ますたぁの寝顔が目の前にある。なんと素晴らしい事でしょうか!いつまでもこうして眺めていたいのですが、もうすぐ起床の鐘が鳴ってしまいます。それにますたぁが起きてくださらなければお話しすることもできませんし……ああ!ままなりません!せめて脳内に焼き付けましょう。
ますたぁが起床してしまいました。何やら嬉しそうに時計の仕掛けを止めています。鐘より早く起きた事に勝ち誇ってあるようです。ふふふ、可愛らしいです。寝顔を見られる時間は減ってしまいましたが、希少なますたぁの姿が見られるならば、こういった朝もありでしょう!
「嫁入り前の女の子が、そんな事するもんじゃないぞ」
私のますたぁはこういった強い押しにもなびきません。浮気の心配も少ないという事なのですが、少し悔しいので反撃します。
「いえいえ、嫁入りなら既にますたぁにしておりますのでお気になさらず」
「OKした覚えないからな。とりあえず顔洗ってくる」
そう言うや否や寝癖の付いた髪に手ぐしをかけながら洗面台へ向かっていきます。あ、私とした事が早くついて行かなくては!
「それなら、私も共に」
ますたぁが歯を磨いた後のコップ。ますたぁが歯を磨いた歯ブラシ。……ゴクリ。いえ、そのような事は致しません。はしたないですわ!……本当に致しません…わ……
何とかバーサークする心を押さえつけますたぁの元へ行くと、何と着替えるから一度外へ出るようにとお申し付けになりました。いえ、それは当然の事。男女が肌を一番に晒すのは初夜の時と相場が決まっています。
なの、ですが、これは何でしょうか。背徳が背筋を駆け上るような甘い、甘い痺れ。嗚呼、身を焦がす恋とは違うこの、内から溶けるような……流れ込んで……来るような……
その玉体はいかなる芸術よりも勝るとも劣らない物でございます。特異点での戦いの中で鍛え上げられたその肉体美は、ますたぁ本人からすればまだまだらしいですが、私には十分に思えます。だってますたぁがカルデアを、ますたぁ自身を守るために必死になって形作られたのだから、ますたぁの努力の証なのだから……
そ、それにしてもひ、卑猥……です。ああ!髪を掻き上げて!色気が爆発ですわ!ますたぁ、ますたぁぁぁ!!!ぁああ!!
何という事をしてしまったのでしょう。……それにしても……はっ!いけません。いけませんわ清姫。はしたない娘はきっと、ますたぁに嫌われてしまう。嫌われたら、きっとますたぁは私から逃げて、しまう。逃げないで……ますたぁ、ますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁますたぁ。
ますたぁに肩を叩かれてやっと正気に帰ることができました。そうです。そうでした。ますたぁは私を正面から受け止めてくれた。私の、醜い竜の炎ですら……やっぱりあなた以外考えられないわ。
食事に向かうとのことで当然同行させていただきます。途中でマシュさんにお会いしました。見事な身のこなしでますたぁの反対隣を取るとは中々やるようになりました。警戒の段階を引き上げましょうか……
悔しいです!!!美味しいです!!!でも、悔しいですぅぅ!!!
なんとかエミヤさんの料理スキルを盗めないでしょうか。恐らく数年では足りない、鍛錬の先にある境地なのでしょう。ですがその一端でも習得できれば……っ!できることならば、ますたぁに私の作った朝食を食べていただきたい……この後ますたぁは確か魔術の鍛錬でした。ならば私は料理の鍛錬をするべきでは!?天啓得たり!です!
「む、清姫か、どうした?マスターなら私よりも君の方が詳しいと思うが」
「エミヤさん、いえ、エミヤ先生!私に料理を教えてくださいまし!」
「なっ!?バーサーカーが料理、いやタマモキャットの前例がある分否定はしまい。だが、料理とは精密さが求められる研究のようなもの、狂化に陥りながらその地獄に身を置く覚悟はあるかね?」
「ええ、ますたぁに私の作った朝食を食べていただくためにも!」
「フッ、その気持ちがあるなら最早止めはしまい……ついてこれるか」
「イメージするのはいつだって食べる人の笑顔だ」
「はい!」
「それ以上味噌を入れれば地獄だぞ」
「はい!」
「我が献立は乱れる事無し」
「……?」
「忘れてくれ」
「はい!」
「凄まじい上達具合だが、別に、師匠面しても構わんのだろう?」
「ええ!ありがとうございました。エミヤ先生!」
今、私はとっても気分がいいです!明日はエミヤ先生が厨房をいつもより少し早くから開けてくださるので、ますたぁに早速料理を食べさせてあげられます!ますたぁが私の……
「アッツゥゥゥゥ!!!!サムゥゥゥゥ!!!アッツゥゥゥゥ!!!!」
今の悲鳴は、まさかますたぁの!?
全肯定系ボイスドラマを聞く作者
「やめろぉぉぉぉ!!!そんな頑張れてないからァァァァァ!!!うわぁぁぁぁ!!たすっ、助けて!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい………………」