ガスパーデは一人船長室で酒を飲んでいた。
政府とのコネも使い大きくした自分の一味。
元々海軍の掲げる“正義”の二文字に対して何も感じていなかったガスパーデが海軍に入ったのも明確な力を手にするためだった。
ソコで出会った、出逢ってしまった“世界の暗部”とも呼べるモノにガスパーデはひどく引かれてしまった。
彼らからの提案に応じて海賊となり仕事を請け負いながら、ガスパーデは次第に逃れることの出来ない底無し沼へと墜ちていった。
「・・・、今回の“仕事”が済めばオレもとうとう七武海か」
今回のレースを最後に、ガスパーデは完全な政府側の海賊として七武海に召集されることを通達されていた。
その為、今回のレースでは自分以外の一味を“消す”必要があり、その為にこの嵐の多発地帯である海域を抜け道に選んだのだった。
外の喧騒をBGMに輝かしい未来を夢描くガスパーデ。
その最中、外の喧騒に異音が混ざっていることに気が付いてしまった。
「「うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」
それは、次第に自分のいる船長室に近づいてきていた。
「「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」
二人分のその声に訝しげに扉へと顔を向けるガスパーデ。
飲み干した酒瓶を捨てると扉へと近づいていった。
どうせ馬鹿な部下
「「ガスパーデは此処かーーーーー!!」」
その声と共に扉は蹴破られ、そこから見覚えのある顔をした男を認識したと共に、扉の破片ごとガスパーデは蹴り飛ばされたのだった。
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「「ガスパーデは何処だーーーーー」」
敵船に乗り込んでから、というか乗り込む前からやる気MAXだったエースとシュライヤは乗り込むやいなや目に映る敵を片っ端からぶっ飛ばしていった。
ある時は走りの勢いのままに殴り付け、そこら辺に落ちていた鉄パイプを振り回して殴り付け、我武者羅に走り回っていた。
なお、その姿をレイズが見たなら
「リアル海○無双だ」
と人知れず感動したに違いない。
とにかく、我武者羅に船内を走り回る2人だったが実は乗り込む前にレイズが言っていた言葉を頼りに突き進んでいたのであった。
「ガスパーデの居場所だぁ?今回は“凪の橋”創るから“風の探知網”使えないんだけど。まぁ、でもああいった馬鹿は一人になれる場所、船長室とか居るんじゃない?」
その言葉を頼りに偉そうな奴が居そうな扉を片っ端から蹴破っていたのであった。
「「ガスパーデは何処だーーーーー」」
また、その最中に幹部ぽい何かも吹っ飛ばしたが猪突猛進を地でいってる上に
「「ガスパーデは何処だーーーーー」」
なお、先程から叫び倒しの上、破壊する船内と吹っ飛ばされる下っぱ海賊の数がそろそろ可愛そうなことになってきたのだが、
そして、遂に二人は何か偉そうな奴が居そうな扉見つけやっと立ち止まったのであった。
「此処か?」
「どうだろうな?」
「でも、ぶっ飛ばしてない扉これだけだぜ」
「其じゃぶっ飛ばしてみるか」
「そんじゃ、シュライヤいくぞ」
「ちゃんと合わせろよ、エース」
二人は徐に後ろに下がり始めると、艦艇の無事な場所でたちどまった。
準備体操のようにその場で何度かジャンプを繰り返すとその勢いを活かして、走り出したのであった。
「うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
そして、示し合わせたかのようにある地点でジャンプし、空中で一回転すると無事だった扉へと蹴りを放つのであった。
「「ガスパーデは此処かーーーーー!!」」
奇しくも、それは二人が探していたガスパーデが扉を開こうとしたちょうどその時であった
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「あれ、此処にも居ねぇぞ」
自分達で壊した瓦礫を踏みながら室内へと歩いていくエース。
「まさか、逃げたか」
その後ろを、手にしたスコップを肩に担ぎながらシュライヤが着いていく。
二人が辺りを見回しながら室内に入りきった時だった。
「テメぇ等、何しやがんだ」
暗がりの置くからガスパーデの声が聞こえてきた。
二人が声がした方に顔を向けると其処には普通ではあり得ない筈の光景があった。
全身を瓦礫で貫かれ、右肩は今にも千切れそうになっており、首もあり得ない方向に曲がっているガスパーデが気だるそうに立っていた。
「おいおい、お前それで生きてんのかよ」
「くたばってはいねえだろうと思ってたけど、人間辞めてんなおい」
その光景に思わず軽口を叩いてしまうエースとシュライヤだっが、二人が瞬きをした一瞬の間に気が付くとガスパーデに顔を捕まれ、外まで押し出されてしまった。
そして、ガスパーデはその勢いのまま二人を反対側の壁へと投げ棄てたのであった。
「この程度、痛くも痒くもねぇ」
そう言うと、ガスパーデの身体中に刺さっていた瓦礫がズルリと身体から落ち、身体に空いていた穴はみるみる塞がっていった。
「オレは“アメアメの実”を食った全身アメ人間」
千切かけていた腕も曲がった首も何事もなかったかのように元に戻るとエースとシュライヤへ歩き近づいていった。
「打撃も斬撃も銃撃も決してオレに傷を負わせることはできない」
二人の近くに来る頃には、一切のダメージが痕跡をなくしていた。
「誰もオレを倒すことは出来ねぇんだよ」
感想は必ず拝読させていただいております。
このようなダメ作者に暖かいお言葉をかけていただき、この場を借りておれいもうしあげます。