オーバーロードとヴァルキリー   作:aoi人

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14.戦乙女と冒険者ギルド

 

 

 エ・ランテル冒険者ギルド前

 

 

 

 

 レイナに売ったポーションで在庫がかなり少なくなったので、これから冒険者ギルドへ向かう彼女らについてンフィーレアも薬草を採取するため護衛の冒険者を雇うために一緒に向かっていた。

 

「なるほど。手続きはこうなってるのか。う~む、ある程度依頼する側も信頼がいるのね。これは、厳しいかな」

 

「なんでしたら、僕バレアレ家から推薦状を書きますよ。カルネ村を救っていただけただけでも、信頼はできますし、冒険者ギルドにとって僕らはお得意様ですから、すぐ信頼は勝ち取れると思います」

 

「ほぉ~。さすがはエ・ランテル1の薬師様々だな」

 

「助かるよ。ンフィー」

 

 道中、冒険者ギルドがどう依頼を受け付けているのか聞きながらそこを目指す。街でも有名な薬師の息子と和気あいあいと話すフードマントの3人組はかなり目立っていた。

 

 さっきからチラチラと目を向けては反らしを繰り返されている。

 

 中にはンフィーレアと同い年ぐらいの少女が、話しかけようとして遠慮する光景が多く。たまに挨拶をしてくる強者もいるが、ンフィーに今は急いでるからとスルーされるのは、彼のガードが堅いからなのだろう。そんな少女が数十にのぼれば、話題もそっちへと向かう。

 

「ンフィーさっきからよく話しかけられてるけど、いいの?少しくらいなら待つよ?」

 

「ああ、大丈夫。それにいつものことで、もし一人でも話し始めちゃうと次から次へと来て、時間が取られちゃうからね」

 

「うーん。同い年くらいから時々年下年上の人までいるな。カルネ村の俺の友人が知れば、血の涙を流しそうだ」

 

「経済力だけでなく、人柄や前髪に隠れているけど顔も悪くない。さらには一途。そう来れば、お近づきになりたいと思うのは当然ね。あとは強さがあれば完璧かしら」

 

「確か、リイジーばあさんが第3位階の使い手で、幼少から学んでいるからいつかはそれもどうにかなりそうだな」

 

「薬師と魔法詠唱者ね。将来は錬金術士のようになるのか、少し気になるわね」

 

 ギルドの案内でンフィーレアが前をいく関係でエンリが話しかける少し後ろでレイナとシオンがそれを見て、各々の感想を話す。

 

 だいぶここらは人が多く通るのか、人混みを進んでいくと、一際大きめの建物が見えてきた。看板が見えたので、習った文字を思いだし、なにが書かれているかを読む。

 

「ぼ、う、け・・・うん、冒険者ギルドね。なかなか大きいわね」

 

「ほぼ3か国の、中心の街だからか、依頼が多く舞い込むのかもな」

 

「その通り、ここが冒険者ギルドです。受付は入って正面にありますので空いてる受付嬢さんのところに行きましょう」

 

 冒険者ギルドの跳ね上げ式の扉をンフィーレアが開けたので続くようにレイナたちも入っていく。

 

 さすが冒険者が集まるギルド。中はかなり広々と作られており、待ち合わせもあるからなのか左右に大きなテーブルがいくつか、それに簡素な木でできた椅子がその回りを囲むように置かれている。人は依頼で出掛けているのか、ちらほらしかいないが、それでも視線が向けられるのがわかる。

 

 まずは先頭のンフィーレアに、それからレイナたちへと向けられ、ンフィーレアは依頼の常連なので、顔見知りなのだろう。すぐに視線が離れるが、レイナたちをとらえて離さない。

 

 みない姿から新しく冒険者登録しにきたものか、はたまた、ンフィーレアと一緒に入ってきたから、新しい依頼主かで、話しは2分されているようだ。

 

 迷いなく受付へと向かうンフィーリアはこの空気に慣れているのだろう。今は一人で対応している受付嬢に話しかける。

 

「すみません。依頼を出したいのですが、大丈夫ですか?」

 

「これは、ンフィーレアさん。いつもご贔屓ありがとうございます。また薬草採取の護衛の話ですか?」

 

「はい、いつもより少し早いですが、ポーションが多く売れてしまいまして、その補充のために、また、お願いしたいのですが・・・」

 

「それはそれは、商売繁盛でいいですね。では、こちらに・・・」

 

さらさらと受付嬢から渡された書類に書くンフィーレアの依頼はすぐに終わるかと思えたが、

 

「ええ!?あの方たちは今はいないのですか?」

 

「はい・・・、丁度別件で今はギルドを離れているんです。戻られるのはいつになるか・・・」

 

