旧約:とある戦士達の黙示録   作:一条和馬

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全力全開対決! スターズvsライトニング(後編)

一方、スバルとシグナムは……

 

 

「くっ……」

 

 

 ガキンッ!

 

 エリオの小柄な体型から繰り出される変則的な動きに振り回されていた

 

(わかってはいたけど、スピードはエリオに分があるか……でもっ!)

 

 

 一度、数メートル後退するスバル

 

 

「私も、同じなのはさんの教え子として、負けるわけにはいかないよっ!」

 

 

 キュルルル! と、マッハキャリバーが地を削り進み出す

 

 

「たぁぁぁ!」

 

 スバルの右拳がエリオに向かって突き付けられる

 

 

「…ッ!」

 フェイトから教わった高速移動でそれを回避するエリオ

 

しかし、

 

「甘いぞっ!」

 

 

 彼の移動先には、レバンティンを上段に構えたシグナムが待ち構えていた

 

 

「!?」

「これで終わらせるっ!」

 

 レバンティンとストラーダ、双方の刃が交じる

 

 

「くぅ!」

「…………」

 

 ジリジリとつばぜり合いが続く

 

 

 

 

 

(…………フフッ……私とした事が……熱くなりすぎて、肝心な事を忘れていたな……)

 

 

 ふと、そう考えたシグナムは、つばぜり合いの中、わざと身を退いた

 

「…………」

 

 

 一瞬困惑の表情を見せた様に見えたエリオだったが、次の一瞬で、攻撃の体制に入っていた

 

 

(テスタロッサ達を助けたい……その事ばかり考え、剣を振っていた……これでは助けられる仲間も助けられんな)

 

 

 そんな中、エリオのストラーダは縦に振りかざされ、シグナムを襲うとしていた

 

 

 だが、シグナムは、まるで流水の様なしなやかさでエリオの攻撃を回避した

 エリオの体勢が一瞬崩れる

 

 

 

「スバル! 今だ!」

「了解っ!」

「!?」

 

 

 エリオが気付いた時には、スバルは既に彼の懐に入っていた

 

 

(ギン姉の時と同じ……今度はエリオをこれで助けてみせるっ!)

 

「いくよっ! マッハキャリバー!!」

『了解、相棒』

「一撃ッ! 必倒ッ!!」

 

 

 左手から現れた魔力球を、エリオの腹の前に配置するスバル

 

「ディバイィィン……バスタァァァァァ!!」

 

 

 轟! と、エリオは青い色の魔力の零距離砲撃を受けた………まさしく、J・S事件中に拐われ、敵の尖兵にされたスバルの姉、ギンガ・ナカジマに放たれたディバインバスターと同じ物であった

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ヴィータ達は……

 

 

 

「ティアナ! アタシに構うな! 流れ弾が当たっても仕方ねぇくらいばらまけ!!」

「これで堕ちても文句言わないでくださいよ!」

「言ってろタコ!」

 

 

 ダンダンダンと連続して魔力弾を放つティアナ

 

「うぉぉぉ!」

 

 

 そして魔力弾達の先陣をきり、キャロの方へ飛ぶ鉄槌の騎士ヴィータ

 

 

「…………ッ」

 

 

 防御と回避を交互に使い被弾しなかったキャロも、そろそろ限界が近かった

 

 

「ラケェェェテン……ハンマァァァァ!!」

 ヴィータは変形したアイゼンと共に、回転しながらキャロの懐へ近寄った

「……ッ!」

 

 

 短距離の転移でギリギリラケーテンハンマーを回避するキャロ

 

 

「甘いわね!」

 

 

 

 

 魔力弾をばらまいていたティアナは、勝利を確信していた

 

 

「そういうこった! アタシがティアナに適当に振り撒いとけと言ったのは、この為だぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 高速で飛んでいたティアナの魔力弾の一つを、アイゼンでぶん殴るヴィータ

 方向転換した魔力弾は、ヴィータが殴った事もあり、更に加速し、そのままキャロの体に直撃した

 

 

 

「ッ!!」

「今だ! ティアナ!」

「クロスミラージュ!! やってやるわよ!」

『了解!』

 ティアナの掛け声と共に、クロスミラージュから、短い魔力の刃が現れた

 

 

「これでっ! 終わりっ!!」

 

 

 シャキーン!! という音の後、魔力だけを削られたキャロは、その場に倒れこんだ。

 

 

 

 

 

 

───────────

──────────

─────────

 

 

 

 エリオ、キャロと、ライトニング分隊の面々が次々にダウンしていく中、なのはとフェイトの戦いは、更にヒートアップしていた

 

