ソードアート・オンライン -赤の魔剣士と蒼の狙撃手-   作:ラトリン

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一話からかなり空いてしまいましたが二話投稿です!


第二話 運命の出会い

 2022年11月17日11:40

 ―ホルンカ中央広場―

 

 ──────

 

 このデスゲームが始まって約10日、この短期間のうちに1500人も死んでしまった。俺とキリトはあれからずっとコンビで活動をしている。一部では二人組の強力なタッグがいると話題になっているらしいが俺はあんまり表に出たくないので嬉しくない。一方キリトはというと、

 

 キリト「いいじゃねぇか!いずれ二つ名つくんじゃねぇの?」

 

 とウキウキである。まぁ強くて有名になることはこれからの攻略で助けになるのは確実だろうし甘んじて受け入れよう。今日はあるプレイヤーの呼び掛けによりいる第一層フィールドボス討伐会議を開くらしいのでここホルンカに来ている。

 会議の開始は12時だと言われていたが来てみると既に15人近くの人が集まっていた。広場の中央にある噴水のそばでは鎧―とは言ってもまだ一層なので見た目は貧弱だが―で固めた人物が大声で話していた。

 

 ???「はっはっはぁ!こんだけ集まればフィールドボスなんてちょちょいのちょいだな!ん?あそこにいるのは...?」

 

 そう言ってこちらを観てきた。途端に周りにいたプレイヤーたちがこちらを見る。その人だかりを割ってさっきの人物が走ってきた。

 

 ???「いやーあなた達はもしかして有名な二人組だな!あなたがたも今回の会議に参加してくれるのか!いやはやあなた達がいれば百人力だぞ!よろしく頼む!......申し遅れた俺はダイオスだ!」

 

 ダイオスと名乗った男は俺たちの腕をとり強く握った。これだけでこの男が只者じゃないことがわかった。STR値がかなり高い。おそらく力極振りの―悪くいうと脳筋―ビルドなのだろう。

 

 キリト「俺はキリトだ。ダイオスさん、こちらこそよろしく頼む」

 

 タツヤ「俺はタツヤ。よろしくな」

 

 ダイオス「さて、そろそろ人数も集まってきたところだし会議、はじめるぞ!」

 

 そう言うとみんな途端に顔が引き締められ場の雰囲気が変わった。

 

 ダイオス「うん。いい面構えだな。これならば......みんな!今日は集まってくれてありがとう!進行は俺がつとめさせてもらう。この10日間で既にたくさんの人が死んでしまった!俺も目の前で死んでいくのを何度も見てきた!この悲劇を繰り返さないためにも俺たちが一丸なってがんばろう!」

 

 周りから歓声が上がった。相当なリーダーシップだ、などと感心してる間にもダイオスは続ける。

 

 ダイオス「俺は一度一パーティーで偵察に行ってきた!だから今回の会議で対策について話し合い明日!討伐をおこなおうと思う!異論はあるか?...ないみたいだな。じゃあ対策の前にパーティーを作ろう!6人1組だ!」

 

 そう言われ俺はドキッとなった。体育の授業などでよくある(二人組を作る)イベントだ。俺はいつも余って最後になる。いい思い出がないこのイベントにゲーム内でも発生するとは。

 

 タツヤ「どうする、キリト?」

 

 キリト「4人組みたいなのが余ってればいいんだけど...無さそうだな。おっ!あそこの2人組はどうだ?」

 

 そうキリトが指さした先には俺たちと同じように2人組で相手を探しているような人物が見えた。フードを被っていたため見た目は分からないが身長的には俺たちより下だろうか。そんなことを考えているうちにキリトはそちらに行き話しかけていた。

 

 キリト「あんた達もさがしているのか?俺たちでよければパーティー組まないか?」

 

 ???「...周りはもう組んじゃってるみたいね。まぁあなた達みたいな同年代...よね?、その方が私達も気が楽だわ。いいよね?シノのん」

 

