なんでこうなるかなぁ!?   作:にゃにゅにょ

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読みづらいとは思います。はい。


ユキニモマケズ、カゼニモマケズ 上

やあみんな、異世界転移者だよ。

最近は寒くなってきたね。

風邪とか引いてないかな?

あったかくして寝ないとダメだぞぅ?

コタツの中でアイスなんか食べてる人は、お兄さんがメッ!しちゃうぞー?

 

いやマジで寒い。

なんでこっちの世界の寒さはこんなに厳しいのさ。

吐息が凍る(物理)ってこういう事なのかな?

 

ワタクシが転移してきた世界、アルマハートって言うんだけどね?

季節がもう、なんか凄いんですわ。

まず季節が8つある。

日本でいう春夏秋冬と、その間にさらに四つもある。

その四つを日本語で書くなら、雨季、乾季、豊季、凍季って感じなんだけど、これがそれぞれ春夏秋冬の間に入って8つの季節になるんだ。

春雨夏乾秋豊冬凍って具合にね。

これもうわかんねぇな(呆れ)

 

それぞれの名前から分かる通り、雨季は雨がめっちゃ降るし、乾季はめっちゃ乾燥してる。

豊季は主要な作物の収穫期で、凍季はめっちゃ凍る。

 

で、今は凍季なわけですよ。

もうすっげぇぞ。

温度計とか無いから正確には何度か分からんけど、バキバキに寒い。

子供の頃、冬に水で濡らしたハンカチを振り回したことはあるかな?

ちょっと凍ってさ、スゲー!とか言ってたじゃん?

 

凍季にこれやったら比べ物にならんよ。

ガッチガチに凍り付いてあら不思議、鈍器の出来上がりダァ!

オラわくわくすっぞ!

 

 

でねー、こっちの人は魔力使えばねー、この極寒の中でも割と大丈夫らしいんだけどねー?

わたくしにはなんと!魔力がありましぇん!!

 

はー、つっかえ。

ふざけとるんか?なあ?

ふつーに凍え死ぬわ!!

 

カミサマもさー、こういうとこ気使えないよねー。

特殊能力くれるならこういうとこまで徹底しておいてほしいわー。

だからモテないんだぞー?(推測)

 

と、言うわけで。

ワタクシ、なんとか気合いで持ちこたえております。

マジで寒いです。

 

そんな冗談みたいな寒さの中、現在は山の中を歩いております。

なんでそんなことしてるかって?

仕事だよ(迫真)

 

→→→→→

 

 

───なかなか見つからないね。

「ここら辺にいるのは間違いないんだから、歩いてればそのうち見つかるでしょ。」

 

───意外とアバウトだよね、クーちゃん。

「馴れ馴れしくクーちゃんとか呼ぶな。はっ倒すわよ。」

 

冒険者の受けるクエストには2種類ある。

1つはフリークエスト

これは指定されたランクの冒険者なら誰でも受けられるものだ。

冒険者ギルドの中の大きな掲示板に依頼書が貼ってあり、それを受付まで持っていき受注する。

内容としては低レベルの魔物討伐や指定物の納品が多く、時折護衛や人探しなんかもある。

低ランクの冒険者にとってはこちらが主な仕事になる。

 

そしてもう1つはギルドクエストと呼ばれるものだ。

こちらはギルドから直々に依頼されるもので、高ランクの冒険者になるほど多くなる。

フリークエストとは難易度が別格で、ギルドが適性を鑑みてそれぞれ冒険者に振り分けるのだ。

もちろん拒否することは可能だが、達成困難なクエストを振られることはほとんどない上にフリークエストとは報酬がまるで違うということもあって、断るものはまずいない。

 

 

───なるほどね、話が見えてきた。

「・・・なんの話よ?」

 

───随分と静かだと思わない?

「凍季だし、こんな住み辛い場所で冬を越す生き物なんていないからでしょ。雪竜が住み着いてるならなおさらね。そもそも、なんで雪竜がいるのかってところは不思議なんだけど。あいつらの生息地ってもっと北のほうのはずなのに。」

 

───そうだね。そういう事にしとこうか。

「・・・さっきから何が言いたいのよ。要領を得ないんですけど。」

 

───いやぁ、いい経験になりそうだなって。

 

 

今回はギルドクエストだった。

内容は「レイダー山脈、レイノー山に竜種が住み着いた可能性あり。被害を受けたものの話を纏めると雪竜だと思われる。調査を行い、可能であればこれを討伐せよ。」とのことだった。

 

正直言って楽なクエストだと思っていた。

いくら凍季で時期が悪く、傾斜のきついレイノー山とはいえ雪竜なら一人で何度も狩ったことがある。

Bランク冒険者であり、「紅の獅子」と呼ばれるこの私、クレア・アルドラスにとっては役不足もいいところだ。

しかも今回はもう一人、なんとSランクの冒険者が帯同するらしい。

たったの5人しか存在しない、冒険者の頂点。

全ての冒険者が憧れる絶対的存在。

 

 

 

───さて、ここで豆知識を1つ。今回のクエストは雪竜の討伐が目的なわけなんだけど。

「急になんの話よ。」

 

───彼らの生態ってどんなのか知ってる?

