→過程をしっかり書け
……これは責任とって失踪するしかねぇな!と思ったので初投稿です
ボツネタ第二弾です
※本編とは繋がってないので注意
緊急時の時。
主に災害を報らせる時や緊急自動車が緊急走行の際にサイレンを鳴らすのが規定となっている。
サイレンの音が重大事案や緊急事案を周囲の人々へ報せる役割を持っており、避難や緊急自動車が通行する為の道空けを促す役割も持っている。
一昔前は空襲を報せる役割を担ってもいたとか。
もっとも、空襲を探知するレーダーの不足や通信設備などの不備によって上手く機能してない、なんで話もあるのだが。
空襲警報は聞いた事がなくとも、パトカーや救急車のサイレンを聞いた事がない者はほぼほぼいないのではなかろうか。
自動車を運転していれば「道を譲ろう」と思う筈だし、近くでサイレンが鳴り響けば何かあったと思う筈だろう。
サイレンはただの音にすぎず。
されど、その音には意味がある。
その意味を我々市民が理解してこそ、サイレンは初めてその役割を果たす事ができる。
逆を言えば。
サイレンの音の意味を理解していなければ、サイレンなど頭に響くただの煩い音にすぎない。
いわば一種の言語とも言えるのではなかろうか。
理解する事ができれば、相手の伝えたい内容を把握する事が出来るが、理解できなければ相手の伝えたい内容など分かるはずもない。
英語で道を聞かれても、英語が理解できなければそもそも何を聞かれているのか分からないように。
もっとも、言葉は通じても話は通じないなんて馬鹿げた話もあるので、ただ理解しても意味があるのか知らないが。
閑話休題。
現在、ノイズの発生を知らせるサイレンが鳴り響いているが、どうやら彼女──雪音クリスはこのサイレンの音を理解していないようで、周りの逃げ惑う人々を見て困惑している。
ノイズとは俺らが生まれる遥か前から存在していたもので、ある意味生活の一部と言っても過言ではないレベルで馴染んでいるはずなのだが、何故、雪音クリスはコレが分からないのだろうか。
ノイズの存在を知らなかった? いや、それは常識知らずにも程がある。ノイズは知ってないと恥ずかしいものではなく、知ってなくてはいけないものだ。
ノイズの発生しない地域で育った? そんな場所は一体何処にあるのだろうか。南極や北極、もしくは月とか?
どちらにせよ、ノイズが近くで発生した今、その事を彼女に一から説明している暇は勿論無いので連れて逃げるしかない。
まぁ、おおよそあのよく分からない姿が関係しているのだろう。
幸い、おじさんもいるから、避難先でおじさんに任せて俺はノイズに殲滅でもすればいい。
「おい、一体なんの騒ぎだ」
「なにって、ノイズだよノイズ!? ほら、早く逃げないと!」
おじさんがノイズであると知らせると同時にクリスは俯き、避難所へ向かう人々の流れに逆らうようにその中を突っ走っていった。
その行動に驚いたのか、おじさんは目を見開いてパニックになってる。
無理もないか。
普通であれば逃げるはずなのに、何故かノイズの方へと向かっていってしまったのだ。
言うなれば、津波が来たと皆が逃げてる中、一人津波に向かって走っているようなものだ。
おじさんがパニックになるのも分かる。
が、おじさんにまで奇想天外な行動をされるのは俺が困る。
ここから避難所までの距離は、走れば五分。
全力で走れば数分。
人混みで多少なりとも時間は左右するだろうが、ノイズの気配からして十分間に合う範囲だ。
たが、もし仮におじさんがクリスを助けに向かった場合はそうではない。
彼女がノイズの群れへと走って行ったことから、おそらく……いや、確実にノイズに囲まれることとなる。
クリスだけなら何とかなるかもしれない。
俺がオーマジオウの力を使えば多分平気だ。
でも。
わざわざそんな危険な場所におじさんを連れて行くわけにはいかない。
「は、早くクリスちゃんを助けないと!」
「おじさんストップ」
駆け出そうとしたおじさんの手を取って、それを直前で制止する。
勢いがあったのか、おじさんの足が一瞬だけ宙に浮いた。
少しオーバーリアクション気味なおじさんに、漫画なら声と同時に喉から心臓が出ていただろうかなんて場違いな考えが思い浮かぶ。
「なんで止めるの総悟くん! クリスちゃんが!!」
おじさんが言いたいことも分かる。
おじさんにとって、まだ会って少しのクリスでも見捨てられないのだろう。
例え、自分の命が危険に晒されようとも。
そこがおじさんの良いところだ。
俺がおじさんが大好きな理由だ。
でも、それでも。
俺はおじさんに危険な目にあって欲しくない、というのは我儘だろうか。
