緋色の流星   作:名無しのブラッドユーザー

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緋色の流星

《side:ギャラクセウス》

 

 

 

「Oh!! my!! god!!……私が神か」

 

 

終わりなき広がる宇宙の中心で、瞼を閉じながら、沈黙を破る存在は、顔を歪ませる。

かつて星々に悲鳴を上げさせたイレギュラー、自らがその力を鎧の中に封じた呪われし牢獄カースドプリズン、その気配を捕らえることが出来なくなってしまったのだ。

 

憎いことに、気配消えた空間は、自分の力が及ばない、全能を否定した空間が広がる。この謎を解くため自らが行けば、今まで阻止していた悪夢のようなイレギュラーが生まれる可能性が残る。可能性を失くすためヴィランを利用したこともあるが……。

 

沈黙の後、全能たる頭脳に解決策が浮かぶ。

かつて宇宙の危機に立ち上がった英雄がいた、自らの力を分け与えた、安寧のために戦ったヒーローがいた、彼等にこの件を任せることを。

私にとっては昨日のことだが、彼等にとっては未来のこと、英雄同士が手を協力したその日に、その時に、その惑星に転移する。

 

「やぁ、君達に任せたいことがあるんだ、拒否権はないぞ」

 

 

その場にいた者達を問題へ送り届ける。これですべての物事がうまくいく確率はほぼ100%に近い99%を確保した。1%にも満たない可能性など起こりうるはずもなく……少し予想より転移に力を使ったらしい。予測演算より向こうでの転移先の力が強いのだろう。座標や時間がちぐはぐになってしまったが、なんとかなるだろう。

 

だいだいこいつのせいことギャラクセウスは世界の観測、及びイレギュラーの排除を続ける。イレギュラーが宇宙にとってなのだろうか、それとも……

 

 

《side:カースドプリズン》

 

 

俺様ことカースドプリズンは、このクソッタレな鎧からおさらばするため、行く先々で呪いを解く最新技術やオーパーツといったものを奪い試してみるわけだか、特段

効果はない。奪う都合上、都市や街を破壊するがまぁまぁ邪魔が入る。先程取り込んだ星間移動機械群での移動の最中、クソッタレの気配が消える。行く先には一つの惑星。嗚呼、運命のサイコロは手目が良いらしい。

 

高笑いが、大気圏を乗り越え、都市の中へと突っ込む。

 

そのサイコロが自分が振ったものではないことに気付かずに……

 

 

《side:栗きんとん》

 

 

わたしはさがしていた。

 

どこ、どこにいったの。

 

ひびのはいったどうろをはしる。

 

いきがくるしい。

 

すこしあるいて、またはしる。

 

どこ、おかあさん。

 

まえにいた。

 

はしる。

 

じめんがゆれて、うごけなくなる。

 

おおきいひとがたっていた。

 

そして、ちかづくあおいひかりが

 

まぶしくめにはいる。

 

ひどくおとがうるさくて、

 

かぜがとてもつよくて、

 

それでもボロボロのおおきいひとはたっていた。

 

「おじちゃん、ありがと」

 

このひとはまもってくれたとおもった。

 

『おじちゃん、って……ガキンチョ、振り返らずにさっさと行け』

 

そのこえはやさしかった。

 

おかあさんにかかえられながら、そのうしろすがたをみる。

 

わたしはいのる。

 

おじちゃんを、

 

めのまえで、おじちゃんがかたちをかえる。

 

あかとも、オレンジともいえない、わたしのしらないいろがはじける。

 

いつのまにかてのなかにちいさなブロックがにぎられていた。

 

 

《side:カースドプリズン》

 

 

「ッシャァァァ!!オラッ!!」

 

地面に接する白バイのタイヤが擦れ、下半身と上半身の接合部から金属音が鳴り響き、肩から伸びるホイールから炎を噴き出し、ゴリラも驚くその質量をもつ右腕を殴り下ろす。

 

相対するは、ロングコートを翻し、壁を蹴り、時にその質量を踏み台にする表情の読めない覆面を被る悪魔を背負う男、両手の中で拳銃が回る。

 

「Naughty、Naughty、You’ve been naughty、a good spanking、will you deserve?」

 

その手に持つ拳銃が鎧の頭へ向けられる。

 

