中の人(クマさんの方)がくそみそに忙しかったんです。
許してください! 何でもしますから!
ん、今何でもって(セルフ回収)?
ということで、日常回のアイデア募集します。
書いて欲しいシュチュがあったら、おそらく投稿主であるパラドさんが活動報告に募集を置いてくれると思うので、そこに置いておいてください。
毎度毎度急に言わないでくださいよ……まぁ活動報告のところに用意しますけどね。(パラドファン)
「黒板に書かれている三つの文を――」
授業中、板書を取って先生の話す内容の要点をノートに纏める。
今は例題を出されているので、今までに書き記した内容に沿って、それを解く。
「――ううん、なんでもない」
唐突に前の席に座る姉さんが声を発した。
寝言かな? そう思って目を向けると、どうやら姉さんは別の事に没頭していたようで、その事を注意した東郷さんの声に大きく反応してしまったらしい。
「……なんでもなくありませんよ、結城さん」
「は、はい!」
当然、今は授業中だ。先生からは小言を頂戴することになる。
とは言え、先生の方もそう厳かに叱るという程でもないのか、教科書を読むだけで許してくれたみたいだ。
「えっと……」
「ほら、そこから」
ページを探す姉さんに後ろから教えてやれば、感謝の声が小さく発せられる。
そんな風に息をつく姉さんだけど、後で東郷さんの叱責を受けた時のことを思うと少し可哀想になる。
(東郷さんはそういうとこ厳しいからなぁ……)
そんな隣の席を見てみると、東郷さんは普段の微笑を浮かべているが目が笑ってない。
ご愁傷様……。と授業後のことに思いを馳せていると――
「……!?」
突如、警報のようなアラーム音が教室に鳴り響き、発生源であるらしい姉さんが急ぎ端末をカバンから取り出す。
「携帯ですか……?」
「あ、すみません」
だが、どうやら発生源は姉さんだけではないらしい。あと音が二つ。
もしかしてと思い、隣の東郷さんと共に自分のバッグから端末を取り出す。
「……東郷さんと、結城くんのもですか?」
先生の呆れたような指摘に、同じくすみませんと返しつつ、端末を調べる。
音量は……下がらない。
電源長押しの強制シャットダウンも機能していない。
ただ端末からは警報音が鳴り続け、画面にはーー
「……樹海化、警報?」
と、表示されている。
樹海化、という聞き慣れない単語に困惑しきりでいると、また唐突に音が止んだ。
「……ふう」
どうやら止まったのは三人一斉らしい。
ひとまずと音が止んだ事に安堵する、が……少しして、暫くぶりに訪れた静寂に違和感を覚えた。
「……あれ?」
あまりに静かすぎる。
同じ疑問を抱いたのだろう。首を傾げ、声を発する姉さん。でも、その声にも誰も反応を返さない。
まさかと思って教室内を見回すと、クラスメイトと先生たちはまるで石像のようにその動きを止めていた。
「これは……」
常識ではありえない光景。
目の前に広がるのは苦笑や困惑、呆れといった表情のままで固まるクラスメイト達。
「二人とも……」
不安げな声は東郷さんのものだ。
どうやらこの教室内で動けているのは僕と姉さん、そして東郷さんの三人らしい。
「……何、これ?」
東郷さんの震える声に、姉さんが動く。
僕も湧き上がる不安や恐怖をなんとか抑えて、寄り添う二人の方へ行く。
すると今度は、大きな揺れとともに強烈な光が窓の外から押し寄せた。
「きゃっ!?」
「何!?」
「姉さん! 東郷さん!」
光に飲まれる寸前、姉さん達を庇うように抱き抱え――――――――――そのまま僕の意識は光の中に沈んだ。
◆◆◆◆
光が晴れた時、傍に弟の姿はなかった。
「……あれ、友くん?」
それに気付いた途端に、恐怖で手が震えてきた。
非常識的で、歪で狂ったような色とりどりの世界に東郷と二人。
弟が傍にいないだけでこんなにも不安になるのか。
自分の理解を超えた非日常の世界で――友奈は思った。
「友奈ちゃん……」
傍に残った東郷が不安げな声音と共に自分を見つめてくる。
その目尻には薄く涙も浮かんでいた。
怖いのは東郷も一緒なのだ。
恐怖に震える手をぐっと抑えながら、友奈は明るく声を発する。
「大丈夫だよ! 私がついてる!」
大丈夫。その根拠はどこにもない。
恐怖に負けないために自分を着飾るための言葉。
それでも友奈は、少しでも東郷の不安が減るようにと明るく務めた。
すぐに風や樹とも合流ができた。
どうやら入部時に風に勧められ端末に入れたメッセージアプリが、この奇妙な世界ではマップとして機能するらしい。
それで見つけることができたと風は言った。
友人もこのアプリは入れていたはずだ。
すぐに確認すると、弟は自分たちよりも遠く離れた場所に飛ばされているようだった。
ほっと息をつく傍ら、友奈はなぜ風が勧めてくれたアプリがこの世界で動くのか疑問に思った。
「あの、風先輩……」
「ごめん。それも含めで、これから説明するから――」
疑問を口にする前に、風は普段の調子から一転した険しい表情から重々しく口を開き始めた。
「アタシ達は、神樹様に選ばれた《勇者》なの」
「勇、者……?」
――神樹様が、選んだ? 私たちを?
