街を疾走する鍵音。
ノイズを蹴散らしながら逃げ遅れた市民が居ないかを探す。
(どうやら全員避難が完了したようだな)
そう思い鍵音が足を止めたその時だった。
地面から鳴り響く轟音。
地中から地上へ突き破り、超巨大ノイズが出現した。
「はっ! ラスボスのお出ましか!」
鍵音が右手に携えたガングニールを構える。
その時だった。
上から巨大な剣が降った来たのだ。
巨大ノイズはそれを間一髪でかわし、上を見る。
「下がお留守だぜぇ!」
「天羽!」
鍵音の横を奏が通り抜ける。
奏が持つガングニールは回転し始め、竜巻を作り出し、ノイズへ襲いかかる。
【LAST∞METEOR】
しかしノイズはまだ倒れない。
しかし、先程の攻撃で立ち眩んだノイズを見逃す鍵音では無かった。
鍵音は右手に全神経を集中させ、持っていた槍を巨大化させる。
そのまま鍵音はノイズに突き刺した。
【秘槍・神ヲモ穿ツ巨槍】
鍵音に突き刺された巨大ノイズは瞬く間に炭化していき姿を消す。
それを見届けた鍵音は右手のガングニールを解除した。
「おい! あんな技使って大丈夫なのか!?」
「まあな、なんだかガングニールが手に馴染んできたようだ」
「前よりかは疲労していないな……やはり融合の影響か?」
「おそらく」
後で改めてメディカルチェックを受けようと思った。
今の戦いで疲労も感じずに平然と立っている鍵音。
少しずつ人間から離れていくような感覚だった。
(いや……大丈夫だろう)
余計な心配はしない。それが鍵音であった。
「俺はまだ逃げ遅れた奴が居ないか探してくる」
「分かった、鍵音、絶対無茶すんなよ。お前に何かあったらアタシ……」
「ふふ、奏ったら黒森が倒れた時泣き叫んでたのよ」
「お、おい! 翼ぁ!」
顔を赤くしてあたふたと慌てる奏を見ていたらなんだか元気が出てくる。
そして、同時に心配はかけさせたくないと思った。
「分かった、無茶はしない。…………ありがとう……奏」
「!! お、おう! 行ってこい! 鍵音!」
顔を少し赤くして鍵音が始めて奏の名を呼ぶ。
苦節二年。ようやく天羽奏の夢が達成された時だった。
それに答えるかのように奏も満面の笑顔で答えた。
──ー
その後も鍵音は人を探したが見つけることは無かった。
どうやら一人もノイズに襲われずに避難できたらしい。
そんな時、ある光景が飛び込んできた。
「……仲直りしたんだな」
そこには肩を寄せ合い笑顔笑う未来と響の姿があった。
二人の幼馴染として少し心配だったが、それも杞憂だったようだ。
──ー
あの後、鍵音は二課特別戦闘要員として正式に認められた。
ただし条件は決して無茶はしないこと。
主に鍵音の仕事は人の避難誘導や保護、緊急時における戦闘のみだった。
しかし、これで正式に戦闘要員となったおかげで、色んな事ができる。
鍵音の手元には自腹で買ったツヴァイウィングのライブのチケットがあった。
先に奏にチケットを渡されたが、それは丁重に断った。
「なんで受け取ってくれないんだよ」
「もう持ってる」
「え?」
「5000円も払ったんだ、最高のライブをしてくれ。後、美味いもんでも食べろ」
ぶっきらぼうな言い方ではあったが、鍵音自身の優しさが出ていた。
「……ほんと、お前ってやつは……」
「……」
「ほんっとかわいいな〜!」
そう言うと奏が鍵音を思いっきり抱きしめる。
突然の事に鍵音は思考停止したのち、奏から発せられる優しい香りに頭がクラクラし始め、遂にはあうあうとしか言えなくなっていた。
「へ、はへ、ほへ」
「な! アタシたちもデートしようぜ!」
「へも、へも」
「響と翼と未来の三人はデートするらしいんだけど、アタシはお前が居るから断ったんだ!」
「ほへ」
「決まりだな! 明日10時にここに集合な! 待ってるぜ!」
そう言うと鍵音を解放して奏がニコニコしながらその場を去っていく。
それをぼーっと見届ける鍵音。
たまたま通りがかった緒川に話しかけられるまで、その場で呆然としていた。
「鍵音さん? おーい、生きてます?」
「…………はっ! え? さっき……」
「はい、明日奏さんとお出かけするんですよね? あまりハメを外しすぎないよう奏さんに伝えてもらえますか?」
「で、デート……嘘……だろ……」
未だ信じられない衝撃の展開に、鍵音は胃から込み上げてきたものを全て吐き出した。
「うわああ! 鍵音さん!? 大丈夫ですか!?」
「オロロ(大丈夫です、昔から緊張しすぎると吐く癖があって……)」
「なんで、吐きながら喋れるんですか!?」
鍵音の芸の細かさに何故か驚愕する緒川であった。
後の土砂物は綺麗に鍵音が掃除しました。
もう奏さんがヒロインでいいんじゃないかな…( ◠‿◠ )
というかここ最近タイトル詐欺感が半端じゃない気がしてきました( ◠‿◠ )
許して\(^o^)/
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