「ハッ!!寝言は寝てから言いやがれぇ!!」

 

アスファルトが擦れる音が鳴り、銃撃音が鳴り響く。

 

「審判の刻だ、神に祈るか? 悪魔に縋るか? 塵は塵にDust to Dust、お前の答えは一つだけだ」

 

高らかに銃撃音が二度鳴り響き、その混沌とした悪食の鎧に食い込んだ弾丸から光が溢れる。

 

ダストは後に振り向き、白の十字架が空にそびえる。

 

「おいおい、誰が塵にだって~?」

 

声を掛けられる。それはさながら悪魔の如く、頭をムンズと掴み「塵ってのは!!」腹パン「テメェのことだ!!」叩きつけ「地面と!!」打上げ花火から、「キスしな!!」大きく振りかぶってダンクシュート

 

「ダストto Dust、いい言葉じゃぁねぇか、さぁて、プレゼントだ、受け取りな!!」

 

ダストは見る、先程とは違うその装いを、呪われた鎧を最後に意識が途絶える。

 

「あん?コイツは消えねぇのな、まぁいいさ、次はどこへいこうかねぇ?」

 

不適に笑う鎧の視線の先には、機械の砦、蠢く光沢は命のよう

 

「へい、白バイポリスメ~ン、そのイカしたバイク借りてくぜ?」

 

 

《side:栗きんとん》

 

 

 

いつからだろう。私は怖くなった。

お母さんが同じことを言うようになった。連れられる場所も、横を通りすぎる人も全く一緒。その日その日の出来事は、全くの非日常で、私の育ったこの街、ケイオースシティは壊される。ヒーローとヴィランのぶつかり合いで。

 

何日経っただろう。私は背が伸びない。それでも私は今までの記憶を保持している。精神だけが成長しているかのような感じ。

 

でも、どんなに苦しい時も、危ない時も、彼が来てくれた。カースドプリズン、報道する人がそう言っていた。

 

私は疑問に思う。この都市の人達はどうしてこのヒーロー、またはヴィランの名前を知っているのだろうと。

 

手にもつキューブに願いをのせる。

 

私の体は経過した年通りに成長し、少女となる。

 

 

わたしは都市からいなくなって、

 

今日から私はロックピッカーだ。

 

 

《side:クロックファイア》

 

はーいヽ( ・∀・)ノ皆様、紳士淑女のご来賓のみぃなさま、お待たせしました。話を聞かない神についでと言わんばかりに飛ばされ、今、どこともしれず、壊しがいのある都市へやって参りました~、ハイッ拍手~。

 

閑話休題

 

さて、目の前にそびえますのは獣の塔、この配列を見て、ピンっときた方、いらっしゃいますか~。ハイッそんなあなたにはこれッ熊のぬいぐるみをプレゼント(ゲス顔)おめでとうございます。

 

いえいえ、そんなに感涙されては私はもう感激ッ(わかってない)右手に見えますのは突貫工事で作り上げました祝砲、ではお願いしますね?

 

仕掛けは簡単、始まりはこの人形が爆発し、○○スイッチ風に車が回転しながら跳び、その後に積まれた人形が再度爆発する仕掛け、運転手もこれからの喜劇に涙が止まりませんッ着火!!あ~っはっはっは!!ビルジェンガならぬタワージェンガ、ん?あっそれはダメです、私が潰れりゅっ

 

 

《side:クソテレビ》

 

 

電脳世界に生きる私は、情報量の少ない世界に足を踏み入れた。此所では少し私になれる。それでも繰り返し流される情報は少し苦痛であることがわかってきた。その中でとても興味深い希薄なデータ残骸を記憶下層領域で見つけた。争い事だけのニュースは退屈だったのかもしれない、気が変わったわ。

「ねぇ、貴方、そこの少女、こっち、ガラスの中の私を見て、良い情報があるわ。信じる?この世界の真実。」

 

 

《side:シルバージャンパー》

 

 

あの神さんはクソッタレにちがいない。気がつけば恐竜に囲まれてるとかおかしいでしょうよ。Hey!今にも綺麗な女性に襲いかかる鋭利な爪から颯爽と救いだす。おや、反応が悪いな?そんな無機質な目でみないで!安全な場所へ降ろし、再び、トカゲ達のロンドの最中を駆け抜ける。

 

「けがはなかったかい?素敵なレディ?」

 

……やっぱり顔が笑ってないッ!

