「……………ここは?」
教会の奥の部屋でブレイドは目を覚ました。
「おお、起きたかブレイド。」
ギドがブレイドに話し掛ける。
「……………」
ブレイドはギドの横に年老いた老人、上条当麻がいることに気付く。
「なんだ。起きた瞬間に目の前に小さい女の子がみたいなシチュエーションを望んでたのに、現実はジーサンブラザースかよ……」
「リーマンブラザーズみたいに言うなよ……」
今のは上条の渾身のツッコミ。老いたな。
「所でブレイド、お前をここまで連れてきたあの子は何者じゃ?」
「下水道で拾った」
「下水道?」
「ああ。テスタメントに襲われていた所をな。………あの小僧はどこだ?」
「今はインデックスの所だが………」
「何!?」
そう言うとブレイドは飛ぶように部屋を出ていった。
…………………………
………………………
……………………
「……そう。クルス君はレジスタンスの一人だったんだ。」
「はい。四百人の仲間も直ぐにやられてしまって……一緒に残っていた姉さんは僕を助ける為にテスタメントに突っ込んで行って……」
「そう……優しいお姉さんだったんだね……大丈夫だよ。お姉さんに会えなくなっても、まだクルス君がいる……彼女の分もしっかり生きていけばいいんだよ。」
「あ、ありがとうございます。インデックスさん。」
「いいよ。教会に来た子供に手を差し伸べるのも、立派な修道女の仕事だから。」
今、二人がいるのは教会の入り口である。
「あ、あの……インデックスさ……
バコン!!!!!!
「ぎゃあ!!」
突如、教会のドアが開き、それに当たったクルスが吹っ飛ぶ。
「大丈夫クルス君!?」
「あぁ? ああ、さっきの小僧か……」
ドアを開けてクルスを吹っ飛ばした犯人はブレイドだった。
「んもぅ!ダメでしょブレイド。こんな事しちゃあ…」
吹っ飛ばされたクルスに駆け寄るインデックス。
「大丈夫、クルス君?」
「だ、大丈夫です……」
「よう、小僧!」
「あっ、神父様。さっきは助けてくれて、ありがとうございます。」
同時刻、バイクに乗った青い髪の少女、イヴが教会に向かっていた。
イヴはバイクのスピードをあげながらこう心の中で言った。
(帰ってくる……ブレイドが帰ってくる!)
ブォォォォン!!
ブラックスポットの何もない荒野をバイクは突き進む。
「神父様、本当にありがとうございました。」
さっきおもいっきり自分を吹き飛ばした犯人がブレイドと知らず幾度も頭を下げるクルス。
……その後ろから、だんだんと迫り来る影に、誰も気付かなかった。
ブォォォォン!!
「ブレイドォォ!!」
ドカァ!!
「フキャア!!」
バイクにおもいっきりひかれるクルス。
「ブレイギャ
バイクから飛び降りてブレイドにダイブしようとした少女は顔面をブレイドに蹴られる。
「何するんだよブレイド!せっかくの再会シーンで!」
「……後ろ見ろ。後ろ」
「はぇ?」
少女が言われた通り振り向くと、
「大丈夫……クルス君?」
バイクに轢かれて頭にタイヤの後があったクルスがそこに倒れていた。
「酷い! 誰がやったの!?」
「お前だよお前……」
呆れながら突っ込むブレイド
「どうしたんじゃブレイド? ………おお、イヴじゃないか、帰ってきたのか」
教会の中からのそのそ出てくるギドと上条。
「……で、こいつ誰?」
イヴはクルスを指差しながら言う。
「ど、どうも。クルス・シルトです。」
「う~ん……」
「? どうしたんですか?」
「長い! 略して山田な!!!!」
「ええ!?」
クルスの名前はイヴにより山田に変わった。
「僕の自己紹介がまだだったね。僕の名前はイヴ・ノイシュヴァンシュタイン。長いからイヴ・ノイシュヴァンシュタイン様でいいよ。」
「余計長くなっとるぞ……」
ギドのツッコミがイヴに入る。
「一応、メンバーはこれで全員だな。」
上条がギドに話しかける。
「うむ。ブレイド、イヴ、ちょっと着いてきて欲しいんだが、構わんか?」
ギドが言った後、二人は頷く。
「……クルス君はどうするの?」
インデックスに声をかけられるクルス。
「ぼ、僕は……」
突然の質問に戸惑うクルス。
「考えてなかったの?」
「はい……すいません……」
「謝る事ないよ。クルス君は別に悪いことしたんじゃないから。」
クルスに天使の様な笑顔を見せるインデックス。
「じゃあ、僕も一緒に行っていいでしょうか?」
「もちろん! よろしくねクルス君!」
「はい! インデックスさん!」
「……………」
クルスとインデックスのやり取りを黙って見つめるブレイド
「どうしたんじゃブレイド?」
上条当麻が声をかける。
「………羨ましい」
「は?」
ブレイドの謎の発言に困惑する上条。
「出会って数時間でフラグ成立してんだぞ!? 羨ましい以外の感情なんか殺意しか出ねぇよ!!」
「……………」
妙な所でキレるブレイドを唖然とした表情で見る上条。
「どしたのとうま?」
インデックスが上条に声をかける。
「そこの欲望と殺意には忠実な神父様を見ていただけじゃよ」
「?」
何の事か解らないご様子のインデックスは首を傾げる。
「ぐぼはぁ!!」
そのあまりの萌え……可愛らしさに鼻血を出しながら倒れるブレイド
「ブレイド!?」
とっさに彼の元に駆け寄るインデックス。
どうやらブレイドは気絶しているようだ。
「あー……あのな、ブレイド、インデックス、ダラダラしてると日が暮れるからな、早く行こう」
そう言いながらギドはブレイドの服の襟を掴んで引きずり始める。
そんなこんなで、彼らは目的地……………常盤台中学跡地に向かった。
「なぁギド?ちょっといいか?」
「なんじゃ?」
イヴがギドに話しかける。
「今から行くトウキョーのワダイって何だ?」
「常盤台だよイヴ」
インデックスがイヴの間違いに微笑みながら答える。
「常盤台中学は、かつての学園都市でも五本の指に入る有名なお嬢様学校じゃよ」
「ふーん……」
「お嬢様!? 女の子!?」
お嬢様というワードでブレイド復活。
そんな風景を見ながら、クルスは苦笑い、上条は呆れるしかなかった。
そんな緩~い空気のブレイド一行を一人の男が廃ビルの上から見ていた。
その男は長い髪に虎柄の服を着ていた。
「奴がアークライト様の言っていた“神父”だな……」
男はそう言った後ビルを降り始めた。
(我々シメオンに楯突く者は全て排除……あいつの運が悪いな。相手がこの俺なんだから………)
男がニヤリと笑う。
(俺の
ビルから出てきた男は、そのままブレイド達の元へ歩いて行った…………
──敵に狙いをつけられているとは知らないブレイド一行はのんびり移動していた。
そして、彼らの目的地である常盤台に居座っている彼女達の事は誰も知らない──