 思ってもみなかった声色で答えたその女性(……)プレイヤーは隣にいたシノのんと呼ばれたプレイヤーに聞いた。

 

 ???「もう、その呼び方やめてよ!......まぁアスナがそんなに言うならいいわ。じゃあパーティーに招待するわね」

 

 そう言うと彼女は手馴れた操作でウインドウを操作した。すぐにでてきたパーティー招待を許可すると、視界の左上元々あった俺とタツヤのHPバーの下にさらに新しく2つのHPバーが並んだ。名前を見ると《sinon》と《asuna》と書かれていた。

 

 キリト「シノン、とアスナ、だな。よろしく頼むよ。とりあえずダイオスが待ってるだろうから席につくか」

 

 俺はキリトが以外にも対異性スキルが高いことに驚きながらも、簡単に2人に挨拶をしてキリトの横に腰かけた。

 

 ダイオス「よし、チームを組めたようだな。では、始める。まず、敵の名前は《Minion of Kobold Load》このコボルドロードというのが第一層の迷宮区ボスなのだろう。その手下、という事だ。使う武器は........」

 

 と、解説が続いていく。このモンスターの名前は聞いたことがある。ベータテストの時に迷宮区ボスの取り巻きとして出てきたヤツだ。なのでダイオスの推理も当たっていることとなる。ベータテストの時は大して強いとも感じなかったのでやはりベータテストの時とは変わっているのだろう。

 

 ダイオス「...以上で俺たちが見てこれただけの情報だ!」

 

 聞いてる限りだと図体以外は攻撃パターンも変わってないみたいだ。取り巻きだったので俺たちと同じくらいの大きさだったのだが、しっかりボスになると俺たちより2倍も3倍も大きく設定されているらしい。その方が取り囲みやすくていいのだが。

 

 ダイオス「それでは部隊の役割を決めていく」

 

 そう言いダイオスはそれぞれのところに周り役割をつたえていっている。

 

 タツヤ「そういえば、シノンとアスナはなんの武器を使っているんだ?」

 

 アスナ「私は細剣だよ。軽いし、何よりスピードが出せるの!」

 

 シノン「私は長槍。本当は弓とかが良かったんだけれど、このゲーム、あんまり長距離武器は強くないらしいからね。」

 

 タツヤ「なるほどな。っと」

 

 話しているとそこにダイオスがやってきた。

 

 ダイオス「お前たちは、フルパーティーじゃない。主力に入れることが出来ないから遊撃として俺たちA隊のサポートを頼みたい。引き受けてくれるか?」

 

 キリト「ああ、もちろんだ。しっかりサポートさせてもらう」

 

 ダイオス「ありがとう。あんたらには主力で活躍してもらいたかったがこんな所で死んでもらっちゃ困るんでな。あんまり無理はしないでくれよ」

 

 タツヤ「気遣いありがとな。あんたらもきつくなったらすぐ俺たちに言ってくれ」

 

 そう言うと、ダイオスは任せておけと言わんばかりの笑みを浮かべ、中央に戻っていく。

 

 ダイオス「よし!一通り組終わったな!さっきも言った通り攻略開始は明日だ!10時にこの広場に集合とする!では、解散!」

 

 キリト「さて、このあとはどうする?一応さっきダイオスが言ってた動き方の練習でもするか?確かここの南にある洞窟で同じような武器を使うモンスターがいたはずだし」

 

 アスナ「へぇーそうなんだ!キリト君ってよく知ってるのね」

 

 キリト「あのー、アスナってみんなのこと君とかつけてるのか?」

 

 アスナ「そうだけど、なんか変かしら?」

 

 キリト「いや、別に変ってわけじゃないけどあんまりゲームの中で君とかつけるやつみたことないから不思議なやつだなーって...」

 

 アスナ「やっぱり変ってことじゃないの。私がそっちの方が呼びやすいからいいのよ!」

 

 キリトとアスナが言い合いをしてるのをみながら俺は

 