 

 

 両者退かない攻防戦。

 それはまるで、十年前にとあるロストロギアを賭け戦っていた彼女らとなんらかわりなかった

 

 

 機械の様な冷たい瞳の金髪の女性と、目の前の友達を助けたいと願う、茶髪の女性………彼女らは、再び“敵”同士になっていた

 

 

 

「…………」

 

 

 無表情のフェイトの一閃がなのはを襲う

 対してなのはも大きく弧を描き回避するが、流石に自分と同レベルの相手との長期戦に、疲労を隠せずにいた

 

 肩で呼吸する程体力が削がれている中でも、なのははただただフェイトの攻撃を回避か防御するしかなかった

 

 しかし、フェイトの方は疲労の表情一つ見せず、なのはに怒涛のラッシュ攻撃を繰り出していた

 

 

 

(くっ……そろそろ限界かも……何か打開策をっ!)

 

 

 攻撃が止んだ一瞬に、大きく距離を開けるなのは

 

 

 

 

「ディバインバスタァァァァ!!」

 

 

 轟!と、長距離魔力砲が放たれる

 

 

「…………」

 

 

 フェイトは顔色一つ変えず、それを回避した

 

 

(不意討ちも当たらない……どうしたら……ん? そういえば……)

 

 

 ふと、なのははある事に気付く

 

 

 

(そうだっ!)

 

 

 何かを閃いたなのはは、念話でスバルに話し掛けた

 

 

【スバル、ちょっといい?頼みたい事があるんだけど……】

【任せて下さい!】

 

 なのはの短い説明に、スバルは快諾してくれた

 

「………よしっ」

『マスター、その案、別に構いはしませんが、少々彼を過信しすぎでは?』

「大丈夫だよ。きっと彼なら何とかしてくれる……そんな気がするんだ……」

 

 

ガチッ! っとレイジングハートを構え直すなのは

 

 

「レイジングハートッ! アレ試すよ!」

『了解』

 

レイジングハートが待機モードに戻り、ネックレスとしてなのはの首にぶら下げられた

 

 

「私はお兄ちゃんたち程、接近戦は得意じゃないけどっ!」

 

 

 バッ! っと、フェイトとの距離を縮めるなのは

 

「…………」

 

 対するフェイトは、バルディッシュを双剣に変形……自身の装備も変更し、真・ソニックフォームでなのはを迎え打とうと構えていた

 

 

(そう来ると思った! ……この魔法は、フェイトちゃんの対真・ソニックフォーム用に考えたものだからねっ!)

 

 対するように、なのはの両手から魔力で形成された両刃の剣が現れる

 

 

「勇気ある誓いの名の元にっ!」

 

 魔力剣を上段に構えるなのは

 高町なのは一等空尉は、主に遠距離魔法を主体とする航空魔導士だ。

 

 

 だが、それ以前に。

 

 

 彼女は永全不動八門一派・御神真刀流小太刀二刀術を継承する、高町家の一人だった。

 

 

 

「ダブル! リムッ! オングルッ!!」

 

 ガキィン!!と、双方の剣が激しく交わる

 

 

 

 

 

 

「くっ……うぅ!」

「………ッ!」

 

 

 

ギチギチ……と両者退かぬ鍔迫り合いをしていた時、

 

 

「なのはさん!」

 

 ウィングロードでフェイトの後方に接近していたスバルが彼女に向かって高速で走っていた

 

「今がチャンスだよスバルッ!」

「合点!!」

 拳を構え、突進するスバル

 

 

「………!」

 

 咄嗟に防御魔法を展開するフェイト

 

 その行動に、フッ……と、なのはとスバルは小さく微笑んだ

 

 

「そう来ると思ったっ!」

 

 

 そう叫んだスバルは、防御魔法、ディフェンサーのギリギリ出前でウィングロードから降りた

 

 

 

「高町! ナカジマ! 後は任せろっ!」

 

 

 スバルが降りた後、虚空からいきなり一人の男が現れた

 

 

 上条当麻だ。

 

 

 右腕の幻想殺し(イマジンブレイカー)を構える

 

 

「こんのぉぉぉ!!」

 

 

 パリン! と、上条の幻想殺しで防御魔法を叩き割り、そしてそのまま後ろを向いていたフェイトの背中をぶん殴った

 

 

「……ッ! あぐっ!」

 

 

 

 一度、フェイトの目に光が戻ったが、そのまま衝撃で気を失った……

 

 

「フェイトちゃん!」

 

 

 幻想殺しでバリアジャケットを強制的に解除されたフェイトはそのまま床に落下していった……

 

