オーバーロードとヴァルキリー   作:aoi人

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遅くなりました。ごめんなさい。

修正とかしていましたが。

自信はありません!

それでも読んでくれる方がおられるの嬉しいです。

頑張ります。


26.戦乙女とエ・ランテルの奇跡そして・・・

~エ・ランテル~

 

 昨晩にてもしかしたら死都になっていたかもしれないこの都市ではアンデットによる被害が建物と避難する時に押されて転ぶなどの怪我ぐらいしか無かったのは奇跡だと冒険者ギルドを仕切るプルトン・アインザックは思う。

 

 冒険者チーム"漆黒の剣"のレンジャーがギルドに飛び込むような勢いで来て、かのバレアレ薬品店の跡取り息子であるンフィーレア少年が何者かに誘拐されたというのだ。それから時を置かずして起きたアンデットの襲撃。

 

 今までの散発したものではないこの大軍勢は瞬く間に砦を飲み込みエ・ランテルへと流れ込もうとしていた。

 

 その時に1つ目の奇跡が起きた。

 

 衛兵によって語られるそれはどこからか現れた銅級の冒険者が元凶を打倒するためたった3人と1匹でアンデットを蹴散らしながら突撃。そして、見事にその元凶たるアンデットを倒しその首を持ってきたのだ。

 

 そして、もう2つ目の奇跡は"白銀の女神"と言われた信仰系回復魔法が使える女戦士がいたことだ。

 

 戦士と回復魔法。

 

 それだけでも信じられないのに避難していた市民や兵士に冒険者の話しによれば街にいつも間にか溢れていたアンデットに彼女は仲間たちと手分けして撃退した上最後は砦にいた重軽傷者を癒したあと防衛に手を貸し誰も死なせずに終えたばかりか四肢が欠損した者まで治してみせたのだ。

 

 そんな事ができるのはアダマンタイト級冒険者蒼の薔薇のリーダーしか聞かない。そのリーダーも蘇生魔法を使用できるはずだがここまで回復の効果が高い呪文も覚えている彼女はもしかしたら今回は使用する必要がなかった蘇生もできるのかもしれない。

 

 許可されていないモンスターを使役していたのは問題だがそれを引いても彼、彼女達の誰もがミスリル級をいや、オリハルコン級以上の力を持つ。異例だが今回の件で銅級だったモモンチーム" 漆黒"はアダマンタイトとなる予定だ。

 

 白銀の女神も旅人だというし冒険者としてスカウトし晴れて所属が決まれば一気にアダマンタイトの2チームいや、彼女と共にいた白騎士や巨大な悪魔を使役するエルフに空を飛べるダークエルフが加わればもしかしたらもう1チームくらい増えるかもしれない。

 

 そうなればその強者たち(ゆかり)の地としてここエ・ランテルもさらに豊かになるだろう。

 

 市長からはその件ですでに色好い返事をもらい必ず引き込むように言われている。相手が女性なので今までのようにはいかないだろうがなんとしてでも冒険者になってもらう。

 

 この後、空いた時間に彼女が依頼を出して同行したアイアンチームと一緒に昨日の別件での出来事について話を聞くので最後に色々優遇することを伝えるつもりだ。これに乗らない者などいるはずがない。

 

 そんな彼の期待と打算はアッサリ裏切られるのだった。

 

 

 

 

 

「・・・お断りします」

 

 レイナは自分の前で固まるギルド長と呼ばれる男の目をまっすぐ見つめて答えた。

 

「そもそも、私はこのギルドを利用した旅人であり、商人としてこの場にいるのです。全く関係ない話をされるとは・・・少々マナー違反ではないですか?」

 

「うっしかし、今回の君たちの活躍は・・・」

 

「その報酬がアダマンタイトへいきなりの昇格。聞きますがそれを持ってた場合商人としての役にたちますか?」

 

「も、勿論だともアダマンタイトともなればどの街に行っても信頼されるし、商売する場所も優遇されるだろう」

 

「商人としてはこちらの強さではなく商品の良さで信頼してもらいたいのですが・・・」

 

「うむむ、た、確かにだが軌道に乗るまででも・・・」

 

「それに冒険者の中には今回の件で活躍したチームもありましたよね。そんな彼らをおいて冒険者でもなかった私たちがいきなりアダマンタイトでは反発するものも多いのではないですか?」

 

「いや、たぶんその辺は大丈夫かと・・・」

 

「?」

 

 レイナの懸念はたしかに起こりえた。ミスリル級のクラルグラがその筆頭だったが、彼はなんとまぁそうだろうなと乾いた笑みで言っていたのだ。ドコカ今までと違いピリピリしたものでなくなった彼は

