突然だが、高校生になったら、皆は何をしたい。
俺は、バイトがしたい。ずっとそう思っていた。
だから、親に中三の時に相談してみた。流石に、親に何も言わずにだとまずかったからな。
そしたら、父親の知り合いで、喫茶店を経営している人がいて、偶然にもそこで働かせてもらうことになった。
働くことは決まったから、そこの近くの高校に入ることに決めた。
落ちるかもと心配していたから、受かった時はもう緊張がとけて、小さくガッツポーズをした。
そして今日は、そのバイト先に向かっているところである。
何かおかしい。そう感じた人は大丈夫。
今日から、俺は、そのバイト先、ラビットハウスに居候として住むことになった。
というわけで、この街にやってきたわけですが。
「ラビットハウス、どこ」
そう、現在俺は迷子になっている。
残念ながら、俺は、方向音痴なのだ。
行き慣れた場所とかは大丈夫。だが、全く知らない街となると、それはもう大変だ。
中一の時に、岡崎へ岡崎城を見ようと思って、電車で向かった。駅から出ると、岡崎城までの道が、御丁寧にもあったのだが、その道順通り行っていたはずが、いくら時間がたっても岡崎城につかない。
だから、俺は諦めてしまって、駅に戻り、切符を買い、そのまま電車にのり帰ってしまった。
そうことがあったから、送って貰えるだろうと思っていたのが、
「あんた、もう高校生だから、迷わないでしょ」
と、母親に無責任にも言われてしまい、現在に至る。
「どうしよっかなー」
ずいぶんとのんきだが、けっこう、ほんきであせっている。
漢字が平仮名になるくらい。
とそこで
「おっ」
なんと、幸運なことに、いつの間にか、ラビットハウスについていた。
看板を見たらそう書いてあったから、絶対に合っている。
扉を開けると、
「いらっしゃいませ」
自分よりふた回りほど小さい少女が接客をしていた。
驚いた。
なんたって、自分より小さいのに、接客をしているのだ。
別にどうでもいいが。
ここで、俺は、自己紹介をすることにした。
「こんにちは。これからお世話になる、平毅翔岩です。」
俺の名前は、平毅翔岩。読み方は、ひらき しょうがん だ。以上、読み方についてでした。
俺は、この少女が父親の知り合いの娘だと思ったのだ。ほとんど勘だったが。
だが、それは正解だったようだ。
「こんにちは。父から話は聞いています。私は香風智乃です」
少女は、一瞬驚いた様だが、すぐに返答をしてきた。
自己紹介は済ませたのだが、その次どうするか迷ってしまった。
「取り敢えず、タカヒロさんに挨拶をしたいんですが」
「今父は、出掛けているので、帰って来るのは夕方くらいかと」
出来た娘だ。ここまで綺麗に対応できるのか。
夕方まで帰ってこないのか。
「まあいいや。荷物置きたいんだけど、部屋に案内とか大丈夫?」