「フェイト隊長!」

 落下地点の上で待機していたスバルは落ちていくフェイトを受け止めた

 

「スバル!フェイトちゃんは!?」

「無事ですよ。なのはさん。」

「良かった……」

 

 

 ホッ……っと胸を撫で下ろすなのは

 

「しかし、短時間で無茶な作戦を思い付いたもんだな“ランスターの幻影で右手以外を見えなくして、右手を隠すついでにナカジマの後ろから接近して叩く”………」

「まぁ、これは完全に賭けに近いものだったんだけどね」

 

 

とりあえず、一息尽くスターズ分隊+α

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────

──────────

─────────

 

 

 

 なのは達がフェイト達、ライトニング分隊を救出しようと奮闘していた時、ブレイド達はイヴを相手に手を焼いていた

 

 

「ジャイルグラビテンション!」

 

 

 セトの持つ大剣が振り下ろされ、イヴが立っていた場所が轟! と音をたて沈む

 

「ッ!」

 

それを横に回避したイヴはドッペルゲンガーを用いて右腕をドリルに変形させ、距離を縮めてきた

 

 

「させるかっ! マグネティックワールド!ア ンチ! イヴゥ!!」

「!!」

 ソルヴァの特殊磁界のフラグメントにより後方に吹き飛ばされるイヴ

 

「ちっ!相手がイヴじゃあ、本気を出せねぇ!」

 アークライトに昔の仲間を殺された照山は、自らの手で仲間を傷つけるのにかなりの抵抗があった

 

 

「セト! ソルヴァ! 内田! イヴ相手に手加減するな!」

 ブレイドの硬い拳がイヴを襲う

 

 ガチィン! と、盾に変形したイヴの腕と、ブレイドの拳がぶつかった

 

「こいつにはドッペルゲンガーがある! 殺さない限り幾らでも再生出来るんだ! 手加減なんてしてたらこっちがやられるぞ!」

 

 ブレイドが間髪入れずに怒涛のラッシュ攻撃を繰り出し、イヴの動きを止める

 

 

 

 

 

 

「ディスク……イヴのあの状態、どう見る?」

 

 

 後方で待機していたインデックスがディスクに話し掛ける

 

 

「十中八九、洗脳の類と見て間違いないわね……あの胡桃とかいう女のフラグメントかしら……」

「他人を操るフラグメント……厄介じゃのう……」

 

 ギドも冷や汗をかきながらブレイドを見守っていた

 

 

 

(チッ、イヴにしてはやけに持久力があり過ぎる!)

 一瞬だけ、ブレイドの攻撃が止み、隙が出来た。

 

「………しまった!」

 イヴは迷う事なく、ドリルに変形した腕をブレイドに突き刺した

 

 

「があぁ!?」

「神父様ぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 

「……んなくそぉぉぉぉぉぉ!!」

 負けじとドリルと化したイヴの腕を掴み、腹から抜き取るブレイド

 

 

「神父様!!」

 

 

 クルスが心配そうに見つめる中、ブレイドは血を吐きながらもイヴの手を離そうとしなかった

 

「だっ……しゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 残る力を振り絞り、前方にイヴを思いっきり投げるブレイド

 

「………がっ……」

 ドサッ……っと、その場に倒れ込むブレイド

 

 

「神父様!?」

「ブレイド!」

 

 血を流し倒れるブレイドに走り寄るクルス達

 

 

「クルス君!応急措置だけでも私が何とかするわ!」

 

 仰向けに倒れているブレイドに馬乗りするディスク

 

「緊急医療キット!」

 ガシャンガシャンと、ディスクの身体から幾つかのチューブのような物が現れた

 

 

「インデックス! お主の魔術で何とか出来んか!?」

 

 ギドの言葉に、首を横に振るインデックス

 

「私一人じゃあ無理なんだよ……私は魔力の知識はあっても、それを扱えない。とうまがいない部屋で、尚且つ能力者以外の人間がいないと……」

 

 フッ……っとイヴの方を見るインデックス

 

「イヴのドッペルゲンガーなら確実に……」

「…………」

 

 クルス達は、黙ってイヴの方を見つめた

 

 

「……やるしかないな」

 

 照山が腕をボキボキと鳴らしながら一歩前に出る

 

「僕も、助っ人の意地を見せないといけないしね……」

「それを言われると、私も頑張らないといけませんね」

 

 

 セト、ソルヴァの両名も照山の横に立ち並ぶ

 

「行くぞっ! イヴを助けて、ブレイドの野郎も助けるっ!」

「「おぅ!」」

 

 

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