更に更に、筆者は書きたい事をFateを通して出しちゃう病気持ちなので解釈違いとか、無理矢理な展開が多くなってしまいます。
お前イカれてんだろって思った人は逃げる事をお勧めします
落ちた枝葉にて
ある夏休み、帰省と父型の実家の仕事が重なってしまい、なんやかんやあってお爺の仕事に同行する事になった。お爺の仕事は寺院で使用されるような仏具の修復と製造。修復は他にも多くの業者がいる(比較的に見るとではある)が製造に関しては一子相伝の特別な技術がいるらしくこの一帯の仕事はお爺がほぼ1人で請け負っていると聞いた。
素人からすると寺にあるものと家庭にあるものの差なんて派手さと大きさぐらいのものなのだが、お爺によれば
と、なれば逆説的に一子相伝の家業を……
父さんはお爺の仕事を継がない事を選び、秘術によって仕事に関する記憶を全て失った。父さんも事実としてその事を知っているが、仕事の内容も、美術がなんであったのかも思い出せず実感が無いと語っていた。
その時、父さんは何を見たのだろうか。
幻想や神秘は否定される科学の時代に、
知らないのだから仕方ない事だと考えたところでふと思った。
お爺が匂わせるようなことばかり言って好奇心を唆るからこうなったのではないか!お爺ももう歳だ。家業を継がせるべく俺を誘導したのでは無いか。疑ってお爺を睨むと
「どうした立香、辺りが気になるか? 携帯ばかり見ていたから退屈かと心配していたが杞憂だったようだな」
どうやら子供が並んだ程度では、どこか超然としたお爺には届かないらしい。
「充電がなくなっちゃうから自重してるだけだよ」
せめてもの抵抗でぶっきらぼうに言い返しつつも、外が気にならないと言えば嘘になるので車外を眺めてみる。
風景のうち自然が占める割合が高い。流れる川は清らかで5、6つほどの水車が木造の家屋に動力を送っている。まるで時代を遡ったような異様な風景だった。
「昔に戻ったみたいだ」
「いや、ここの連中は……そうだな『停滞している』とでも言えばいいのか。解明することを恐れ、知ることを恐れ、仏を畏れ、結果世界から切り離されたように暮らしている。
つまり、ここの人たちは独自の社会を形成してお爺以外の外界との接触を遮断しているということになる。どんなに小さい集落であろうとも行政によって管理されているこの時代に進化する文明を拒絶することを選ぶのは可能なのか? もし、可能なのだとしてそのあり方は奇異の目に晒されるに違いない。果てしない時間それを秘匿し維持するにはいったいどれだけの犠牲が必要なのだろう。
そう思って考えてみる。まず、自分らの生活圏から外に出ることは出来ない。外に出れば外界との差から誰かに勘づかれる可能性があるためだ。そして新しい思想を生み出してはいけない。革命がなされれば停滞の選択は否定され、内側から秘匿が解かれてしまう。そして辿り着いた中にこれらを差し置いてもっと酷いことがある。
彼らは増えすぎてはいけない。生活圏に限りがある為に、新しい思想を生み出させないが為に人を管理する必要がある。彼らは自らの手によって可能性を殺す選択を選び続けなくては存続できない。例えばそれは自由恋愛の剥奪であったり、あるいは学問の規制であったり、考えうる限りでもそのあり方は……少なくとも輪の外側からみれば歪んでいて恐ろしく見えた。
「俺の言葉から、多くを察したか。やはり立香は聡い子だな」
お爺も俺と同じように反対側の車窓から異界を眺めていた。
「だから──」
差し込む光に照らされたその表情は読み取れなかった。
「この地を踏むことがお前に良いものを残してくれると信じている」
その声色は迷いや希望に満ちていて
「不器用なやり方でしか、お前に残せない俺を許してくれ。立香」
確かに俺は言葉の中に
「ここで降りるぞ。ここまでが俺たちのルールが通じる境界線だ」
お爺がトラックを止めたのは舗装された道の終わりだった。舗装とは言っても軽く均す程度のものであったが、大きな揺れを感じる事なくトラックが走れる道はこのコミュニティにおいて必要ない。お爺を招くにあたっての最大限の譲歩、言葉通りの境界線なのだろう。