 タツヤ「シノンも大変だな、いつもあんな感じなのか?」

 

 シノン「そんなことないわ、いつもは結構静かな子なのよ。もしかしたらあの子......それはそうと、キリトのほうこそどうなのよ?」

 

 タツヤ「もしかしたらってなんだよ、気になるじゃないか。まぁいいや、キリトはいつもあんな感じだよ。軽口のプロだと思うぞ」

 

 アスナ「なに2人でコソコソ話してるの?」

 

 シノン「わっ!な、なんでもないわよ、ただ2人が仲良さそうにしてたから邪魔しないであげようとおもっただけよ!」

 

 アスナ「あっ!もしかしてシノのん、嫉妬してるの?そうならそうと言えばいいのに」

 

 シノン「はぁ?そんなわけないでしょ!タツヤ、早くその洞窟に、案内しなさいよ。なんかキリト元気なさそうだし、そうなったら案内できるのあんたしかいないでしょ」

 

 タツヤ「そうだな、おーいキリト!どうしたんだよ!早く行こうぜ」

 

 キリト「.....っそうだな、じゃあ行くか」

 

 心なしか元気がないキリトだがまぁすぐに良くなるだろうと思い静かにしとく。

 

 

 ──────

 

 ホルンカをでて道を真っ直ぐ行くと看板が出てきて道が二つに分かれる。

 

 タツヤ「この道を、右に行くと、明日行くフィールドボスのところに行くんだ。だからみんなそっちに行くけど左にはダンジョンがあって結構いいアイテムがあるんだ。ベー...いや、この前来た時には他のプレイヤーにとられてたんだけどもう復活してると思うぜ」

 

 ソードアート・オンラインないのダンジョンは他のゲームと違い1パーティーにつき1つのマップつまり《インスタンスダンジョン》では無い、つまり1つのパーティーが宝箱を開けたら他のパーティーは基本一定の時間が経たないと再度開けることは出来ない、もちろん、そこが重要なクエストのキーポイントならばインスタンスダンジョンもある訳だがここは違う。

 そうシノンたちに説明しながら右の道を進んでいる間モンスターに会うことも無くすぐに洞窟の入口に着いた。

 

 タツヤ「さて、さっきダイオスが言ってたことは覚えているよな?ボスの行動パターンは一定だ。普通攻撃の他にも跳躍からの振り下ろし、なぎ払い、そしてソードスキル。使う武器は曲刀だ。予めどんなソードスキルがあるかもなこのモンスターで確認してくれ。よし、じゃあ..」

 

 シノン「まって、一応ボス対策を考えるならペアを作った方がいいんじゃない。本番で何が起きるか分からないわけだし、同じ人とばっかりとやってても無意味だと思うのだけど」

 

 キリト「....たしかに、シノンの言う通りだなじゃあペアを決めるか。グッパーでいいか?」

 

 シノン「古いわね..まぁいいわ」

 

 俺とシノンがグーでキリトとアスナがパーだった。

 

 タツヤ「じゃー、10回くらいを目安にローテーションだ。確か地下一階にそれなりの広場があったよな。そこに行くか。途中のエンカウントは俺とキリトがやるからどんな動きか見といてくれ」

 

 シノン「えぇ、じゃあお言葉に甘えて。後ろで見させてもらうわ」

 

 俺とキリトは、シノンたちの前を歩き、敵を警戒した。すると前の岩陰からモンスターがとび出てきた。おそらくいきなりとび出てきて驚かせようとでもしたのだろうが、キリトが事前に気づいて教えてくれたので大して焦らずに対処することが出来た。

 

 まずはキリトが相手がソードスキルを打ってくるのを同じくソードスキル《レイジスパイク》で相殺して相手をよろけさせた。そこにすかさず俺が入る。

 

 キリト「タツヤ!スイッチッ!」

 

 タツヤ「おうっ!せあぁぁっ!」

 

