オーバーロードとヴァルキリー   作:aoi人

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32.戦乙女とガゼフ

 

 

 王城の通路を目を吊り上げ大股で歩く者がいた。

 

 王国最強の肩書きを持つ戦士長ガゼフ・ストロノーフはここ最近は常に不機嫌であった。

 

 カルネ村から生還してからというもの貴族からの当たりが元々強かったものがさらに勢いを増し先日は自分の自宅に怪しいものがないかガサ入れで貴族の私兵を向かわせる事件が起きた。

 

 その時は雇っている老夫婦が家に立て籠り王が急ぎ使者を伴って兵を向かわせてくれたので事なきを得たが、もし侵入されていればあることないこと証拠を挙げられ、今王国で蔓延るライラの粉末など出てきたと言われれば今の地位を取り上げられ路頭に迷うはめになっていたかもしれない。

 

「くそっ!忌々しい貴族どもめ・・・」

 

 人目のないところで悪態をつくがそれでも怒りは治まらない。

 

 彼がこれだけ怒るのには他にもある。カルネ村での特殊部隊に襲撃された事を証明するたしかな証拠と捕虜も突きだしたのに翌日にはそのものたちは姿を消し、証拠もどこぞの兵士が不慮の事故で失くしてしまったというのだ。

 

 それだけではない。自分たちを助けてくれた恩人たちの存在さえやつらは認めようとしなかったのだ。彼らの事は少し話を信じやすいよう魔術師と神官の旅人として報告をしたが夢物語だとして一蹴した上に小バカにしてきたのだ。

 

 ・・・彼女の事を夢だの妄想呼ばわりされ嘲笑う貴族たちを見たときはその首を六光連斬でまとめて跳ねてやろうかと考えた。

 

 そんな自分の不穏な空気を察してかすぐ王が信じようとおっしゃってくれた上もしこの王国に来るようならいつでも歓迎しようと約束してくれたため凶行に走らずにすんだ。

 

 のちに二人っきりになったときに落ち着くよう咎められたが、お前がそこまで信頼する者たちに会いたいものだと言ったあと特に反応したヴァルキュリア殿には是非にと含みのある笑みを見せられた時は今まで感じたことのない感情に支配されそうになった。

 

(いかん。おさまったはずが・・・鍛練でもするか)

 

 ガゼフは首を横に振ると王城にある兵士が集まる鍛練場所を目指す。今日もあの若い騎士がいれば鍛えてやるのもいいなと最近目にかけている騎士を考えながら。

 

 

 

 

「よし、ここまでだ」

 

「ハァ、ハァ、あ、ありがとうございました!」

 

 あまり息があがっていないガゼフに比べて荒い呼吸を繰り返す目の前の少年はお世辞にも剣の才能はないが努力だけでそこいらの貴族生まれの騎士よりも実力と根性を持っている。

 

 ガゼフに言わせれば2番目の根性こそ必要なものだと考える。そこから努力して辛い鍛練を行い実戦を生き延びてこそ戦士としての才能を開花させた。本人がそうだったからこその持論である。

 

「立てるか?」

 

「も、もちろんです。ガゼフ殿」

 

「ガゼフ隊長ここにおられましたか」

 

 手を差し出し起き上がるのを助けているとそこに飛び込んでくる我が戦士団の副隊長セイランが姿を現した。

 

「どうしたセイラン?何か王からの指令か?」

 

「いえ・・・」

 

「あの席を外しましょうか?」

 

「なに違うなら構うまい。何があった?」

 

「はっ、先ほど王都の正面兵舎でレイナ・ヴァルキュリア殿が隊長を訪ねてこられたので自宅に方に案内してきました。隊長が戻るのをおまちしていただくよう伝えています」

 

「な、・・・それは本当か?」

 

「はい。しっかり本人と確認はとれています」

 

 少年クライムを気にしてか言葉を渋るセイランにガゼフは気にせず話すように言えば彼は敬礼で答え報告する。それにガゼフは思わず声を出しそうになるのを抑え念のため問い返せば是とした。

