モブになりたくて   作:冥々

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今月は更新は無理だと言ったな。あれは嘘だ!まぁ思いのほか筆が進んだからのと、来月はFGOのイベントラッシュで更新できるかわからないから頑張りました。





千葉県のYさんという有名なファンを持つ橘万里花さんが出ますよ!

林間学校から数日が経ち、その間に宮本や古田に名前呼びに関して少し冷やかしてきたくらいで、二人とも変に突っ込んでは来なかった。今朝十年前のあの時俺は約束をした地『天駒高原(あまくこうげん)』で原作キャラ達と仲良く遊んでいる夢をみた。その夢の中で出てきた原作キャラの中で特に仲良くなったのが小野寺と■■だが、やってしまったと思える人達でもある。何故やってしまったかと思うのかは、多分だが主人公(一条楽)よりも俺に沢山関わって来たからである。

 

「はぁ~」

 

学校登校中に軽くため息を吐いた。今日彼女が転校してくるとは思わないけど主人公達の動きを見る限り、近々うちの学校に転校してくる彼女の事が不安に思う。何故そう思うかと言えば、原作では数少ない十年前の事を覚えている人物の一人であるからあちらから接触してきて、なんやかんやで主人公グループに組み込まれてしまうのでは?と思っている。

 

 

 

何時も通り、朝担当の飼育係としての仕事である餌をやりに来た。一昨日辺りにまた動物を何匹か拾ってきやがって、恐らくここの飼育小屋にいる動物は目測で数えた限りではこれで200匹を超えたと思う。あいつ、朝に餌をやっている俺に相談せずに増やしていくからな、今度増やしやがったら、あいつん家で引き取って貰おうか。

 

「ん?」

 

背後にジャリっと足音がしたのでそちらに顔を向けて見ると如何にも清楚な御令嬢な少女が立っていた。

 

「久しぶりですわね、森谷さん?」

 

というか橘万理花(ヒロイン)だった。

 

橘から場所を変えようと言ってきたので断る理由がないというか、どう断ればいいか思いつなかった為彼女の提案を受け入れた。それと餌やりは終わっていたので断る理由にはしづらかった。

 

案内されたのは学校外の道路に止まっている外車でどうやら車内で話すらしい。話は少し逸れるけど車の扉に立っているのって本田さんだよね?漫画で見た時も美人だなと思ったけど生で見るとすんげぇ美人さんだなと思った。

 

「どこまで覚えてますの?」

 

車内に入り座席に座ってから少し間を開けてから、先に橘が発したのは1時間程前に懸念していた橘が接触してきた際に聞かれるだろうと思った事を聞いてきた。その事に対して俺はこう答えた。

 

「覚えているって何が?」

 

覚えているって言ったら後々面倒なので取りあえず惚けてみた。

 

「どこまで覚えてますの?」

 

橘は語調を強めて改めて聞いてきた。俺はもう一度惚けたら駄目だと、俺の第六感的なものから囁かれたので、折れて正直に言う事にした。

 

「そこそこ覚えているけど細かくは覚えてない」

「.....まぁ、いいでしょう。この事は楽様には勿論ですがこの事に関する人には他言無用ですよ?」

 

俺の答えに満足したのかニコニコと笑顔を浮かべ釘を刺された。その後橘から解放され、さっさと自分の教室に戻った。

 

そして橘を転校生として紹介されるホームルームの時間が来てしまった。変に目を付けられない様に机に伏せ寝たふりでその場を過ごすことにした。

 

 

 

 

__休み時間

 

一限目が終わり、転校してきた橘万里花の話題でクラスどころか学年中の話題になっている。

 

『橘さんはどこから来たの?』

 

『それは秘密ですわ』

 

『一条の奴のどこに惚れたんだ?』

 

『楽様のすべてにですわ』

 

話題の中心である彼女は男女共々から質問をされている。

 

「.......人気だな。橘さん」

「.......そうだな」

 

とぽつぽつと俺と古田は言葉を漏らしながら、沢山の人に囲まれている橘を離れた所から見ていた。

 

 

 

 

_数日後

 

 

屋上に俺、主人公、桐崎、小咲、橘と十年前の天駒高原にいた人達が集結していた。

 

「(俺は、無力だ……… )」

 

何故ここにいるのか。簡潔に言えば厚が凄い笑顔の橘が「来てくれますね?」と言って来たからである。決して断ったら後々怖いからじゃないからな。ホントダヨ?

 

「この場にいる人達は、十年前のあの場所で会ったことがある人達なんです。」

 

『えっ!?ほんと!(マジで!)

 

最初に言葉を発したのは橘からだった。そんな橘の発言にほぼ同時に主人公と桐崎はお互いの顔を見合って驚いていた。

 

少し間を置いて、落ち着いた二人(主人公と桐崎)は、俺達の方に体を向けた。

 

「二人は、その…なんだ、どこまで覚えているんだ?」

 

一条は俺達に当然とも言える疑問をぶつけてきた。

 

「悪いけど、全く覚えてない」

「わ、私も、お、同じく覚えてないよ」

 

まぁ、ここは惚けるしかないよな。だって朝に橘に釘を刺されたから言える訳がない。

 

「…そっか」

 

主人公はがっかりとしたそんなオーラを出しながら答えた。

 

この後の展開は原作通りに展開は進み、主人公が橘とキスした事について桐崎に詰問をされ、チャイムが鳴り。解散となった。

 