「え、ちょっと待って?ここまでにあった家は何なの?」
おかしい。トラックを異物として置いて行かせるなら、境界線の手前に家屋があるのはここのルールにそぐわない。ありえない事なのだ。
「あれは……本来ならば言わない方がいいのだろうが……いや、話そう。あれは流刑地だ」
「流刑地?」
「ああ、知らなかったか。罪を犯した者を隔離するための場所だ。大昔の事だが、政争に敗れた権力者なんかの政治犯が送られた場所のことだ。普通に生きてりゃ教科書の中だけの存在だな」
そうか、隔離。それならばあの場所以上の適所も無い。見通しの良い平地に長い道、隠れられるような場所も多くないから脱走は難しいだろう。その思想を罪とされ、敗北し、牙を抜かれ、定期的にやってくる外の存在を見るたびに絶望する。心を殺すための罰。
「なんて酷い」
「それだけではない。本物の悪人もあそこにはいる。ここには必要なものだ。そもそもここが必要かと問われればそればかりではないが」
明言を避けているもののお爺もここのあり方をよく思っていないことがわかる。だからこそ気になるのは、お爺がここで俺に望んでいることだ。確かに俺にとっては何もかもが常識外れで受け入れ難い。だからこそと言うのもあるが、流石にここのあり方を受け入れろと言われるのは嫌だ。……最終的に俺は何を得るのだろうか。
「深く考えるのも良いが、ただの一施設に過ぎん。日が暮れる前に進むぞ」
「ああ!お爺待って」
2人分ほどしかない道幅を少し余らせて行く道は凸凹している。舗装されていない道なんてなかなか歩くものではない。しっかり大地を踏みしめなければ躓いてしまいそうだ。しかし悪くない。夏休み明けに山遊びを自慢する友達の気持ちがわかった。
「あまりはしゃぐと体力が持たんぞ。それに……あぁ遅かったようだな」
俺の住んでいるところはここと比べれば都会だ。都会は便利で良い。日常を過ごすなら都会を選ぶが、ここの自然は楽しい。
「うわぁ!」
ずっこけて土に塗れてもアスファルトのように膝を削ることなく、ただ地面に迎え入れられるだけだ。痛くないわけではないが、笑える。泣くようなジクジクとした痛みではない。この痛みは好きだと思った。
「良いこと一つ目!」
「……馬鹿者、客のところへ行くのだぞ?おい、土を払うから近くへ来い」
「うん。ごめんなさい」
「気にするなと言いたいところではあるが時と場合だ。目的地についてからであれば何も言うまい」
目的地というと寺のことだ。寺にあそんで許される場所なんてあるのだろうか。もし遊べなかったら嫌だが、まだ寺のての字も見えないことから道のりは遠いことがわかる。なるほど、お爺の言う通りこのままでは目的地に着く前にバテてしまうだろう。長く歩くのは遠足で経験したがあれは楽しくも辛いもので、足の感覚がなくなってもまだ終わらず。一定のペースで行きすぎた私語を禁じらられたそれは、さながら行軍のようであったことを覚えている。周囲の川や森林が夏の強烈な暑さを和らげてくれているのは幸運だ。
「具体的には3時間は歩くぞ」
「あー……それははしゃいでいられないか」
「ジジイと子供だからな。無理は出来ない。あまり意気消沈するな。寺には確か1人が2人子供がいる。確か少し上ではあったが同年代のもいたはずだ。寺の連中が嫌な顔をしたとしても無理矢理話は通してやる」
「無理矢理って……お爺が周りから嫌われたりしたらやだよ?」
「そう言って俺を慮るわりに頬が緩んでいるぞ?嬉しいのなら、望んでいるのなら、素直にそう言えば良い。大人になればそうは行かなくなるから今のうちに……だ」
見えすいた気遣いはお爺には通用しないようだった。すぐさま看破され、諭されてしまうとそれはもう恥ずかしくて、今だけと言われても早く大人になりたいと思わずにいられなかった。
本気で続きが思いつかないので、匂わせる程度にしとこうと思った過去のお話を、物語にしてゲロっちまおうと思います。
まーじでどんだけ続き書かないんだって話っすわ