思春期ぐだ男は愛せない   作:ヒイラギP

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staynightで言うところのHF√から書き始めたお馬鹿がいるらしい。お兄さん許して
内容もガバガバでこれもうわかんねぇな
というわけで0.1話です
はい0.1話です。
本編を手直しする合間はこちらを進めていき、最終的には一本の物語になる・・・予定です。めちゃくそに言われたらやめます。

追伸 本編消したのでこっちが実質本編です。

追々伸 近々、タイトル変更と主人公の名前を藤丸立香として書き直します。


メイン√
導入編(0.1話)/侵食の日


 少し勝ち誇ったようにして目覚まし時計に今日分の仕事の終わりを告げる。目覚ましが鳴る前に目覚めた朝は心地がいい。日差しが無いので何をもって今を朝とするかと問えばこの時計に依存しているのだろう。ところで、だ。

 

「……嫁入り前の女の子が、そんなことするもんじゃないぞ」

 

「いえいえ、嫁入りなら既にますたぁにしておりますのでお気になさらず」

 

「OKした覚えないからな。とりあえず顔洗ってくる」

 

「それなら、私も共に」

 

 清姫がマイルームに侵入してくるのも慣れたことではあるが今日はなぜかいつもよりも心拍が上がっている。おかしい。気取られまいと逃げるように洗面台へ向かった。

 

 朝の口内は便所と同じレベルで雑菌まみれらしい。そんな口で人類史に名を刻んだ英雄たちと対話するわけにはいかない。清姫のように寝起きを狙う輩は流石にノーカウントだ。歯ブラシの無数の毛が、朝特有の気だるさを吹き飛ばす。口をゆすいだ後、顔を洗ってしまえばもういつも通りの俺だ。

 

「確か今日の研究会は休みだったよな」

 

「はい。今日はメディア様の所で魔術の鍛錬。その後はリソース回収ノルマ達成まで種火集め……だけだったかと」

「お、助かる。ありがとう、清姫」

 

 なぜ俺の予定を把握しているのかは一切不明。付き従って予定を教えてくれた様子はまるでメイドのようだ。メイド清姫……うん、大いにありだ。

 

 約束の時間までに朝食を済ませたいので、着替えを済ませて食堂に向かう。もちろん清姫には一旦退室してもらった。確かに特異点を超えたり、サーヴァントに教えを乞う中で、一番最初の時より幾分か体つきはがっちりしてきたはずだが、比較対象は英雄なのだ。見て面白い体でもないだろう。

 

「おはようございます。先輩」

 

「おはよう。マシュ。マシュもこれから朝ごはんか」

 

「そうです。よろしければご一緒してもいいですか」

 

 途中でマシュにあった。するりと逆サイドをとってくるあたりが本当に()いやつだ。

 

 確か今日の朝食の当番はエミヤだった気がする。安心と安全の厨房の長だ。別腹というのは実在する体の機能だと聞いたのはいつだったか、どうやら甘いものでなくとも発動するらしく獣の唸り声のように腹の虫が鳴いた。

 

 お盆と箸を人数分取って配膳の列に並ぶ。漂ってくる味噌汁の匂いから察するに今日は和食だ。日本出身の身としては懐かしく、そして一番食べ慣れた味だ。

 

「やっぱり味噌汁はいいなぁ……中でもエミヤの作るのは格別だから、楽しみにしてたんだ」

 

「そう言って貰えると作り甲斐がある。焼き鮭のおまけだ。しっかり食べるんだぞ」

 

 そう言って一切れ増やしてくれた。これが母性か……

 

 カルデアの食堂は中々に広いため席取りはしなくて済む。適当なテーブルに全員が座るのを確認してから食べ始めた。

「「「いただきます」」」

 

 鮭の程よい塩味で米が進む。その米もふっくらしていてべたつかないベストな炊き加減と言える。米、鮭、米、鮭、これだけでも無限に食べられそうだがここで漬物を一口。こりこりと心地の良い食感に少しばかりの塩辛さ、美味い。追撃の米。次に来るのは鮭か、漬物か、二者択一の究極だと思われたそこに新たなる選択肢が、()()()だ。たかが味噌汁と侮ることなかれ。出汁、味噌、具。それらの調和が織りなす圧倒的暖かさは最早神秘の面影すら放つ実家の固有結解だ。一口食べた瞬間に言葉を失った俺たちは一心不乱に朝食を貪った。

 

