立花響に勝利したい   作:うみうどん

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十七話

 リディアンがノイズに襲われた。

 その小日向の悲鳴を聞き、装者達はリディアンへと向かう。

 

 五人が到着する頃にはあたりも暗くなっており、リディアンが無残に壊されている現状。

 そして、人一人居ない状況だった。

 

「バカな……」

「未来ー! みんなー!」

 

 響がいくら叫んでも返事はない。

 響はその場で変わり果てた景色を見てへたり込む。

 

「リディアンが……っ!」

 

 翼が驚愕の表情を浮かべる。

 そして壊れた校舎の上に立っている人物を偶然見つけた。

 

「……マジかよ」

 

 奏も同じように驚愕の表情へ変わる。

 それもそのはずだ、彼女はいつも装者の近くに居て、いつも彼女達を支えてきた。

 その愛は本物だったはず。なのにどうして。

 

「フィーネ! お前の仕業かぁ!」

「櫻井……了子っ!」

 

 不敵に笑う了子がその場にいた。

 

「そうなのか……? その笑いが答えなのか! 櫻井女史!」

「アイツこそが、私が決着をつけなきゃいけないクソッタレ! フィーネだ!」

 

 了子の体が光る。

 その後に立っていたのはネフシュタンの鎧を纏う了子だった。

 

「嘘……」

 

 響が悲しそうな顔を浮かべる。

 

「嘘ですよね……そんなの嘘ですよね! だって了子さん……私を守ってくれました!」

「あれはデュランダルを守っただけの事、希少な完全状態の聖遺物だからね」

「嘘ですよ……」

 

 鍵音が響の肩に手を置く。

 

「辞めろ、もう無駄だ。アイツは……敵だ!」

「そんな……」

「黒森鍵音……」

「なんだ」

「お前のそのシンフォギア、何処の誰に渡された?」

「……弦十郎さんだ」

「……あの時から察していたと言うのか……忌々しい」

 

 フィーネは鍵音のシンフォギアの正体をあの時いち早く見破っていた。

 それはフィーネにとっても覚えのある聖遺物の波動だったからだ。

 

 あの後、検査と言い弦十郎から預かったシンフォギアを解析する。

 そして、より確証へと変わった。間違いない。あの女が持っていたものだと。

 

 そのシンフォギアを自分の物とするために鍵音を騙して、シンフォギアを掠めとろうとしたのだが、すんでの所で弦十郎がフィーネの思惑に気づき、鍵音のシンフォギアを守ったのだ。

 

「まあ良い」

 

 そしてフィーネは話し始める。

 櫻井了子の現在はフィーネの人格に塗りつぶされており、12年前に死んだと言っても過言ではなかった。

 そして、歴史に記される偉人や英雄もフィーネとして覚醒しており、技術の大きな転換期、パラダイムシフトにいつも立ち会ってきた事も。

 

 そして、ポツリとフィーネは言った。

 

「黒森響華も今、思えばその一人だったのだろう」

「……俺の母さんが……なんだって?」

 

 鍵音はフィーネに向かって目を見開く。

 そして嘲笑するように鍵音に言った。

 

「あの女……数年前に私と対峙したことがある」

「!」

「黒森響華もまた、私の依り代たる者だった。しかし、あの女は覚醒すんでの所で私を拒んだ。理由を聞いたよ、何故かと。面白い答えだった……。息子がいるからって笑いながら言っていたなぁ」

「……っ! だからどうしたってんだよ!」

 

「私を拒んだのはあの女が初めてだった。だから最初はどうなるか分からなかったが、答えはすぐに分かった……。

 答えは死だ! 私を拒むと必ずその者には死が訪れる! 

 あはは! 面白い実験だったよ! 

 本来なら適合する筈のシンフォギアが適合しなくなり、無理やり適合させたとしても体が内側から破壊されていき、苦しみながら死ぬ! 

 私を拒むとはそう言うことだぁ!」

 

「テメェエエエエエ!」

 

 鍵音はガングニールを右手に纏い怒りで突貫する。

 全てはフィーネをガングニールで串刺しにするためだ。

 

「貴様の首にかけてあるシンフォギアの名は“レーヴァテイン”! 貴様には到底扱えぬ代物だ!」

「ゴフッ!」

 

 鍵音が突撃したところを横からネフシュタンの鎧の鞭で鍵音を叩く。

 鍵音はその攻撃をモロに受けてしまい、目にも止まらぬスピードで壁に激突した。

 

「がはぁ!」

 

 口から大量の血が流れ出る。

 そして、衝撃により脳が揺れ動き、意識が混濁する。

 最後に聞いた言葉は奏の叫び声だった。

 

 そして、そのまま、鍵音は意識を手放した。




後二話ぐらいで完結かな…
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