指揮官と人形、時々○○   作:影元冬華

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オンリーが1週間前とかありえねえ
めっちゃ楽しすぎたわオンリーのライターズオフ会…



目印にされた私でした(最大集合人数11人)
追記:お気に入りして来れてるユーザーの名前を見るんですけど、「ソォイ!お茶ァ!」という文字を見て吹きました。ありがとう


傍迷惑なイタズラ

 DSRは困惑していた、普段と違いすぎる感覚に。

 自らの服も大概なのだが、今しがた着ているのはそれ以上に布面積が少ない下着、本来なら出ている腕部はしっかりと布で隠されている。

 しかし、それ以上に身長が明らかに「小さい」のだ。

 

 

 

「……。」

 

 

 そっと両手を見てみる。やはり、違う。

 DSRはなんとなく察した。

 

 

 

「これ、ボディとメンタルが違ってますね…。」

 

 

 

 

 最早困惑しすぎて慣れてきたのかもしれない。

 

 

 

 

 

▽▽▽▽

 

 

 

 

「…という事でして。原因は分からないのですが、今現在メンタルとボディが入れ替わってる人形がほとんどとなっています。」

「………。」

「すみません…分かりにくいですよね。」

「あー、いや。何となく分かってる。9Aー91のボディに入ってるのはDSR、スコーピオンに入っているのはコンテンダー、コンテンダーに入っているのがAUG…までは覚えた。」

 

 

 

 執務室、9A-91(inDSR)は指揮官に報告をしに来ていた。指揮官は最初、9A-91が大人しく入ってきたことに大層驚き、そのあとの話を聞いて納得していた。自分の制服を『恥ずかしい』というくらいに純情なDSRである。9A-91の衣装は自分よりも露出が激しい以上、余計に動きにくいのは自明であるのだから。

 

 

 

 

 

「一応、入れ替わっていないのがKSG・MG4・グローザ・コルトSAA・Vectorの5人となっています。おそらく昨日の歩哨担当で基地内に居なかったためでしょう。」

「ってことは原因は基地内の何かが影響してるってことか…またなのか…。」

「また、とは?」

 

 

 

 

 顔に手を当てて天井を仰ぐ指揮官、その声は大層面倒だと言わんばかりに低いものである。

 

 

 

 

「…お前さんが来る4か月ほど前にもまっっっったく同じ事案が発生してな。その時は俺の基地以外でも発生してたから、本部の協力もあってすぐに解決した…が、今回は誰からも連絡ねえからうちだけっぽいな…。」

「うわぁ…。」

「一応、応急処置だが首からこれを下げておいてくれ…。」

 

 

 

 

 そう言って指揮官から渡されたのは「DSR」と書かれた紐付きプレートである。なんというか、準備してある理由が知りたい。

 

 

 

 

「整備長から報告がないってことはまだ気づいてねえな…送っておくからメンテナンスルームに行って調査協力をしてくれ。」

「分かりました。」

 

 

 

 

 あぁぁ…、と崩れながら嘆く指揮官。恐らく本部に出す報告書が面倒なのだろう。DSRは事が片付いたら手伝おう、と心に決めた。

 

 

 

 

▽▽▽▽

 

 

 

 メンテナンスルームに着けば整備長から言われたのは「1時間後にもう一度来てくれ」との指示。どうも連絡を受けて原因調査の準備に時間がかかるそうだった。メンテルームに入ろうと扉に手を掛けた瞬間に「ちょっと待って開けないでくれえええええ!!!」と叫ばれたのは滅茶苦茶驚いた。うっかり声も上げるくらいには。

 

 

 そんなこともあり、今現在9A-91(inDSR)は基地に併設されているカフェに来ていた。このカフェはスプリングフィールドがマスターをしている時と人間のスタッフがマスターをやっている時の2種類があり、今日は人間のスタッフの日だった。

 

 

 

「あら、9Aちゃ…DSRさん?」

「おはようございます。ボディとメンタルで原因不明のトラブルが発生していまして…中身はDSRです。」

「あらあら。という事は今は待機中ってことね。事が済むまでここに居てもいいわよ~♪」

「いえ、今は整備長が準備を終わらせるまで待っているだけなので…。」

 

 

 

 あははー、とちょっと笑いながらマスターの向かいのカウンター席に座る。DSRは毎回何かあるたびにこのカフェに来ており、もはやなじみの顔となっていた。

 ちなみにマスターはそれを知っているので内心「また巻き込まれたのかこの子は…。」と思っていたりする。

 

 

 

「さて、それじゃあいつものブレンドコーヒーでいい?」

「いえ、今日はキャラメラードの方をお願いできますか?」

「いいわよ~。そうね、これは最初に何も入れないで飲んでみて。」

「何も入れないで、ですか。」

「うん、ブラックで。ちょっと飲んでからならいつものようにミルクとお砂糖いれていいから、ね?」

 

 

 

 喋りながらマスターは手早くコーヒーを入れていく。豆はどこで手に入れているか分からないが恐らく天然物なのでは?と思うくらいに香りが届いてくる。

 

 

「…はい、キャラメラードね。」

「ありがとうございます。」

 

 

 

 DSRはコーヒーを受け取り、言われた通りにブラックで少し飲んでみる。

 

 

「…これは。」

「苦みも酸味も強くないし、口当たりもいいからちょっとコーヒーに慣れてきたころに飲むとおいしいのよ?苦みも後を引かないからちょうどいいだろうし、ね?」

「確かに、これはこのまま飲んでもいいですね。」

「んっふふ♪この基地の人形は甘党が多くて、コーヒーをブラックで飲めない人と人形が多いからねぇ…貴方のような人形は結構珍しいのよ。」

「もしかして、指揮官も甘党…?」

「超絶甘党よ。」

 

 

 

 

 

 どっちかというとブラックコーヒー&カフェインなんぞいつも飲んでるから平気だと言わんばかりの顔なのに、と言いたげなDSRの表情に思わず吹き出すマスター。DSRはちょっとだけむくれた、9Aの顔でだが。

 そのままコーヒーを飲んで時間を潰していると、整備長から連絡がやってきた。もうメンテルームに来てもいいらしい。

 

 

「整備長から呼ばれてしまったのでそろそろ行きますね。」

「はーい♪今日一日はここにいるから、また面白い話を聞かせてね~。」

「私からすればとんでもない事ばかりなんですけどね…。」

 

 

 

 

 背中からマスターの笑い声を受けつつ、DSRはメンテルームへと向かったのであった。





DSR
→9Aちゃんの中に入ってた。起きて部屋が違っててめちゃくそビビってた。ついでに露出の多さにフリーズした


指揮官
→「また報告書と始末書かあああああああ!!!!!」


マスター
→お話聞くの大好きな女の人間スタッフ。DSRがなんでトラブルに合うのか不思議でしょうがないと思ってるけど聞く話全部面白すぎて笑いが止まらない。
 豆は自分で仕入れている。ルートは不明



キャラメラード
→マジで売ってるコーヒー豆。作者の近所にあるコーヒー豆売ってるお店で100g500円未満であった。けどうまいし苦みも酸味もマジで少ないのでブラックで行ける。口にも残らない苦みすげえ
詳しくは「大館焙煎珈琲 加賀コーヒー店」で検索してね。興味があったら

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