 よろけた相手を倒すのは簡単に出来る。がら空きの胴体に渾身の《バーチカル》を叩き込む。しかし、相手のHPがほんの数ミリ残ってしまった。。しかしそれを見越していたらしいキリトが硬直で動けない俺の横をぬけ追撃を入れる。

 

 シノン「すごい連携ね。この10日間でこんなに連携ってできるものなのかしらね?」

 

 アスナ「あっ!もしかして2人ともベータテスト出身だったりして!?」

 

 シノン「なるほどね、確かにそれならこんなに色々詳しいのも説明がつくわね。どうなのよ、タツヤ?」

 

 俺とキリトは顔を見合わせた。キリトはしょうがないという顔をしている。この世界はデスゲーム権限がされたあと一部のベータテスターによる狩場の独占や情報の秘匿があったらしく(俺達はもちろんそんなことはしていない)ベータテスターを嫌うようなのでできる限り大っぴらにベータテスト経験者だ、とは言わない方がいいのだがここまで来れば仕方ないしなぜか、シノンたちなら大丈夫だろうと思った。

 

 タツヤ「ああ、そうだ。俺とキリトはベータテスターだ。悪いな今まで隠してて」

 

 シノン「いいのよ。私達も聞かなかっただけだし、それにこの状況じゃベータテスターだって言うのは隠した方がいいでしょうしね」

 

 思った通りの反応をしてくれたのでほっと一息をつく。隣を見るとキリトを同様のようだ。

 

 アスナ「でもなんで他のベータテスターに人たちってそんなに独占したがるのかしら?みんなで狩場を共有した方が早くクリアできるのに」

 

 キリト「恐らくだけど、あいつらはゲームのクリアとか興味無いんじゃないか?ほらベータテストやるやつなんて生粋のゲーマーだろ?そういう奴って何時間もぶっ続けでゲームやることも多いからさ、俺だってベータテストの時は夜中ずっとやってたこともあったし」

 

 アスナ「考えてることがよく分からないわ。そんなことしてて、例えば学校のテストとかがあってもできるのかしら。それに今私たちがこうやってしている間にも現実にいる人は勉強しているのよ」

 

 あんまり現実の詮索をするのは禁止だが今のアスナの発言からすると彼女―おそらくシノンも―は俺たちと同じ学生なのだろう。

 

 タツヤ「まぁこればかりは本人たちの意識が変わらないとどうしょうもないな」

 

 シノン「ねぇ、ここがその広場じゃないの?」

 

 そうシノンに言われ周りを見渡してみると、確かに目的地についていた。こんなに話したのは久しぶりだなと少し楽しい気分になった。しかしここからまた戦うので気を引き締めなければとその思いを隅においやった。

 俺は戦い慣れているから大して危険でもないが、パートナーで不慣れだと思わぬ事故も起きてしまうからザコ敵といえども油断してはならない。

 

 タツヤ「よろしくな、シノン。基本は俺がパリィするからさっきも見せたように胴にソードスキルをかましてくれ」

 

 シノン「ええ、わかったわ。足引っ張らないように頑張らないとね」

 

 タツヤ「よし、じゃあいくか」

 

 俺は周りを見渡し近くにいるモンスターに狙いを定めた。俺がかけていくとモンスターはソードスキルを発動しようとためを作る。そこからなんのソードスキルなのかを見極め適当なソードスキル考える。

 

 タツヤ(あれは..《リーバー》か、ならっ...!)

