第97管理外世界の赤い球   作:破壊光線

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 サブタイトルが思いつきませーん。適当にネクサス風にした。


始動ースタートー

 時空管理局地球支部。フェイト、アリサ、すずかの三人が急に離脱してしまった。しかし、浩を失ったメトロン星人がドラゴリーとバキシム、ベムスターの三体を連れて管理局と協力することになる。今は居なくなった三人の捜索と守護騎士、メフィラス星人と残った怪獣達の出方をうかがっている。

 そんなある日、買い出しに出かけたリンディたちの帰りを、なのはが座りながらジュースを飲んで待っている。物足りなくなって、お菓子を摘まもうと戸棚からクッキーを見つけた時、魔法陣が光り二人の女性が現れた。

 

「ふう、ここが地球だね」

「ちょっと早く着きすぎちゃったかな? クロノ居ないし」

 

 ネコ耳の女性二人。二人とも同じような服装で、顔もそっくりだ。一見して違いがある場所を挙げるとすれば、髪の長さくらい。双子なんじゃないかと思えるほど、それくらいそっくりだった。

 双子はキョロキョロと周囲を見渡すと、なのはに気づいた。

 

「えーっと、君は……なのはちゃん?」

「はい……そうですが」

 

 ショートヘアの方は鼻がぶつかりそうなほど急接近してきた。胸元には赤い宝石のついたネックレスがぶら下がっている。ダイヤ型の宝石は不思議となのはの注意をひいた。一見、ただの宝石だが、見つめれば見つめるほど、何者かの目を見ている錯覚に陥ってしまう。

 引きずり込まれそうな魅力に囚われていると、ロングヘアの方が困惑するなのはに助け舟を出した。

 

「ロッテ止めなって、なのはちゃん困っているよ」

「アハハハ、ごめん。つい可愛くて。私はリーゼロッテ、クロノに魔法を教えたんだ」

「私はリーゼアリア。ロッテの姉さ」

 

 髪の長い方がリーゼアリアで髪の短い方がリーゼロッテと言うらしい。ネコ耳が生えていることからネコを素体とした使い魔であることに間違いない。時空管理局の中では有名人で、その主と共にさまざまな功績を残している人物でもある。

 なのはは露ほど思わず、アハハハと愛想笑いを浮かべていた。

 

「クロノはいないのか? 『闇の書』に関して調べてきて欲しいって言うから調べてきたんだけど」

「ただいま」

 

 玄関からクロノの声がする。出かけていたリンディたちが帰って来た。その声を聴くや否やリーゼロッテがクロノの方へ飛んでいく。姉、アリアは頭を抱えてため息をついた。

 

「ごめんね、妹が」

「大丈夫です。驚きましたけど……ところで、ロッテさんのネックレス、綺麗ですね」

「ああ、あれか。私もびっくりしたよ。いつの間にか拾ったらしくて、それに綺麗だし。普通に買ったら云十万はしそうだしね」

 

 なのはとアリアが世間話をしている間、クロノとユーノはロッテに襲われていた。

 男子二人には悪いが、心の中で自分がこうならなくて良かったとホッとした。

 

 

 

 

 しばらくして、リーゼ姉妹が調べてきた『闇の書』の情報を共有することになった。いつものようにスクリーンに画像や映像を映して説明が行われる。参加者はリンディ、クロノ、エイミィ、なのは、ユーノとリーゼ姉妹。プレシアは娘と使い魔を探しているため不参加だが、メトロン星人たちは参加している。

 リーゼたちはかつて、時空管理局と戦った宇宙人に対し、「本当にこんな異星人がいるんだ」と軽い反応だった。特に事を構えることも無く報告会がスタート、司会はリンディ。

 

「おさらいも含めてお話しします。『闇の書』は魔法を記録するデバイスです。魔力を集めて666ページを埋めれば完成。それを手伝うために守護騎士プログラムが存在します。シグナム、ヴィータ、ザフィーラ、シャマル。以上の四名が守護騎士プログラムに該当するわ」

 

 リンディがおさらいを終えると、リーゼ姉妹が立ち上がった。アリアはバインダーを開いて読み上げる。資料にはあらかじめ赤線が引いてあり、簡潔にまとめられていた。

 

