とある科学の全能変化〜八人目の超能力者〜   作:萩村和恋

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長らくお待たせしました、全能変化吸血殺し編一話です。

尚、先に補足しておきますと本編開始時より前に、上条は青髪と土御門にはあっております。月宮と一緒に会っております。


吸血殺し編
黒髪ロングの巫女さんは正義


 本棚を見るとその人の性格がわかると聞いたことがある。

 「オカルト、オカルト、漫画にラノベに……現実的なものが無いなぁ。」

 私、月宮小鳥はそんなどこの誰が言ったかも分からない戯言(うわさ)を何となく思い出したので、今見て見たという事だ。

 「そだ…上条はどうだったんだろ。」

 兎さんのキーホルダーがついた携帯を手に取って、電話帳から彼の番号を鳴らす。

 記憶喪失の友人、上条当麻の電話を。

 

 先程メールで、友人である月宮小鳥から本棚を見るとその人の性格がわかる…と言われたので、俺、上条当麻は自分の部屋の本棚を見ていた。

 「見事に漫画ばっかりだな……本棚は愚か部屋中見ても漫画だけじゃねぇか…。」

 こんなんでは月宮から電話がかかってきた時、何を言われるかわからないな……そう思ってると電子音が部屋に鳴り響く。

 それは携帯から鳴っている音だった、俺は携帯を手に取って電話に出た。

 「もしもし、上条ですけど…なんだ、月宮か。さっきの事だろ?見てみたけど漫画ばっかりだったわ。」

 『つまり上条の心の中は夢見がちってことか……。』

 「うわ言いやがったよこの人!言われたくない事を!」

 『まあそんな事だろうなぁーって思ったよ、あっ、漫画以外にもエロ本とかもあるんでしょ?ベッドの下は大丈夫?インデックスちゃんにバレてない?』

 「エロ本は別のとこに隠してあるよ。」

 『あっ、持ってるんだ。えなになにどんなやつー?』

 「急に食いついてきたな……、つーか男なら持ってるだろ?な?月宮。」

 『まーそうじゃないかな?私も持ってるよー百合物のえっちなやつ。』

 「へー…俺はお姉さん系のエロ本を…いや待て、なんでエロ本の話になってんだよ…。」

 『いーじゃんいーじゃんエロ本、もっと話そうよ。』

 「はぁ…。」

 月宮…月宮小鳥、学園都市に八人しかいない超能力者(レベル5)の第八位、オレとは7月に会ったらしい。()()()というのは、今の俺は記憶を失っているからだ。月宮にはこの事は知られている。同居人であるインデックスは知らないが…そうだ。

 「スマン月宮、オレ用事あるから切るわ。」

 『ん、OK。』

 さて、宿題をやる為の参考書を買いに行くか…。

 「インデックスー、出掛けるぞー。」

 

 「…?メール…青髪からか。」

 上条との電話を終えた後、メールが来ていたので確認すると青髪…クラスメイトにして親友にして変態同盟(HENTAI仲間)からのものだった。

 『つっきみーん、暇やし一緒に出掛けへん?』

 というメールだった。

 『私も暇だったし良いよ、何処に集合する?』

 と返す。暫くすると

 『OK〜!ならそっちに迎えに行くでー。今近くやし。』

 と返ってきた。近くにいるのか…なら迎えに来てもらおう。

 『なら迎えに来てもらおうかな、準備して待ってる。』

 と返した。さて…パジャマから着替えよう。

 

 さて、と身だしなみを整える為に鏡の前に出る。

 上は白の半袖にうさ耳パーカー(半袖)、下はジーンズのショートパンツを着る。姿は……このままでいいか、別に何かある訳でもないし。

 財布と…後は携帯を持って……っと、よし、準備OK。

 「月みーん!来たでー!」

 「はーい、今行くよー。」

 じゃあ行くか。

 

