「くっ!…………」
太陽の光が降りしきる荒野の中に、フェイト・T・ハラオウン達はいた。
彼女達ライトニング分隊の前には、三人の少女がいる。
「はぁ………はぁ………あの子達………一体何者?」
ボロボロになりながらもバルディシュを構えるフェイト
「気を付けろテスタロッサ。相手の容姿に騙されていると、いつまで経ってもあいつらに勝てんぞ。」
「そう言うシグナムもやられっぱなしでしょ?」
「……………」
無言になったシグナムはレバンティンを構え直す。
「君たち! 一体何者なんだ!」
エリオが少女達に向かって叫ぶ。
「未央だお!!」
「こら未央! 名乗っちゃだめでしょ!?」
未央と名乗った一番小さい少女にツッコミを入れる青髪の少女
〔梔です〕
手に持つスケッチブックで自己紹介する金髪ロングの少女
「あんたもかっ!!」
またまたツッコミを入れる青髪少女。
「……………あんまり敵っぽくないな……」
シグナムがポツリと呟く。
「未央ちゃんに…………えーと、すいませーん! その字なんて読むんですかー?」
フェイトが手をメガホン代わりにして金髪少女に問い掛ける。
フェイトはあまり漢字に強くないのだ。
〔私の名前はね、くちなしって読むんだよ〕
そう言った(書いた)後、どんよりオーラを出しながらしゃがみこむ梔
「どうしたの梔?」
〔どうせ私の名前が読みにくいから友達が少ないんだ…………〕
「そんなことないよ! 未央はくちなしの友達だよ! セツナだって! ね、セツナ?」
「うん。だから梔、メソメソするな、な?」
〔Thank you……〕
「……………なんか、忘れられてるね。私達……」
「そうだな………」
「フェイトさんやシグナム副隊長はまだマシです。ほら、キャロに至っては初めから居ない様な扱い受けてションボリしてますよ。」
エリオのその言葉を聞き、キャロが立っていた筈の所に目を向けるフェイト達。
そこには、
「えぐっ………えぐっ………私なんて………私なんて……ぐすっ……」
「クー?」
必死に涙を堪えるキャロと隣で心配そうに彼女の顔を覗きこむ小さな竜、フリードがいた。
いや、泣かんでも。
「あ、あの、ごめんねキャロ?私達、ちゃんとキャロの事覚えてたからね?」
フェイトがキャロに近寄ろうとしたその時、
「ちょっと待ったぁ!」
「?」
突如叫び出したセツナに戸惑うフェイト
「なんか私達別々の世界に入ってたけど、今はこれでも戦闘中よ? しっかりしなさい!」
「はい………」
敵であるセツナに何故か説教されるフェイト
敵であるセツナの説教で何故かションボリするフェイト
「未央! 梔! 今よ!!」
「いっくおー!」
〔うおー〕
「来るよ!シグナム、エリオ、キャロ!!」
「ああ、行くぞレバンティン!!」
『了解』
「キャロ! 僕たちも!」
「う、うん! 行こう、エリオ君! フリード!」
「………行くよ。バルディシュ」
『了解。サイスフォーム』
ガチャン! と音をたてながらバルディシュから黄色い刃が飛び出し、鎌の様になる。
走り出すフェイトを遮るセツナ
「悪いけど、私達には負けられない理由があるんだ………だからっ!」
フェイトはバルディシュを構え直す。
「ハーケンセイバー!!」
黄色い魔力の刃をセツナに向かって投げるフェイト
「遅いわね……ディーンドライブフォックスハウンド!!」
瞬間、セツナは目にも止まらぬスピードでフェイトの懐に飛び込み、これまた目にも止まらぬスピードで拳を連発して叩き込む。
「くっ!」
フェイトが今の攻撃を受けてあまりダメージがないのは彼女がバリアジャケットを着ていたからである。
「効いてない!?」
「はぁぁぁぁぁ!!」
フェイトはバルディシュをセツナに向かって振りかざす。
「セツナ!危ない!」
未央がセツナに向かって叫ぶ。
「……………!?」
驚いたのはフェイトである。
さっきまで手前にいたセツナが数メートル先に立っていたからだ。
「私の目でも追い付かない………あれは一体何?魔法?それとも、クロノが言ってた“能力者”?」
「そう言えばあんた達ってニードレス?」
「ニードレス?」
セツナの言葉に困惑の表情を見せるフェイト
「あんたらニードレスじゃないの? でも、ここまでやってしまったら後に引き返せないの。悪いわね」
そう言うと、セツナは少し体制を低くする。
「ディーンドライブフォックスハウンド!!」
(また来た………そこ!)