「調べてことなんだけど、666ページ埋めると完成して起動するはずだったんだ。だけど、改変によって自己防衛プログラムが暴走するようになってしまった。

 結果、完成すれば周囲を破壊し尽くした挙句、転生機能によってまた白紙の状態で生まれ変わるようになった。だからなるべく早く守護騎士と主をとっ捕まえなくちゃいけない」

「じゃないと、クロノのお父さんみたいに犠牲者が」

 

 リーゼ姉妹から驚愕な事実を知らされる。しかし、一同は冷静で、とくに驚いた様子もない。

 そもそも浩が『闇の書』の主八神はやての家に押し掛けて交渉している最中、仮面の男が襲撃に会った。それ以降、浩は本の中に吸い込まれ、守護騎士たちは姿を見せていない。さらにだいぶ時間が経っている。このことから一部、守護騎士たちは死んでしまったのではと噂が立っていた。

 これらを踏まえてユーノがリーゼたちに意見する。

 

「でも、ヒロシと守護騎士達で戦った後に仮面の男が襲撃、『闇の書』の主は行方不明になりました。シグナムさん達もここのところ活動してないし……もしかして別の世界に転生してしまったとか」

「それは違うな。確かに少年は地球上には居ないが生きている。そんな感じがするんだ。私としては怪獣達同様、『闇の書』に吸い込まれてしまったと思っているが……今は体勢を整えているんじゃないかな」

「僕もメトロンの意見に賛成だ。でなければフェイトやアリサ、すずかが消えた理由が分からない。フェイトとアリサは予測でしかないが、守護騎士たちへのリベンジだと聞いている。『闇の書』が転生したとなれば、もう戻ってきてもいいはずだ。なのはとすずかは連絡を取り合っているようだから、すずかは地球にいるとして」

 

 メトロンの見解にクロノが賛同した。

 『闇の書』はどうにかしないといけないものの、肝心の守護騎士たちが行方不明。そればかりかフェイト達も居なくなって、管理局としては動きたくても動けそうにない。一度プレシアとリンディがサーチ魔法を使ってフェイト達を探したこともあるが、相手は位相を移動できるゴルゴレムにデスレム、異次元の中のメフィラスと人知を超えた移動手段を持つものばかり。捜索は失敗に終わった。

 今もプレシアが必死になって探しているが、無駄に終わるだろう。

 

 課題の多さにクロノが唸り、リンディもフェイト達を探しながら様子見という決断を渋々出した。となりでは極彩色の宇宙人が缶のお茶を呑気にストローですすっているが。

 

「じゃあ、何だよ。このまま『闇の書』が完成するまで黙って見ているのかよ!」

 

『闇の書』の怖さを調べたリーゼ姉妹から反論が入った。彼女からしてみれば当然で、だって地球が滅んでしまう可能性があるから。

 

「そんなつもりはない。ただ」

「ただ?」

「単純に相手の戦力が分からないんだ……。メフィラスと守護騎士たちが裏で手を組んでいたら、フェイト達がいないから勝算が分からない」

「そんなことを言っている場合かよ」

「だってフェイトはともかく、なのは達はこの星の民間協力者だ。管理局の人間じゃない」

 

 地球に住む人を助けるはずなのに、地球に住むなのは達に負担を強いて、危険な目に合わせてしまう。大勢を救うためには多少の犠牲も必要かもしれない。しかし、その犠牲がなのはやすずか、アリサといった小さな女の子では気が引けたのだろう。

 

「たしかに、クロノの意見にも一理あるか」

 

 時空管理局の一人としてアリアは不満げにも納得した。しかし、ロッテの方は頭に血が上っている様子で引き下がろうとはしない。

 

「こっちにはプレシアだっているし、私たちも来た。なのはちゃん、クロ助のデバイスだって強化されたじゃないか」

「怪獣軍団VS守護騎士の戦いを見ただろう、あれがそのまま相手になると考えたら」

「でも怪獣軍団のボスだったヒロシってやつがいないじゃないか」

 