突拍子もない風の発言に、友奈と東郷はただ混乱するしかなかった。
「どういうこと、お姉ちゃん?」
混乱する友奈と東郷を慮って、そう問いかける樹に対して風は樹木の陰に腰を下ろすと語り始めた。
まず、この世界は《樹海》という神樹様によって作られた結界の中の世界だという。
そして自分たちは、神樹様から《勇者》というお役目を授かった存在らしい。
勇者のお役目とは壁の外からやってくる敵《バーテックス》を倒すというもの。
「バーテックスが神樹様にたどり着いたとき、世界が終わる」
最後に告げられたのは、衝撃的な一言だった。
世界が終わる。そのたった一言が友奈、東郷、そして樹に重く圧し掛かる。
「それを防ぐために、アタシは大赦から派遣されたの」
「大赦……」
大赦――神樹様を奉り、旧時代の政府に代わって今の四国を管理している組織だ。
「……今まで、黙っててごめん」
困惑の色が強い友奈達に対し、絞り出すような声音で風は謝罪した。
同時に勇者部は大赦の命令で勇者になれる人間を集めた部活だったとも告げられた。
そして、何も起こることがなければ黙っているつもりだったということも風は付け足した。
「風先輩……」
友奈は、そう頭の回る少女ではない。
この場で風に対し、何か着飾った言葉を掛けることはできない。
ただ、友奈は他人の想いに対して敏感な子であった。
「――――」
だから、これまでずっと自分たちと一緒に部活に励んできた風が、自分たちが世界の命運を担うかもしれないという事実に押し潰されそうになりながらも、その事実を隠し通してきたことがどれだけ辛いことか分かった。
友奈は必死に言葉を探った。
風に対し、怒るでも悲しむでもなく、ただ励ますために。
「風先輩は皆の為を思って黙っていたんですよね。ずっと一人で抱え込んで打ち明けることも出来ずに」
「…………」
「――それって勇者部の活動目的通りじゃないですか」
「――っ」
「風先輩は……風先輩は悪くないです!」
勇者部の活動目的は『人の為になることを勇んで行う』。
それなら、皆の為にと風が隠し事をしてきただって、勇者部の活動目的に則ったもののはずだ。
悪いのは攻めてくる敵であって、風ではない。
皆の日常を壊し、世界を滅ぼそうとする悪い敵だ。
――なせば大抵なんとかなる。
よく考えなくても、今の状況は弟と子どもの頃に見たヒーローものの展開そのままだ。
ならば、悪い敵を倒してしまえばいい。
――そんな考えが浅はかだったと気づいたのは、すぐ後のことだった。
「……ぁれ」
樹が掠れた声と共に空に向かって指を差す。
釣られて、その指の先へ振り返ると――それはいた。
「あれが……」
「そう、あれがバーテックス。世界を殺す、人類の敵」
初めて見たバーテックスの姿。
それは、確かに子どもの頃にみたヒーロー番組の敵のように巨大だった。
でも、それは悪夢を具現化したような醜悪な姿をしていた。
怖い、と思った。
なぜ怖いかと言われると口にはできない。
無意識に、理屈なしに怖いと感じる姿だった。
これから、自分たちはあれと戦わなければならないのか。
「――っ!?」
手が、震えていた。
抑え込もうとする手も震えていて、拳にぐっと力を籠めることで無理矢理抑えた。
それでも、恐怖は伝染してしまったらしい。
ついに東郷も震えを隠すことなく、弱音を吐いた。
「あんなのと……戦えるはずがない」
「……方法ならある。戦う意思を示せば、アプリの機能がアンロックされて、神樹様の勇者になることができるの」
風が端末を掲げる。
その画面は、芽吹いた種が描かれた独特のものに変化していた。
「……勇者」
友奈は自分の端末を見つめる。
この端末を、恐らくタップすれば、自分は勇者になれる……はずだ。
戦う意思と、風は言っていた。
まだ迷いがある。恐怖がある。いきなりのことで頭も追い付いていない。
「皆、あれ……」
東郷が震える指でバーテックスを指差した。
見ると、乙女座は地面に接する尻尾のような部分を膨らませ、周囲に赤熱するミサイルのようなものを放っている。
「――伏せて!!」
そのうちの一つが近くに落ちる。
風の咄嗟の声に反応して、東郷を庇うが、起きた爆発の衝撃に体がもっていかれそうになる。
「こっちに気が付いた……?」
衝撃から回復して、バーテックスを見ると、確かにゆっくりとこちらに近づいてきていた。
戦うしか、ない。だが恐怖で指が固まっている。
その間に風がこの状況を見て決した。