「サンダースマッシャー!!」
フェイトは幾つかの魔力球を作り出し、セツナに向かって飛ばした。
しかし、セツナはいとも簡単に全弾避けてしまう。
「今よ! 未央!!」
「んい☆ いっくおー! 未央ちゃーんパーンチ!!」
バシン!!
未央のパンチがフェイトに直撃する。
「きゃあぁぁ!!」
五回ほどバウンドしながらフェイトは数十メートル吹き飛んだ。
(あの子……なんてパワーなの!?)
バルディッシュで支えながらよろよろ立ち上がるフェイト
「テスタロッサ! 大丈夫か!?」
「ッ…大丈夫です。シグナム、やっぱりただ者じゃないみたいだよ……」
「ああ、それは承知の上だ。行くぞ、レヴァンティン!!」
『ボーゲンフォルム!』
シグナムのアームドデバイス、レヴァンティンが剣から弓の形になる。
「……駆けよ!隼!!」
『シュツルムファルケン!!』
弓から放たれた矢が炎の鳥の様になり、セツナ達に向かって飛んでいった。
「セ、セツナ~ どうするの 」
「あれは流石の私も逃げ切れないわよ!」
〔あれが本当の焼き鳥(笑)〕
「そんな事書いてる場合じゃないわよ!」
炎の鳥がセツナ達に当たろうとした瞬間、間に一人の男が割り込んできた。
その男が炎の鳥に向かって手をかざすと、たちまち炎の鳥は小さくなっていき、最後には消えた。
「左天様………何故ここに?」
セツナ達の前には、頭に包帯を巻き、両腕に金属の塊を付けた白い髪の男がいた。
「何、お前達の帰りが遅いからって、璃瑠のヤローにパシられたんだ。ったく、あのキョヌーバb
ババアと言おうとした左天と呼ばれた男は、未央に笑顔で吹っ飛ばされた。
「あんまり璃瑠様の事を悪く言ったらアークライト様に言い付けちゃうよ!」
「ごめんなさい…」
左天はなんか正座して黙々と未央に謝っていた。
相当怖かったのだろう。
と、それをフェイト達は遠くから見守っていた。
「私のシュツルムファルケンは、あんな奴にやられたのか……」
orzの体勢になるシグナム
今の若い子にそれ通じないよ多分。
「まあ、シグナム。そんなに落ち込まなくても……」
「こ、今度こそ……」
まるで熱血少年的なアレ(目から炎がでるやつ)で闘志丸出しのシグナム
「フェイトさん、シグナム副隊長、ここは一度引いたほうが……」
そんなヘタレ発言をするのはエリオ
「何!? 貴様、騎士が敵に背中を向けろと言うのか!?」
「ま、まあシグナム?とりあえず落ち着こう? なんか今日のシグナム変だよ?」
「そ……そうか?」
フェイトの言葉で我を取り戻すシグナム
「確かに、あの子達は予想以上に強い。でも、あそこを挟んで遠距離砲撃をすれば……」
そう言ってフェイトが指差した先には大きな渓谷があった。
「よし、そうと決まれば移動しよう。奴らが勘づく前にな」
シグナム先導の元、四人(と一匹)は渓谷に向かって走り出した。
見た事のない服装の女子供が渓谷に向かって走って行くのを左天は見逃さなかった。
「どこにいくのかなぁ?」
そう言いながら、右腕をフェイト達の方へ向ける。
(さっきあのピンク色のねーちゃんから貰った物を返さないとな……)
「第四波動ォォ!!」
左天の腕から炎の砲撃を繰り出した。
「あっ………危ない!!」
『ディフェンサー』
フェイト達は間一髪で防御魔法を展開する………………
…………が、
(………つ、強い……)
防いでいる……といっても一時的、直ぐに破られるのがオチだった。
「…………!!フリード!」
キャロが少し目を剃らした隙に、フリードが第四波動に飲まれ、渓谷に落ちていった。
「フリードォォォ!!」
「キャロ!危ないよ!!」
フリードを助けに行こうとするキャロをエリオが止める。
「でもエリオ君!フリードがっ!」
「ここであれに飲まれたら、フリードは一体誰が助けると言うんだ! ………だから、今は辛抱するんだキャロ……!」
「……うん」
「…………シグナム?大丈夫?」
「これしきの事では、問題ない。」
シグナムの防御魔法は第四波動をしっかりガードしていたのだが、
ガキン!
「!?」
シグナムの足場となっていた部分が第四波動で根こそぎ奪われたので、彼女の体勢が崩れた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「シグナム!」
シグナムも、フリードと同様、渓谷に落ちていったしまったのだった…………