第97管理外世界の赤い球   作:破壊光線

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 読者の方が何を求めているか分からないし、個人の趣味でここまで投降してきたけど、話がこれから二転三転するけど大丈夫?

 デスレムとグローザム戦闘はターニングポイントになってます。




力任せの邪悪な願い

 デスレムとグローザムを倒した翌日、なのはとフェイトは向かい合っていた。場所は昨日暗黒四天王の二人を倒した大通り。ユーノが結界を張ったため人はいない。なるべく被害を出さないかつ、全力で戦える状況を整えた。

 グローザムが持っていた一つのジュエルシードをかけて戦い、勝者が手に入れるというルールになっていた。なお、ジュエルシードは浩という少年が預かっている。

 一度は協力した二人だが、ジュエルシードを集める目的が二人とも異なるため、どちらも引けなかった。

 

「フェイトちゃん、どっちが勝っても恨みっこなしだよ」

「分かってる、私も負けないよ。」

 

 フェイトとなのはが同時にデバイスを構える。

 

「ディバインバスター」

「フォトンランサー」

 

 桃色と黄色の二つの魔法がぶつかり合う。ベムスターが現れてから何度か戦っている二人、今回もその中の一戦になるはずだった。

 お互いの初撃がぶつかり合い、距離をとる。その瞬間。

 

「ストップ! これ以上の戦闘行為は認められない」

 

 黒いバリアジャケットを着た少年が二人の間に割り込んだ。

 

「僕は時空管理局のクロノ・ハラオウン。二人に聞きたいことがある」

 

 時空管理局なる組織を自称する少年はゆっくりとなのはとフェイトに近づいてきた。なのはは状況が読み込めないのか、呆然としている。しかし、フェイトはデバイスを振った。

 

「逃げるよ、アルフ!」

「ああ」

 

 フォトンスランサーをクロノ目掛けて撃つ。とっさの出来事にクロノはバリアを張ってフェイトの攻撃を防ぐ、クロノのバリアとフェイトのフォトンランサーがぶつかって、爆発が起きた。視界が晴れた頃は、すでにフェイトが煙を利用して姿を消した後だった。

 

「クッ、一人逃げたか。君たちは僕と一緒に来てくれるよね」

「え、はい」

 

 フェイトが逃げたことで混乱し、以前状況が飲み込めないなのは。彼女はとりあえず返事をした。

 

 

 クロノに連行されたなのはとユーノ。二人は時空管理局が使用する次元航行艦アースラというメカの内部にいた。宇宙戦艦ヤマトみたいな内部をしたこの船が今の地球の科学より優れていることは間違いない。

 途中フェレットだったユーノが本当の姿、マントを羽織った少年の格好に戻り、なのはがパニックを起こすがそれは割愛する。SFに登場しそうな戦艦の内部をクロノに案内される形でなのはとユーノが歩いていくと、機会が所狭しと並ぶ中、和風のお座敷がど真ん中に置いてある部屋に出た。

 

「艦長、連れてきました。こちら、現地で戦っていた高町なのはと、ユーノ・スクライアです」

「あら、どうも。可愛いお客さんね」

 

 人当たりの良さそうな女性があいさつした。彼女はお座敷の上で正座をし、かっちりとした軍服に湯飲み茶わんでお茶をすすっている。彼女こそこのアースラの艦長だ。明るい緑色の髪を一つに束ね、それを揺らして二人に向き合うと自己紹介を始めた。

 

「はじめまして。私がこのアースラの艦長のリンディ・ハラオウンです」

「ハラオウンって、クロノのお母さん!?」

「その通りです」

「あう~」

「なのは! しっかり」

 

 ユーノが別の世界の人間だと知り、異世界人の文化、艦長リンディと執務官クロノが親子。一度に流れてくる情報量の多さに耐えきれず、なのはの頭がついに爆発した。

 なのはが目を回してる中、一服してたわけじゃなくユーノがちゃんと事情を説明していた。一通り話し終わるとなのはが復活、次は管理局側から説明に入る。まずはクロノが口を開いた。

 

「これから大切なことを言うからしっかりと聞いて欲しい。特になのは、分からなくなったり、付いてこれなくなったりしたら遠慮なく言ってくれ」

「分かりました」

 

 なのはの反応を見て、クロノは頷くとスクリーンに青色の宝石を投影した。なのはにはそれに見覚えがある。

 

