一応見返したりしてますが、気づかないのが多いですね。感想や報告で気付かしてもらえるので大変助かっています。
少し話をしませんか?
そう言ってきたモモンガことモモンと名乗った漆黒の戦士に言われ、レイナは宿の一室を借りて二人っきりでいた。途中、護衛であるプレアデスの2人から、なりませんという抗議とそれでもモモンガが2人で話したいんだと言って彼女達を説得。渋々従う彼女たちから強烈な視線をいただいた。
エンリとシオンもここにはいない。今はたぶんその二人と話しをしているか気まずい空気を生んでいるかだ。前者であってほしい。私は別にナザリックをどうこうする気はないのだ。
彼女らに正体をハッキリさせないようフードは被ったままだがそれでも怪しいのにはかわりないし、晒してしまえばファーストコンタクトがあれでは、ナザリックに害をなそうとしているように考えてしまうだろうが・・・
「久しぶりですね。レイナさんあと先程は助け船ありがとうございました」
「ふ、やっぱり、気付いたか。モモンガさんもあの様子だとギルド拠点ごと移動もうらやましいと思ったけど、肩が凝りそうね」
「ええ、そうなんですよ!。みんなして自分のことを何でもお見通しな絶対者って感じなんです!心安らぐギルドがまさかこんなことになるとは・・・」
目の前に机があれば、両手でバンバン叩きそうなモモンガにレイナは気の毒にも感じた。リアルにいたときは、オアシスであったものが現実になってしまい。今までの役割?立場?が重くのしかかっているようだ。
「しょうがないわ。まさかNPCが意識を持つなんて誰も考えないもの。その点、人員配置にはそう困らないでしょう?ナザリック内だけかも知れないけど」
「はい、みんな元々極悪ギルドとしてのカルマで極度の人間軽視で、唯一セバスやペストーニャ、今は連れのユリくらいしか外の探索は任せられなくて」
悪のギルドとして存在していたのだ。彼らの価値観がこの世界において善良とはいかないだろう。というより、よくセバスやそのユリなどの善のカルマ持ちがいたものだ。
「そうね。ユグドラシルの設定がどこまで影響し、運営からの調整から解放されてるかで、今後の行動次第で彼らも成長し変わる可能性はあるわ」
「一挙手一投足視られてるのもきついです。そりゃ魔王ロールしていた自分も悪かったかもしれないですが、元々は悪質なPKに対するPKK用のロールプレイだったんです」
「あの頃は酷かったわね。特に新人異形種が目の敵にされて、そうそう、聞きたかったんだけど、どうして魔王ロールなの?普通はたっちみたいな正義のヒーローやりたくなかったの?」
「それはですね。昔のマンガを発掘したときに感銘を受けたやつがありまして、[悪を倒すのは更なる悪]ってフレーズが気に入りまして、それにPKする多くの奴が正義だのなんだの言っていたので、それの当て付けですかね。その話をするとウルベルトさんも混じってきましてね」
「なるほど、一理あるわね。わた・・・いえ、それがあなたの根幹になってるのね」
モモンガの言葉にレイナも思うことがあり、ついリアルの事情を話しそうになるのを止める。幸いモモンガは話に夢中で気づいていない。
「確かにたっちさんに助けられて、彼には憧れましたけど、自分異形種のスケルトンメイジでしたから、イメージ的に悪役が似合いそうで」
「そうかしら、私が知ってるのでダークヒーローていうのがあるけど、あなたみたいに骸骨のヒーローもいたわよ。地獄から甦ったバイク乗りで、魔法と鎖を武器に戦ってたわね」
「すごいですね。そのヒーロー少し気になりますね」
「もしかしたら、今こそ何かの参考になるかもしれないわね。たしか、データは残ってるから良ければ貸すわよ」
「いいんですか!?是非お願いします!」
でるわでるわ不満や不安。最後の方は過去の話になってるけど楽しそうだ。私も自分の趣味を布教できて嬉しく感じる。まぁ一般人がいきなり魔王になればそうなるかしら。
「それに、この体になってからというもの。人間のときの倫理や道徳が変わりまして、レイナさんからいただいた神精樹の雫のお陰で生前?どおりの生活ができてるだけでマシですよ」
「オーバーロードも生前は人間のはずなのだけど、もう別種族なのかしら」
ユグドラシルでの種族説明の覧を思い出そうとするがさすがに思い出せない。そんな時
「レイナさんは元より人間だからそんなに代わりありませんか?」
彼の言葉に私はまた思うところがあり、今度は口を開く。
「そうね。普通の人間は時速100キロ以上で走り、高層ビルぐらいまで跳び。怪我も一瞬で直せるわ」
「え?レイナ・・・さん?」
彼も私が言おうとしてることに気付き、声をかけてくるが私は止まらない。
「剣で切りつけられそうになっても、見てから回避は余裕。むしろ当たっても傷ひとつない。この前私の何倍もあるオークを私が攻撃したら爆発四散したわ」
「なにやってるんですか・・・?」
シリアスぽかったのに呆れられてしまった。まぁ、そんなに私は気にしていないし、そのためおどけてみたのだし、彼に悩んでるのは自分だけじゃないと思ってもらいたいからだ。
「正直、そんな自分がただの人間とは思えない。この世界にいる他の人間にしたって、リアルの人間からしたら超能力者だと思わない?」
「確かにそうですね・・・。逆にある程度強いここの人間がリアルに行けば間違いなく自分達と同じく困惑しそうです」
ここで言葉が途切れる。別に嫌な雰囲気という訳ではない。ここまで本音で言い合えたことに感動しているのかもしれない。彼が言っていた人間を忘れそうになる。なら、思い出せばいい。こうやって笑い合え、共感できるのならば可能なはずだ。
「ねぇ、モモンガさん。一つお願いがあるんだけど」
「え、何ですか?」
「リアルでの名前を2人の時だけ呼び合うのはどう?そうすれば、人間だった頃を思い出したりしない?」
「え、でも・・・」
モモンガが鎧越しに困惑しているのがわかる。確かにオンライン上リアルの事情や本名を訪ねるのはマナー違反で暗黙のルールを破る行為だ。だが、すでに夢が現実になったここでは、今は自分達しかいない。自分たち以外誰も咎めるものはいない。
「嫌なら・・・残念だけど・・・」
しかし、彼が嫌なら強要はできない。私がそう言おうとしたとき
「いえ、是非お願いします。時々でも本当の名前を言ってくれれば、忘れること等ないはずです」
「そう、よかった。じゃあ言い出しっぺの私から
緒方 零(おがた れい)よ。零と呼んで」
「俺は 鈴木 悟 悟(さとる)と呼んでくれればいいです」
「わかったわ。悟これからよろしくね」
「こちらこそ、零さ、いや零よろしく」
結構、時間が経っていたそうで部屋から出ると、漆黒の剣と今回依頼に同行するチームが来ており、今まで部屋で何をしていたのか問い詰められた。
特に悟がつれている姉妹からの言及が強く。悟が狼狽しながらも、ただお礼を言っていただけと誤魔化す姿は人間らしくみえ思わず笑ってしまった。
戦乙女(零)と悟(魔王)
モモンガさんの様子が違うのは最初にレイナに渡されたアイテムの効果か自分以外にもいることへのストレス軽減効果のどちらかです。
アニメ本編見ていて、モモンガさんは思い込みで色々チャレンジしてないのは寂しいなと思ったのでこうした流れになりました。