指揮官と人形、時々○○   作:影元冬華

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特にオチは無い
ヴァルハラコラボでドア先輩が出るので誓約します


少し気になった指揮官

 指揮官は基本的に執務室にいる。作戦時は指令室にて戦況を把握しながら指示を出したりするが、簡単な哨戒や護衛任務の場合は人形たちに一任している。

 そのため、基本的に人形達とコミュニケーションをとる時間や場所というのは自然に限られてくる。例えば食堂や娯楽室、場合によっては仮眠室やショップなどといった具合に固定される。

 

 指揮官オダスはそんなある日の事、偶々執務室で一人書類を片付けていた時にふと思ったことがあった。

 

 

「…あいつら、いつも俺の行動把握してるよな。」

 

 

 と、なぜか唐突に思ったのだ。

 

 よくよく考えれば違和感を感じる会話がかなりの数で行われており、寧ろなんで気が付かなかったのかと今更ながらに感じている。その中でも一番わかりやすいのはスコーピオンかもしれない。なにせオダスがいる部屋に必ず騒がしく突撃してくるのだから。

 というより、他基地から配属された新人のDSRが一番まともな会話をしているのでは?とまでもう一度堂々巡りの様に頭の中で考える。

 

 

 

「いや、まさかとは思うが…。」

 

 

 ある事を思いついたオダス。しかしこれで何も出なかったら「唯の痛い人」になってしまうな、と思いつつその時はその時だと割り切って、手元で行っていた資料整理を一時中断する。

 

 両手をスッ…と上げ、そのまま2回パンパン、といい音を鳴らして「誰か」と言ってみる。

 

 

 

「…まあ、いるわけがな____」

「____失礼しま…指揮官?」

 

 

 

 オダスは困惑した。あまりにもいいタイミングでDSRが入ってきたのだから。

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽

 

 

「…なるほど。」

「いや、マジですまなかった。というか単純に俺が疲れすぎてるだけだわ…。」

 

 

 

 困惑してフリーズしたDSRにとりあえず事情を説明し、誤解を解いた。そして気づいた指揮官、あまりにも疲れていたのだ。

 

 

 

「流石に2徹してれば天井の隙間から9A-91が見えたり屋上からスコープっぽい反射光が常にこっちを見ていたりドアの前に誰かがいる気配が離れないのを感じるとかそんなことないもんな…。」

「それは勘違いではなく事実なのでは!?」

「えっマジなの?」

 

 

 

 DSRに突っ込まれる。ある意味それを見逃さなかった指揮官もすごいのだが。

 

 

 

「…とりあえず、寝るわ。」

「そうしてください、指揮官…。お仕事の方は私がカバーできる範囲でやっておきますので。」

「助かる、DSR。」

 

 

 

 ふあぁ…と眠そうにあくびをしながら執務室を出ていく指揮官。その様子を見送ったDSRはふと誤解の原因となった指揮官の動きを真似てみる。

 

 

「えっと…確か手をこんな感じで…2回…。」

 

 

 パンパンといい音を出して手を鳴らす。

 

 

 

 

 

 

「…お呼びですか指揮か」

「えっ?」

 

 

 

 

 

 目の前に9A-91が降って居りてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『わあああああああああああああ!!?!?!?』

 

 

 

 

 

 

 大きな悲鳴が基地内に木霊した。




指揮官
→あまりにも疲れていて現実を幻覚と勘違いした。2日徹夜したがそれで体が限界である。

DSR
→訓練結果を報告しに来ただけ。被害者

9A-91
→屋根裏のニン=ジャ。このあとめちゃくそ怒られた。DSRのスキル訓練の的にされる。

屋根上のスコープ
→スプリングフィールドがカフェでつまみ食いをした不届き物を探していただけ。

扉前の気配
→G36。指揮官が眠そうだったので入るのをためらってついでに客人の相手をしようとしてくれてた。

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