ONE PIECE-彼を王に-   作:完全怠惰宣言

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今年は映画もあるし、原作も盛り上がってるし良いですね


サブタイトルを考えれるセンスが欲しい(by作者)

レイズとの(一方的な)試合を終え、ルフィはそれはそれは盛大に不貞腐れていた。

 

「ぶぅぅぅぅぅぅぅ」

「いや、ルフィお前なに不貞腐れてんだよ」

 

その傍でいつものように陽気な口調で話しかけるエースに対してわざと顔を合わせないように器用に回転しながらブスッとふて腐れ続けていた。

 

「しかたねぇだろ、あれだけあからさまに手加減されたら誰でも腹がたつってもんだ」

 

岬の岩に座り酒樽を片手にルフィの気持ちを代弁するゾロ。

 

「ほぉぉぉぉぉ、ゾロ“でも”少しは成長するもんだな」

「だからこそ、サガの刀がここまで冴え渡っているのが気に入らねぇ」

 

その反対側に腰掛け同じく酒樽を豪快に飲み干しながら一切の隙を見せない、サガの剣士としての完成度に実は嫉妬しているとはバレたくないゾロ。

 

「どうよレイズさん、オレの飯は」

「ふふ、昔から言ってるけど美味しいよ。それにまた腕上げたね」

「やっべ、レイズが言ってた通りお前マジモンの天才だな」

「へへへ、だろぉ」

 

サンジが珍しく美女美少女が集まるナミの周辺に一目散にメロリンするのでなく、レイズとシュライヤの(比較的)大人組にサンジ特製のフルコースを提供していた。

そして、2人が綺麗にたいらげていた元に行き、子供のような笑顔で誉められたことを喜んでいた。

 

「まさか、カリーナが海賊になってるなんて」

「うししし、それはナミもそうでしょ?」

「ホロホロホロ、なんだ2人は知り合いか」

「うふふふ、仲良いわね」

「(レイズに色目使ったら記憶切り取ろう)皆はお茶お代わりいる?」

「えっと、わたしもご馳走になって良いの?」

 

ナミの周りにはシャッフル海賊団の女性陣とエースに助けられた青髪の女性がプリンが準備したお菓子と紅茶でティーブレイクを楽しんでいた。

 

「しかし、立派になったなペドロ。船長も喜んでるだろうな」

「クロッカス、ゆがらも息災のようで。オレはオレの船長に出会ったぞ」

「しかし、あいつ(エース)を選ぶとはな。これも運命か」

 

顔馴染みのクロッカスとの久しぶりの再会に話を弾ませるペドロ。

 

「うぉー!なんじゃこの船は」

「当たり前だ私が改装を担当した船だぞ外観だけでなく機能まで追求するのは当たり前だ」

「しかし、色々と便利な機能が有るな」

 

外観からメリー号と違いすぎる巨大な帆船。

ラチェットによる改装を受けたことで「補助外輪(パドル)」も追加され機動力を増したジャック・ポッド号。

その勇姿にウソップとMr.9は目を輝かせていた。

 

「さてと、サンジ“くん”レディ達に君特製の紅茶を準備してくれないかな?」

「“くん”なんてよしてくれ、オレはもうチビナス何かじゃねぇんだよ。ところでなんでっすか?」

 

不思議そうにしながら麗しの女神達のもとに参ずれる言い訳が出来て嬉しそうなサンジ。

 

「くふふふ、ごめんね。君のところの航海士に“この海”の常識を教えておこうと思ってね」

 

そこには年不相応の悪戯っ子のように無垢だけど汚い大人の腹黒さを兼ね備えた悪い悪い男がいた。

 

「そんな、私の航海術が、常識が通じないなんて」

「正確には今までの海での常識が通じないだけなんだけどね。クロッカスさんから渡された“ログポース(それ)”がないと目的地には着けないと考えた方がいいよ」

「この針しかない羅針盤がねぇ?」

「グランド・ラインの島々は固有の磁場を帯びていて、そのログポースに滞在地の「記録(ログ)」を貯めることで次の目的地を指すようになるんだ」

「ふぅーん、ありがとう」

「君なら、この海に直ぐに順応出来そうだね」

 

ニコッと何の邪気も無いただただまっすぐな笑顔。

仲間以外から向けられる、そして年の近い大人から向けられる屈託の無いそれにナミは思わず赤面してしまう。

 

「ダメだ、ナミさん!その人だけはダメだーーーー!!」

 

二人の間に突如として割ってはいったのはラブコックモードのサンジだった。

片付けを終え、メリー号の甲板で一服していた彼のレディセンサーにナミを関知し、そちらへと視線を向けるとそこにはかつてサンジにとってのバラティエの悪魔が存在していた。

 

「お久しぶりです、ゼフさん」

「悪いな、突然呼んだりしてよ」

「あまり気にしないでください、ちょっと燃え尽き症候群みたいな感じで、これからのこと考える時間が欲しかったので」

「そうか、それじゃ悪いが1ヵ月程だがウェイター頼むぞ」

「ウィ、オーナー」

 