 

「そうか!では待たせるのも悪い。すでに王からは対応を任されている。一言申してから今日は失礼しよう」

 

「では、不躾ながら私がそれを伝えましょう。隊長は準備が終わり次第帰宅された方がよろしいかと」

 

「ん?しかしだな・・・」

 

「なに貴族の妨げなど慣れたものです。これまで副隊長を務めて来たのは伊達ではありませんよ」

 

 セイランの進言に今度はガゼフが渋るも彼の言葉に笑みを浮かべ信じることにした。

 

「では任せたぞ。セイラン。私は城にいる部下たちに用件を伝えればすぐに向かうつもりだ。もしかしたら明日かの恩人を城に招くかもしれないことを王に伝えてくれるか?」

 

「はっ、お任せを!」

 

 そうして敬礼を返してセイランは王の元へ向かっていった。

 

「では私はここで失礼する。次の鍛練はいつになるかわからんが腕は磨いておけよ」

 

「はっ、はい。私のことは気にせず。今日はありがとうございました!」

 

「うむ」

 

 少し嬉しそうに背を向けるガゼフを少年騎士クライムは見えなくなるまで見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(あんな嬉しそうなガゼフ殿は始めてみるかもしれない)

 

 残りの鍛練を終えたクライムは汗を流したあと王女より承った鎧に腕を通し彼女がいつもいる部屋を訪ねるべく王城を歩いていた。

 

 思い出しているのは先程別れたばかりの師匠ともいうべきガゼフ戦士長の事。たしか王の命でこの国周辺の村を荒らす賊の調査と討伐を受けていたときに予想以上の規模だったため命が危なかったところを助けてもらったという話しだったか。

 

 あの戦士長が危ないところを助けた上、その時襲われていた村を誰一人死なせず救ったというのだから英雄たらん人物なのだとクライムはまだ見ぬ英雄に焦がれ、いつか自分もと奮起する。

 

 そうして向かった先は自分の恩人であり、今は護るべき主であるリ・エスティーゼ王国第三王女ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフの部屋だった。

 

 ノックをして名を名乗れば、どうぞという返事がきたので中に入る。そこにはラナーは勿論この場にはマダマイタントのチームとして有名な蒼の薔薇(あお ばら)の面々が座していた。

 

 一人は一見男とも見える大柄な女性で大きな戦鎚を使う戦士ガガーラン。クライムをからかう事の多い彼女だが姉御肌で面倒見はよく鍛練のアドバイスを授けてくれる。

 

 女性として小柄で瓜二つな双子であり、あまり聞かない忍者であるティアとティナ。ティアは以前ラナーに変なことを吹き込もうとして出禁をくらっていたがもうしないと誓ったので大事な話でもあるので参加。

 

 仮面をつけてフードを被る先程の双子より小柄で年端もいかない少女に見える。また名前も本名ではないだろうが魔術師として名を馳せるイビルアイ。

 

 そんな難癖ある全員を束ねるリーダーであり、王国では六大貴族に生まれであるラキュース・アルベイン・デイル・アインドラが優雅に紅茶を飲んでいた。

 

「あら、クライムはいつも鍛練に精が出るわね。少し逞しくなったかしら?」

 

「はっ、今日もガゼフ殿に鍛えてもらえたのでそのためかと。王国最強の方を見れるだけでも幸運なのに鍛練までつけてもらえて日々恐縮するばかりです」

 

「ふふ、あの人が師匠じゃなかなかついていけないのではないかしら?」

 

 元平民という肩書きのクライムに対しても見下げることもせず、対等に話すその姿は晩年の貴族らしさはないが気品に満ちており。ラナー一筋のクライムさえドキリとするほど美しく思えた。

 

「いえ、こちらが力不足なところをいい加減で調整してくれているのか。体が動かないということはありませんね」

 