 

「だが、あの人はそんなの受け取らねぇと思うぞ。・・・なぜって?ありゃホントに善意で助けているからな。精々受けとるなら報酬金ぐらいだと思うぜ」

 

 ともいいアインザックを困惑させていた。

 

 一応他にも反感を持ちそうな冒険者は軒並み彼女達の活躍を妬む者はおらず、逆に是非とも冒険者になってもらいたいと言う者まで出てくる始末だ。その有無も伝えてみるが彼女はいい顔をしない。

 

「とにかく、その件については答えかねますし野盗の根城についてもこれ以上話すことはありません。では・・・」

 

「待ってくれたまえレイナくん!」

 

 アインザックの制止の声も聞かずレイナは会議室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 野盗の話も終わり、では帰ろうとしてみれば引き留められ疑われているのかと考えたが始まったのはいかに冒険者がいいか、今なら此度の活躍でアダマンタイトですよとまるでセールスマンのような冒険者ギルドの長の姿だった。

 

 驚きより幻滅の方が強い。自由だと言われる冒険者だがやはり派閥が存在し強い者を囲い込もうとするのはやはり組織故か。

 

「冒険者は自由というのは未熟のうちだけで実力があるものは地位を与えて首輪をつけたいか・・・。この分では悟は苦労しそうね」

 

 すでに冒険者で腕も良く人柄もいい。間違いなく悟は担ぎ上げられ英雄としてその名を知らしめていくだろう。

 

 ユグドラシルでのナザリックのギルド長 アインズ・ウール・ゴウン

 

 突如現れた漆黒の英雄 モモン

 

 一つは気晴らしだったとしても2束のわらじで今じゃどちらも責任が伴う立場。

 

 アンデットだからっていつか心労から倒れるのではないだろうか?

 

 地面に上半身を投げ出して倒れている絶対支配者(さとる)の姿を想像すれば豪華なロープを着た死骸がレイナの頭の中に浮かぶ。

 

 ・・・たぶん大丈夫だろう。お握りの感想もきけたという事は食事は問題なくとれるのだから。誰が言っていたかナザリック自慢の食堂でいい気晴らしがとれるようになるだろうし彼らも時間がくるまで貸し出している。

 

ナザリックに所属していた彼らを貸し出すとは変だが・・・今頃は楽しく異世界ライフを語り合っている頃だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ナザリック円卓の間~

 

 

 

 

 

 

 

 ちーーーーん・・・

 

 書類が片付けられた円卓の上で絶対支配者は大顎を開けて上半身を投げ出しリアル過ぎる死骸のふりを披露していた。そのままうわ言のように小さく呟いているその姿をレイナが想像しているなど誰も気付かないだろう。

 

「そ、そんな。何故・・・何故・・・みんな」

 

「つい昔を懐かしんで口が滑ってしまったわ・・・あとで謝らないと。・・・ふむふむ、これはいい案ね。後は実行できる者を担当にして・・・。はいヘロヘロこれお願い」

 

「あはは、しょうがないですよ。まさか自分の恥ずかしい場面をギルメンが知ってたなんて本人だけが知らなかったんですから。はいっとソリュシャンこれなんだけど・・・」

 

「これでしたら丁度いい方がおられますわ。あ、あのアインズ様は大丈夫なのでしょうか?」

 

 横ではその元凶でもあるピンクの大福餅が彼の代わりにどうやってか書類を整理しその横にいる紫の粘体(スライム)が書類を受け取り同じ粘体(スライム)の金髪メイドと採用かどうかの精査を行い

 

「なるほどここに近い国は3つそれぞれに隠密の高い者を・・・ならば・・・」

 

「ええ、今は3か国の内2か国を中心です。法国は魔法による障害があるため今は肉眼での偵察と人型のナザリックの者による街をでる商人を中心に聞き込みを行っております」

 

「なるほど。・・・警備の方は国の兵士任せか。兵士によれば賄賂を渡すことで罪を逃れる者まで特に王国の貴族・・・腐っているな」

 

 白騎士と老執事がこれからの事を相談し現状をホワイトボードに書き込み。

 

「姉さん。この聖王国が今は亜人たちに襲撃されていて、竜王国は獣人に・・・」

 

「ええ、そして法国はエルフの国と戦争中。その理由がエルフの王が法国の英雄を・・・て聞いてていい気分じゃないわね」

 

「おいたわしや。あけみ様心中御察しします・・・」

 