 朝食を終えて向かう先はメディアさんのマイルームだ。特異点で最低限の自衛能力がないと危ないということで魔術を教えてもらうようになったのが第2特異点を攻略した時からだったか。思えば結構長い事教えてもらっているが、これがなかなかに楽しい。

 

 あの有名なギリシャの大魔女であるメディアさんに魔術を教わっていると一般の魔術師が聞いたら卒倒するのではないか、とマシュが言っていた。弟子として師匠の名声に傷を付けない為にも、特異点でみんなに迷惑をかけない為にも、もっと強くならなくてはいけない。思いに呼応するように気づけば走りだしていた。

 

「ぐだ男です」

 

 一言で扉が開いた。いつも通りの時間に来たつもりだったが待たせていたようだ。

 

「待たせてしまったみたいですね。すいませんでした」

 

「気にしないで、時間通りだから」

 

 メディアさんに促されるまま部屋に入る。何度見てもTHE魔術師といった感じの部屋だ。かなり高度な術式が刻まれた器具が棚に規則正しくまとめられているが高度すぎてどういった用途の術式か全く理解できない。メディアさんがさっと腕を空に滑らせるだけでどこからとも無く机と椅子が引っ張られるように出てきた。

 

「そこに座って。今日は儀式魔術の実習をしようかと考えているの。理論はもう説明したし割愛して、準備運動したらすぐに始めるわ」

 

「アレ、まだやらないとだめですかね……」

 

「何事も基礎が大事なの。魔術回路を慣らして高度な術式でも失敗しにくいようにしておかないと危ないじゃない」

 

 すべて言い終わらないうちにシミュレーターまで転移していた。これはいつものウォーミングアップで、メディアさんの放つ魔力弾を基礎的な魔術を駆使して10分間凌ぎきるというものだ。かなり実践的な訓練で効果的なのはわかっているが当たると滅茶苦茶痛いので、俺はこの訓練が苦手だった。

 

「それじゃあいくわよ」とまるでキャッチボールのように放たれたそれは、スポーツカー並みのスピードでありながら、その軌道を何度も変えてこちらに迫る。おかしいな、間違いなくいつもより込められた魔力量が多いぞぉ? この速さ、威力ならば骨程度、簡単にへし折れるだろう。つまり、下手すりゃ死ぬ。

 

廻れ(around)/廻れ(around)/強化よ(strength)/加速せよ(acceleration)!!!」

 

 体中を血液のように強化魔術が駆け巡る。そのまま横に跳びすぐに起き上がって走りだす。止まらないことがこの訓練を何度かやる中で身に着けた必勝法なのだ。

 

 地面に着弾すればが爆炎が上がる。俺もそうだが魔力弾も同じように立ち上った煙を遮蔽物にして、不意を突くようないやらしい攻撃を仕掛けてくる。避けた先にいきなり現れたり、大きく外れたと思いきや時間差で背中から来たり。……これ殺しに来てますよね? 

 

「ちぃっ! 掠ったか……ってあぶねぇ!!」

 

 左腕に強い衝撃が走る。当たり方に気を配ったのでダメージは少ないが姿勢が大きく崩れてしまった。そこに狙ったかのように撃ちこまれた魔力弾を拳ではじく。詠唱があるものよりも精度は低いが無詠唱でも最低限度の強化は可能だ。激突の反動を利用して後方へと飛ぶ。そこにも左右から魔力弾。着地すら間に合わないであろう完璧なタイミングに思わず舌打ちをする。

 

生成されよ(create)/血の鉄(blood・iron)(pole)!」

 

 おあつらえ向きに拳から流血していたのでその血から1.5mほどの棒を生成し、地面を突くことで跳躍距離を引き延ばす。棒術も棒高跳びも経験が無く、不安定だったがなんとか無事に着地に成功した。役目を終えた棒を回転を加えて目の前に展開された弾幕に投げつける。誘爆が誘爆を誘い、人ひとり分の道を作る。そこに活路を見出して駆け抜けるが、抜けた先にも魔力弾が展開されていたため急速反転。追いすがる5発の追尾弾から逃げながら無詠唱で何個か魔力の壁を作り進路を妨害する。何個かこれで落とせると思ったがするりと避けられてしまった。確かに苦し紛れの抵抗ではあったが理不尽さを感じる。

 

「あぁもう鬱陶しいなぁ! 徐々に(gradually・)増し(gain)/連鎖し(chain)/爆発する(explosion)/魔力塊(energy・lump)!」

 

 発射した魔力を中心に何度も爆発が起こる。追尾弾は規模を増しながら迫るそれを避けられずに数を減らしていくが

 

「また腕を上げたわね、少し難易度をあげましょうか」

 

 俺の魔術が撃ち落とされて一瞬間の静寂が訪れる。何やら不穏なつぶやきが聞こえると、竜牙兵が召喚され、無数の魔術が待機状態で展開された。

 

うん! 殺す気だ!? 