「わかってる。おじさんは先に避難所に行ってて。俺がクリスを迎えに行くから」
「でも……」
「大丈夫。俺の足が速いことは、おじさんが一番分かってるでしょ?」
思い詰めた表情になるおじさん。
ごめん、ごめんねおじさん。
させたくない選択をさせて。
でも、それ以上に、俺は……。
家族を失いたくない。
「……わかった。でも約束して、絶対クリスちゃんと帰ってくるって」
「うん、約束する。絶対帰るよ」
俺の言葉を聞いて、おじさんは避難所の方へと走り出す。
そっちの方からはノイズの気配は感じないし、おそらく大丈夫だろう。
問題はクリスの方。
彼女達の纏う鎧はノイズに対して人類唯一の矛たり得るモノであるが、それは決して無敵な訳じゃない。
一般人のように一瞬で炭素の塊にならないだけでダメージは負うし、攻撃を喰らい続ければいずれやられる。
クリスの状態は万全とは言い難いく、裏路地で倒れていたくらいだ、きっと体力だって回復してないだろう。
そんな状態で戦えば、予知などしなくても結果は見えて来る。
「俺も急がないと」
────新たなノイズの気配。
それも、ある一箇所から集中的に出現している。
まるで、人為的にやっているような。
そんな事ができるのは当然……
「
―――――――――――――――――――
初めて雪音クリスと出会ったのは、戦いの場であった。
完全聖遺物と呼ばれる物を身につけた彼女は、オーマジオウである俺を狙ってノイズと共にやってきた。
初めは杖のような物でノイズを次々と出す彼女を黒幕かと思っていたが、年齢、知識、何より人気の無い場所で必ず襲って来ることから黒幕ではなく黒幕の手下だという事がすぐに分かった。
こちらが人気の無い場所で待ち構えていたのだから、彼女が人気の無い場所で戦うのは当然ではあるのだが、どんなに追い込まれようとも人質を取るなどといった戦法はしなかった。
もし彼女が黒幕であったのなら、市民の百人や二百人、軽く盾にでもしていた事だろう。
クリスを何度か様子見を兼ねて倒すのではなく撃退した後、夜の公園で初めて彼女と戦場以外で出会った。
当然、クリスは俺がオーマジオウだと看破しなかったけど。
彼女曰く、迷子になった兄妹の父親を探すのだと。
当初は兄妹に何かするんじゃないかと邪推してしまったが、そのようなことは一切なく、父親探しをしていた。
その兄弟に対して向ける慈愛の瞳は、およそ戦場で見た彼女の印象からは程遠いものだった。
彼女に再び出会ったのは後日。
夜、ノイズの反応を追って裏路地に行ってみればそこには既にノイズなどいなく、代わりに傷だらけで倒れていたクリスの姿があった。
そのまま放置、というわけにもいかず成り行きで自宅へ連れ帰ることに。
女子……それも傷だらけの子を連れ帰ったということでおじさんはてんやわんやの大騒ぎだったけど、なんとか納得してもらってついでに治療もしてもらった。
クリスが目を覚ました時に何があったのかを聞いてみると
「たった一人理解してくれると思った人に、捨てられたんだよ。道具の様に扱うばかりで、結局……」
一般人であると思ってか、細部は省かれていたが多分、黒幕に用無しとされたのだろう。
大方、オーマジオウに対する捨て駒扱いしようとしたが、それすらできなかった……そんなところだろう。
そこで初めて、俺は彼女の名前を知った。
雪音クリスは少し尖ってはいるが、根は優しい人だった。
あの迷子だった兄妹の件然り、俺がおじさんに対して隠し事してる事を相談すると、ぶっきらぼうながらもアドバイスをくれた。
多分、他者を放って置けない、そんな性格なんだろう。
「なぁ、お前夢ってあるか?」
「え?」
「私の夢は戦争を無くす事だ。パパもママも戦争に巻き込まれて死んじまった。あたしだって戦争なんかする汚い大人達のせいで……だからあたしは」
戦うんだ。そうクリスは言った。
その言葉から嘘は感じられなかった。
もし嘘であったなら、プロも顔負けの演技力だと言わざるを得ない。
冗談はさておき、彼女の夢は尊いものだ。
方法は間違っていたのかもしれない、でも、まだ引き返せないところじゃない。
今が全部じゃない。何度だってやり直せる。
だから俺は。
―――――――――――――――――――
商店街。
その奥、ノイズの大群に囲まれた雪音クリスの姿があった。
人混みから敢えて反対の方へ来た彼女は、自らを囮にしてノイズを迎撃しようとしたまではよかったが、体調不良のせいかシンフォギアを起動しようと聖詠を口ずさもうとしたところで咽せてしまい、シンフォギアを纏うことが出来ずにいた。
