夕焼け少女達と紡ぐモノガタリ   作:希望光

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どうも、希望光でございます。
先ず、皆さま、誠にに申し訳御座いませんんでしたぁぁあ!
この回、モカの誕生日回を9月3日中に投稿できなかったことを深く反省し、お詫び申しあげたいと思います。
また、前回のリサの誕生日回同様に、設定の時間軸がキング・クリムゾンしています。
ご注意ください。

↓リサの誕生日回はこちら、『その日、全てが始まった』にございます。
https://syosetu.org/novel/196831/6.html


では、本編をどうぞ

追記:2019年10月21日
タイトルを『9月3日は……?』から変更いたしました。


特別編
モカ誕生日回:銀髪美少女は侮れない


 本日は9月3日。

 今日がなんの日かと問われれば、なんでもない日と答える人もいれば、某青いタヌキみたいなロボットの誕生日、なんていう人もいるだろう。

 だが、雷輝や蘭達にとっては全く違う日であった。

 

 そう、今日はモカの誕生日。

 故に、雷輝とモカ以外のAfterglowのメンバーは、様々な準備に追われていた。

 そんな中、雷輝は現在、モカと共に歩いていた。

 

「んー、やっぱり山吹ベーカリーのパンは最高だね〜」

「そいつは良かったな」

 

 雷輝の隣のモカは、幸せそうにメロンパンを頬張っていた。

 そんな彼女を見ながら雷輝は、これもまたいつも通りだと思うのだった。

 そんな事などつゆ知らずのモカは、メロンパンを早々に食べ終えると、袋の中に手を伸ばし、今度はチョココロネを取り出した。

 

「チョココロネか」

「そーだよ〜。モカちゃんが、山吹ベーカリーに行ったら必ず買うパン〜」

 

 そう答えたモカは、パンを咥えたまま雷輝に「ぴーす、ぴーす」と言ってVサインを向けてくるのだった。

 そんな彼女を見て、雷輝はクスリと笑った。

 

「およ? ライライ何か面白いことあった〜?」

「いや、モカはいつでもブレないなと思ってさ」

「それがモカちゃんなのです」

 

 えっへん、とモカは胸を張るのだった。

 

「で、今日はどこに行くんだ?」

「おっと、すっかり忘れてましたなぁ〜」

「おいおい……」

 

 頭を抱える雷輝を他所に、モカはふっふっふっと言って、懐から2枚のチケットを出す。

 

「この、チケットが目に入らぬか〜」

「それ、新しく出来たカフェの奴じゃん」

「そうだよ〜」

「しかも、俺がこの前モカにあげたやつ」

「んー? ライライがくれたやつだったけ?」

「4日、5日前ぐらいに渡したじゃん」

 

 少し上の方へ視線を向けるモカは、思い返していたようだが、遂に思い出すことができなかった。

 

「覚えてないな〜」

「そうかいな……。というか、なんで俺と?」

「んー、消去法?」

「え?」

 

 雷輝の驚きを他所に、モカは話を続けた。

 

「えーっとね、蘭は誘っても来るだろうけど、あまり乗り気じゃないと思うんだよね。で、ともちんとは近々ラーメン食べに行くでしょ〜。で、つぐは家がカフェだから誘う必要無いし、ひーちゃんは今ダイエット中って言ってたから〜、最終的に残ったのがライライなんだよね〜」

 

 そう告げたモカは、「まあ、ライライと行きたいのが1番なんだけどね〜」と呟くのだった。

 

「……うーん、まあ、分かったような、分からないような……」

「細かいことは気にせずに行こう〜」

「そう……だな」

 

 そう言って、2人は少し歩くスピードを上げるのだった———

 

 

 

 

 

 ここ、最近出来たカフェは、外まで並んでいた。

 

「おお、凄い人だ」

「……混み過ぎだろ」

 

 などと言いながら、2人は列に並んだ。

 この間、2人は特に喋る事もなかった。

 そして、列が少し移動した辺りで、雷輝が口を開いた。

 

