完膚なきまでに叩きのめされた二人の心は、ある意味で不安定になっていた。

 

「ここにいたのね、ふたりとも」

「マリア………?」

 

そんな二人の元へ、頬にガーゼを張ったマリアがやってきた。同じく彼女もひどい怪我だったがクリスよりはいくぶんかマシなものであった。

 

「元気を出しなさい、命があるだけでもいいじゃないの。奴らの目的がなんなのか、わからないけど今はお互いに無事だったことに感謝しましょう」

 

って、私が言えた義理じゃないけど、と苦笑するマリア。どうやら彼女も彼女で、あの敗北にはなにか思うところがあるのか何処か俯きさがあった。

だが、こうして無理に笑顔をつくり二人を励ましているのは、自分が装者たちの中では、一番の年長だからという責任からだろう。

そんな、彼女の心境がわかったのか、二人も目尻に出ていた涙を拭いた。

 

「そう……だね、うん。マリアの言うとおりかも……!」

「はいデス!次こそはリベンジしてやるデェス!」

 

そして、次には瞳に活力を宿し、ルサルカと名乗った少女への

一方で、マリアは別のことを考えていた。

それは自ら相対して敗北した、バビロンと名乗った女性と彼女がトバルカインと呼んだ異形。実際はトバルカインに

しかし、それ以上にマリアはバビロンにある違和感を覚えた

 

(あの面影、何処かで………)

 

そんな彼女の悩みはしかし、答える者はいなく。ただただ時間が過ぎ去っていくだけだった………

 

ーーーーーーーー

 

「いやー!久しぶりに来たけど、やっぱおばちゃんのお好み焼きはおいしかったねー!」

「うん!私もつい、3枚も食べちゃったよ〜」

「もう響ったら、食べすぎ。今日の晩ごはん、食べれなくなっちゃうよ?」

 

時刻は夕方、そんな他愛のない会話をしながら私達は都市郊外を歩いていた。 

放課後に『ふらわー』によった私達はそこでお好み焼きパーティをしてきた。久しぶりに食べたおばちゃんのお好み焼きはとっても美味しかったなぁ〜。あ、でも一番はもちろん、未来のご飯だよ!

 

「でも用事があったからとはいえ、玲愛ももったいないねぇ〜、あの子も結構おばちゃんのお好み焼き気に入ってたからさ〜」

「だから、こうやってお土産のお好み焼きを持っていこうって皆で提案して、今玲愛ちゃんの住んでいる教会に行ってるんだよねー」

 

そう、私達は今玲愛ちゃんの住んでいる郊外の教会に向かっていて、理由はもちろんお好み焼きを届けにいっているんだ。教会には何回か行ったことがあるから皆、道筋は大体わかるけど、せっかくだし皆でお好み焼きを届けに行こうとこうして電車を乗り継いで、都市の郊外地を歩いていた。

郊外って言っても周りは都市部とあまり変わらなくて、強いて言えば高層ビルとかがあまりないってところ。それで、その郊外を少し進んだところに教会があって、そこに玲愛ちゃんとリザさんが住んでいる。

あ、リザさんっていうのは玲愛ちゃんの保護者で、何処かマリアさんみたいな大人びた女性の人で、弓美ちゃんが思わず『もしかしてイヴさんご本人ですか?』と言うほど母性が溢れているんだ。因みに玲愛ちゃん曰くFカップらしい。

 

「しかもご厚意でリザさんの分も作ってもらいましたしね」

「うん!きっとリザさんも喜ぶ………って、ん?」

 

そんな会話をしていたら、何処からか声が聞こえてきて、そっちに視線を向けると………なんか、男性の人が女性にビンタされて、あ、ビンタされた男性の人が立ってふらふらと女性に近づいた。

 

「ご、誤解ですお嬢さん。私はただ、道を聞こうとしただけで………」

「近寄らないでって言ってるでしょ、この変態ッ!」

 

で、ドカン、ズカ、バキバキ、ガッシャーンって音が聞こえそうな程、その人は女性に完膚なきまでに叩きのめされて……あ、ゴミ捨て場に捨てられた。

 