 ネフィリムが悲しそうなエルフの少女とメイド長のディラハンがさまざまな国に行っている部下からの情報をまとめどこに情報を渡すかを考え。

 

「では彼らもある程度知恵や理性があるのならば今までのようにただ突撃していくのでは無駄になるわね。コキュートスの方では兵の訓練はどのように・・・」

 

「ソノコトデスガ、カレラニハ・・・」

 

「そう・・・でも彼らもナザリックの兵士としていずれは表の世界にでるわ。それで練度が低ければ数だけは多いと嘗められギルドの威信が傷付くかもしれない。ユグドラシルではそれで良かったかも知れないけどこの世界では外に出て戦をしようとすれば慣れない環境で失敗をする可能性もあるわ。だから陣形や作戦を立てて・・・」

 

「なるほど。ナザリック内では地形などを活かせれますが外では勝手が違ってきますからね。わかりました。図書の者にその手の本がないか聞いてみます」

 

「流石はぶくぶく茶釜様!目をつけるところが違いますね!」

 

「うんうん。凄いよねお姉ちゃん!」

 

「ぐふっ、これは今のモモちゃんの気持ち少しわかるわ・・・」

 

「ぐぬぬぬっ・・・」

 

「はぁ」

 

 ピンクの色のナニかはダークエルフ双子に両側をサンドされてナザリックの防衛体制について上位悪魔や虫王と話し合いその光景を悔しそうにハンカチを噛みしめているサキュバスが柱から覗き。

 

 おい、そこの大口ゴリラ仕事しろという目で図書館から運ばれてくる本を両手一杯に抱える吸血鬼姫がみている周りでは沢山のメイドが忙しく駆けずり回っていた

 

 どうしてこうなったとモモンガは朦朧とする意識の中で思った。始まりはレイナが良ければギルメンを消える前に貸すからという言葉を聞き、やまいこがいるユリは喜び。ナーベラルは少し渋い表情をしていたが彼女にお礼を言っていた。

 

 早速ナザリックに帰還した御方たちはそりゃあもう歓迎された。死んだと思われていたヘロヘロなんて大勢のメイドに取り囲まれて胴上げされる始末だ。

 

 それか始まった円卓の間での元NPCも交えての大会議。もう集まることはないと思っていたメンバーが何人か揃う光景はアンデットでなければ涙が滝のように出まくりだっただろう。

 

 が雲いきが悪くなったのはレイナの話になり、その友人のダークエルフについて話すことになったのだ。その時に餡ころもっち餅が爆弾を投下炎上させた。

 

「モモちゃんが昔はまってた言葉でオンラインネームしてたんだけど読み方わかんなくて教えてくれない?」

 

 その言葉でモモンガの体は硬直してしまい止めようとしたのが遅れ彼女の悪気のない質問がモモンガのガラスのハートを突き刺しまくった。

 

「懐かしいわね。魔法を唱えるときどんなポーズがカッコいいとか」

 

「詠唱の終わった魔法を言わなくていいのを言って止めを指すのとか」

 

「倒した後に勝利のポーズの練習してたり・・・」

 

「ど、どうしてそれを!!?」

 

 よく見れば彼女の横に座るヘロヘロもウンウンと相づちをしている上他のメンバー聞こえているが反応しない事がさらに恐ろしい。

 

 まさかまかさとすでにないはずの心臓がうるさいほど躍動しはじめる。頼む!せめて2人だけであってくれ!!という願いは次の台詞で木っ端微塵にされた。

 

「え?みんな知ってるわよ?よく人が少ない時間にコロッセオで練習用モンスターでやってドゴッ!・・・ももちゃん!?大丈夫!?頭机にすごい勢いで叩きつけたけど・・・」

 

「・・・いっそ殺せぇ~」

 

 ここに仲間に精神的に殺されかけた絶対支配者がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エ・ランテル郊外

 

「そう相手を狙うときは何も急所だけでなく。体の一部を狙って全力で戦えなくするのも前衛の助けになるよ。あ、レイ結構長かったね。何かあったの?」

 

「ええ、この前の依頼の詳細を聞いた後引き留められてね。何かと思えば冒険者へのスカウトだったわ」

 

「あらら、でもしょうがないんじゃない?レイがいれば前衛も回復も任せれるもん」

 

「そうなのだけどね。どうも馴染めそうになくて。貴女もシオンに弓教えてくれてありがとうね」

 

「大丈夫大丈夫。彼いい筋してるよ。相棒としてずっといられないから心配したけどこの分なら任せれそうで安心だよ」

 

「あ、ありがとうございます先生」

 

「あら、貴女がそう誉めるなんて期待が高まるわね」

 