「なるほど。さすが戦士長というところかしら?今度私もお願いしようかな」

 

「ちょっとラキュース。わたくしのクライムですわよ!2人だけで話さないでくれる?」

 

 そこへ待ったをかけたのはラナー王女その人である。頬を膨らませ眼を吊り上げて私怒ってます!といっている彼女だが生憎迫力に欠けるものであった。

 

「そうだぜラキュース。そいつの初めては俺が狙っているんだ。抜け駆けは無しだぜ?」

 

「あと少し若ければ私がもらっていた・・・おしい」

 

「鬼ボスも2人の関係が羨ましくなった?私ならいつでもウェルカム」

 

「リーダーまでそんなんじゃこの先蒼薔薇の先行きは不安だな」

 

 それに続いて混じってきたのは蒼の薔薇の面々である。各々が好き勝手発言しそれに異議を唱えるにがいつもの光景だったが今回は違った。

 

「ふふ、このままクライム君が立派な騎士になったらそれもいいかもね?」

 

「「「「「!?」」」」」

 

 ラキュースの反応に驚愕を返したのも彼女らだった。真っ赤になったクライムも含めて驚きを隠せていない。普段は笑顔でいるラナーさえピクリと眉をひそめて一瞬瞳からハイライトが消えた気がした。

 

「なっ、本気なのかよラキュース!」

 

「今生一番驚いた・・・」

 

「これは今日は世界の終わり?まだ理想の男の子には出会えてないのに・・・」

 

「いったい何が・・・」

 

「・・・・・ラキュース?」

 

 みんながみんな思わぬ反撃に面食らっていると彼女はもう一度紅茶を飲むとクスクス笑う。

 

「冗談よ。クライム君にはラナーがいるし奪うなんてしないわよ?いつもみんながからかってくるからその意趣返し!いや、我ながらうまく言ったわね!」

 

 その言葉に一番安心したのはクライム本人である。ホッと息を吐く彼だがここで疑問を抱く。普段彼女は仲間にリーダー故か弄ばれそれに慌てるのが彼女の反応だ。

 

 しかし今回は違った。それが気になったクライムは羞恥を受けたこともあり普段は崩さない口調をやめ聞いてみた。それでも礼節を重んじるのはクライムの性格か。

 

「アインドラ殿にしては珍しいですよね?普段はその・・・謙虚で冗談だの言わないのに」

 

「ちょっと言い方が気になるけど・・・まぁいいわ。あとラキュースでいいわよ?」

 

「確かにな。今日はなんか機嫌もいいし何かいいことでもあったか?」

 

「鬼ボスがここまで機嫌がいいなんて・・・」

 

「いったい何が・・・」

 

「いや、落ち着けティア。・・・まさかラキュース。今エ・ランテルで噂になってる白銀の女神の件か?」

 

 一人だけあまりのショックで同じことを言っているのを止めたイビルアイが全員が疑問を言うなか核心をつく。それにラキュースは頷いて答えた。

 

「よくわかったわね?噂だけど従来の回復魔法でそれ以上の効果を出したらしいわ。それに戦士としての腕も立つとか是非会って話を窺いたいわ!」

 

「あ~エ・ランテルを救ったもう片方の英雄の話だったか」

 

「女神ということは相当美人・・・会いたくなった」

 

 キラキラした瞳でテーブルに身を乗り出して話し始めたラキュースの言葉にその場にいる全員が興味を抱いた。一人違う意味で興味が出たようだが・・・

 

「ふん。最近やたら鍛練に力をいれ始めたのはそれか?しかし話しには尾ひれがつくものだ。その者がお前以上の使い手とは限らんぞ?」

 

「あら、それでも違う視点から意見を話し合うだけでも何か新しい発見があるかもしれないわ。その時に自分が未熟のために活かせないと先駆者として締まらないのは嫌だもの」

 

 浮かれるラキュースにイビルアイが水をさすが彼女は優雅に紅茶をテーブルに戻し笑う。自分がさらに上にいくために励むその姿はクライムが憧れる英雄と呼ばれる者にふさわしいものであった。

 

 

 

 

 

 

 いつもは王城に籠っているため久しぶりに帰る自分の家を目の前にしてガゼフは自分が予想以上に緊張していることに気付いて困惑する。

 

(自分の家に帰るだけなのになぜこうも心臓が高鳴る?)