いつもの如くウェイター全員逃げ出してしまい、サンジも厨房から離れられないそんな時期だった。

ゼフが連絡を取ってから2日とかからず現れた青年は親しそうにゼフと話ながら臨時のウェイターとなることが決まった。

それこそが、サンジにとっての悪夢の始まりだった。

サンジはモテる、外面は良いし料理に関する知識はさすがプロと言える。そんな彼が思春期に突入し女性に興味を持ち始めた多感な時期にバラティエは恐ろしく繁盛し始めた。

海上にありながら陸のレストランに負けない美食を提供し、海賊が来たらコック一同で迎え撃つアトラクションじみた行動。

人間という生き物は可笑しなもので、危険を遠ざける一方で危険を求める生き物であった。

バラティエはそんな彼らにとって、かっこうの場所であった。

そんな場所に現れた美麗なウェイター。

淑女たちのお気に入りの可愛らしい副料理長に負けない知識と、洗練された話術。

彼が担当するようになって更に動きが良くなったホール。

何より。

 

「俺達は「客でないなら帰れ」

 

あからさまに海賊だという格好をした珍客を蹴り飛ばすウェイター。

その手に持つ完成された料理を崩すこと無く、外敵を駆除するその姿に淑女たちは目をハートにしていた。

サンジが料理に集中出来た1ヶ月後、レイズは居なくなった。

 

「あら、あのウェイターさんいなくなっちゃったの」

「折角プレゼント持ってきたのにぃ」

 

サンジがウェイターをやらされることになっても、淑女たちから既にいないレイズを残念がる言葉が無くなるのに2ヵ月かかるのだった。

 

「それ以降、ジジイがレイズさんを呼ぶことはなかったけど、それから半年間バラティエは今だかつて無い程に売り上げが落ちたんだ」

 

ことの詳細を話し終えたサンジ。

その姿は強敵との戦闘にうち勝った後のような雰囲気を出していた。

 

「それで、何が言いたいのサンジくん?」

 

その姿に意味が解らず、首を傾げるナミ。

 

「レイズさんは博学だし、大人だし、でも少し子供っぽいし、強いし、だからいろんなレディにモテる!!きっとナミさんもその虜になってしまうから、ダメなんだ」

 

地面に拳を打ち付け男泣き状態のサンジ。

言いたいことは伝わらなかったが、何となくのニュアンスは通じたようだ。

 

「流石、サンジくんが見定めたレディだねナミちゃんは。だけど、オレもいっぱいいっぱいだからそんな余裕無いよ?」

 

レイズのその言葉に後ろから駄々漏れだった殺気が霧散した。

 

「まぁ、兎に角オレ等は一度“島”に戻るからここで一端お別れだね。わかってね特にエース」

 

ぎゅるりと体ごと名指ししたエースへと振り向くレイズ。

エースの顔には若干の不満があった。

 

「君自慢の義弟ともう少しいたいだろうけど、“島”の問題を片付けてからでも大丈夫でしょ?いい加減片付けないと色々めんどくさいよ?」

 

レイズのそれはそれは優しそうな笑顔で諭すようにエースに話しかける様を見たナミは「この人も苦労してるんだろうなぁ」と親近感を抱いた。

そして、全員に注目された中エースは重い口を開けた。

 

「・・・・・、ヤダ残る

「(ブチッ)はぁ、マヤいつもの」

「はい、副船長。“スコルピア」

 

レイズに声をかけられたマヤ、それに返事をしたマヤの三つ編みに変化が現れた。

三つ編み全体が硬質化していき、まるでサソリの尾のような形になった。

 

「インジェクト”」

 

その声と共にエースへと突き刺さるマヤのおさげ。

おさげがエースに綺麗に突き刺さるとビクッと一瞬エースが痙攣した。

そして、身体の力が抜けていくかのようにズルズルと地面へと倒れていった。

 

「さて、ルフィ。ちょっと手を見せて」

「手?なんでだ?」

 

船長と副船長と船医がコントをしている最中、ルフィはシュライヤに手を見られていた。

 

「あららぁ、こんなに爪伸ばしちゃって。爪が長いと手を握り混むとき邪魔になるんだぜ」

「なにぃ!そうなのか!」

 

するとシュライヤは手品のように何もない左手から爪切りを取り出した。

 

「こりゃ、レイズとやった時も無意識に握りしめてられなかっただろうなぁ、とはい終わり。理想を言えばヤスリとかで爪を整えた方がいいんだが、そこら辺は女の子の方が詳しいから気が向いたら聞いてみな」

「おう、ありがとなシュライヤ!」

 

手を振り離れていくルフィを笑顔で見送り、レイズの側に歩み寄るシュライヤ。

 

「ほい、ルフィの爪。エースに甘いなお前は」

「自覚はしてる、というか一味に甘い気がする」

「はははは、そうかもな」

「で、ユガラ今回は何故エースにまでこの寸劇を手伝わせた」

 

レイズの後ろからゆるりと姿を現したペドロが何とはなしに質問をぶつけた。

ナミにグランドラインの天候を教え終わってからその全てが実は小芝居であり、彼らがウィスキーピークに向かうことは既に知っていた。

 

「この海を渡る試しには丁度良いだろう。それに調べたいこともあるからなぁ」

 

レイズが笑みを浮かべ麦わらの一味、正確にはその船に乗り込んだスカイブルーの綺麗な髪をした少女を見ながらそれはそれは意地の悪い笑みを浮かべていた。

 

「あぁ、レイズがまた悪い顔してる」

「ふふふ、カリーナ。君が会いたがってたお姉さまにもしかしたら会えるかもよ」

「ふぇ?」




相変わらずこんな調子ですが、よろしくお願いします。
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