「ジュエルシードだ」

「そう、ロストロギア、『ジュエルシード』。対象の願い事を叶える宝石だ。その宝石が第97管理外世界、つまりこの星、地球。事故が重なり落ちてしまった。

 刺激を与えなければ基本的には害は無いが、君たちの知っているように暴走してしまう。中にはジュエルシードが爆発して世界そのものを消し飛ばしてしまうこともあったんだ」

 

 クロノの説明を聞いて、なのはとユーノが戦慄する。二人が理解したと確認してクロノはスクリーンのスライドを動かした。青色の宝石の次は赤い球だった。

 

「ロストロギア、『赤い球』。物質文明の最終到達地点。効果は心に描いたものを全て現実のものとする。効果はジュエルシードと同じだが、ジュエルシードのように暴走などしない。願いは確実に叶えてくれる。いわばジュエルシードの完全上位互換と言ったところだな。しかし、人々の無限の欲望を実体化した結果、その度に世界を滅ぼしている」

 

 クロノの説明を聞いてなのはが恐る恐る手を上げた。

 

「なのはさん質問ですか? 何でも聞いてくださいね」

 

 リンディの優しい声がこの部屋に響いた。

 

「えっと、『赤い球』に願えばなんでも願い事が叶うんですか?」

「そうだが……説明しただろう」

 

 クロノが頭を抱えながら答える。しかし、なのは詫び入れることも無く続けた。

 

「たとえばそれが、テレビのキャラに会いたいって願っても?」

「ああ、たぶん可能だと思うが……もしかして、何か知っているのか」

 

 要領の得ない答えが返ってくる。なのはは大きく肯いた。

 

「はい。私、戦いました。『赤い球』が叶えた願い事と」

 

 なのははレイジングハートをスクリーンに向けてかざす。大きなスクリーンに昨日戦ったデスレムとグローザムが映し出された。

 

「これはデスレムとグローザムって言います。もちろんこんな怪人は地球に存在してません。

 でも、フェイトちゃんが言うには、この怪人はウルトラマンメビウスっていうテレビ番組に登場したそうです。その『赤い球』に誰かがデスレムとグローザムに会いたいってお願いしたんだと思います」

「そうだ! おそらく、以前なのはを襲ったベムスターっていう怪獣も『赤い球』が生み出したものに違いない。

 それに、デスレムとグローザムは、ボスがいると言ってました。きっとそのボスが『赤い球』を持っていると思います」

 

 ユーノもなのはを擁護する。二人の剣幕にリンディとクロノは顔を見合わせ、艦長が静かにハッキリと艦内に命令を下した。

 

「誰かに渡り、使いこなしているとすると非常事態です。『赤い球』の捜索を最優先事項とし、全力を持ってコレを探すことにします」

 

 アースラ中にブザー音が鳴り響き、乗組員が一斉に動き出した。リンディは緊急事態となり部屋を後にした。

 クロノはなのはとユーノに向き直る。

 

「これは資料でしかないのだが、『赤い球』を手にした者は力を望むようになる。それがだんだん手を付けられなくなり、そして世界が滅ぶ」

 

 クロノは一旦落ち着いて、別名を伝える。

 ロストロギア『赤い球』、またの名を『力任せの邪悪な願い』と。

 

 

 

 なのはとユーノがクロノに連行されている時、アルフと逃げたフェイトは浩の家に向かっていた。

 浩の家には行ったことは無いが、ラインで連絡を取り合い進んでいく。フェイトは目印の動物病院を過ぎ、浩の家にたどり着いた。息を切らして玄関に突っ込んでインターフォンを連打する。

 

「フェイト、フェイトです! ヒロシいるなら返事して」

「分かった、分かった」

 

 鬼気迫るフェイトとは反対にお腹をかきながら浩がドアを開けた。

 

「何だい? そんなに慌てて」

「管理っ、時空管理局がきた」

 

 浩は聞きなれない単語に首を傾げながらも緊急事態だと判断し、フェイトを家に招待した。

 

 

 

 鹿島家のリビング、ちゃぶ台を囲んでフェイトとアルフが麦茶を飲んでいた。浩は二人が息を落ち着いたのを見て切り込んだ。

 

「時空管理局って何」

「えっと、管理局は……」

 

 フェイトが言うには、時空管理局とは次元世界の平和維持のために作られた組織だ。フェイトのような異世界から別の世界に来て影響を与えるような行為や、ジュエルシードのような危険物の回収、管理などを仕事にしてる。