 

 

 

___終業式

 

あの出来事から三週間後の今日は、一学期最後の登校日で終業式が終われば、学生達が待ち望んでいる夏休みに入る。

 

だが、みんなが浮かれている最中に俺は夏休み中にわざわざ朝に学校に行って動物達に餌をやらねばならない事に、若干絶望している所だ。

 

「おっす、タケ!終業式が終われば夏休みだな!」

「ソウデスネ」

 

思わずカタコトで返答してしまう程に、夏休み中に餌をやる事に絶望している自分がいるのが分かる。

 

「めっちゃ棒読みだな。なんか良いことでもあったのかい?」

 

「某物語の〇野〇メみたいな事言うな」

 

「すまん、すまん。だけど、タケの機嫌が少し悪いからどうしたもんかなって」

 

古田に軽くからかわれてたものの、心配してくれて嬉しかった。

 

「まぁ、悪くなった原因は、毎週の月曜の朝に飼育係の仕事をしないといけないからだな。その事でちょっと機嫌が悪くなったかな」

 

理由を古田に話していると、後ろから声を掛けられた。

 

「あ、あの武広君!ちょっといいかな!?」

 

「ん?」

 

 

 

閑話休題

 

 

 

小野寺side

 

どうしよう。なんで終業式の時「うちにバイトに来ない?」って言ったんだろ。嫌って訳じゃないんだけど、なんか恥ずかしいしそれに顔のニヤニヤが止まらないよ~

 

「小咲、何時まで髪を弄っているの?そろそろ武広君来ちゃうわよ!」

 

店の方からお母さんの声が掛けてきたので私は返事を返した。

 

「うん、わかった。今行くから」

 

そう言いながら洗面所にある鏡を見ながら変なところがないかを最終チェックし、お店の方へと向かった。

 

 

 

 

店の方に入ると丁度武広君が店に入ってきた。

 

「久しぶりです!菜月さん」

 

「ああ。久しぶりだね、武広君。ほら小咲も挨拶しな」

 

「あ、うん。一週間ぶりだね。武広君」

 

私が武広君って名前呼びすると、お母さんは何かを察して私と武広君を交互にニヤニヤと何回か見た後、武広君に体を向けて今日やる内容について説明し始めた。

 

「さてと武広君にやってもらう仕事は、何種類かの和菓子作りと小咲が変なことをしないかを監視すること」

 

「ええっ!?最後の何なの!お母さん!!私は変な事しないよ!」

 

呆れた顔しながらやれやれと体を左右に揺らして答えた。

 

「ま、冗談なんだけどね。半分だけね

 

私とお母さんのやり取りを見ていた武広君は苦笑していた。その後、お母さんは町内会の用事とかで店を出る準備をしそのまま家を出た。

 

 

 

お母さんが出掛けてから、私は武広君と和菓子を作っていた。

 

「(うん!流石、武広君。料亭生まれだから手際がいい!それに)」

 

チラッと隣を見ると和菓子屋おのでらの仕事着を着ている武広君が真剣に和菓子を作っている姿をあった。

 

「(武広君、カッコいいなぁ~って何考えているの私!)」

 

ニヤついている顔を誤魔化すように両頬っぺをぐにぐにしていると。私の動作がおかしく見えたのか、私を困ったかのような顔で見ていた。

 

「(さっきから挙動不審だけど大丈夫なのか?)」

 

 

 

 

店に出す分の和菓子が出来たので、商品ケースに品を入れて店を開けた。

 

「おぉ、おはよう。小咲ちゃん……っと森谷さんちの子かの?」

 

「ええ、そうです」

 

店を開けてから数十分後に常連の萩原のお爺さんがやってきた。

 

「ふぅむ。では、これを二つ貰うとしよう」

 

「はい、豆大福ですね。お会計は480円になります」

 

私が萩原のお爺さんの対応している間に武広君は商品を袋詰めしてくれた。

 

「500円でお願いしよう」

 

「はい、500円お預かりします。お返しの20円になります」

 

「ありがとうね。小咲ちゃん」

 

「.....お客様、商品をお受け取りください」

 

「おお。そうじゃった、そうじゃった。すまんのぉ。では、また来る」

 

萩原のお爺さんはそう言って店を出て行った。

 

 

 

開店してから約五時間経ち。店の電話が鳴り、私が電話に出ると相手はお母さんだった。

 

「はい、こちら〝おのでら〟です」

 

『あ、小咲?今、外は大雨で強風だから、お母さんは知り合いの家に泊まるんだけど、武広君をうちに泊めちゃいなさい』

 

「ええ!なんで!!家近いから帰れると思うんだけど」

 

『はぁ、折角のチャンスなんだから、この機会に彼に意識を向けさせなさい。既に武広君の親御さん達にはうちに泊まる事を伝えてあるから、頑張ってね!』

 

私の言葉を無視してお母さんは電話を切った。

 

「お母さん!無理だ………切られちゃった。今日、どうしよう」

 

これから起こる物事に、私は顔が赤くなり、自分の鼓動の音が聞こえてきそうだった。

 

 

 




長文になりそうだからここで区切りました。次話はお泊りと夏祭り回です。

それとアンケートがあるのでお答えお願いします。

読者に質問

  • 原作通りにロミジュリがいい
  • ロミジュリを飛ばしてクリスマス回がいい
  • 番外編がいい(内容はおまかせ)
  • 人物紹介回が欲しい

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