ONE PIECE-彼を王に-   作:完全怠惰宣言

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電々虫の顔芸は金取れるレベル

「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!あのねえちゃんスゲえな!!」

「ラチェットの玩具を完全に武器にしてやがる。なんだあの発想力」

「こんな亜熱帯で落雷なんて」

 

ナミがとどめを刺した現場を見て興奮MAXのエース。

サガですら目を見開き驚愕で満ちた顔をしていた。

ロビンに至っては開いた口が塞がらないという顔で驚愕を隠そうともしていなかった。

そんな中、レイズは唯一人史実と分史の修正力について考えていた。

 

「(恐らく、天気棒(アレ)は能力でも無くあくまで技術として出来上がる武器だから彼女(ナミ)が使用者だからか兎に角彼女の手に渡った段階でこうなることは確定事項だったんだろう)」

 

次にナミの武器に興味を示しているウソップに視線を移す。

 

「(ラチェットの玩具でしか無かったアレには奥の手が仕込まれていない。恐らくウソップが弄って追加するのだろう、天候棒にはウソップが関わったという事実を史実が影響を与えるから)」

 

同じくノインもまた、世界が史実の影響を受ける修正力に頭を悩ませていた。

 

「(麦わらの一味に“考古学者”が仲間になることまでが修正力による決定事項なら、私とロビン両方仲間になる確率は低くなる。それに、エースが死ぬ事までが修正力の事案なのかどうかこれからの考えどころね)」

 

異物とお互いをそして自分を認識しているレイズとノイン。

互いに知る史実が途中で途切れているが世界から送られた異能(ギフト)が違うからこそ抗う。

改めてこの世界を生き抜くことを、自らの目的のために出来ることをやり尽くす事を誓う二人であった。

 

「プルプルプルプル、プルプルプルプル、プルプルプルプル、プルプルプルプル」

 

するとエースの傍に置いてあった電々虫が鳴き始めた。

 

「おう、こちらスーパーイカした船長。どうした?」

『こちらラチェット。お前、今朝ちゃんと鏡見たか“ファミコン船長”?レイズとロビンの予測が当たったぞ』

「お、ということは」

『あぁ、今し方我が船の前を“3”を意識した船と“5”を意識した船が通過していった』

「ははは、ルフィ達も連戦は辛いだろうけどこれも経験だな、というかラチェット」

『なんだエース、そろそろ移動するんだが』

「誰が“ファミコン”だというか“ファミコン”てなんだ」

『仲間や家族が好きすぎる奴、“ファミリーコンプレックス”の略だ。いい加減に少しは兄貴分(レイズ)離れしろ』

「はぁ!?嫌ですぅ、レイズはオレの相棒なんですぅ。他の有象無象よりもオレの方が」

『それは、船に戻ってきて女性陣の目の前で言ってくれ』

「オレに死ねと!?」

『それじゃ、手はず通りに(ガチャ)』

「もしもし、もしもし、切りやがったラチェットの野郎」

 

エースのその姿にサガ、ロビンが意識をそちらに向ける。

 

「お、ゾロ達は連戦か?まぁ戦闘の経験値を得るには今の状態でやり合うのが一番かもしれないが」

「でも、大丈夫かしら?この状態のままでMr.3達と戦わせて万が一負けるようなことがあったら」

「それはない」

 

2人の心配をかき消すように話の外にいたレイズが否定の言葉を継げる。

 

「寧ろ、今の彼らとやり合うことに同情するよ。条件付きではあったけど格上との戦闘での勝利経験、今彼らはそれを糧にしようと頭を働かせている。そんな状況の中でもう一度タイプが違う敵とやり合える、最初っからフルスロットルな彼らとやり合うなんてオレだったら嫌だな」

 

そう言うと空を歩き出すレイズ、その顔はいつもの昼行灯を気取った表情ではなく、何かを決めた覚悟を宿した顔だった。

 

「ぶへぇぇぇぇぇぇ、ちかれた」

 

黒焦げになった地面の中心で大の字になり、疲れてますと体全身で表現しているルフィ。

それ以外の面子は今回の戦いを思い返して何かを掴んだようであった。

 

「ちょっと船長s「3と5ペアが上陸したよノインさん」

 