 クロノとロッテで口論が始まった。浩の生み出したキングオブモンスという強敵を知っているからこそのクロノの意見。それに対し、早急に『闇の書』を対処すべきだというロッテの意見。両者一歩も譲らない議論になのは達は黙って聞いているしかない。

 そんな中、場違いにもズゴゴゴとお茶をすする人物がいた。もちろん、メトロン星人である。彼はロッテの苛立ちなど気にしない様子で話し始めた。

 

「まあまあ、落ち着きなさい。これ以上喧嘩してても議論は進まんよ。そうだねえ……私の考えではそろそろ守護騎士たちが動き出してもいいと思う。今日一日待ってみてはくれないか?

 なーに心配はいらないよ、地球には娯楽が腐るほどあるからね。デパートにでも出かけてくればイライラなんてなくなるさ。時間を無駄にするのが嫌ならウルトラマンでも見ればいい。勉強になるぞ」

「話聞いてた?! 今はそんな場合じゃないって」

「私としては仲間同士で喧嘩している場合じゃないと思うけどな。あーあ非常に残念だ。地球侵略するなら今がチャンスだっていうのに」

 

 ロッテは異星人に侵略のチャンスだと言われて我に返ったのか、黙ってしまった。メトロンは空き缶を捨てに立ち上がる。そのまま鼻歌を歌ってゴミ箱に缶を捨てると、戻ってくるときに戸棚を漁り、手にはトランプを持っていた。

 

「喧嘩は止めてババ抜きでもしようじゃないか」

 

 リンディとエイミィが目をそらす。何かあったのだろうか。しかし、ロッテには逆効果だったようで。

 

「知らない!」

「ロッテ、待ちなって」

 

 怒ったまま出て行ってしまった。アリアも妹を追って飛び出した。出ていく際、戻ってくるからと言っただけましだろう。そんな双子の様子をメトロンは。

 

「フラれてしまったよ。でもロッテ君は大丈夫だと思うよ、きっと戻ってくるはずだ。しかし、あの二人、過去に何かあったのかな? ロッテ君の様子が少しおかしかった気がするが」

「さっきも言っていたが、僕の父さんが『闇の書』の暴走が原因で殉職した。リーゼたちとも仲が良くて……それでだと思う」

「親の仇って訳か、変なことを聞いてしまったね。……しかし、ロッテ君からどこか懐かしい気配を感じたんだ」

 

 メトロンはクロノの父に対して特に追及することはなかった。クロノもあまり触れて欲しくないのか自ら進んで話すようなそぶりも無く、黙ってしまう。リンディに関しても同じだ。

 沈黙が支配する中、なのはのスマホからチロンと可愛らしい音が鳴った。メールが届いたようで、なのはがスマホを取り出して差出人は月村すずか。なのはは急いでチェックする。

 

 

 

『なのはちゃんへ

 

 いきなり居なくなってごめんなさい。私は元気です。居なくなった理由だけど、私なりに考えたいことと調べてみたいことがあったので一人で行動することにしました。それで分かったことですが、二つあります。

 一つ目はシグナムさん達、守護騎士は生きています。今はまだ体制を整えているようです。が、準備は終わっているみたい。

 二つ目はヒロシ君が創った怪獣が海に潜んでいます。こっちは『カギ』が無いと出現しないようなので、まだ安心かもしれません。『カギ』が分からないけど。

 なのはちゃんの方でも何かわかったら連絡してください。

 

 月村すずか』

 

 

 

 最後の一文以外は全員に聞こえるように声に出して読み上げた。浩の置き土産は動きそうにない。しかし、メトロンの勘が当たったのか守護騎士たちは準備完了したとのこと。守護騎士たちが動けばそれを追って離脱したフェイト達も何かしらのアクションは起こすだろう。それまでは様子見だ。

 『闇の書』が危険なことに変わりはない。リンディたちが次の方針を固める中、なのはは今日の報告で分かったことを書きまとめると、すずかに向けて返信した。




 なかなか物語進行しなくてごめんなさい。話が重くなって申し訳ない。一期のプレッシャーが重いだもん(言い訳)
 でも前回で目指すべきゴールは見つけたから。
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