 

 

《side:クロックファイア》

 

やぁ(´∀)ノ皆様久方ぶりです。黒焦げ執事クロックファイアです!口から出ている煙は気にしないでください。さて、次なるエッインタ~ッティッナ~!はこちら!見てください!空飛ぶ未確認飛行機物体!まさに!見るからに!UFO!

 

え?何するのか?あの光で物事吸い込んでるじゃあないですか?え?もうお分かりで?そんなあなたにプレミア人形をプレゼント!(ゲス顔)

 

閑話休題

 

さて、今回はタイミングがシビア!私の視界に入っているギリギリで爆発!これはもうさながらシューティングゲーム!天気予報は晴れ後UFO!気をつけて!マザーシップも悪しからず、1,2の3!で、wake! up! crown!

 

ん?一つこちらに近づくもうもうと煙を上げ堕ちるUFO、不味いです!私うんどうできないんです!あ、足がやべっ、おや、UFOが私を中心に左右にぱっくり割れました。なぜ?

 

顔を見上げると、顔をひきつらせる老剣士、そんな後悔したって全面に押し出さないでくださいな!ランゾウさん!駄目です。その構えはやめてください。天津風大嵐斬はシャレになりませんて~!!なー!!

 

 

《side:カスプリ》

 

肩輪走行!背面走行!頭部走行!Theインドの構え!

「七本のチビィレーザーなどッ!当たらんッ!!」

機械を統べる頭領が後退しながら、首を少し動かす!

壁をつくる極大電磁粒子砲!戦乙女のゼロ距離ミサイル!されど鎧は砕けない!近づく雑兵を取り込み、特殊形態を織り成す!機械の鎧は巨人の如く!金属同士がぶつかり合う重低音!その拳は暴力の塊!機械の砦を地盤ごと揺らし!崩壊させる!ヴァルキリーは全身で重力に従う塊を受ける!カーネルは浮き上がる体にバグを起こし、その鉄槌に打ち砕かれる!総督はかつて理不尽へ共に闘っていたその仲間の武器に、存在ごとパージされる!まさに暴力の化身!破壊の申し子!カースドプリズン此所に在り!

 

 

《side:栗きんとん》

 

 

テレビのお姉さんに言われたとおりケイオスシティオの中心に来た。あの日手にした自分の鎖を解く箱の力を私に馴染ませる。手にするは焔を纏う斧、うねり巻かれ一点に収束されるエネルギー、何気なく置かれている、不自然に傷汚れのない目玉の像に狙いを定め、上から下に振り下ろす。

 

カチャリ、

 

破砕音ではなく何かが開く音がした。それが何かは分からない。けれど確かに繋がった気がした。

 

遠くから高笑いが聞こえる。

 

迎えにいかなくちゃ!ありがとうテレビのお姉さん!

 

目の前をエンジンの笑い声が通り過ぎる。

 

静かさを取り戻していく空間に居たたまれなくなり、近くの物に当たる。思ったより痛くて、その場でうずくまる。

 

今に見てろ!

 

《side:---》

 

……侵略者、再古代、機械群、このケイオースシティに取り込んだ支配者にならんとした者達が打ち砕かれる。嗚呼、この混沌こそ我が求めし闘争である。しかし、仮初めがなくなっていく。このまま傍観すべきか、否。この箱庭こそ我が我ということを示す場。均衡を崩す者に鉄槌を……

 

 

《side:ニトロ》

 

連れていかれた先で、住民を避難させる。声を掛け合い、時に腰を気にしながら重い障害物を取り除く。空が次第に暗くなり、黄昏時へ傾いていく。塔が倒れ、地面が揺れ、UFOが墜落していく変化の中、それでも私は住民を助けようと思う。消火作業を続けるハイドロハンズと共に。おや、あそこで立ち止まるのは、シルバージャンパー?