その隙をノイズが待ってくれるはずもなく、槍状へと変化したノイズ達が次々と襲い掛かる。
何とか躱してはいたが次第追い込まれ、その身にノイズが触れようとした瞬間……
「クリス!!」
彼女の体に衝撃が走り、突き飛ばされる。
彼女のいた場所へ視線を向けると、
「……バカ! お前、なんで!?」
「クリス、逃げ」
クリスの代わりにノイズの槍に貫かれた常磐総悟の姿があった。
クリスはその手を伸ばすも虚しく、次第にその姿は炭素の塊へと変化させられ、最後には塵となって消え失せた。
ノイズに触れられた者は、例外なく炭素の塊になる。
この時だけ、その法則が崩れ去るなんて事はあり得ない。
彼だったものは風に流され、もはや彼がここにいたという証は消え去った。
「なんで……なんであたしなんかを庇って……」
「あら、クリス。まだ生きていたのね」
コツコツ、と、ノイズの群れを分けて歩いて来たのは櫻井了子、ではなく先史文明の巫女の亡霊たるフィーネ。
その手には、クリスの歌で起動させた完全聖遺物であるソロモンの杖。
フィーネが手に持つ杖が何なのか、それは自身の歌で起動させたクリス自身が分からない理由が無い。
ノイズを召喚し、72のコマンドを用いてこれを使役するソレは、機能通り周囲のノイズを使役することに成功していた。
周囲のノイズを待機させ、クリスの前に立つフィーネ。
そんな彼女に対し、クリスは叫ばずにはいられなかった。
「なんで、なんで関係のない奴を巻き込んだ!? 関係のない奴を巻き込むんじゃねぇ!」
「別に関係なくないわよ? 貴女は私から逃げて、あのボウヤは貴女を匿った……ほら、よーく考えて見ればボウヤも関係者よ」
大量のノイズを侍らせたフィーネの言葉に一瞬だけ逡巡する。
確かにクリスを匿ったことは事実だ。
しかし、だからといってそれだけで関係者に成り得るのか。
仮に少しでも交流を持った人物が関係者になるのだとしたら、現状のノイズの被害を拡大させているのは自分なのではないか……。
「貴女が潔く消えてくれれば、いえ、最初から私の言う通りにしていればこんな面倒な事をしないで済んだものの」
苛立ちを含んだ言葉。
クリスを見ているようで、その実、クリスの事など石ころの様にしか認識していない鋭い視線。
「あのボウヤも気の毒ね。貴女のせいで──」
「いや、俺の選択だ。クリスのせいなんかじゃないよ」
「っ!?」
言葉を遮ったのは、常磐総悟の声。
ありえない、たった今死んだはずの、聞こえるはずのない声に、フィーネ、及びクリスも驚きを隠せない。
周囲を見渡す。
けれど、何処にもその姿は見当たらず、どういうことかと更に困惑する。
幻聴か? と一瞬フィーネの頭に過ぎったが、目の前のクリスもまた周囲を見渡してる時点でそれはない。
ならば一体どういうことか。
フィーネとクリスの間にこの場に似つかわしい物が出現する。
まるで土管のような異物。
その異物が現れると同時に、周囲に侍らせていたノイズ達が一斉にまるで初めからその場にいなかったの如く消滅する。
ソロモンの杖で命令したわけでもなく、シンフォギアによる攻撃でもない。
こんな芸当が出来るのは、フィーネが知るなかでただ一人。
「まさか、まさかまさかまさか……!」
土管の中から常磐総悟が現れる。
そして、その姿は変身し、
「やはり貴様か……オーマジオウ!!」
「フィーネェェェエエ!!」
\テッテレテッテッテー/
これがやりたかったけど、これだとラスボス(フィーネ)直行ルートなので、ボツに
オーマジオウならコンテニューできるんじゃね?という安直な発想
なんなら、リセットして残機無限もワンチャンありなのではとか妄想してる
一応長く書いていきたいなと思ってるので、直行ルートはなんだかなと思ってやめました
この世界だとおじさん生き残ってます(重要)
ボツネタ達は基本、こんな感じにしてこう的な箇条書きされてる奴らなので戦闘シーンはほぼないのだ
戦闘シーンて書くのめっちゃ大変だし、頭が疲れるのよねアレ
なので本編以外だと基本カットしてある
え、本編は戦闘シーンが濃密なのかって?
……さぁ?
前回の感想とか見てて、こういうクロス系では展開を慎重にしないとな……と実感した
そう、実感しただけ。実感したところで自分は基本書きたいように書いてくスタイルなので、これからもこんな感じで多分変わんない
感想は批判だろうが応援だろうが質問だろうがなんでもござれ
高評価も待ってるよ(ニッコリ)
そんなこんなでフリーダムな私ですが、そんなんでもよければ次回も気長にお待ち下さいな
ちなみに、次回から本編戻ります