「れ、レイナさんまで・・・。俺なんてまだまだですよ・・・」

 

 色んな人に挨拶されたり礼を言われたりしながらエ・ランテルから出てきたレイナはそのまま森の近くに建てたレイナ製野営テント(グリーンシークレットハウス)に戻ってきていた。

 

 そこでは適度な木に的をこさえた相棒がシオンに弓を使った教義を行っていた。的は2つあり人型や獣型などの急所だけでなく腕や足にも小さい的がある実践的な形をしている。

 

 ユグドラシルでもアーチャークラスを持つプレイヤーがよく使っていたなとレイナは思い出しながらシオンを誉めると彼は照れ臭そうに頭を掻いて謙遜する。

 

「あ、お帰りなさいレイナさん」

 

「ええ、ただいまエンリ」

 

 レイナの帰りを知ったエンリがテントから顔を出してきた。

 

「エンリ。彼の様子はどうかしら?何か問題は?」

 

「はい。起きてからは自分の目が元に戻っていることに驚いていましたが少しだけ事情を話せば落ち着きました。あの・・・レイナさん。ンフィーの目を治してくれてありがとうございます」

 

「気にしないで。私に治せて良かったわ。重症治癒(ヘビーリカバー)で難なく直ったのは街の人たちでわかってたしね」

 

「あ~あれねぇ。そういえば回復は教会がどうだの言ってたうるさい奴もいたね」

 

「そうね。その回復呪文で生計を経ててる彼女らには悪いけど。あの時点で彼らの多くは魔力不足で使えなかったし、重症治癒を使える者もいなかった。最終的にそっちにも聖女としてスカウトされたのは驚いたけど」

 

「・・・私はなんだかショックです。すぐ目の前に助けられる命があるのに許可だのなんだの言ってる人たちが正直醜く見えてしまって・・・」

 

「エンリが言いたいこともわかるぜ。やっこさんレイナさんの治療中に割り込んできたかと思えば、その回復呪文を見て手のひらを返して耳に良いことばかり言ってたからな」

 

 レイナの言葉にエンリとシオンが眉をしかめて言葉を濁す。

 

「じゃあ、彼自身にも問題ないか聞きたいから会えそうなら私から行くから呼んでくれる?」

 

「わかりました。ンフィーに聞いてきますね」

 

 エンリはそう言ってテントの中へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 少し経ってエンリがテントから顔を出すとOKの返事をだす。レイナは頷きテントをくぐりンフィーレアが眠っている場所へと向かった。

 

 エンリが側に立つなかベッドから上半身を起こした彼はレイナを見るといの一番に頭を下げた。

 

「レイナさん目の件はありがとうございます。目を潰されたときこれから先の事で絶望していましたが治ったことでまた夢を追えます。どうも本当にありがとうございました」

 

 謝る彼の瞳は自分の非力さに嘆き揺れているがレイナの事を真っ直ぐみており、これからどう変わるのか楽しみな男の目をしていた。二兎追うもの一兎も得ずというが是非頑張ってもらいたいものだ。

 

「どういたしまして。これからも()()()()頑張りなさい。応援はしてあげるわ」

 

「は、はい。わかりました」

 

「どっちも?ンフィーってリイジーさんのような薬師になりたいだけじゃないの?」

 

「そ、それは・・・」

 

 レイナの言葉に含まれた意味に狼狽したンフィーレアをエンリが前に話していた事を口に出して彼の胸のうちにあるもう1つの夢に気付かれそうになりさらに狼狽しかけるもなんとか誤魔化す。

 

 そんな2人のやり取りを見てレイナはほっと胸を撫で下ろす。目をやられてそれから治るなど滅多にある訳じゃないがショックが大きく取り返しのきかない事態にならなかったことを。

 

 少し厄介そうな者たちに目をつけられたがいずれはそうなっただろうし今は・・・相棒にも話しているがレイナより探知には敏感な彼女がわからなかったのだ。罠の可能性があるがエンリたちを巻き込む事態になるかもしれない。いざってときは相棒が二人の保護をお願いしたモモンガの庇護下であるカルネ村へ逃がすようお願いしている。

 

 結構な実力者みたいだから注意は必要ね。レイナはンフィーレアに今は安静にしときなさいと伝えテントを出ると少し様子を見てくると相棒とシオンに言って森の奥へと進んでいく。

 

 

 

 

 

 

「やぁ、少し話をしないかい?」

 

「ええ、どこの誰だか知らないけれど私も貴方に用があるから」

 

 林の中からたっち・みーとは違う白騎士が姿を現した。

 

 

 

 

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