だからといって今の現場から離れられませんし、勤務形態も変えられないのでお薬貰って定期的に病院に通うことになりました。
「ゲギャギャギャ!!量は少ねぇが旨いメシだな!!」
「ガババババ!!酒も少ないが旨いし言うことねぇな!!」
「あっひゃひゃひゃひゃひゃ、あったり前だ、サンジの飯は世界一だからな!!」
「うぉーーー!!ドリー師匠とブロギー師匠の話もっと聴かせてくれ!!」
巨人と意気投合したルフィと彼等に憧れの眼差しを向けるウソップ。
ゾロとサンジも、果てはイガラムまでも興味を引かれているのは明白だった。
「ねぇ、ビビ。あたし達、あの“2人”と喧嘩しなきゃならないのよね?」
「えぇ、ナミさん。私達は目の前の“巨人”と喧嘩しなきゃならないの」
「大丈夫かしら、こんな状態で?(あの糞銀髪がぁ!!何してくれてんのよ!!)」
時は遡ること数十分前
「よう、お二方。相変わらずかい?」
リトルガーデンに到着した一行は船番を麦わらの一味に任せ、とある目的のためにエースとレイズのみが上陸していた。
とある一族の老婆との契約により、シャッフル海賊団は定期的にリトルガーデンに酒を大量に運びいれていた。
それは、現在エースとレイズの前で疲弊して寝転がっている2人の巨人族の戦士のためであった。
「ゲギャギャギャ、久し振りだな火拳に風迅!」
「ガババババ、やっと酒が飲めるぞ!」
かつて巨人族エルバフの戦士のみで構成されその名を世界に轟かせていた巨兵海賊団二大船長「赤鬼ブロギー 」と「青鬼ドリー」。
その事すら忘却の彼方にありそうな2人は“とあること”が原因で100年前から仲良く喧嘩していた。
そんな2人を心配してか、とある海賊島を仕切る一族の長である老婆は理由をつけてはその喧嘩の仲裁を行っていた。
「婆さんからの伝言だ「いい加減、理由も忘れた喧嘩は辞めちまいな」だとよ」
エースが老婆からの伝言を伝える一方で、レイズは全長1kmは有りそうな巨大な大樽を大気を操作して運んでいた。
「ゲギャギャギャ、こればかりは古き友の頼みとはいえ断らせてもらおう!」
「ガババババ、これはエルバフの戦士が始めた神聖な決闘。いかに古き友とはいえそれを止めることは出来ん!」
疲労が回復したのか、その場でデンッと構えて拒否を言葉と態度で表すドリーとブロギー。
「そうかぁ、そうだよなぁ」
テンガロンハットを深々と被り直したエース。
「残念だよ“赤鬼”・“青鬼”」
直後、テンガロンハットの下から覗いたエースの瞳は、海賊としての覚悟を決めた瞳だった。
「
突如、エースを中心として炎の渦が発生する。
炎の渦は数秒と経たずに広がると中心から白く光り輝く5mは有りそうな光球を携えたエースが現れた。
「
エースはその光球を島で一番大きな火山へ向けて投げ付ける。
火山に向けて投げられた光球は中程で割れ、中から巨大な火の鳥が姿を現した。
割れた光球は火の鳥に吸収されると更に火の鳥が大きくなり遂には火山へと到達。
巨大な火柱を上げて火山を焼滅させていまった。
「婆さんからの伝言の続きだ「もし、断るようなら此方もあんたらの仕来たりに乗っとり、喧嘩を売らせてもらう」だとよ」
エースの暴挙に殺気を放ち立ち上がろうとするドリーとブロギー。
「あ、でも御二人ともオレ“達”に負けてますよね?」
そんな中にいても平常心で相手を煽っていくレイズ。
実は過去にドリーとブロギー、2人対シャッフル海賊団による喧嘩は起きていた。
その時は僅差でシャッフル海賊団が勝利を収めた。
その時から数年、新世界にて名を上げたシャッフル海賊団はドリーとブロギーをもってしても敗けが確定しているようなものだ。
そんな思考がドリーとブロギーの頭をよぎったのをレイズが見逃すことはなかった。
「だから、今回はエースの弟が頭やってる海賊団と喧嘩してください。それで御二人が勝ったら、お婆様にはエースからキッチリ話つけさせますんで」
その言葉への反応は三者三様。
侮られていると怒りを露にするドリー。
勝てないと悟った自分に落胆するブロギー。
え?オレが話つけるの?という顔をしているエース。
「まぁ、その前に久方振りの再会ですし宴にしましょうよ」
そして、冒頭に戻るのであった。
飲んで騒いで大いに盛り上がる一方で麦わらの一味に加え、ビビとイガラム、更にはノインまで強制参加させられた作戦会議が始まっていた。
「いいなぁ、エース達はまだオッサン達と宴ができて」
両手合わせて10本の骨付き肉を持ちながら、渋々参加しているルフィ。