 「暑っついな…。」

 思わぬ出費だった、まさか参考書が3600円もするとは……。いや、実は見栄を張るために買ったとかも言い難い…。

 「とうま。」

 隣を歩くインデックスが声を掛けてくる、彼女は不機嫌な顔でオレの向こうを見ながら

 「え?マジで?お前三千六百円分もアイス食うつもりだったの?」

 「違うんだよ!別に食べたいとか暑いとか思ってないんだよ!」

 「うおっ!?急にキレるなよビックリすんだろ!」

 インデックスは確実に暑いだろう、だって彼女が着てるのはシスター服だし、しかも長袖だ。どう考えたって、誰が見たってこんな真夏日に着るもんじゃない。

 「それに…って話を聞いてよとうま!」

 「なんだよ、アイス食わないのか?」

 「それは食べるけど!」

 と、二人で騒いでいると

 「なあなあカミやん、そのシスターさんは誰?どういう関係?」

 「うおっ!?」

 「なんや、カミやん。えらいでっかい声出して。」

 「そーよそーよ上条。ドデカい声なんて街中で出すもんじゃないよ。」

 「なっ、なんでお前らがいるんだよ!」

 そこにいたのは友人二人…クラスの男子学級委員、青髪ピアスと八人目の超能力者、月宮小鳥がいた。

 月宮は呆れ顔で

 「なんでって言われてもねー。コイツ(青髪)と暇だし出かけてたのよ。」

 「そーそー、そうしたらカミやんが銀髪シスターとおるんやもん。そりゃやる事はひとつやろ?」

 青髪と月宮は互いを見て、呼吸を合わせて

 「「話しかけて関係性を確認する!」」

 「いや…月宮は知ってるだろ。オレとインデックスの関係性。」

 「なんやて!?月みんは知っとるんか!?」

 「ん?うん。アレよアレ、インデックスちゃんと上条はこい「おおーい待て月宮ァ!お前何を口走るつもりだ!?」恋人なんだよー。」

 コイツ思いっきりいい笑顔で嘘つきやがった!?

 「無い無い、流石に無いでー月みん。そんなんやったら完全に殴っとるよカミやんを。」

 笑顔でそういう青髪、目は笑ってない……。

 「なーカミやーん?」

 「あぁ当たり前だインデックスが俺の彼女なわけないじゃないかなー月宮なー!」

 「え!?違うの!?」

 なんだその『うっそ超意外ー!』って顔は!おかしいだろ!?お前いたんだろ!?なぁ!

 「?とうまは私の彼氏なんかじゃないんだよ。それよりもとうま!早くアイス屋に行こ!」

 そうインデックスがいう、それで納得したんだろう、青髪はそれ以上何かを言うのをやめた。

 「あっ、インデックスちゃんインデックスちゃん。今日そこしまってるよ。」

 「え……?こっ、ことり!今のってどういう意味!?」

 「いやね、私と青髪もさっき食べに行こうとしたんだけど、閉まっててやめたの。ねー青髪。」

 「せやせや。」

 「そんな…!」

 「…あっそうだ!アイスじゃなくても涼めるところならあるよ、そこ行こっか。」

 

 

 

 今の状況を説明しよう。

 月宮の言葉でオレたち4人はファストフード店に来ていた、そしてここはその二階の窓側の禁煙席、座る場所がなかった、ということで相席をすることになったのだ。まあそこまではいい……問題は、そこに座っていた少女のことだ。

 「─────食い倒れた…。」

 長い黒髪を投げ出して突っ伏した巫女さんだった、いや別にいいんだ、いいんだが一つ言いたい。

 「何故巫女さんがファストフード店で食い倒れを!?」

 巫女さんだってファストフード店くらい来るだろう、でもまさか食い倒れるほど頼むとは思えるわけが無い。

 と、巫女さんの隣に座った月宮が話しかけた

 「ねぇねぇあなた名前はなんて言うのかな?あっ私は月宮小鳥っていうのあなたの名前が知りたいな、姫神(ひめがみ)秋沙(あいさ)ちゃん…ね、いい名前だね、で、秋沙ちゃんはなんで食い倒れちゃったのかな?良ければ理由とか教えてくれると嬉しいな。」