 説明に時間がかかってしまったが、浩は大体の内容を理解した。

 

「アンタに預けたジュエルシード、アレが問題で。アレを持っていると管理局に目を付けられてしまう。そうなったら本格的に巻き込まれるんだ」

 

 申し訳なさそうに謝るアルフを見て、浩は事態を飲み込めないながらも事を察したようだ。散らかった部屋の中からジュエルシードを持ってきた。

 

「ありがとう、これで巻き込まなくてすむ」

 

 フェイトはジュエルシードを大切に握りしめると何度もお礼を言って鹿島家を出ようとした。その時、インターフォンが鳴った。浩はフェイトを待機させ、ドア越しに外の様子をうかがうと、なのはが立っている。

 

「あ、ヒロシ君」

「なのは? 何の用」

 

 なのは相手だと安心してカギを開けると、黒い服を着た少年も立っていた。

 

「時空管理局のクロノ・ハラオウンだ。鹿島浩君だね、ちょっと君に聞きたいことがある」

「あ、はい。上がって」

 

 浩は素知らぬふりをしてクロノを家に招待する。クロノが靴を脱いだタイミングを見計らい、消火器を取り出して噴射させる。白い消化液がクロノの服を真っ白に染めた。

 

「フェイト! アルフ! 逃げるぞ」

「おい! まて」

「ヒロシ君どうして逃げるの?」

 

 そのままリビングにいたフェイトの手を引っ張り、アルフともども押し入れに突っ込んだ。クロノの代わりになのはが追って来たが、リビングにはちゃぶ台と飲みかけの麦茶が三つ置いてあった。

 

 

 

 危なかった。俺はフェイトとアルフを連れて異次元の中にいた。

 フェイトが来たかと思うと時空管理局とかいう組織を言い出して、そのままクロノとか言う本人登場だもんな。どうなっているのだろうか、この世界。密かに異世界に侵略されているとしか思えない。日本の警察は何してるのか。でも相手は異世界の警察か、勝てる理由が無かった。

 以前メトロンが押し入れと異次元を繋げてたことを思い出て、ふすまを開けてみて正解だった。ひとまずこの異次元と鹿島家を繋ぐスイッチをオフにしとく。

 これで追ってこれないと思う。赤い霧が立ち込めて不気味な空間だけどしょうがない。俺は出来る限り怪獣に合わないことを考えながら異次元を歩いた。とりあえずの目的地はここを管理してるアイツの部屋だ。

 

「ここは……どこ?」

「ヒロシ、ホントにこの星の人間」

「……秘密の一つや二つ持ってたって別にいいだろ」

 

 初体験なのか、周囲を見渡すフェイトたちを案内して目的にたどり着いた。この異次元は個室制なのでふすまを横にひく。

 

「やあ、ヒロシ少年。っと可愛らしいお客さんもいるじゃないか」

「め、メトロン星人!?」

「え、セブンに出てきた」

 

 異次元でもちゃぶ台にあぐらをかく宇宙人、メトロン星人。俺の家族にフェイトとアルフが驚愕していた。メトロンはフェイトが自分の事を知っていてたのが嬉しかったのか笑っている。

 

「私の事を知っているとは大変光栄だ。少女はフェイトだったか、君はヒロシ少年からよく聞いているよ」

 

 軽快な声色で話す宇宙人。緊急事態でも動じないのはコイツらしい。一方でフェイトがパニックを起こしているのか、とんちんかんな事を言った。

 

「えっと、えっと、タバコは身体によくないと思います!」

「はっはっは、話通りのいい子じゃないか。どうだい、少年の彼女にでもならないか」

「おい、メトロン。そんなことを言っている場合じゃ」

「難しいなあ。地球人は恋バナというのをすると喜ぶと聞いたが、実際は違うようだ」

 

 俺もその意見を否定はしないが時と場合があると思う。フェイトはさらに混乱しているし。

 

「時に少女、時空管理局なる組織について詳しく教えてくれないか。私は宇宙人だけど、こうして君と関わった以上は管理局に追われそうだからね」

「ごめんなさい」

「謝らないでくれたまえ。君と私は地球人ではない者同士じゃないか」

 

 俺が仲間外れになった。

 

 