「うっわぁ、これは酷い………」

「災難というかなんというか……ご愁傷様としか……」

「あのっ!大丈夫ですか!?」

「あ!響!」

 

横で弓美ちゃんと創世ちゃんがそうつぶやくのを聞きながら私はゴミ捨て場に倒れた男性の人の元へ走った。

 

「立てますか?」

「だ、大丈夫です………ご心配なく………」

 

と言って、ゴミの山の中から抜け出したその人はポンポンと服に付着したものを払い落とした。

その人の見た目は金髪に眼鏡をかけて、服装に神父さんが着てるような黒いカソックを着込んだなんだか何処か抜けているような雰囲気がする男性の人だった。なにより特出するのが………

 

「でっかぁ………」

 

横で駆けつけてきた弓美ちゃんがそう漏らすほど、身長がとっても高くてもしかしたら師匠と同じかな?と思うほどだけど、違いといえば、大柄というよりは何処か枯れ木だと思わせるほどだった。

 

「いやはや、捨てる神あれば拾う神あり。この国にはこういうお言葉がありますが、正しくそれですね。あなたのような人に」

「へ?あ、いやぁ〜あはは……それほどでも〜」

「コラ、響。ところで、さっき何があったんですか?思いっきり叩かれてましたけど………」

「いえいえ。お気になさらず、道を訪ねただけなのですが、どうも宗教の勧誘と間違われたみたいでして」

 

なるほど。つまり、道を訪ねようしたら怪しい宗教の勧誘かと思われて。それはなんというか………

 

「災難、でしたね………」

「あははは……あの程度、慣れているとはいえ少し心に来ますね」

「ちょっと待って、今聞き捨てならない発言が聞こえたんだけど。えっ、慣れてる?えっ?」

「ところで、道を訪ねようとしたと聞きましたけど、何処へ行こうとしていたのですか?」

「えぇ、はい、実は教会へと行こうとしていたのですが、どうやら、街並みが私の記憶とすっかり違っていたのでみちを訪ねようとしたところ………」

「宗教の勧誘と間違われて手痛くボコボコにされて、ゴミ捨て場に捨てられたとこを……」

「立花さんがアナタを心配して来たと同時に私達と会ったと」

「えぇ、お恥ずかしながら……」

 

まさかの偶然だった。私達も教会に行こうとしてたところだったからちょうどよかった。

 

「だったら、私たちが案内するよ!実は私たちも教会に行くところだったから一緒にどうかな?」

「よろしいのですか?見たところ御学友みたいですし私がいたら迷惑では……?」

「いいんです。あなたがよろしかったらですけど……」

 

未来が聞いてきたところで、その人は私達の言葉がとても嬉しかったのか徐々に笑顔になってきて。

 

「おぉ……!まさか、ご心配されるだけでなく道案内までしてくださるとは、このめぐり合わせは主のお導きに違いない。もしやあなた方は天使さまなのでは?」

「いや〜、天使だなんてそんなぁ〜」

「響」

 

おっと、思わず口に出しちゃった。いやでも天使なんて言われたら誰だって嬉しくなっちゃうよね?そうだよね?だから、未来ジド目で私を見るのやめて。と、後ろで苦笑していた弓美ちゃんたちをあまり待たせちゃいけないと思って、私は軽く自己紹介することにした

 

「私は立花響っていいます。こっちは友達の未来と創世ちゃん、弓美ちゃん、詩織ちゃん。えっと、あなたは…………」

「あぁ、申し訳ありません。私としたことが自己紹介がまだでした。トリファ、『ヴァレリア・トリファ』と申します。見ての通り、神父をしております」

 

 

そう言って、神父さん……トリファさんは優しげな微笑みを私達に浮かべた。




切歌「調、さっきからなにしてるんデスか?」
調「二日間、病院にいると思って、氷室先輩に家からそばもんのぬいぐるみを持ってきてって頼もうとメールを………」
切歌「お願い、それだけはやめてほしいデス。逆に私たちが、眠れなくなるデス」
調「なんで?そばもん可愛いのに……」
マリア「貴方もそうだけど、彼女(玲愛)の感性を少し疑うわ……」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。