「ゴムゴムのぉぉぉ」
弾き飛ばされた空中で姿勢を整えながら、弾き飛ばされた勢いを利用して両腕を遥か後方に伸ばすルフィ。
腕が限界近くまで伸びたその勢いを力に加えて突き出す。
「バズゥゥゥゥゥゥカァァァァァァァァ!!」
自分を弾き飛ばした刃溢れだらけの巨大な剣、ドリーの「テリーソード」その根本めがけて両腕は撃ち出された。
「三刀流」
自身へと振り下ろされ、猛スピードで迫り来る刃。
それに対して、精神を落ち着かせ自らが携える3本の刀がその刃に触れるのと同時に全身の力を抜き、自らの望む方向へとその刃を去なすゾロ。
「刀狼流し!!」
ゾロの命を刈り取るべくふるわれたブロギーの「ブルーザーアックス」は力の流れを去なされてしまい、ゾロの真横へとその刃をずらされてしまった。
「うぉ!?」
ただし、斧が振るわれることで起きた風圧までは往なすことが出来ずにゾロは軽々と吹き飛ばされてしまった。
「退いてろクソマリモ」
斧が地面に突き刺さり動きが止まった本の僅かな時間、それが来ると解っていたように走り出していたサンジは斧の柄その根本へと駆けてきた。
空中で高速で縦回転するとその勢いのまま根本へとその脚を振り下ろす。
「
巨岩をも蹴り砕くサンジの踵落しが柄を砕こうと迫った。
「ゲギャギャギャギャ!!そうはいかんぞ!!」
僅に、ほんの僅に速くその柄はドリーに蹴り上げられ、逆に鈍器となってサンジへと当たってしまう。
「ガババババ!!“武器破壊”を狙うか!!それもまた良し!!」
「ゲギャギャギャギャ!!お互い危なかったなブロギー!!」
麦わらの一味+アラバスタチームと巨人2人の戦いが始まり数分。
予想通り、麦わらの一味+アラバスタチームは苦戦を強いられていた。
「やっぱ“それ”狙うわな」
前回の喧嘩で出来た高台で呑気に肉を食いながら弟の一味の戦いを眺めているエース。
「まぁ、それなりにヒントは出した。ラチェットの
「あら?あの麦わら帽子の子はエースの弟なんでしょ?なら可能性はあるんじゃないの?」
デッキチェアに優雅に座りながら、これまた優雅に工芸茶を飲みながら眠そうに欠伸をするレイズ。
レイズの反対側、パラソルに机に歴史書を完備して戦況を見ているロビンは疑問を口にしていた。
「まぁ、色々あんだよ。しかし、ゾロの奴は相変わらず“剛剣”に傾倒した刀裁きしているな」
自身の身長と変わらぬ酒樽をジョッキの代わりに酒を飲んでいるシュライヤが話を濁すように話題の転換を図る。
決闘が始まって15分、見届け人として残った4人はその戦いの行く末を眺めていた。
「ふぅ(落ち着けあたし)」
ナミは戦場が見渡せる木上で腰に3本のロッドを携えて緊張する自身の心身に活をいれていた。
徐に腰から2本のロッドを抜くと息を整え、バトンのように回転させ始めた。
「ねぇ、“この棒”は何なの?」
決闘前、ラチェットの工房になにか武器はないか確認しに来ていたナミの目の前には3本に分割されたバトンのようなものがあった。
「あぁ、それは“ヒートロッド”と“クールロッド”それと“マグネティックロッド”だ」
ナミほどの美少女を前に興味無しと言いたげに機械をいじり続けるラチェット。
彼曰く、その3本のロッドは裏ルートで流れてきた新世界のとある島でとれる鉱石を加工したおもちゃで赤いロッドは空気を送り込むことで送り込まれた空気を瞬間的に熱風に変え、青いロッドは空気を送り込むことで送り込まれた空気を瞬間的に冷風に変え放出できるという代物。
そして、黒いロッドは回転させることで内部で強力な電気を発生させ放出できる代物だと言うのだった。
「うちの女性陣からドライヤーやら蓄電池やらを作れと言われた時の試作品だ。欲しいなら持っていけ」
おもちゃにしかならんがな、と言われたその3本のロッド。
そのロッドからナミは視線を外すことが出来なくなっていた。
そして、一目見た時からナミはある予感がしていた。