 それから俺とメトロンはフェイトから時空管理局の目的、ジュエルシードを探しに来た。ということ聞いた。

 メトロンは裏で動く予定だったが、こうしてフェイトと関わったから、今後は表舞台に立つだろう。ゴメン。メトロンが家にいる理由としては、地球の近くを飛行していたら、ジュエルシードの暴走態に襲われて俺が保護した。ということになった。

 話がひと段落すると、フェイトのマンションのお風呂場と、この異次元を一時的につないでフェイトを返すことになった。なぜ、お風呂なのかを聞くと。

 

「扉を開けたら裸の美女が二人も、まさに桃源郷。実に素晴らしいじゃないか」

 

 などとぬかしていたので、赤面したアルフにぶん殴られていた。ざまあみろ。

 実際の理由は不明だが一番繋げやすかったみたいだ。あとはドラえもんの影響だとか、しずかちゃん家に繋がるどこでもドアか。

 

 いろいろと情報共有したフェイトが帰ることになった。

 

「いろいろありがとうございます」

「管理局が来たときはどうなるかと思ったけど、アンタが味方に付いてくれたから心強いや。それにこの不思議な空間もあるし」

「そう言ってもらえるとこちらとしても嬉しい限りさ、機会があったらまた遊びにおいで。それと少女、ウルトラマンマックスの第24話『狙われない街』はオススメだぞ。ぜひ見てくれ。それじゃあ」

 

 以前も同じことを言っていた気がするが、触れないでおく。チューリップのような手を振って別れを告げるメトロン。俺も一緒になって手を振ってフェイトたちを見送った。

 フェイトたちが帰ると、どこからともなくスウッと黒い影が現れた。

 

「緊急事態だと聞いてやってきたら、時空管理局ですか。ジュエルシードの存在を知ってから防衛軍のようなものと戦うことになるとは思っていましたが、これまためんどくさいモノが来ましたねぇ」

 

 メフィラス星人。メトロン星人と同じくらい付き合いの長い、家族のような存在だ。

 

「ヒロシ君。フェイトの話を聞いて考えたのですが、時空管理局、彼らの目的はジュエルシードの他にもう一つ、君が持っている『赤い球』だと思います」

 

 確かに。時空管理局が何を持ってジュエルシードを集めているのかは知らないが、それと同じ効果を持った『赤い球』も回収されたとしても別におかしくない。最悪の事態を想定しながらメフィラスに聞いた。

 

「メフィラス、もし渡したらどうなる」

「ヒロシ君が『赤い球』に願って創った我々は消されてしまうでしょう。私も、メトロンも、バキシムも」

 

 メフィラス達がいなくなった後を考える。

 あの時、メフィラスとメトロンを生み出すために両親を犠牲にした。バキシムやドラゴリーを創るのに友達と遊ぶことも断った。それに関しては後悔なんかしていない。むしろ今ですらこれでよかったと思ってる。でも、もし彼らが、俺の創った怪獣たちが消えてしまったら、俺に何が残るのか。

 

「いやだね。デスレムとグローザム、ベムラーにベムスター。倒されはしたし悲しかったけど、それでも皆がいてくれた。怪獣に囲まれて、君たちは俺の好きな物を受け入れてくれて、俺は嬉しかった」

 

 知らず知らずのうちに俺の手の中には『赤い球』が収まっていた。こいつを拾ったのがすべての始まりだった。

 半信半疑で願ったベムラー。両親と引き換えに来てくれたメフィラスとメトロン。グローザムの捌いた刺身は美味しかったし、バキシムとやった夜の昆虫採集も楽しかった。友達にも両親にも、織姫と彦星にだって受け入れてもらえなかった俺の趣味、怪獣。俺が望んだ、たった一つの願い。

 

「壊されてなるものか。家族にも友達にも先生にも、そして時空管理局とかいう変な組織までも、俺の大切な物を否定されてなるものか!」

 

 『赤い球』が語り掛ける。次の願いはなんだ。何でも叶えてやる。と。

 俺は部屋の本棚から怪獣図鑑を取り出した。

 

「メフィラス、メトロン。今から最強の怪獣軍団を創る。だから付いてきてくれ、対価は地球だ。あなたに地球を上げましょう」

「分かりました」

「了解した」

 

 禁じられた言葉を叫んでメフィラス星人とメトロン星人と握手を交わす。

 左腕で抱きかかえた『赤い球』はあちこちに棘が生えて、すでに球と呼ぶには難しかった。




 感想乞食みたいになりますが、そろそろ感想が欲しい。
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