 

 そのすべてが動き出せば、高速の遠距離攻撃と頑強な歩兵の近接攻撃に翻弄され、もう何が何だかわからない。適当に編んだ術式を適当に放れば魔力弾か竜牙兵に当たる。完全な物量での包囲網。防御が、迎撃が、回避が、反撃が、奇策が、ごり押しが、全て、全て、圧殺される。何をしても膠着状態のままで……いや弄ばれているのか。

 

 考えれば当たり前なんだろうが熱くなった今の俺にはサーヴァントと人間の覆らない性能差に歯がゆさを覚える。恐らく集中が途切れた時、速攻で負けるんだろう。いや……そうだろうか。実戦なら負けるだろうが、この訓練は時間さえ稼げればそれで勝ちなのだ。

 

 本当にか?俺が強くなるためにこの程度の試練は潜り抜けられないといけないんじゃないか?世界を救わなくちゃいけないんだ。眼前の困難は全てねじ伏せるくらいの気概でいかなくちゃいけないんじゃないか?ちょうど密かに作った略式交神儀式術がある。これからの切り札になり得るかどうかここで試すことにした。さあ……

 

 ──一泡吹かせて見せようか──

 

炎と霜を以て 滴となる

滴こそ始まりの命 巨なる人

その血は海

その体は大地

                                           」

 詠唱を開始すると暴風のように炎と冷気が舞い始める。右手が焼け、左手が凍り付き、胸の中心に暖かな光が灯る。本来ならば北欧の原初の巨人であるエミルに祭壇で祈りを捧げ、大地への感謝や豊穣への加護を目的とされるこの儀式だが

儀式魔術を勉強するようになってから密かに特訓していた俺だけの魔術。強力な反面代償も大きく、この魔術を使うと両腕が丸三日使い物にならなくなる。普通に焼けているし、普通に凍結しているため仕方ないことだが、とても痛い。拷問されているようだ。

 

「何をしてるの!?馬鹿なことはやめなさい! 」

 

メディアさんが血相を変えて怒鳴る。大人げないことしてくるからだ。こうなったら最後までやってやる。

 

巨人エミルの全ては世界

故に願う 世界(エミル)に願う

我が拳 我が戦いに祝福を

我が成す勝利に祝福を!!!!

                                          」

併せて12節。北欧神話の始まりを称える詩を唱えれば、純粋な力の塊が流れ込んでくる。ふと、万能感。左を振るえば凍り付き、右を振るえば灰と消える。ムスペルヘイムと二フルヘイムから溢れ出た先ぶれのみで簡単に滅びるとは、この骨の兵隊どものなんと矮小なことか。どれ、この体を使い、……なんと!この地より先の世界がないときたか!我の遺体を燃やし尽くすなど不敬中の不敬。我が肉体も元凶の打倒を望んでいることだ。よし今より出向き討伐を……

破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)!!! 一瞬神霊になっていたような……危なかったわ。直接神と繋がろうだなんて、これはお説教が必要なようね」

「・・・あれ?俺は一体……って勝負は!?」

「あれは訓練でしょ?まったく……自分のやったこと、しっかり反省しなさい!」

「いやぁ、ついムキになっちゃって……でもメディアさんもひどいですよ!あんなの普通にやったら攻略できませんって!ってかアッツゥゥゥゥ!!!!サムゥゥゥゥ!!!アッツゥゥゥゥ!!!!……何ですかこれ!?」

「今日は予定を変更して、あの術式の危険性についてみっっっっちり教えますからね」

「まず先に腕の治療を……「つべこべ言わずに来なさい」ひぇぇぇ!!!」

 この後滅茶苦茶勉強した。

 

 

 

 

 




フェイトシリーズをおさらいするたびにうそ!私のfate知識無さすぎ!?と死にたくなっているので、やさしい兄貴姉貴たちには生暖かい目で見守ってください。
がんばります!(卯月)

勝手ながら、構成をやり直す事が確定したので、導入編が3つ投稿された瞬間に本編が消し飛びます。申し訳ありません
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