「・・・大陸の最北端に生息してて、一か所に定住することはせず、性格は獰猛。目に付いた獲物にブレスを浴びせて凍らせ、そのまま氷ごと食べる。唯一、卵を産んだあとは、それが孵るまで守り続けるために一定の範囲に留まり、近場の動物を狩り尽くす。だから今回のクエストも、そのはた迷惑な雪竜を討伐しろってことなんでしょ。」

 

───正解だ。花マルをあげよう。

「これから討伐するってのに、その相手のことを知らないわけないでしょ。バカにしてるならはっ倒すわよ。」

 

───そう怒らないでよ。で、ここからが本題。

 

 

初めて会ったSランク冒険者は、正直頼りなさそうだった。

装備はたしかにすごいものに見えるが、装備している本人には覇気が感じられない。

軽口ばかり叩くし、馴れ馴れしくあだ名で呼んでくるし、作戦は任せたとかなんとか言ってくるし。

すこし、いやかなりガッカリした。

少なからず抱いていた憧憬の念など風の速さで吹き飛んでいった。

Sランク冒険者にはもっとこう、威厳とかオーラが備わっているものだと思っていたのに、蓋を開ければただの腑抜けた優男だったなんて。

冒険者たちの憧れを返せ。

 

 

───雪竜は卵が孵るまで一定の場所に留まって、近場の獲物を食べ尽くす。じゃあ、その獲物が居なくなって食べるものが無くなったらどうするんだと思う?卵を孵すまで待てなかったものはどうすると思う?

「そりゃあ・・・卵持って獲物が居そうなとこに移動するんじゃないの?」

 

───答えはね、自分でその卵を食べちゃうんだ。

「本末転倒じゃない。」

 

 

しかし、なんだかんだ言ってSランクだ。

実力は折り紙つきだろう。

それに、さっきも言った通り雪竜なら私一人でも討伐できる。

本来ならソロのクエストでもおかしくないところだ。

 

この気楽さもそう言った事情を考えてのものかもしれない。

サポートに徹して、私の顔を立ててくれているのだろう。

そう考えれば私は、理想のSランク冒険者像を抱いたままで居られる気がしたのだ。

 

 

───何度かそんなことを繰り返すうちに、その雪竜は卵を産まなくなるんだ。卵を産まないってことは、それに使う体力やら何やらをそのまま蓄えておけるわけ。するとどうなると思う?

「・・・もっと獰猛で凶悪になるとか?」

 

───惜しいね。正解は、進化するんだよ。

 

 

それは唐突に現れた。

気を抜いていたわけでも驕っていたわけでもない。

相手がなんであれ、死ぬ危険性があるのは冒険者の宿命だ。

魔物に食い殺された者もいる、道を踏み外し崖に転落して死んでしまったものもいる。

私たちは常に死と隣り合わせで生きているのだ。

それが冒険者というものだ。

 

当然理解している。

理解してはいるが・・・

実際に自分が死ぬかもしれないとなるとやっぱり恐ろしいもので。

この時ばかりは冒険者の宿命を呪った。

 

 

「・・・なによ、これ。」

───やっこさんのテリトリーに、僕らはもう入ってしまっているってことだね。

 

 

彼の言葉が耳を揺らす。

さっきまで晴れていた空が、気付けばブ厚い雲に覆われていた。

目の前に現れたのは、壁のようにして行く手を阻む吹雪。

その向こう側では台風もかくやと言わんばかりに風が吹き付け、雪が舞い散っている。

余りにも奇妙な現象だった。

なんで私たちのいる場所は風ひとつないのか。

そしてこの吹雪は、どうして私たちを大きく囲むようにして発生しているのか。

初めて出会う状況に、気付けば鼓動は速まり、背筋にぞくりとした嫌な感覚を覚えた。

 

 

「・・・テリトリー?意味わかんないんだけど。」

───そのまんまだよ。僕らはもう"狙われてる"。

 

 

背後から大きな音が聞こえる。

ズシンと、巨大なナニカが近づいてきている。

振り向きたくない、強くそう思った。

このままでいれば間違いなく死ぬ。

そう頭では分かっていても、体が動いてくれない。

あまりの恐怖に体が竦んでしまっていた。

 

それでも、なんとか後ろを見ようとした。

それはBランク冒険者としてのプライドだったのかもしれない。

震える両肩を抱き、気力を振り絞り、首を動かす。

そして激しく後悔した。

 

 

「ッ・・・!!!」

───それじゃあ、雪竜改め、氷竜の討伐といこうか!

 

 

そこに居たのは巨大な怪物だった。

雪竜よりも一回り大きな体躯。

圧倒的な存在感を持つ氷竜、その瞳がこちらを睨みつけていた。

 

空気が爆発した。

そう錯覚するほどの咆哮が轟き、戦いは始まった。

 

 

 

 




一話にはまとめきらんかったとです。
しかも結果的に一話がやたら短いとです。
ふひひ、サーセンw
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