「で、ここに来たのはいいが、何頼むんだ」

「え、そんなの決まってるじゃ〜ん」

「……まさか!」

 

 雷輝は、モカの不敵さを含んだ笑みを見て勘付いた。

 これから、モカの口から発せられる言葉に。

 

「ケーキの食べ放題だよ〜」

 

 その一言で、雷輝は膝から崩れ落ちるのだった。

 その後暫くして、2人は漸く店内へと通された。

 目の前に置かれたメニューを手に取ったモカは、開いて中へと目を通していた。

 

「ん〜、頼むものは決まってるけど。あ、ライライは何飲むの〜?」

「混んでた……混んでた……」

 

 雷輝はと言うと、先程からこの様に、現実逃避を繰り返しているのだった。

 

「おーい、ライライ〜?」

「……え、わ、な、何?」

 

 モカに呼ばれた事により、雷輝は我に返った。

 

「ライライは何飲むの〜?」

「あ、ああ。そうだな……カフェラテでも頼もうかな」

「じゃあ、モカちゃんも同じの頼もうかな〜」

「ん。モカ、ケーキは?」

「私はチョコケーキからかな。ライライは?」

「じゃあ、無難にショートケーキからだな」

 

 と、2人で軽く相談した後、店員を呼びスイーツ食べ放題セットを頼むのであった。

 

「で、頼んだところまではいいが……なんで食べ放題なんだよ」

「それが今日の目的だから〜」

「嘘だろ……」

 

 こんな事になるということを、1ミリも予測していなかった雷輝は、再び現実逃避をしたいと思うのだった。

 そんな彼とモカの元に、カフェラテとそれぞれのケーキが運ばれてくる。

 

「美味しそう」

「同感だ」

 

 2人は、フォークを手に取ると、ほぼ同時に食べ始めた。

 

「……これは、なんだ……美味い。それしか言えない……」

「ん〜、これは私でもパンから乗り換えちゃおうかなと思うレベルですな〜」

「そう言って、本当は乗り換えたりはしないんだろ」

「もちのろん〜」

 

 そうしてお互いに食べていると、不意に雷輝は正面からの視線を感じた。

 そこには、雷輝が食べているケーキに釘付けになっている、モカの姿があった。

 

「……どうした」

「ライライのケーキ美味しそうだね」

「食べ終わったら頼めばいいだろ」

「ライライが食べてるのがいい〜」

「んな無茶な……他のと大差ないだろ」

「あるよ〜」

 

 モカの言葉に、少し戸惑いながらも、この場を打開する策を考えている雷輝の前で、モカがおもむろに口を開けた。

 その様子を見た雷輝は、その理由が理解できず、モカへと問いかけるのだった。

 

「どうしたんだ?」

「ライライ、あーんして」

「……はい?」

 

 再び雷輝の頭の上に、『?』が浮かび上がった。

 それを察したのか、モカは雷輝へと告げた。

 

「ライライのケーキを、私に食べさせて〜」

「……rarely?」

「れありーれありー」

 

 満面の笑みでそう言われた雷輝は、断ることが出来ずに、言われた通りモカに自身のケーキを食べさせた。

 

「うーん、美味ですなあ」

「……満足したか?」

「大いに〜」

「それはよーござんした」

 

 そう言った雷輝は、再びケーキを食べ始めた。

 そんな彼に、モカが不意に言葉をかけた。

 

「ライライ〜」

「ん?」

「関節キスしちゃったね」

 

 その一言を聞いた瞬間に、雷輝は噎せた。

 そして、落ち着いたのを見計らって、モカは再び雷輝へと言った。

 

「ん〜、もしかして照れてる?」

「そう……じゃ……ゲホッゲホッ! ない……」

「もう〜、照れてるライライ可愛いですな」

 

 モカは、ニヤニヤしながら雷輝をおちょくるのであった。

 対する雷輝は、そっと口を開いた。

 