 

 基本的には上からの攻撃には貸したからの攻撃でパリィしやすい。俺はすぐさま剣を抱え込み《バーチカル》は発動させる。曲刀と剣とが交差し、火花が出ると共に軽いノックバックがかかる。それは相手も同じで、持っている武器を上に弾かれ胴ががら空きだ。

 

 タツヤ「シノン!スイッチッ!」

 

 俺がそう言い終わる前に俺の横をシノンが超高速で駆け抜け、長槍スキルの基本である突進技《フェイタル・スラスト》を放つ。それはモンスターの胴中心を捉えあっという間にHPゲージを全て持って行ってしまった。

 俺は一撃で倒せないとばかり思っていたので追撃を入れようと構えてたのだがあまりにも見事なやりさばきに唖然としてしまった。

 

 タツヤ「すごいな...一撃で倒すのか」

 

 通常どの武器の基本技でもただ発動するだけでは一撃で倒すことは出来ないのだが、ソードスキルの発動に合わせて身を任せるだけでなく例えば体にひねりを入れるとか―もちろんソードスキルが中止しない程度にだが―をすると威力が数段上がる。これは、何回もソードスキルを使っていくうちにわかっていくことなのだが、マスターするのに少しばかり日数がかかる。

 俺やキリトみたいにベータテストをプレイしていればある程度身につけることが可能だが、まだ10日ばかりしかやってないシノンがこれをマスターしているのは驚きだった。

 

 シノン「それくらいならアスナにだってできるはずよ?」

 

 そうなのかと思い、向こうはどうなのかと見るとキリトが呆然としている横でアスナが細剣基本スキル《リニアー》で一撃で屠っている。

 

 タツヤ「ベータテスト未経験でこの精度は半端ないと思うぞ」

 

 シノン「そうなのかしら?でも、あの広場にいたプレイヤーならこの位は朝飯前じゃないのかしら?」

 

 タツヤ「いや、そんなことは無いぞ。確かに何人かはいるかもしれないけど、まだ完璧にマスターしてるのはそんなに居ないだろう。だから俺達も強力なタッグだって噂されていたわけだし...」

 

 そんなことを話しているといつの間に終わらせたのかキリトたちがこっちに来ていた。

 

 キリト「話してるってことはもう終わらせたのか?」

 

 タツヤ「まあ、そんなことだ」

 

 アスナ「じゃあ交替ね」

 

 タツヤ「ああ、よろしく頼む」

 

 先程と同じように俺が先手つっこみ、ソードスキルをパリィする。

 

 タツヤ「アスナッ!スイッチ!」

 

 アスナ「了解っ!せやぁ!」

 

 短い気合いとともに繰り出された基本技《リニアー》は先程見た時よりもさらにはやく、敵の中心を捉え一撃で屠った。

 

 タツヤ「ナイスアタック、シノンよりもスピードがはやいな」

 

 アスナ「ありがと、タツヤくん。なにかアドバイスとかないかな?」

 

 タツヤ「うーん、ほぼ完璧だからな、強いていうとすれば攻撃が終わったあとかな。今は一撃で倒せてるからいいけどボスはもちろんそうはいかないから終わったあとも最低限動かして防御の姿勢は取っておいた方がいいと思うぞ」

 

 アスナ「すごい、キリトくんと同じこと言ってる!直したつもりだったけどまだダメなんだなー。ごめんね、もう1回お願い」

 

 タツヤ「ああ、わかった」

 

 こうして俺達はキリトとシノンが10匹程度倒している間に18匹倒し、アスナのフォームもかなりいいものになった。

 

 タツヤ「アスナは飲み込みが早いな。こんな少ない回数で言われたことができるってなかなかだと思うぞ?」

 

 アスナ「そんなことないよ。タツヤくんの教え方も上手かったよ」

 

 キリト「そっちはどうだ...って聞くまでもなさそうだな。よし、じゃあ最後は俺とタツヤ、シノンとアスナで復習と行こうか」

 

 そういうや否や、シノンたちは的に向かってかけていった。

 

 タツヤ「俺達も負けてられないな。キリト、先に行ってくれないか?」

 

 キリト「わかったよ」

 

 キリトは先程と同じくソードスキルを相殺して隙を作る。先程までの俺ならそこで直ぐに追撃をかけていくが、シノンたちの方法をならい、いつもより腰を低くし、己の力をさらに剣に繋げる。

