居酒屋で飲んでてある程度酔いが回ってきた頃、ab型が言いだした言葉は俺たちを議論の渦に巻き込んだ。
「なんでab型っていつも変人扱いなんだ?おかしくね?」
奇しくも俺ら4人の血液型はa型b型O型ab型とちょうど別々であり、血液型の議論をするにはちょうどいい状態だ。自らの血液型のプライドをかけた議論という名の殴り合いが今始まったのだった。
「いやw合ってるじゃんww」
そうab型に返すのはb型。相変わらず友人に対してはフランクであり、ちょいウザの話し方である。
「はぁ?いやこの面子見たって俺が一番まともだろ?どうかしてんじゃねえのか?それに一番のKYはお前だろb型。ザ・空気読めないって感じ」
ab型はb型とタイマンをはるきマンマンのようでb型を煽りまくる。煽りがきいたようでb型は露骨に顔をゆがめる。確かにb型はこういう系統の話で空気を読めないと言われることが多いポジションである。
唐揚げにレモンをかけたり、唐揚げにレモンをかけたり、唐揚げにレモンをかけたり、b型はとにかくkyポジションに置かれる。
「いや俺こそ空気読める。結構空気読めている。」
「そういうのなんて言うかわかるか?己惚れっていうんだよ。よかったでちゅねー少し賢くなりましたねー」
「あぁ??」
「2人とも。あんま店の中で騒ぐなよ。」
まとめたがり、リーダーシップを持ちたい。そんな風に描写されることの多いO型がテンプレのように仲裁に入った。
「いやそこまで声でかくねーだろ。」
「ああ。それにこれはab型としてのプライドがな、」
「いやそんな風に意地になることないだろ。俺が一番まともで空気読める訳だしそんなことで言い合いする必要ねーよ」
ここのO型はテンプレで終わらないらしい。
「「それだけはねーよ」」
「え?」
「え?じゃねーよこのまぬけ野郎。合コンの自己紹介で下ネタぶっ放すやつがまともで空気読めてる訳があるかよ。女の子ドン引きだったぞ」
「大迫ネタで滑り倒したab型には負けるわ」
「あ?さっきまでの仲裁ポジはどうした下ネタマシンガン」
「おい唐揚げにレモンかけんなやクソガキ」
はぁとため息が横から聞こえた。そっちを向くと呆れたような表情をするa型がいた。
「a型なんだよ混ざりてーのか」
「a型君ツンデレだから素直になれねーんだよ察してあげな」
「a型は所詮、血液型では特徴のない敗北者じゃけぇ」
「いやそんなことないと思うけど…血液型って性格に関係ないだろ。」
「「「は?」」」
数秒間の沈黙が訪れる。さっきまで狂犬のように騒ぎかみつき合っていたものたちが一斉に押し黙ったのだ。
当然a型は困惑する。まさに「あれ?俺また何かやっちゃいました?」状態であった。
「一番空気読めないのはa型だわ」
「なんで自らa型のネガキャンするん?」
「そう言うとこやぞ」
沈黙のあとにa型を襲ったのは友人の罵詈雑言であった。確かに議論の根幹を破壊してしまう言葉であったことは認めるa型ではあったが、それと同時にそこまで言う必要なくないかと思った。だがそれを口にすることはなかった。
「……はぁ。空気を呼んでの行動だったんだがな」
「どこをどう解釈すればそうなるんだよ」
「俺が自ら空気読めないように振る舞うことで議論を終わらせる頭脳プレーだ」
「それ言ったら意味ないんだよなぁ」
「だから唐揚げにレモンかけんなって言ってるだろーが!!」
「うるせえ!唐揚げにはレモンだ!」
「パセリうめえ」
男の下らない飲み会は続く