 

 先日の貴族派の横暴から用心して決めていたノックの回数と仕方をすれば扉が開き老夫婦が迎えてくれた。同時に家の中から漂ってくる美味しそうな匂いにお腹が鳴り、そう言えば丁度夕食の時間である事も思い出す。

 

 老夫婦が作る料理は健康を意識してか薄味でガゼフとしては思うところがあるが空腹の今ならそれでも美味しく食べれるだろうと老夫婦より先にキッチンのある食事場に向かえば。

 

「お帰り。お邪魔しているわよ」

 

 そこには料理がしやすいようエプロンを着けた大恩人であるレイナ・ヴァルキュリアが鍋をお玉でまぜている姿だった。

 

戦乙女とエプロン

 

 何か変なフレーズが浮かんだ気がするが頭を振りもう一度目の前の彼女を見る。突然頭を振るガゼフに首を傾げるしぐさにドキリとする中、なぜ彼女がエプロン姿でだとか、そもそも客人がなぜ料理を作っているのかとか、疑問に思いながらもレイナの言葉に返事を返さないとと慌てる自分にガゼフは混乱する。

 

「こ、これはヴァルキュリア殿。遠路はるばる王国にきていただいたばかりかこのようなことまで。彼らにはよく接待するようにいっていたのですが・・・」

 

「なに、夕食の準備をしているときいて覗いてみれば調味料が切れていたらしくてね。買いにいこうにも市場はもうたたんでいるだろうしで困っていた2人に私が提案したのよ。それに気にすることはないわよ?これは昨日の余り物だからね」

 

 それになにかあって思い通りに買い物も出来なかったのでしょう?と先日の貴族がらみを指摘されてガゼフはその通りだと思う。備蓄はあるがそこに普段使う調味料がなかったのだろう。

 

 客に出すのに不出来な料理は作れない。こんなところで影響が出てくるなど想像していなかったことにガゼフの拳が強く握られる。

 

「それにここに来るまでに露店でいい豚肉が手に入ってね。折角だからご馳走しようかと思って、もうすぐできるからみんなで食べましょう?」

 

「豚肉・・・ですか」

 

 見れば鍋の横にもうひとつ横に広い鍋があり、そこには黄色い液体が火にかけられている状態だ。

 

 ガゼフの視線にレイナは気付き補足する。

 

「この国にあるかわからないけど私の国では揚げ物というのを作るのに必要な液体なの。油ていうのだけど知らない人がみれば驚くかもしれないけどね。まぁ見ていなさい」

 

 レイナは作業台スペースに置いていた大皿にのせた白い塊を持ってくる。どうやらそれが豚肉で何かに包まれているようである。

 

 それをレイナが油の中に滑らすように入れれば爆発したかのような音と共に泡が弾けていた。続けて2~3こ入れる。パチパチといういい音が続くとなにか先程とは違う香ばしい匂いが漂ってくる。

 

 思わずゴクリと唾を飲めば彼女は笑みを浮かべた。その笑みに見惚れていればもうそろそろねと浮かび上がってきたそれをトングで取り出したきつね色になったトンカツをレイナは余分な油をとってまな板の上にのせ真ん中でカットした。

 

 ザクッというこぎみ良い音もあって注目すればその綺麗な断面から流れる肉汁に早く食べたいという思いが強くなるのをガゼフは感じた。

 

 レイナはそれを5等分にカットしてお皿に盛られた白いものの上にのせ、鍋の中にある中身をかけた。それはお世辞にもいい色とは言えなかったが今この場に流れる匂いで全く不快にはならず、異国の料理だということにさらに興味が増すことになった。

 

「冷めると美味しくないから先に食べていてもいいわよ?」

 

 そう言って差し出されたカツカレーは受けとったガゼフの食欲を刺激する。

 

(いかん!客人を・・・さらに言えば恩人を放って先に食事にするなど!示しがつかん!!なにこれは逃げないのだから少しくらい待てる!)