それはノインにだけ聞こえる大気を利用した通信手段だった。

その声に導かれるように上空を見上げるノイン。

その視線の先にはこちらを見下すように冷徹な目で自分を見るレイズが空に立っていた。

 

「自分の手札晒さずに凌ごうなんて許さないよ、君の手札はこの場で晒させてもらう」

 

その声が途切れるのと同時にノインへと白い物体が木々を切り倒しながら迫ってきた。

危機一髪で何とかよけるノイン。

その白い物体はブーメランのごとく飛んできた方向に戻っていった。

 

「ふぅん、おかしいがね。裏切り者が3人に雑魚が4人。1人足りないようだが何処に匿ったんだがね“ヴァケーション”?」

「くっ、Mr.3」

 

ズタボロのルフィ・ゾロ・サンジ(主戦力)、余力の無いナミ、弾の補充とスタミナが切れかけているイガラム。

今真面に戦力としてカウントして良いのは自分自身とウソップとビビであることに気が付き、久方ぶりの戦闘で多少の疲れがあったにせよ本筋通りなら来るであろう敵の存在に気が付けなかった事に気を抜きすぎたと反省するノイン。

 

 

「・・・・、オレはやるぜノイン」

 

そんな彼女の背を押すようにウソップがゴーグルをかけ直す。

 

「今回、オレは本当に援護しかしてないからな。全然余裕だぜ」

 

脚を震わせながら無理矢理笑顔を作るウソップ。

 

「ミス・ヴァケーション、私もやるわ。これは私の戦争なんだから」

 

目に強さをともしたビビが立ち上がる。

ノインにとってこの段階の2人は正直足手まといという認識しかなかった。

しかし、歴史の中で生きる彼らは自分が思っているよりも強かった。

癪だが頭上に浮かぶ同郷の人間に踊らされているようであったが、自身の手札を晒すのには丁度良い舞台が出来上がっていた。

 

「ふふ、困った子たちね」

 

サンジが直視したら致死量の鼻血をふきそうな怪しげなかつ誰をも魅了しそうな魔性の笑みを浮かべるノイン。

 

「あなた達が頑張るなら、お姉さんも頑張らなくちゃ」

 

上空から連戦を眺めるレイズ。

眼下で繰り広げられる戦闘を一瞬も見逃さないように、そんな姿勢で観察していた。

 

「(ハナハナではないのは解ってたけど、“あれ”は“あれ”で恐ろしいな)」

 

戦線復帰したルフィ・ゾロ・サンジ、3人はMr.3が引き連れてきたミリオンズと呼ばれる構成員を相手取っていた。

先程の戦闘の疲れがあるにも関わらず数で押す構成員が吹っ飛ばされる光景はまるでゲーんのようであった。

3人の打ち洩らしをビビが倒しており、僅かな期間での成長に目を見張るものがあった。

だが、その光景の中でもっとも異質だったのはMr.3・Mr.5と相対していたノインとウソップであった。

 

「ぐぉ、この野郎!!」

「へっ、悪いがオレはウソつきなんでな」

 

ウソップはMr.5相手に善戦していた。

所々汚れが目立つがカルーに跨がり流鏑馬のごとくMr.5を翻弄し正確無比な狙撃で的確にダメージを与えていた。

また、火薬を詰め込んだ「火薬星」・濃縮した辛み成分の液体を詰め込んだ「タバスコ星」・粉状のしびれ薬を仕込んだ「痺れ星」を言葉巧みに使い分け、原作以上にMr.5を追い詰めていた。

そして、ノインは箍を外してきたのだった。

 

美髪武装(ヘアーメイク)

 

両手を交差し目を閉じたノイン。

肩までしかなかった彼女の髪は彼女の言葉を合図にしたかのように一気に腰まで伸びていった。

 

白鷲の翅矢(フェザーアロー)

 

そして、髪は鳥の翼を思い起こす形になると羽根のような形の髪を撃ちだし始めた。

 

「くぅ、相変わらず容赦のない女だがね」

「あら?それは彼女のことを言ってるのかしら?」

 

二人の視線が同時に動く。

そこには白い蔦のように伸びた髪に絡め捕られ、蔦の牢獄に捕まったミス・ゴールデンウィークがいた。

 

