ティアスバと旅行に行ってきた。   作:あおい安室

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お待たせしました。
そしてリリカルなのは15周年おめでとうございます!


二日目:一~二枚目

早朝の散歩を終えて帰っていたら、旅館の廊下でスバルとティアナにばったり会った。

「あ、おはよーフィオ。一人で行った散歩は楽しかった?」

スバルの言葉に若干の怒りを感じる。加えて表情もむすっとしている。

……あっ。

「もしかして、スバルも散歩に行きたかったのか?」

 

「うん。面白そうなのもあるけど、フィオが一緒ならなおさら行きたかったかなー。フィオのバーカ」

 

「お、おう。その、ごめんな?」

 

「明日の朝あたしも一緒に散歩に連れて行ってくれたら許してあげる。

 その時寝てたら起こしてよ。いーい?絶対だよ?」

 

スバルはそう言って人差し指をこちらに向けながら念押ししてきた。

ナニコレ、可愛いんだけど。明日も早起きすることを決意した。

 

「ところでさっきからティアナが静かだけど、何かあったのか?」

 

「……首が痛いのよ。寝違えたみたい」

 

「ティアの寝相も珍しく悪かったしね。ティアって旅行先では寝られないタイプなのかもね」

 

その原因、寝ぼけたスバルのキックです。

 

 

 

「んー、このパンおいしっ。フィオもティアも少ないけど、食べないの?」

 

「散歩の途中でまんじゅう買い食いしてたからそんなにお腹空いてない。

 それに美味しそうに食べるスバルを見てるだけでお腹いっぱいだよ」

 

「私も昨日のラーメンがお腹に残っている気がするし。軽めがちょうどいいのよね」

 

「そう?ならいいけど。」

 

旅館のバイキング形式のレストランで朝食中。

俺とティアナは腹が減ってないのでコーヒー一杯くらいだが、スバルは皿に山盛りのパン。

お前本当に大食いだな……祭りでもめっちゃ食いそうでちょっと不安です。

 

「さて、今日はどうする?あたしは特に希望ないから二人に任せるわ」

 

「あたしも希望ないよー。フィオにおまかせで」

 

「俺の希望でいいのか?そう言われてもなぁ……夜に祭りに行きたいってだけで特に希望がないぞ」

 

行き当たりばったりで旅行に行きたいと言い出した張本人だぞ俺。

何かないかとあたりを見渡すと、テーブルのメニューに紛れてこの旅館のパンフレットがあった。

これだ。手に取ってパラパラとめくってみる……おっ。

 

「よし、時間をつぶせそうないいところを見つけたぞ。

 ……で、何してるんだティアナ?」

 

指で四角を作ってファインダーに見立て色々な位置から撮影するそぶりをしているティアナ。

なお、パンが山盛りだったプレートはすでに空である。恐るべし。

 

「せっかくだから、ここで一枚写真を撮ろうと思ってるのよね。

 どうにかして自撮りで三人が全員入るアングルないかちょっと確認してる」

 

「自撮りで?なるほど、それは面白いな。誰かに撮ってもらう写真もいいが、そういう写真もいいよな

 となると今日の撮影役はティアナか?」

 

「ええ、じゃんけんして決めたのよ。素人なりに頑張ってみるわね」

 

ほほう、それは楽しみだ。

 

 

なお、撮影時。

 

「ちょっと待てスバルお前寄りすぎじゃないですか!?」

 

「ごめんね、ティアが首をあまり動かせないのもあって、ティアの隣だとアングルがちょっと厳しいから……我慢して?」

 

「お、おう……」

 

ティアナの指示で移動したスバルがめっちゃ近くに寄りかかってきて内心歓喜してました、はい。

ニヤニヤした目で見ないでくれ。お前がやったことでしょうが。

 

 

 

はてさて旅館内を三人で歩くこと数分、訪れたのは旅館の地下フロア。

この旅館における地下フロアは遊技場になっており、ゲームセンターや、カラオケ、ビリヤード、ダーツ等々色々な遊具があるのだ。

 

「ここでとりあえず昼飯の時間まで遊ぼうと思うんだが……俺に一つ提案があります。

 ただ遊ぶだけじゃつまらないし、勝負しようぜ!一番多く勝ったやつが京の昼飯を決めるっていうのはどうだ」

 

「乗った!ティアにもフィオにも負けないよ!」

 

「勝負はいいけどなるべく首に負担のかからないやつを選んでよ?」

 

了解です。さて、最初の勝負は何にするか。

 

 

 

 

「うわ、懐かしい。このゲーム兄さんとよくやってたわね」

 

勝負するとなると選ぶのは必然的に対戦ゲームになる。

対戦ゲームを求めてぶらぶら歩いていると、ティアナが古いアーケードマシンを見つけた。マシンに入っているゲームは15年くらい前にに出た名作パズルゲーム。

落ちてくるブロックの色を合わせて消していくだけのシンプルなつくりだが、これが意外と面白いんだ。

今でも続編が出ているのを見た記憶がある。

 

「兄さんとやってたのかこれ?」

 

「ええ。初期の家庭用移植作品を持ってたのよ。よく対戦して手加減しない兄さんに怒ってたっけ……」

 

「ティアの思い出の一品ってわけだね。あたしもお父さんと一緒にやったなぁ……あっ!これ四人対戦可能だよ!」

 

「四人対戦可能?この時代のアーケードマシンは基本二人対戦までなのに珍しいな」

 

確認してみるとこのマシンは隣のマシンとリンクしており一台につき二人まで操作可能なので、最大四人でプレイ可能とのことだ。

 

「……ちょうどいいな。一回戦はこれにしよう。久しぶりに腕が鳴るぜ」

 

