自分の一存で決めてしまったことなので批判などあるかと思いますが読んでいただけたら嬉しいです
それでは、どうぞ!
「俺は、東雲琴音お前に決闘を挑む!」
意気揚々と私たち中等部三年の教室のドアで馬鹿なことを言っているのは我が学園全生徒のトップである星導学園序列一位の一ノ瀬翔。現在高等部2年の彼が序列一位の座に就いたのは高等部一年のことで、それ以来一年間その座を守り抜いていることから彼の実力が決して低くないことがうかがが得る。そんな彼が何故わざわざ私のような[冒頭の十二人]にも入っていないような者に決闘を挑むのだろうか。
「あら、琴音またですか?」
「またもなにも、私は一度も同意したことなんてないよ……」
決闘という制度はその性質上様々な目的で行われる。多くの場合は、自らよりも序列が上の者を倒すことで自らの序列を上げることを目的としている。だが、たまに異性の相手を遊びに誘ったりする口実として使う者もおり、ちなみに今回の一ノ瀬先輩は後者である。
「それで、受けてくれるのか?」
「わっ……」
いつの間にか、私の机の前に来ていた一ノ瀬先輩に驚いて素っ頓狂な声を出してしまった。
色々な理由から自分から目立つつもりはない私にとって、なんの利益のない決闘。受けるつもりは毛頭なかった。
「えっと……お断り…」
「えぇ、勿論受けますよ」
「……クローディア!?」
毎回のことの、この腹黒生徒会長の横暴。
こんなんだから女狐とか言われるのだ。
「よし!!それじゃあ、明日はよろしくな」
「あ……」
私が静止を促す前に一ノ瀬先輩は教室から出て行ってしまった。
勿論、私の瞳は一ノ瀬先輩が出て行った教室のドアからクローディアへと移動した。
「これで、琴音も実力通りの序列ですね!」
「……私あんまり目立ちたくないんだけど……」
家業の関係上、目立つことはあまり好ましいことではない。とはいえ、それ自体は嘘ではないとはいえ私が目立ちたくないことの言い訳に使っていることに過ぎないのだけれど。
「そのことなら、琴音のお母さま直々に許可をいただきましたから大丈夫ですよ!」
そう言って目を輝かせながらクローディアは母の署名の入った電子メールを私に突きつけた。
「(母さん……)……わかったよ……受ければいいんでしょ」
「えぇ。それにしても、琴音”勝てない”とは言わないのですね」
確かに私は一度も勝てないとは言ってないが、わざわざそのことをつついてくる辺り流石の性格の悪さだろう。とは言え、私自身負けるつもりは毛頭ない。
「…………負けるわけにもいかないよ。…………当主としてね」
「…………そうでしたね。明日楽しみにしてますよ、そろそろ琴音の全力見てみたいですし」
そういうとクローディアは手を振りながら教室を出て行った。
(…………みんなして、都合がいいんだから…………)
母とクローディアの連携に内心ため息を吐きながら、私も教室を出て寮へと向かった。
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それだはまた!