「(あたしなら、この“おもちゃ”を“武器”に出来る!!)」
今まで、かつて故郷で見せた以上の覚悟を宿したナミの瞳は2人の巨人族を捕らえた。
「ヒートロッド!!」
右手で赤いロッド、“ヒートロッド”を華麗に回し。
「クールロッド!!」
左手で青いロッド、“クールロッド”を華麗に回す。
すると、2本のロッドの両端から熱気と冷気の球状の塊が飛び出してきた。
「やっぱり、“この子達”は
リトル・ガーデンの熱帯気候も手伝ってか、ナミが見上げる戦場の真上には巨大な雲が出来上がっていた。
「さぁ、仕上げよ」
最後に黒いロッド“マグネティックロッド”をバトンのように回転させる。ロット内部では回転に感化されたように電気が走るバチバチという音が響いてきた。
回転を止めたロッドの片側からドリーとブロギー目掛けて黄色の球体が飛んでいく。
そこから更に回転させマグネティックロッドが発光し始めた。
それを合図に上空に“黒く”育った雲に向けてバチバチと鳴き続ける金色の発光球体が打ち上げられていく。
「ハートの痺れにご注意ください」
ドリーとブロギーがその異変に気がついたのは自分に接近して攻撃を仕掛けているのがルフィだけになったことに気がついたのと同時だった。
遠方からウソップとイガラムが絶え間無く援護をしているが、先程まで中距離でカルーの剛脚による高速移動で翻弄し続けていたビビすらもゾロとサンジの控える位置まで下がって待機している。
その瞬間、自分たちすら覆う巨大な影の下にいることに気が付いた。
ふと、自身の戦士としての予感に突き動かされたドリーとブロギーはとある位置、ナミが立つ位置に視線を向けれた。
そこには黒いロッドを自分たちに向けて振り下ろさんとする姿があった。
「ハートの痺れにご注意ください」
その言葉と共にドリーとブロギーはグランド・ラインでも、もしかしたら新世界でも滅多にお目にかかれないような稲妻に打たれた。
そして久方ぶりに、エース達との喧嘩以降本当に久方ぶりに意識を失うのであった。
「あ、ルフィごとやっちゃった」
可愛らしく舌をだし自分をコツンと叩くナミ。
「「「「ちょいちょいちょいちょいちょいちょい!!」」」」
「ルフィさん大丈夫ですか!?」
流石のサンジもツッコミに回る。
ビビが慌てて声をかける。
全員の視線がナミの引き起こした惨劇の中心地へと注がれる。
そこには。
「んぅ?んんんんんん?」
なぜか困ったような顔をして腕を組み首をかしげる一寸だけ焦げたルフィが立っていた。
「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」」
「おいおいルフィマジか?」
「あいつは本当にどういう身体の構造してんだよ?」
「てかなんで雷はノーダメージですんでんだよ!」
「これが、賞金首の海賊の力!?」
「クェーーーーー!」
「まさか、ルフィ君がここまでの男だとは」
ルフィの無事を確認した一同はいつもの空気になりツッコミと称賛をルフィに向けていた。
戦闘の数分前。
試しにロッドを回転させるナミ。
ラチェットの説明どおり、其々のロッドからは熱球と冷球と電気球が飛び出してきた。
物は試しと男達で試し打ちをしてみたが特にダメージを受けた様子もなく、ナミは自分の直感が外れたようで意気消沈していた。
そんな時だった。
「あれ?なんであの高度に雲があるの?」
なんと無しに見上げた空。
そこには本来ありえない高度に鎮座する小さな雲があった。
「もしかして」
そして、その雲目掛けて熱球と冷球をぶつけていくナミ。
すると雲は徐々に大きくなっていき遂にはその雲から雨が降り始めた。
「雨雲、ということは!」
そして、そこに放たれる電気球。
その結果を見たナミはとても満足そうであった。
そして、現在に至ったのであった。
「天候を操る、そう今日からあなた達は“