 低い姿勢からのダッシュは先程までとは雲泥の差の超高速になりど真ん中を貫き満タン近かったHPゲージを残さず持っていく。

 

 キリト「おお、お前もあいつらから学ぶことがあったみたいだな」

 

 タツヤ「当たり前だ。あのままじゃ俺達追い抜かされちゃうぜ?少しでも吸収できるとこがあればしないとそんだからな」

 

 キリト「確かに、じゃあ次は俺の番だ」

 

 ──────

 

 こうして俺達はシノンたちが終わっているのもお構い無しで敵を倒し続けた。途中から数えるのをやめていたがアスナが数えてくれていたみたいで64匹らしい。アスナたちは早く帰りたいみたいだったが俺たちの戦いを文句も言わずに見ていてくれた。これは今日のご飯くらいは奢らなきゃかなと思いながら俺達は洞窟をあとにし、ホルンカの町に戻った。

 

 ──────

 

 ホルンカの町のゲートをくぐると、【INNER AREA】の表示がでて圏内に入ったことを伝える表示が出る。少なくとも俺はこの表示が見えたことで安心し脱力しきってしまう、外のフィールドでは常に周りに気を張っているからだ。

 

 アスナ「ねぇ、キリトくんたちは今日の宿とかは決まってるの?」

 

 キリト「いや、俺達はいきあたりばったりだからまだ何も」

 

 アスナ「じゃあ私たちが泊まっているところにきなよ!お風呂もあって綺麗なんだよー」

 

 タツヤ「へー、そうなのか、じゃあ案内してもらおうかな」

 

 アスナ「よし、じゃあ決まりね。ついてきて!」

 

 俺たちがアスナの先導について行こうとした時、

 

 ???「おっ?キー坊とタツ坊じゃないカ、今日は随分早いおかえりなんだナ」

 

 独特の語尾に鼻のかかった声が後ろから聞こえる、振り返るとそこに居たのは、俺よりも一回りほど小さくフードを被っていた。その中の顔を見ることは出来なかったが、この特徴的な声、そして俺たちを独特のあだ名で呼ぶ人物は1人しかいない。

 

 タツヤ「アルゴか、お前こそこんなとこにいるなんて珍しいじゃないか、いつもならフィールドで色々研修してるのに」

 

 アルゴ「明日はフィールドボス戦だロ?それでダイオスってやつに呼ばれたんダ。なにか情報を持ってないかってナ。とはいえ、ベータにもあいつはいなかったわけだシ、何も無いって言うしかなかったヨ」

 

 キリト「そうなのか、おっと俺たちからなにか聞き出そうとしても無駄たからな」

 

 そうキリトがいうと、アルゴは不敵に笑うと言った。

 

 アルゴ「あちゃーバレてたカ。まぁいいサ。もう美味しそうな情報はいただいたからナ。いやーまさかダブルデートとはナー」

 

 アルゴは俺たちの後ろにいたアスナとシノンを見て言った。

 

 タツヤ「なっ!おいおい、よしてくれよ、彼女らは明日の攻略戦での暫定的パーティーなんだから」

 

 アルゴ「にゃはは、ただの冗談だヨ」

 

 キリト「はは..アルゴにも紹介しとくよ。攻略組期待の新生、アスナとシノンだ」

 

 そうキリトがいうと、アスナたちは少し照れたように赤らめたがすぐに、

 

 アスナ「アスナです、アルゴさんよろしくお願いしますね」

 

 シノン「シノンです。よろしくお願いします」

 

 アルゴ「アスナとシノンか、じゃあ、アーちゃんとシノっちだな。知りたいことがあればなんでも聞いてくレ。多少の情報料はいただくけどちゃんと裏はとっているからそれがオイラのモットーだからナ」

 

 タツヤ「気をつけた方がいいぞ、ちまたじゃアルゴと5分話すと100コル分のネタを取られるって言われてるからな」

 

 アルゴ「しっしっし....。まぁそういうわけだ。まぁ安心してくれよナ。しっかりと裏はとるからナ」

 