そんな彼の発言に隣に座っていたナミの鉄拳が突き刺さる。
「真面目にやらんか!!あぁぁぁぁ、でもなんでいきなり巨人族と喧嘩なんきゃしなきゃならないのよ?」
「オレ達がまだルフィの兄貴達と同レベルに至っていないからだろ」
ナミの不満をゾロが刀で斬り付けるように遮る。
「オレと同門のサガは明らかにオレよりも上の階位に立っている。それは立ち居振る舞いを見ればはっきりと解る。そんな男が
「それに、レイズさんは賞金稼ぎ時代“風迅”の二つ名を持つほどに優れた男だ。ウチのクソジジイが用心棒代わりに雇う程には実力があると言うことだ」
「つまり、そんなお2人が認める集団が“シャッフル海賊団”であり、他の船員達も少なくとも足を引っ張ることの無いレベルでは実力者であるということですね」
ゾロに続き、サンジも自身が実力の一端を知っていると思っているレイズを引き合いに出し、そんな2人が戦闘面でも信頼を置く他の船員の実力も現段階で麦わらの一味よりも上であるのではとイガラムは全員の心証を代弁していた。
「まぁ、何よりも以前師匠達とやり合って勝っていると言う事実があるからな」
「それに、恐らく彼らと戦うことで貴方たちのレベルアップを目論んでいるように思えるわね」
ウソップは脚を震わせながら、師匠と慕うドリーとブロギーに勝ったという事実を再確認し、ノインに至っては今後来るであろうシングルナンバーエージェントペア、そしてボスであるクロコダイルに勝てるレベルまで麦わらの一味とビビを高める必要性を感じ取っていた。
「うっし、それじゃナミ。作戦は任せた!!」
「あんたも少しは考えなさい!!」
ところ変わってグランドラインにあるリゾート島。
「あんむ」
彼女はその優雅な空気を気にせず豪快に堅焼きせんべいを囓るとバリボリと音をたてて咀嚼していた。
「ねぇ、ねえ“Mr.3”」
そんな彼女の目の前、ロッキングチェアーに優雅に寝転びアフタヌーンティーを楽しむ男性。
「何かね、いま紅茶の香りを楽しんでいるんだ少し待ちたまえ」
自身で注ぎ入れた紅茶の香りを楽しむように嗅ぎ取る曇で顔に影が覆っている男性。
「んん、素晴らしい。今年のエールホワイトは出来が良いガネ」
そんな男性を横目で見つつ、数日前から所持している紙を見ながら女性は口を開く。
「私ヒマだわ、すごくヒマ」
「ヒマヒマってキミ働くの嫌いじゃないかね」
「うん、働くの嫌い」
「だったら、この任務も何もない静かで優雅な一時を楽しんだらどうだガネ」
「そうね」
「それと、こういった公の場で軽々しくコードネームを呼ぶのは止めたまえ」
男性がティーカップをソーサーに置くと雲が流れていき、男性の顔が日に照らされていく。
そこには、「3」をあしらったメガネと「3」の形をした丁髷の髪型をしている。
「私が“Mr.3”だとバレてしまうガネ、解ったかね“ミス・ゴールデンウィーク”」
「そうね」
そして再び訪れる静寂。
ふとMr.3は気になっていたことを彼女に問うてみた。
「ところでここ数日、キミはずっとその紙切れを眺めているけど、それはいったいなんなのかね」
そう言われたミス・ゴールデンウィークは自分が眺めていた面をMr.3に見せると何事もないかのように言い放ったのだった。
「ボスからの指令」
「はよ言わんかい!!」
そう叫ぶと指令書を奪うMr.3。
指令書の内容を読み言葉を漏らす。
「ふん、Mr.5ペアがやられたらしい。どうせだったら邪魔な
「そうしたら、私たち簡単に昇格できたのにね」
「そして、Mr.5ペアとウィスキーピークで合流し組織に敵対した愚か者を抹殺せよと言うことらしいガネ」
「・・・・・、Mr.3」
感情の読み取りにくい顔をしていたミス・ゴールデンウィークから真剣さが宿った声を掛けられ、優雅に微笑むMr.3。
「解っているガネ、その者共に教えてやらねばならないガネ」
そう言って紅茶を飲み干すとカップをそっとソーサーに置き両手を顔の前で組み不気味な雰囲気を醸し出すMr.3。
「犯罪組織、もとい我々“秘密犯罪会社”であるバロックワークスを敵に回すことがどれだけ恐ろしく、どれだけ愚かな行為だったのかということを」
そう言うと不敵な笑みを浮かべるMr.3。
そんなMr.3に対してミス・ゴールデンウィークの口から放たれた言葉は。
「私、疲れるのはイヤだわ」
「キミは先程ヒマだとかぬかしていたじゃないかね!!」
合わない人っていますよね、人間だもの。