「……そりゃ照れるだろ」

「……およ? 珍しくライライが素直ですなぁ」

「だって……モカ可愛いし……」

 

 雷輝の言葉を予測していなかったモカは、その一言で顔を赤く染めるのだった。

 

「もう……ライライってば……」

「……なんか悪い」

「良いよ。ライライのいつも通りだし」

「おい、その言い方やめろ。誤解される」

「だって本当のことだし」

 

 といったモカだったが、その表情は満更でもない様子であった。

 そして、雷輝に聞こえないほどの声で、「そこがライライのいいところでもあるんだよね〜」と呟くのであった。

 

 そんなこんなで2人は、しばらくの間スイーツ食べ放題を楽しんでいた。

 その際、他の客から暖かな目で見られていたことを、2人は知る由もなかったそうな———

 

 

 

 

 

 喫茶店を後にした2人は、特段何かするということもなく、河川敷を歩いていた。ただ延々と。

 2人の間に会話といった会話もなかった。

 そんな感じで歩いている間に、空は茜色に染まり始めていた。

 

「もう、日が沈むのも早くなってきたな」

「そうだねぇ〜」

「この調子だと、もう1、2ヶ月ぐらいしたら練習後の空は、真っ暗だろうな」

 

 2人は空を見上げながら、そんなたわいも無いようなことを言い合った。

 そんな時、徐にモカが雷輝に尋ねた。

 

「私達は、いつまでこうしていられるのかな〜?」

「うーん、どうだろう」

 

 と、言った雷輝であったが、でもと言って続けた。

 

「俺たちが今この瞬間みたいに変わらない、なんて事はないんだろうけどさ、変わらないものはいくらでもあるだろうし、変わり続けてもこの関係が変わるなんてことはないと思うよ?」

 

 その言葉を聞いたモカは微笑んだ。

 

「ライライらしい答えだね〜」

「ありがとう。あとさ———」

「ん?」

 

 雷輝は懐から一つの小包を取り出した。

 

「はいモカ、ハッピーバースデー」

「私にくれるのー?」

「ああ。だって、モカへの誕生日プレゼントなんだから」

 

 モカは、小包を雷輝から受け取ると、雷輝に尋ねた。

 

「見てもいいかな〜?」

「もちろん」

 

 封を開けると、中には髪留めとヘアゴムが入っていた。

 

「おー、これは前にライライと買い物に行った時の」

「ああ。あの時、結構気になってたみたいだったからさ」

「うん。見た目が好みだったんだよね〜。ありがとう」

 

 モカは相変わらずな口調ではあったが、とても嬉しそうにお礼を言った。

 

「悪いな、プレゼントそれだけで」

「ちゃんとライライからの気持ちが伝わったからいいよ〜」

「そっか」

 

 そう言った雷輝は、歩き出したが、そんな彼に後ろからモカが抱きついてくるのだった。

 

「モ、モカ?」

「今は、こうさせて欲しい」

「良いよ」

 

 雷輝は、モカの願いを拒むこと無く受け入れた。

 

「ありがとう」

「良いよ。今日のモカは、誕生日なんだからさ」

 

 しばらくの間、モカは抱きついていた。

 雷輝も、そのままじっとしていたが、ある異変に気付いた。

 それを確かめるべく、雷輝は後ろを振り向いた。

 

「モカ……?」

 

 そこには、寝息を立てて眠るモカの姿があった。

 雷輝はそんな彼女を見てクスリと笑うと、起こさないようにそっと彼女をおぶった。

 その際、僅かだがモカは微笑んでいた。

 そして、彼はモカを背負ったまま、とある所へと向かった———

 

 

 

 

 

 誰かに呼ばれる声で、モカは目を覚ました。

 

「うーん……」

 

 若干ぼやける眼を擦りながら、周囲を見渡す。

 

「モカ、起きた?」

「……蘭ー?」

 

 そこに居たのは、紛れも無い自身の幼馴染の1人である、蘭だった。

 