「きゃー、たすけないでぇみすたーすりー、あむぅ」

「何を呑気に茶をしばいとるんだがね」

 

当然のごとくお茶とお煎餅を持ち出して観戦しながら。

 

「だって、こうなったら私の力意味ないもの。それにミス・バレンタインだって“あんな状態だし”」

 

そう言って上空を見上げるミス・ゴールデンウィーク。

 

「あ、や、だめ。“見えちゃうぅ”」

「サンジィィ、このお姉さん結構エグいパンツだよぉ」

「きゃーーーーー、なに言ってんのよ変態!!」

 

レイズがいる高さまで飛んできたミス・バレンタイン。

彼女最大の不幸はレイズは紳士だけど敵対すると容赦が皆無にならるとこだった。

 

「いやぁ、この高さで落ちたらいくら能力者でも危ないから」

「だからって、ちょっとどこ触ってんのよ」

「直には触ってませーん。しっかし意外と肉付き悪いな、肌艶も普通だし。ちゃんと御飯食べてる?」

「お尻触るなぁぁぁぁぁ!!、でも風を消さないでぇぇぇぇ!!」

「サンジィィィィィィィ、確りしろ!!」

「ぶはっ(過度な想像により鼻血大量出血)」

「アホか」

 

麦わらの一味最大戦力(バカ3人)のコントに目が行きかける。

一方でMr.3はこの状況から“逃走”するための計画を練り続けていた。

ボスに次ぐ戦闘強者と言われるニコ・ノイン。

超人系でありながら能力の幅が広く、ここ数年間戦闘に置いて無傷との噂が立つほどの才女。

スカウトリストの最上位に上がっていたフェンシルバード・レイズ。

能力もさることながら悪魔的な思考能力をボスが高く買っていた。

Mr.3という狡猾な男最大のミスはこの場にいるのが2人だけでは無かったと言うことだった。

 

「ぐぅ、は、腹がぁぁぁ」

 

突如として腹痛を訴えるMr.5。

そんな彼の頭上にはトンカチを両手で振り下ろすウソップがいた。

数分前、Mr.5の相手がウソップであったことこその結果である。

 

「くそが、だがその玉の色は覚えた。火薬なら全身起爆人間のオレには意味をなさない」

「くそぉ、まじかよ!!もう他に弾がねえ!!」

 

タバスコ星・痺れ星が無くなり、火薬星のみで対応していたウソップ。

その全てはMr.5によって弾かれていたが、今ではおやつ代わりに食べられる始末であった。

 

「くそ、あたれあたれあたれあたれ!!」

「だから、全身起爆人間のオレに火薬は意味をなさないと言っているだろう」

 

そう言って再びウソップの放ったパチンコの玉を全て食べ尽くしたMr.5。

そして、その変化は唐突に訪れた。

 

『ぐぎゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる』

 

明らかに腹を下したような音が響き渡った。

全員の意識が音の発生源へと向かう。

そこには、五体投地し僅かに腰を高くした状態で苦しそうに腹部を押さえるMr.5の姿があった。

 

「て、てめぇ!!オレに何を撃ちやがった!!あうっ!!」

 

身体に力を入れると何かが漏れ出してしまうのだろうか、彼の人間として絶対に超えてはいけない尊厳を死守しようとするもその姿を見ているウソップの顔は悪戯が成功した小僧のような笑みを浮かべていた。

 

「へっへーん、悪いがオレは嘘つきでな。さっきお前が食べたのは一粒でゾウすら下すと言われている超即効性便秘薬を10粒粉にして固めて作ったその名も“超速開運星”だ」

「くそが、調子にのりやがっ、はう!!」

 

立ち上がろうと身体に力を入れれば即開運しそうになるMr.5。

今彼はギリギリの所にいた。

しかし、相手は海賊である。

 

「ウソーーーーーーーーーップハンマーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

ゴキンという音が周囲に木霊した。

Mr.5の頭には巨大なコブ。

 

「しかし、オレも男だ。お前みたいな外道でも尊厳までは奪わない!!武士の情けで一緒に快速下痢止めも飲ませてやったぜ」

 

Mr.5、人間としての尊厳だけは守られたのだった。

 

 

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