 

《side:栗きんとん》

壁を粉砕して突き進めば、なにやら背中に感触、振り向けば「おじさま捕まえたわ!!」「ガキンチョ何してやがるッ降りろッ!」「降りられるわけないでしょ!何言ってんの!」「テメェが勝手に乗ってるんだろが!」「そんな事言わないでおじさま」「俺はテメェのおじさまじゃねぇ!」「そんなッガキンチョって言ってくれたの「ごちゃごちゃうるせぇ!しっかり掴まっとけ!」

 

アクセル全開フルスロットルで突き進む。

 

「兎野郎!いいとこにいたぁ!受けとれ!」

「ちょっ待っ、えぇ!この娘だれ!?ハッ!……見損なったぞカースドプリズン」「チゲぇっての!子守り頼むだけだ!」「子守り!?……娘!?」「だからチゲぇって「連れて行ってくれるんじゃなかったのおじさま!」「おじさま!?」「あ゛ぁぁぁるせぇ!じゃあな!」「危なっ!」

 

シルバージャンパーの進行方向に車を投げ飛ばす。シルバージャンパーは回避するがその間にカースドプリズンは行方を眩ます。

 

「あなたのせいで……」

 

腕に抱える少女から感じる見た目にそぐわない威圧的プレッシャー!、シルバージャンパーは窮地に立たされたのだ!

 

 

《side:カースドプリズン》

 

晴れていた空が夕方へ移り変わる頃、巨大な黒い触手が地面より這い出てくる。この都市のシンボル、ケイオースタワーを包み込む触手の中心、大きな目玉が辺りを睥睨し、此方を見る。ギャラクセウスの気配と同等の存在、その威圧であるプレッシャーを撒き散らす。

 

自身へ向かってくる矮小な存在に圧倒的塊である自身の触手を筋肉のようにまとめ締め上げ振り下ろす。

 

震音。

 

されど続くエンジン音。

 

「はっ、俺様を誰だと思っていやがる!俺の道を遮るんじゃねぇ!」

 

白い輝きに幾重にも触手が重なる。

 

その白は自身に伸びる新しい道を駆け上がり、その目玉へ重力×速度の直角落下を叩きこむ。

 

瞬間、空中の牢獄に収束される触手

 

物量×圧縮

 

宇宙の暴風を抑えた鎧から軋むような音

 

 

「ウサギさん、私を流星に!」

 

絶望的状況に上がる声

 

いつもはたよりなさげな兎が少女を抱えビルを跳び駆ける。

 

「おもいっきり投げるけど足は真っ直ぐよろしくね!」

 

少女が投げられる

 

【超必殺:ムーンジャンプ】

 

靴裏と靴裏があわせられ、少女が更に加速する

 

少女の手に握られるは手の中に収まるほど小さくなった箱

 

「キューブ、最後でもいいから私に力を!」

 

少女の体が重力加速していく

 

自身より大きな、巨大な炎斧を掲げる。

 

大気を震わせ

 

風の中心となり

 

辺りを緋色に染める

 

両の手で斧に

 

想いをのせる

 

 

 

 

「超必殺:ロックピッカァァァアアア!」

 

 

 

 

一閃

 

 

 

 

揺らめく陽炎の中で瞬くのは

 

 

 

 

緋色

 

 

 

「がきんちょ、あとは任せな。なぁに、俺様が一番星だ。」

 

 

 

頭に感じる温かさ、少しの時間だけれど頼れるその後ろ姿に安堵と安心感とちょっとだけ抗えない睡魔

 

体から力が抜けていく。

 

あぁ

 

もうちょっとだけ

 

本当ニチョトダケデイイカラ

 

ツタエタイコノキモチ

 

 

 

暗くなる視界の中に緋色は空を昇る。

 

 

《side:栗きんとん》

 

 

あれ、わたし、ゆめみてたのかな、

 

じぶんのからだから

 

ひかりのつぶなんてでないのにね、

 

おかあさんはどこ?

 

あ、おかあさんのこえだ!

 

はしらなきゃ!

 

 

 

角を曲がった先で誰かにぶつかる。

 

 

 

あたまぶつけちゃった、いたい

 

おじさんごめんね、

 

バイバイ

 

え?どうしたの?

 

ごめんなさい、おかあさんにしらないひとにはついていかないってやくそくなの

 

そんないいこにプレゼント?

 

このはこ、なに?

 

変なの

 

これからまたどこかに行くの?

 

いってらっしゃい

 

私のヒーロー

 

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