「・・・わかりました。特に急ぎではないので、もし他にいいチームがいれば教えてください」

 

 どうやらタイミング悪く。以前から護衛を頼んでいたチームが不在らしい。彼らもまだその時期ではなかったから、別件を受けたのだろう。受付嬢の反応からンフィーレアの依頼はなかなか良心的で、薬草の採取度合いが良ければ、さらにボーナスがつくので人気があるが、その分信頼が大切で、冒険者もそう簡単には選べないようだ。

 

 すぐにいく必要があれば、チームを指名することも可能だが、あいにくンフィーレアには他の冒険者チームで信頼できる者は今のところいない。ならば、ギルドにお願いして、信頼できるチームを選んで貰うことにした。

 

 さて、ンフィーレアが終われば次はいよいよレイナたちの番だ。彼がレイナたちに受付嬢の前を譲る前に、レイナたちを紹介する。

 

「こちらは、僕の・・・バルアレでのお得意様の商人さんなんですが、依頼を出したいみたいなので、なんとかなりませんか?彼らの信頼は僕が保証します」

 

「あら、それは・・・」

 

 あらかじめ、レイナたちを紹介する内容を打ち合わせしたことをンフィーレアが行い、受付嬢が伺ってくる。ここからはレイナの番だ。

 

「はじめまして、私はレイナ・ヴァルキュリア。最近ここに来た旅の商人です。実は折り入って依頼をしたいのですが・・・」

 

 そう言いながら、レイナがフードを払うと、途端に回りの話し声が消える。またかと思いながらそれを表面上は出さず、レイナの顔を見て唖然とする受付嬢に話しかける。

 

「実は、今私たちは冒険者に向けての商売を考えているのですが、彼らが今どんな装備が必要か調査を兼ねて、出来れば多く所属するシルバーに近い冒険者チーム。前衛後衛のバランスが丁度よくいるまだ依頼を済ませていないチームに同行できないかって依頼なのですが、勿論、料金はそれ相応のものを用意できます」

 

「あ、は、はい」

 

「それと護衛の方は自分達で何とかします。足を引っ張ることはしません。後ろに同じフードを被った2人がいるでしょう?

彼らは私が雇った用心棒でそこらのモンスターならば、楽に倒せます」

 

 レイナの評価にエンリとシオンには少し拡大解釈な気もするが、依頼主自体が間違いなく最強戦力なのは笑うしかない。

 

 なにか言われる前にこちらの依頼を提示する。案の定、受付嬢は混乱しながらも、依頼を書類に記入。どうやら、オンオフの切り替えは仕事柄早いらしい。レイナも書類の文字を読み、問題ないことを確認すると、ンフィーレア程ではないがサインを書き込み、依頼を申請することができた。

 

「わ、わかりました。ではアイアンチームの合同作戦なのですが、最近王国と帝国両方で問題になっている野盗を討伐するための調査を受けている2チームがあり、今晩ぐらいにチームが双方集まるので、そこで皆さんにも参加していただき、同行が可能かどうか、聞いてみましょう」

 

「ええ、それでいいわ。もし無理そうなら遠慮はするから、でも良ければ話ぐらいは聞いてみてもいいかしら?」

 

「それぐらいならたぶんオッケイですよ。皆さん人格は信頼できますから、一考はしてくれると思います」

 

「それでいいわ。さすがに邪魔になるようなら、後からでもすぐ離れるわ。それで?依頼料はいくらくらいになるかしら?」

 

「はい、一応護衛の心配は後ろのお二方でありませんが、ンフィーレアさんからの推薦もありますので、信頼は充分です。アイアンチームの人数が多い分少し高くなります。それで相場になりますと・・・」

 

 最初はレイナの勢いに流されかけていた受付嬢だが、次第にレイナが予想以上に話しやすいことから、調子を取り戻し今では微笑を浮かべ依頼書を作成していく。

 

 

 

 

 

 

 

「それでは夕飯を食べたあとになりますので、なるべく遅くならないようにお願いします」

 

「ええ、では今回の依頼の件よろしくね」

 

 依頼の約束を交わし、レイナは受付嬢と手を振り合う仲にまでない、冒険者ギルドを後にした。外にでればすでに夕陽が沈み夜の帳がおりようとしていた。そろそろ、漆黒の剣との約束の時間までもう少しだろう。

 

 そこへ向かおうとしたとき、ンフィーレアはおばあちゃんが待ってるからと、自宅へと帰るらしい。確かにンフィーレアのおばあちゃんはまだ現役だが高齢には違いないし、呼ばれたわけでもないのに連れていけば、彼が有名なのも手伝って漆黒の剣が気を抜けなくなるかもしれない。ここは無理に止めず、またあとでと一旦別れることになった。

 

 

 

 

 

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