そしてライブ当日。
場所はあの史上最悪のノイズ事件があった場所。
鍵音にとっても分岐点となった場所だ。
しかし、鍵音の心には曇りなど微塵もなかった。
あの、ツヴァイウィングがライブをする。
歌が聴ける。
それだけで、鍵音の心は満たされていく。
そんな気持ちに浸っている中、一つの端末が鳴り出した。
「これは……」
二課から貰った端末。
いつでも連絡が取れるようにと渡されたものだ。
この端末が鳴ったという事は……。
「はい、鍵音です」
『こちら響です』
どうやら響とも繋がっているらしい。
「ノイズの出現パターンを検知した。これから翼と奏に連絡を」
鍵音は二人を読んではならないと思い口を開けようとする。
しかしその前に。
『師匠!』
『どうした』
『現場には私一人でお願いします、今日の翼さんと奏さんには自分の戦いに臨んで欲しいんです。あの会場で最後まで歌いきって欲しいんです。お願いします!』
「……おいおい、聞き捨てならねぇな」
『鍵音君?』
「誰が一人だよ。俺も居るぜ! 立花! ツヴァイウィングのライブを最後まで邪魔されて欲しくないのは俺も同じだ! という訳です、弦十郎さん。行かせてください」
『お願いします!』
『……お前たち…………やれるのか?』
「『はい!』」
こうして、響と鍵音が現場に向かう。
鍵音が走っている途中で響と合流した。
その時、工場付近から爆発音が聞こえる。
工場付近にたどり着くと、赤いシンフォギアを纏ったクリスが既に戦っていた。
クリスがガトリングガンで応戦し、ミサイルを発射するも、ノイズの攻撃によって弾き飛ばされる。
巨大なノイズが口からノイズを二体発射する。
それがクリスに当たる瞬間、響と鍵音が割り込んだ。
「はぁ!」
「オラァ!」
響は蹴り、鍵音は拳でノイズを炭化させる。
「お前ら!」
「大丈夫かクリス!」
「っ、なんであたしの名前を!」
「話は後だ! 立花行くぞぉ!」
「うんっ!」
響が拳に纏うガングニール を引きしぼり、その場で大量のノイズに物凄いスピードで突撃した。
響が通った後には一体もノイズは残らない。
「……修行したとはいえ、ここまで強くなってやがるのか……俺も負けてらんねぇな!」
鍵音も右手のガングニール を拳から槍に変換。
そのまま巨大化させた。
【秘槍・神ヲモ穿ツ巨槍】
「くたばれぇ!」
鍵音が巨大化した槍を振り落とす。
巨大ノイズ共々ノイズたちを大量に押しつぶした。
しかし、後ろから音が聞こえた。
巨大ノイズがまたもや出現したのだ。
「二体目!?」
巨大ノイズが鍵音に向かって小さなノイズを発射する。
それが当たる直前に横から飛んできたガトリングの弾で、小さなノイズが蜂の巣になった。
「これで借りは無しだ!」
「はっ、素直じゃねぇの」
「それ、鍵音君が言う?」
「うっせ、それとまだ気を抜くな」
「りょーかい!」
巨大ノイズから飛んでくる弾を鍵音と響が飛んで回避する。
そのまま響はガングニールを引き絞り、地面に拳を叩きつけた。
その衝撃波で、ノイズのいた地面が盛り上がり、足場が不安定になる。
そのまま、響がガングニールを限界まで引き絞る。
鍵音もそれを見て、持っていたガングニールの槍をまた拳形態に戻して、鍵音も同じように引き絞った。
そして、巨大ノイズにその特大のパワーを二人が殴り打つける。
「「うおおおおおおお!」」
巨大ノイズは衝撃に耐えられず、内側から破壊され、その衝撃波が外にまでノイズを突き破り伝わった。
そしてそのまま、巨大ノイズが炭化し消滅する。
「ふぅ……」
「はあ……はあ……ん! 鍵音君」
響が拳を差し出す。
それに答えるかのように鍵音も拳をぶつけた。
ガングニールとガングニールがガシャンとぶつかる音がした。
「しっかし……見れなかったな」
「……そうだね……でも守ったんだよね」
「ああ、そういうことだろ」
「ねえ、鍵音君。不完全燃焼じゃない?」
「奇遇だな、俺も今、同じことを言おうとしていた」
二人がガングニールを解除してお互い離れて拳を握る。
「ラストステージと洒落込むか!」
「いざ勝負!」
こうして久し振りに1055回目の勝負に入った二人であった。
鍵音が連続して拳を繰り出す。
前みたいに瞬殺される事はなく、鍵音は何十も響に攻撃を仕掛ける為のフェイントを仕掛けていた。
(強くなってる! でも、私だって!)
響が躱し続け、一瞬の隙を見て鍵音に拳を振るう。
鍵音は迫り来る拳を間一髪避けたが、拳圧で飛ばされてタンクに激突する。
「がはっ!」
「ふーっ!」
響が追撃を加える為、鍵音に走り近く。
だがそれで終わる鍵音ではない。
あの日、弦十郎がやってみせた技を鍵音は思い出していた。
(あの技は……足で力強く踏む事により、その衝撃波で地面を捲りあげていた。しかしそれは踏み抜くというより、踏み締めるような動作だった……)
鍵音が地面に向かって震脚を行う。
元来、震脚とは次の攻撃に移る為、より鋭い拳や動作をするために行われるもので、日本でも踏鳴という名前で使われている。
しかし、それらの多くは踏み付けによる瞬発力の向上のみ。
逆に踏み締めるような動作だったらどうなるのか。
それを極めるとどうなるのか。
響の目の前に土壁が出来上がる。
響は止まれず、そのまま土壁を殴り飛ばした。
鍵音は震脚で地面を捲り上げることに成功したのだ。
しかし、突如出現した土壁が仇となり視界が一時的に塞がれる。
そこから殴り飛ばして現れる響、その目は真っ直ぐに鍵音を捉えていた。
「っ! 負けてたまるかああああ!」
「うおおおおおお!」
二人が拳を握り、殴りかかる。
それはクロスカウンターの形だった。
響の拳は鍵音に届き、鍵音の拳は響には届かなかった。
「ごふっ! ま、また俺の負け……かよ……」
「……はあ……はあ…………危なかったー!」
もはや二人の戦いは人間を超えていた。
二人が達人に近づいちゃった……:(;゙゚'ω゚'):
誤字とかありましたら教えてくれると嬉しいです!
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