「友奈、東郷を連れて逃げなさい」
「でも……っ!」
「早く!!」
風の強い語調に圧倒され、友奈は東郷の車椅子のハンドルを取ると移動を始めた。
その姿を見て、風は内心でほっと息を吐く。
――巻き込まなくて、良かった。
自分一人が戦う分にはまだいい。でも、関係のない友奈や東郷、そして樹を巻き込むというのはどうしても解せなかった。
「樹も一緒に……」
「――ダメだよ!」
普段の樹の調子からは考えられないような大声で、樹は風の言葉を遮った。
「付いていくよ、何があっても」
「樹……」
覚悟を見せた樹を見て、風も同じく覚悟を決めた。
何があろうとも樹を守る。その強い意志に、勇者システムは答える。
「……よし! 樹続いて!!」
「うん!」
――――瞬間、二人は光に包まれた。
勇者としての力が、端末を通して解放され、二人の姿が変わる。
まず、犬吠埼風。
黄色を中心とした衣装を纏い、髪の色を茶髪から黄色へと変化する。
そして身の丈以上の大剣を肩に掛けている。
左の太ももに刻まれた花びらの刻印は【オキザリス】。花言葉は『輝く心』。
そして、犬吠埼樹。
淡い緑色を中心とした衣装を纏い、その腕には植物の蔦を思わせるわっか状の飾りを装備している。
背中に刻まれた花びらの刻印は【鳴子百合】。花言葉は『心の痛みを判る人』。
変身し終えた二人は乙女座のバーテックスへと凄まじいジャンプ力で飛び出した。
「…………二人とも」
その様子を、友奈はただ見ていた。
飛び出した二人が、乙女座に勇敢に立ち向かっていく姿を。
そして奮戦むなしくも爆発に捉えられ、吹き飛ばされる姿も、ただ見ていた。
「風先輩!! 樹ちゃん!!」
本当に、これでいいのだろうか……?
恐怖を感じる自分と共に、そう問いかけてくる自分がいる。
「……!?」
乙女座が、その巨体をゆらりと友奈達の方に向けた。
「……こっち見てる」
先ほどよりも近い、その巨躯を見て恐怖の感情が奮い立とうとしている勇気に勝った。
端末を持つ手が異常に震えているのが自分にもわかる。
その隙にも、乙女座は友奈達に向けて射出する爆弾の準備をしていた。
「友奈ちゃん、逃げて!!」
爆弾の直撃を貰えば、勇者ではない自分たちは簡単に死ぬ。
そして逃げるためには車椅子の自分は邪魔でしかない。
東郷は、どうするべきかと立ち竦む友奈に対し、精一杯の勇気で叫ぶ。
「なに言ってるの! 友達は――っ!!」
――――見捨てられるわけない!
そう続けようとして、友奈は気づいた。
「そうだよ。友達を置いてなんて……そんなこと、絶対しない!」
――東郷を置いていくこと。
――風と樹を置いて逃げること。
それらは全て同じ『友達を置いて逃げること』だ。
「駄目! 逃げて、友奈ちゃんが死んじゃう!!」
「いやだ! ここで、友達を見捨てるような奴は――」
東郷の制止を無視して、友奈は走り出す。
――いつの間にか、手の震えは治まっていた。
「――――勇者じゃない!!」
走り出した友奈に気づいたのか、乙女座は溜めていた爆弾を射出し始めた。
だが、もうそんなものは関係ない。
拳を握り込み、一気に拳を振るうと、爆弾は友奈の前でいとも容易く砕けた。
「嫌なんだ。皆が傷つくこと、辛い思いをすること、皆がそんな思いをするくらいなら――!」
猛烈な爆風を潜り抜け、一息に飛び上がる。
「私が、頑張る!!」
もう一度拳を強く握り込むと、その腕を強化プロテクターが包む。
同時に、その衣装もピンク色の装束に変化し、髪も同じピンクに染まる。
右の拳に刻まれた花びらの刻印は【ヤマザクラ】。花言葉は『貴方に微笑む』。
「うぉおおおおおお――――!!」
――痛い。
――怖い。
でも、大丈夫だ。
「――――勇者」
弟に誇れる姉で居たい。その想いも、友奈を奮い立たせる。
「パァァァンチ――――!!」
放たれた拳は、友奈の華奢な身体からは想像もつかないほどの威力を出した。
乙女座の巨躯の一部を砕き、貫いた拳は――今、その乙女座に対して勢いよく突き上げられる。
「私は、讃州中学勇者部。結城友奈――!」
名乗りを上げ、続いて友奈は世界を殺す敵に対して宣言する。
「私は――勇者になる!!」
そしてそれは、憶病な自分に対しての宣誓でもあった。
最後に言っておく! ゲイツとツクヨミは出ない! そして仮面ライダーウォズもでない!
↑え? 仮面ライダーウォズに関しては出しますよ(クマさん)
↑適当言うな!出さないって言ったやんか!(パラドファン)