「アレ、ライライは?」

「雷輝は、今ちょっと出掛けてる。もう少ししたら帰ってくると思う」

 

 蘭がそう言った直後、カランカランと聞き慣れたドアベルの音が鳴った。

 

「あ、雷輝」

「戻ったよ。あ、モカも目を覚ましたか」

「さっきね」

「そうか。じゃあ、始める?」

「うん。他のみんなも大丈夫だと思う」

 

 話している2人に、モカは問いかけた。

 

「そーいえば、ここってつぐの家?」

「そうだよ!」

 

 そう言って、つぐみが厨房の方から現れる。

 

「蘭とつぐがいるってことは、ひーちゃんとともちんも居るの?」

「当たり前じゃん!」

 

 つぐみ同様、ひまりが厨房の方から現れた。

 

「おい、ひまり。少しテンションが高いぞ」

「高くちゃダメなの?!」

「ダメとは言っていないが、お前は高すぎる」

「なにそれ酷くない?!」

 

 いつもと変わらない、ひまりと雷輝のやりとりが行われる。

 そんな時、再びドアベルが鳴った。

 

「あ、巴。お帰り。受け取ってきてくれた?」

「ああ! ちょっと遠かったけどな」

「悪いな、俺に連絡が来たのに取りに行ってもらって」

「良いって」

「じゃあ、主役も起きたし、やろうか」

 

 そう言って彼等は、クラッカーを手に取り、一斉に鳴らした。

 

「「「「「ハッピーバースデー、モカ!!」」」」」

 

 

 その言葉でモカは、ここ羽沢珈琲店に連れてこられた理由を理解した。

 

「みんな〜ありがとう〜」

「はい、これ」

 

 そう言って、蘭はモカへ箱を手渡した。

 

「アタシ達からのプレゼント」

「お〜、モカちゃんへの愛を感じますな〜」

 

 そう言って、モカはプレゼントをあけた。

 

「わー、パーカーだ〜」

「モカちゃん、パーカー好きだって言ってたから、みんなで選んだんだ!」

「パーカー教のモカが気に入ってくれるといいんだが」

「大事にするよ〜」

「あ、後これもモカにだ」

 

 そう言って、巴が1つの小包を取り出した。

 

「これは?」

「洸夜先輩とリサ先輩からだよ」

「リサさんと洸夜さんから?」

 

 同様に、こちらの包みも開ける。

 すると、中にはパンがメロンパンと、メッセージカードが入っていた。

 

「ふむふむ、リサさんが提案して洸夜さんと作ったのか〜」

「良かったな」

「うん」

「さて———」

 

 雷輝が、そう言って一同に向き直る。

 そして、こう告げた。

 

「改めて、パーティーを始めようか」

「そうだね」

「だな」

「うん」

 

 雷輝の言葉に、つぐみ、巴、蘭の順番に反応した。

 そして、全員がグラスを掴んだところで、ひまりがこう言うのであった。

 

「じゃあ、モカの誕生日を祝って———かんぱーい!」

 

 そう言って手に持ったグラスを掲げたが、誰1人として反応する事なく、場が静まり返るのであった。

 

「ちょっと、なんで反応してくれないの?!」

「それがいつも通りだから」

「蘭酷い?! というか雷輝君も乗ってよ!?」

「悪いな、俺も()()()()()に慣れちまったみたいでな」

 

 その後、泣き喚くひまりを巴が宥め、みんなでモカの誕生日を祝うのだった。

 余談だが、雷輝はとある地雷を踏み、蘭に追っかけ回され、つぐみに尋問されそうになるが、それはまた別のお話。




はい。
突貫で仕上げたので、すごくガバガバ且つ、投稿日時が1日遅れるということ大失態を犯しましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。
次回は通常通り、本編の方を進めて行く方針でございます。
また、宜しければ感想・評価等お願い致します。
最後に、モカ誕生日おめでとう!!
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