LoveLive! Anotherstory 作:神崎あやめ
私の名前は高海千歌!カントーエリアの沼津に住む16歳。今日は沼津にあるカントーエリア管轄の浦の星騎士学院第二課程の始業式のために学院に来ています。周りを見るとたくさんの同級生が…ということもなく、わずか50人ほどしかいないんですが……。とはいえ、この学院にいる生徒には皆それぞれ目指している目標があります。それは現日本最強の呼び声高い騎士団、『μ's』の面々です。団長であり、『
「進級試験の時に晴れてたらな〜。というかよりによって実技が屋内だなんて〜」
「そうだね。もし晴れてる屋外で実技をやったら千歌ちゃんが圧倒的だったよ!」
そう、私は自分の持つ異能によって力を制限していたので進級試験で思うような結果が出せなかったのです。そんな私を励ましてくれているのが、
「でも曜ちゃんはすごいや!首席で進級したもんね!」
「まあ本気を出してない千歌ちゃんに勝っても全然嬉しくないんだけどね…」
そう言って謙遜しているけど本気で戦っても多分負けるであろう私の幼馴染の渡辺曜ちゃん。曜ちゃんはμ'sの中では南ことりさんを目指しているそうなんだけど、私の中では曜ちゃんは園田海未さんみたいに強いからそっちに近くなりそうだななんて思ってみたり。
「そういえば今年は遂に擬似騎士団の結成ができるようになるんだよね!」
「そうだね。でも曜ちゃんはもう決まってるんでしょ?」
「何が?」
「一緒に組む人だよ!」
「え?千歌ちゃんと一緒に組むんじゃないの?」
「でも曜ちゃん、色んな人から誘われてたじゃん!」
「あ〜、全部断ってるよ?だって私の夢は千歌ちゃんと一緒に何かを成し遂げること、つまり千歌ちゃんと同じ騎士団で活躍することだもん!」
「曜ちゃん!…でも他のみんなはもうグループを作っちゃってるよね…」
「うん、最低でも3人は必要だもんね。後1人どうしようか?」
そう。カントーエリアでは、騎士学院の第二課程から一団3人以上の条件で擬似騎士団を作ることが認められているのです。騎士団を作ることによって、学外からの依頼にも一部出動できるようになるなどメリットも大きいこの制度なので、皆進級前に既にグループが固まってしまい、私達2人だけが取り残されてる状況だったのです。しかし、そんな私達のピンチに救世主が現れようとしていました。
「え〜、なかなかに珍しいのだが、転校生が1名入ることになった。音ノ木坂学院からだ。自己紹介を」
「はい。東京の音ノ木坂学院から来ました。桜内梨子です。よろしくお願いします」
その急な紹介にクラス内はざわつき始めた。それもそうだろう。転校生というだけでも珍しいのに、あのμ'sを輩出した音ノ木坂学院からだというのだから。でもみんなのざわつきとは裏腹に私の中ではチャンスだという思いしかなかった。
「キセキだよ〜!!ねぇ桜内さん、わたしの騎士団に入ってくれませんか?」
「ごめんなさい!私、あなたとは一緒に出来ない」
「そんな〜!?」
私の勧誘に対する桜内さんの答えは拒否だった。少しの逡巡もない拒絶とも取れる反応に、私は特に何も思わなかった、いや思えなかったけど、曜ちゃんは反応していた。
「桜内さん、いくらなんでもその言い方は酷いんじゃないかな?」
「渡辺曜さんだったかな?首席のあなたが口を出すことではないんじゃないの?」
「いや、私にも関係はある!だって私は千歌ちゃんの騎士団の団員なんだから!」
「へ〜、あなたがこんな普通の力しかないような子の下につくんだ。少しは楽しめるかと思ったけれど、つまらないわね。そんな仲良しこよししかしないような弱者の集まりなんて」
「なんだと!」
曜ちゃんが怒りを露わにしていたけれど、その怒りは私を見てすぐに鎮まっていた。
「桜内さん。私に色々言うのは構わないよ?でも、他のみんなを傷つけるのは許さない!だから、私はあなたに決闘を挑みます」
「千歌ちゃん!?」
「ふ〜ん。まあいいけど、私とあなたじゃ勝負にならないでしょうからあなたが戦う場所を決めていいわ」
「わかった。じゃあ屋外闘技場で」
「外でいいの?」
「外がいいの」
「わかったわ。でもそうね。せっかくやるんだから勝負の勝ち負けで何か賭けましょうか。私は受けてあげる側なんだもの、それくらいはいいでしょう?」
「わかった。じゃあ私が勝ったらさっきの発言は撤回して桜内さんも私の騎士団に入って」
「千歌ちゃんいいの?」
「うん、私、桜内さんは悪い人じゃないと思うから…」
「わかったわ。じゃあ私が勝ったらこの第二課程の生徒はみんな私の傘下ね」
「いいよ、その条件で。ではすみませんが先生、今日は顔合わせだけなはずなので、これが終わったら審判をお願いしてもいいですか?」
「わかった」
「じゃあ桜内さん、私は負けないから」
「ふふっ、その自信がどこから来るのかわからないけれど、一撃で仕留めるわ」
そう言うと、桜内さんは教室を去っていった。その直後、私と曜ちゃんは同級生達から詰め寄られることとなった。
「高海さん!そんな不平等なルールを受けてどうするの!」
「そうだよ!あの子はエリートしか行けないあの音ノ木坂学院の生徒なんだよ!勝てっこないじゃん!」
「みんなはさ、千歌ちゃんの能力を見たことがある?」
「無いけど、高海さんって異能は持ってないんでしょ?私達と同じで」
「あれ?千歌ちゃんってあれ見せたことないの?」
「あ〜、そういえば私この学院に入ってからずっと
「そっか。じゃあみんなは心配する必要はないよ!」
「どうして?」
「だって今日は晴れてるから!」
曜ちゃんが嬉しそうに話しているのを聞きながら、私は手鏡で自分の髪を確認していた。