「OK。あの頃さんっざんやりこんだ腕前を見せてあげる。覚悟しなさい二人共……!!」

 

 

 

……で、結果はというと。

 

「……うっそだろ。ティアナ強すぎないか……!?」

 

「そ、それなりにやりこんでるのに腕が通用しない……!!」

 

「ふふん、舐めんじゃないわよ」

 

ティアナの圧勝である。俺とスバルは全く手も足も出なかった。

消すスピードがこちらより二倍ほど早く、その上ガンガン多コンボを組んでいくからスコアが全然追いつけん。

 

「兄さんに負けっぱなしなのが嫌だったから必死で特訓してたのよね。

 ……兄さんがいなくなって以来あんまりやってなかったけど、腕が落ちてなくてよかったわ」

 

……ティアナはどこか遠いところを見つめて小さく笑っていた。

ある意味ゲームの選択を間違ったかもしれん。なんかすまない。

 

第一勝負:ティアナの勝ち。

 

 

 

「さて、次のゲームは……よし、これにしよう」

 

選んだのは、パンチングマシン。

 

「待 ち な さ い よ」

 

ティアナが怒っている。当然か。パンチは全身を使うから割と首に負担がかかるし。

 

「パンチングマシンって割と珍しいからやってみたかったんだ、すまない……

 さすがにティアナには不利だからエキシビションマッチ的な感じでノーカンでやるから安心してくれ」

 

「ならいいけど。最初は誰からやる?」

 

「あたしは最後がいいかも。多分三人の中で一番力が強いからね」

 

「男である俺としては否定したいが事実なんだよな……悔しい。

 よし、最初は俺にやらせてくれ。この悔しさをぶつけてやる……!」

 

コインを筐体に入れてサンドバックの前に立つ。

このパンチングマシンはサンドバックとモニターがセットの形式で、サンドバックに与えた衝撃がモニターに表示されるというものだ。

サンドバックには的が描かれており、的にパンチを当てた時中心部に近ければ近いほど得点にボーナスが入る。

スバルにはパワーで勝てないだろうし、的のど真ん中に当てなければ勝ち目はなさそうだ。

サンドバックの位置、的のど真ん中、後ろに下がれるスペース。それらを確認して大体の位置を計算。

大体これくらい下がって、振りかぶったときの位置的に……よし、ここだ!!

 

「おらあっ!!」

 

右手を振りかぶり、全力で前に突き出す。こぶしは狙い通りに的のど真ん中へと吸い込まれていき……

バシィ!!といい音を立ててサンドバックが吹っ飛んだ。

 

「っしゃぁ、完璧ぃ!得点はどうだ!!」

 

モニターに表示された得点は、得点426点。内訳はパンチ力が400点満点中328点、的の中心への命中精度が98点。

500点満点であることを踏まえたら……おお、結構高いぞ!!

 

「おおー、お見事!やるねフィオ!」

 

「勝てるとは思ってなかったけどハードル高いわね……まあ、それなりにやってみますか」

 

そして、サンドバックの前に立ち、軽く構えをとったティアナ。

俺のように細かい計算をしてからパンチするわけでもなく、パパっと気軽にパンチする、が。

 

「いたあっ!!」

 

首が痛んだようで、パンチがズレて当たったのはサンドバックの端だった。これは命中精度点かなり低いぞ……

モニターに表示された点数は……おおう。めっちゃ低い。本人の名誉のために詳しい数値は書かないが。

パンチ力もあまりなかったようで俺と比べるとはるかに低い。

 

「ティ、ティアナ……その、元気出せ?」

 

「ありがと、フィオ……普段だったらもっといい点数出せるのに……!」

 

「大丈夫だよ、ティア。ティアの悔しさの分あたしが高得点出すから……!

 機動六課での特訓の成果を見せる時だね!」

 

そう言って腕をぐるぐる回しながらやる気一杯のスバル。筐体を壊さないか若干不安である。

このパンチングマシンはサンドバックとモニターがセットの形式で、サンドバックに与えた衝撃がモニターに表示されるというものだ。

そして、サンドバック前に立ったスバルが構えをとる。その姿は結構様になっていた。

 

「……ティアナ、撮影よろしく」

 

「ええ?わかったわよ、しょうがないわね」

 

渋々といった様子でカメラを構えるティアナ。ちょうどそのタイミングでスバルが動く。

 

「てりゃぁぁぁぁ!!!」

 

構えたこぶしを全力でサンドバックの真ん中へと命中させる。そして。

 

「あだっ!?」

 

余りのパンチの威力にサンドバッグがぐるりと空中で一回転。

スバルの後頭部めがけて飛んでいき、見事に命中した。そのままスバルは前のめりにバターン。

 

「あははははは!!ま、まさかこんな結果になるとは……ティアナ、写真は!?」

 

「ば、バッチリだとは思うけど……動画撮っておけばよかったわね……」

 

「いたた……ううっ、こんなことになるなんて……でもこれならきっと好成績のはず!」

 

モニターを見る。

測定不能&正規方法で挑戦してくださいという警告文。

 

「なんでー!?この機会不良品じゃないの!?店員さーん!!」

 

「ス、スバルの力が強すぎるんだろ……ダメだ、笑いとまんね。同級生とかにこれ見せたいなぁ」

 

「フィオは笑いすぎだよ!もうー!!本気でやっただけなのにどうしてこうなるの!!」

 

ぽかぽかと殴ってきてスバルに抗議されつつ、勝負は後半へと続く。




一枚目:「朝食後の私たちね。うまくこじつけてスバルをあいつのそばに行かせれてよかったわ」
二枚目:「サンドバックに吹っ飛ばされたスバル……が撮れたはずなんだけど……自信がない」

「というか、スバルのパンチの速度早すぎて十中八九二枚目ぶれてるわね……」
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