そんな二人を書いたお話。
そんな上手くないです。
よろしくおねがいします。
「おかえり」
「ただいま」
家へ帰ると見慣れた光景が映る。
キッチンに少女が立っていた。
「夕飯は作ったよ。お風呂をお願い」
「ありがとう。いつも」
「…」
礼には返答しないものの内心喜んでいるこの少女は、玲華という。
巷では幼馴染という立ち位置だ。
思えば、お互いに何かあった時いつでも俺たちは一緒にいた。
俺が両親を亡くし、消えかかった時。
玲華が怪我をし、入院した時。
俺たちは、お互いの隙間を埋め合う存在だった。
はっきりわかっている。俺は玲華に依存してる。
だから離れないといけない。
俺は、近い内に地元を出て進学をする。
そのことはまだ話してないが、今日どこかのタイミングを見つけて話しをしよう。
今までお世話になったから。礼くらいは言いたい。
「風呂はできた。先入ってこいよ」
「……覗かないで」
「ちょ…そんなんわかってるよ!」
「ふふっ…取り乱してる…」
「クソっ…覚えてろ…」
玲華は容姿端麗、才色兼備という言葉が似合う。
ただ少し寡黙な印象を受けるため、話しづらいと俺のクラスメイトは言っていた。
俺の前ではそんなことないんだけどな…
「お風呂上がったよ。入らないの…?」
「俺はまだいい。それより飯食おう。腹減った」
「うん。今用意するね」
「あと最近話出来なかったから、話したい」
「そう…どうしたの?改まって」
「いや…少しね…」
「…?」
ああ…何故か緊張する…
これからの人生、自分でなんでもしないといけない。
玲華に頼ってばかりじゃダメだよな。
変わらないと。
「それでどうしたの?話って?」
「あぁ………俺な、進学するんだ」
「そうなの…どこに?」
「都内の大学」
「この部屋はどうするの」
「引っ越すよ」
「一人で生活できるのっ…」
「今まで頼ってきたからな。独り立ちしないと」
「ご飯とかっ…買い出しとかは…!」
「そのくらい自分でできるさ」
「なんで…なんで…?私から離れるの…?」
なんだか様子が可笑しい。
あの玲華が珍しく取り乱している。
「ずっと一緒にいるって言ったじゃない!」
「…」
「何か…!言ってよ…!」
俺は玲華の迫力に負け、黙ることしか出来なかった。
「と、ともかく!俺は進学する!だから落ち着いてくれ!」
「うん…うん…わかっ…た…」
とりあえずはわかって貰えたみたいだ。
自室に戻った俺は、玲華を取り乱させてしまったことで罪悪感を感じながら天井を見上げていた。
思えば取り乱すのもわかる。
何十年も一緒にいたんだ。今更離れるのも悲しいだろう。
俺が一方的に依存してたんじゃない。
玲華も俺に依存してたんじゃないか?
そんなことを考えていると、自室のドアが開いた。
「ねぇ…今日は一緒に寝よ…?」
玲華だった。
「ああ…ごめんな…突然あんなこと言ってさ」
「うん…いいの。いつか来るかもしれないことだったから」
「そうか…やっぱり玲華は強いな…」
「えへへ……」
一緒に布団に入りながら、雑談する。
月に一回くらい、玲華はこうして添い寝したがる。
理由を聴くと、嫌なことがあったりした時に俺に甘えると忘れられるかららしい。
「でも…置いてくのは酷いと思うな…」
「うっ…それはごめん」
「だからね…私考えたの」
「何を?」
「私たちがずーーーっと一緒にいる方法」
その瞬間、俺の首に何か…あたっ…て…………いた………い
「これからは、逃がさないからね。龍弍」
私は、龍弍が好き。
とっても大好き。
カッコいいところが好き。
守ってくれるところが好き。
歩いているところが好き。
寝ているところが好き。
怒られて、気分が沈んでいるとこも好き。
好き。好き。好き。
でもあんまり私を見てくれない。
私は考えた。
私は龍弍に依存してる。
だから龍弍も私に依存してくれればいいんだ。
そうすれば幸せだよね。
何から始めようかな。
それから私は、龍弍を依存させるためになんでもした。
例えば、毎日お弁当を作ってあげたり。
家事をしたり。
近づく女の子を払って私だけ見て貰うようにしたり。
ラブレターを破り裂いたり。
その子を呼び出して傷つけたり。
口を挟んできた両親を事故死させたり。
周りの女の子を殺したり。
彼の両親を殺したり。
彼を一人にさせたり。
これで龍弍は、私のこと好きになってくれたかな…?
「あぁ………俺な、進学するんだ」
そうなんだ。私もそこ行こうかな。
「都内の大学」
えっ…凄く遠いじゃない…
「引っ越すよ」
なんで…どうして…?
「今まで頼ってきたからな。独り立ちしないと」
もっと…もっと頼ってよ……!
頼って…頼って…ねぇ…
今日は本当にびっくりしちゃった。
いきなり遠くに行こうとするなんて…
そんなに私から逃げたいの?
逃げられないよ
逃がさないよ
さてと、今日は添い寝してもらおっと。
ふふっ…楽しみだなぁ…
待っててね、龍弍…
如何だったでしょうか…
自分はヤンデレが好きなので時間があれば書いていこうと思います。