 

「いえ、さすがにそれは。皆の準備ができるのを待ちますよ」

 

 表情は平静を保ちながらギリギリ踏みとどまったガゼフは席に向かう。

 

「そう?じゃあさっさと作りますか。エンリにシオンそっちは順調?」

 

「ええ、サラダですし問題ありませんよ」

 

「はい、もう人数分はできました」

 

 レイナの呼び掛けに手伝っていた少年少女が返事をすると、てきぱきとテーブルにサラダと飲み物を整えていく。

 

「それが終わったらこっちに来て盛り付け手伝ってくれる?」

 

「「お安いご用です(よ)」」

 

 それからはレイナはトンカツをあげるのに注視し、エンリがカットとご飯にのせる。シオンがそれにカレールーをかけることで完成し、ガゼフもそれほど待つことなく全員分が揃った。

 

 老夫婦はさすがにカツは年齢的にきついためかなく、1日寝かせることでマイルドになったルーも小分けした鍋の方で甘めにしている。家政婦として部屋は別室だが最後までレイナに感謝していた。

 

 そうして満席になることのない大きめのテーブルには6人分の食卓が並んでいた。ガゼフは残り2つの席が気になったがレイナがエンリに2人を起こすように言えばまだ連れがいることに気付く。

 

 ほどなくして現れたのは2人の男女。その一人に見覚えのある顔がいることに彼は驚愕する。

 

「なっ、ブ、ブレイン・アングラウスか?」

 

「よう、ガゼフ久しぶりだな。話したいことは色々あるが今は腹ごしらえだ。腹が減っていてそれどころじゃないぜ」

 

「自己紹介もあとでいい?私もこの匂いでさっきからお腹が鳴りやまないよぉ~」

 

「あ、ああそうだな。そこのお嬢さんのいう通りまずは腹ごしらえだ。何を隠そう私もそろそろ我慢の限界だ」

 

「そうね。ではみんなでいただきましょう」

 

「「「「「いただきます」」」」」

 

「ん、い、いただきます」

 

 5人が揃って両手を合わせ言うものだからガゼフもそれがなにか知らぬまま同様に行い。皆が食べ始めたのでいつもは絶対に食べれない肉の塊に贅沢を感じながら早速ルーのかかった切り別れた豚カツという物をフォークで突き刺し噛み締める。

 

「う、うまい!!」

 

 サクッとした食感とルーによってしんなりした部分がうまいこと噛み合いこの豚肉だけでも飯が進みそうである。余りの旨さに慌てて、その下にある白いものもフォークからスプーンに持ちかえて掬いルーに絡めて口に含めれば衝撃が突き抜けた。

 

 トンカツとカレールー、白いご飯が織り成す三位一体の攻勢(ジェットストリーム・アタック)にガゼフは培ってきた防御全てを吹き飛ばされたような感覚を受けた。

 

 先日食べたばかりであった周りは最初食べたときよりも深みがあることに気付き、同じものでありながらもただ一つ加えるだけで楽しめる事に驚いていた。いつもはエンリの暴走を止めるシオンまでもカツカレーの魅力の前にはテンション高くいつもより早く手が動いている。

 

「あ」

 

 そうして一番早く食べ終えたのはガゼフで思わず声を出すとレイナがいつの間にかもうひとつの皿にカツカレーをのせて目の前に差し出していた。

 

「おかわりもあるわよ?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「是非!!」

 

 レイナの問いに考えるまでもなく、ガゼフはそう答えるとおかわりを受け取り掻き込むのだった。

 

 

 

 

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