 シノン「へーじゃあ今私が、タツヤたちの情報を教えてっていえば売ってくれるわけ?」

 

 アルゴ「ある程度なら売るヨ。まぁ深い個人情報まではさすがにナ。そのら辺は本人に直接聞いた方が早いだロ?」

 

 アルゴは意地悪そうな顔でこちらを観てきた。

 

 タツヤ「おいおい、余計なこと言うなよ....」

 

 アルゴ「にゃははは。悪かったな、とそろそろ本題ダと言っても話があるのはキー坊だけダ。一応内密にと言われたから、タツ坊たちはまた後でナ」

 

 タツヤ「わかったよ。じゃあキリト後で宿屋の場所メールしとくから」

 

 キリト「りょーかい」

 

 ──────

 sideキリト

 

 タツヤと別れてから俺とアルゴは人通りの少ない裏路地に入った。それほど周りに漏れないようにするほどの情報なのかと思いアルゴに聞いてみる。

 

 キリト「...で?話ってなんだ?」

 

 アルゴ「しっ..キー坊はまだ気づいてないのカ?さっきからオレっち達のこと追いかけてるやつがいるのに」

 

 キリト「.....っ!本当かっ!街中だから油断してたな」

 

 アルゴはさっきまでのふざけた時と違ってかなり真剣な顔で言った。

 

 アルゴ「まぁかなり隠蔽スキルが高いんだろうナ。おれっちの索敵スキルでもどこにいるかまでは分からない。で、話だけどナ、これと関係があるのか分からないけど攻略会議を開いていたダイオスに呼ばれたって言っただロ?あいつに、ボスの情報以外に他にも聞かれたんダ」

 

 キリト「他って?俺に必要かその情報?」

 

 するとアルゴは呆れたのか、ため息混じりに言った。

 

 アルゴ「まだ気づかないのか?キー坊の情報だよ。正確にはキー坊とタツ坊の、だな」

 

 キリト「別に一緒に戦うやつなんだからそれくらいいいじゃないか」

 

 アルゴ「普通はそうなんだけどサ。なんか裏がありそうな感じだったんダ。一応明日のボス戦では気をつけといた方がいいゾ」

 

 キリト「そうだな、用心に越したことはない、ありがとなアルゴ」

 

 すると、アルゴはにやにやしながらいう。

 

 アルゴ「今回の情報料はタダだ。面白そうなネタも貰えたし、何しろここでキー坊になんかあったらオネーサン、たまらないからナ」

 

 キリト「どういうことだよ!まぁいいや、そうだ。一応聞いときたいんだけどアスナとシノンってなんか情報持ってたりするのか?」

 

 するとアルゴはさらににやにやを増やして、

 

 アルゴ「あるにはあるゾ。でも乙女の情報は高いからナ。普通の情報料の1.5倍増しダ」

 

 キリト「うっ、やめときます....」

 

 アルゴ「にゃははは。それが賢明だゾ。まぁとりあえずそんな所ダ。じゃあ明日の攻略戦頑張ってくれヨ!」

 

 そう言うとアルゴはその小柄な体格に見合う素早い動作で路地を曲がり見えなくなってしまった。しばらくの間思案してると、どこからか6時を知らせる時報がなった。と同時にメールが来たことを知らせる音が鳴った。見ると、タツヤからで宿の位置が書いてあるメールだった。

 ―一人で考えても仕方ない。俺は俺ができることをするまでだ―そう思い、キリトはメールに書かれた宿まで足を進めた。




いかがでしたか?最後はかなり会話が多くなってしまいましたが、自分的にはシノンをかなり登場させることが出来たので満足です!

今回の設定変更としては
・アスナは最初から明るい
これに関してはシノンと一緒にいるからというのが一番の理由でしょう。

他にもあるかもしれないけどオリジナルストーリーぶっこむとよく分からなくなりますね笑それでは次回もお楽しみに!
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