 普段よりも饒舌な気がするが…きっと、気の所為だろう…うん、きっと気の所為だ、月宮が嬉々とした顔で巫女さんと話すなんてわからない。

 「……一個五十八円のハンバーガー、お徳用の無料(クーポン)券が沢山あったから。」

 「うん。」

 記憶喪失の上条にはなんの事だか分からないが、身体が『ぺちゃんこな非常食用ハンバーガー』と覚えていた。

 「だから30個ほど頼んでみたり。」

 「お徳過ぎだバカ。」

 ビクッ、と動かなくなった巫女さん、無言だからこそなのか傷ついてるのが感じ取れる。

 「あー上条酷いこと言ったー!秋沙ちゃん傷ついてるよ!」

 「すっ、すまん!さっきのバカは言葉が足りなかったんだ!だからそんな目で俺を見るんじゃねぇ青髪とシスター!」

 「…やけぐい、お金足りなくなって。」

 「は?お金足りないって……なんのお金だよ。今日の晩飯代か?」

 「帰りの電車賃、400円。今の手持ちは300円。」

 「あぁそういうことか……。てか計算してなかったのか?」

 「無計画だったから。」

 「はぁ…。足りないんだったら誰かから借りればいいんじゃねぇの?」

 「それはいい案。」

 「なんでそこで真っ直ぐオレの方を見る!?ってか期待の目を向けるんじゃねぇ!」

 彼女から離れるように後ろに反れる、てかコイツ……

 「わ〜!秋沙ちゃん顔綺麗!美人さんじゃない!」

 と、月宮がテンションMAXで言う。そう、彼女はとても美人だった。眠たげで感情に乏しい瞳が攻撃性が感じれなく、奇妙な包容力さえあるような美人。

 「カッ、カミやんが…!たった今あった女の子と普通の会話してる!?嘘や!こんなん嘘やろ!」

 「うるせえ二次元星人(あおがみピアス)!業務連絡テメェは後で体育裏へ集合するように!あとそれと姫神(おまえ)もどうにか残り100円を調達してさっさとおうちに帰るように!以上作戦終了!」

 「100円くらい貸してあげなよー。」

 「無理なもんは無理なんだよ、だったらお前が貸せばいいじゃねぇか。」

 む…と少し悩む月宮、だが直ぐに答えが決まったのか、ポケットから財布を取り出して

 「秋沙ちゃん秋沙ちゃん、百円とあとこれ、私の連絡先!」

 とてもいい笑顔でお金と紙を渡していた、姫神もお金と紙を受け取りお辞儀をして

 「有難う、今度返す。」

 と、お礼の言葉を言っていた。

 「さて…と、そろそろ俺らは帰るか。じゃあな、姫神。」

 「バイなら〜秋沙ちゃーん!」

 早く帰って宿題を終わらせたい……その一心での言葉だ。オレ、インデックス、青髪、月宮は立ち上がって姫神をあとにした。

 

 

 姫神と別れたあと、青髪とも別れて俺ら三人は帰路についていた。

 「…なあ月宮、なんでお前猫の姿なの。」

 「猫は可愛いからだけど?」

 「可愛いからいいんだよとうま!」

 ぎゅーっと猫の姿の月宮、猫月宮を抱きしめるインデックス、インデックスは笑顔で猫月宮の方にしても楽しそうな雰囲気だ。

 「いやーこの姿はいいもんだよ。子供からモテモテだからね。」

 …楽しそうなと言うか、変質者のような態度だな猫月宮。まさかコイツ子供とか襲ってないだろうな?

 「失礼なことを考えておるね?少年。」

 「なんでそんな口調なんだよ……考えてねぇって、ほらとっとと帰るぞー。」

 「はーい。…ん?どうしたの、インデックスちゃん。」

 「ちょっと気になることがあって……とうま、ことりと先に帰ってて。」

 インデックスが月宮を俺の方に置いて走ってゆく、大丈夫だろうか?気になるしついて行こう。そうして足を動かした時だった、後ろから、声をかけられた。

 「久しぶりだね、上条当麻。そして月宮小鳥。」

 その声の主は、2m近くもある赤髪の神父の少年だった。




さてさて、早速違うとこもありました。原作とは少し違った展開で書いてゆきます。次はまた長くなるとおもいますが……気長に待っていてください。

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