結城友人は魔王である   作:パラドファン

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最近、ガンダムばかり観ていたので遅くなってしまいました。ごめんなさい(土下座)

とは言え、前回のとうこうから1ヶ月……なんとかなりました。
では、お楽しみください。


ちなみに1番好きなのは00です。


コッカボウエイ0426

さて、諸々の説明を放課後の部活に控えている友人は、授業が終わるとすぐに部室に向かおうとしたが、あいにくと日直当番であった為に姉である友奈とその友人である東郷を先に見送ることになった。

そんな訳で日直の仕事で学級日誌を書きながら、クラスメイトと雑談に花を咲かせていた。

 

「昨日さ〜、家の近くで事故があったらしくてな」

 

「え、大丈夫だったの?」

 

「いや、2,3人巻き込まれたかで……まぁ死んだ人はいないらしいんだけど」

 

「それなら、よかった……のかな?」

 

「ま、そうなんじゃね」

 

などと話している内に、日誌が書き終わる。

内容に不備がないかざっと目を通して、ぱたりと日誌を閉じると、友人はゆっくり立ち上がる。

 

「……よし、終わった。じゃあ行くよ」

 

「おっ、勇者部か〜。羨ましいぞ、このハーレム主人公め」

 

「そんなんじゃないよ……。勇者部は」

 

「悪い悪い。じゃ、また明日な」

 

「うん、また明日」

 

クラスメイトと別れ、職員室で日誌を提出してから部室に向かう。

その道中、友人はふと考える。

ーーさっきの話はニュースなんかでは聞かなかった。

もしかしたら、昨日の戦いの影響が事故として現れたのかもしれない。

亡くなった人が出なくてよかったと、内心でホッと息を吐いていると、部室の扉が見えてきた。

 

「結城友人、入りまーす」

 

扉を開けて部室に入ると、友奈、東郷、樹、そして風と、既に勇者部の全員が集まっていた。

 

「お、来たわね。座って座って」

 

風にそう促され、友人は空いている椅子に腰を下ろす。

と、席についた友人に皆の視線が集まる。

 

「……えっと?」

 

「いやね、昨日友人が変な姿になったじゃない? 勇者の事ならアタシが説明できるんだけど……」

 

「なるほど」

 

「だから、説明してもらえると助かるんだけど……」

 

「えっと、僕も詳しくはわかってないんですけどーー」

 

ジオウに関する諸々の説明を、友人は自身の理解している範疇でする。

時の王者然り、魔王然り、課せられた使命然り、荒唐無稽な話ばかりであったが、友人の必死に言葉を紡ぎ出す様子に、風や他の皆もとりあえず納得する様子を見せた。

 

「……友人の事はわかったから、アタシからは勇者についてを色々説明していくわ」

 

「よろしくお願いします!」

 

そう元気よく返事する友奈に頷き返して、風は勇者やバーテックスの諸々に関して説明を初める。

 

「昨日アタシたちが戦ったのがバーテックス。その目的は昨日も言ったように、神樹様を斃して世界を滅ぼすこと。そいつらが12体、壁の向こう側から攻めてくる事が神樹様のお告げでわかったの」

 

「そこで大赦が作ったのが、神樹様の力を借りて勇者と呼ばれる姿に変身するシステム」

 

「人智を越えた力に対抗するには、こちらも人智を越えた力ってワケね」

 

ーーというのが、勇者とバーテックスについて風が知るおおよその概要らしい。

加えて、と風は表情を険しくしながら続ける。

 

「注意事項として、樹海が何かしらの形でダメージを受けると、その分日常に戻ってきたときに何かの災いとして現れると言われているわ……」

 

その言葉に友人は今日教室でクラスメイトから聞いた交通事故の話をを思い出す。

つまり、これからの戦いでは樹海にも気を配らなければならないということだ。

 

「派手に破壊されて大惨事、なんて事にならないようにアタシ達勇者部が頑張らないと」

 

決意を新たにするよう口にする風。

思いを同じく、気を引き締める友人たちだったがーー東郷だけは違った。

 

「その勇者部も先輩が意図的に集めた面子だったというわけですよね?」

 

「うん。適正値が高い人はわかってたから……」

 

そう問いかける東郷の語気は強く、風の言葉は徐々に尻すぼみとなっていく。

 

「ーー何で、もっと早く勇者部の本当の意味を教えてくれなかったんですか」

 

「…………」

 

「友奈ちゃんも樹ちゃんも、皆死ぬかもしれなかったんですよ……!」

 

確かにーーと、友人は内心納得する。

勇者としての適正があっても、勇者になれるかはまた話が変わってくる。

現に東郷は勇者になれていない。

勇者は精霊に守られている。しかし、勇者でなければその守りはない。死んでいてもおかしくは無かった。

その事を否定できないのか、続く風の言葉はどこか言い訳じみていた。

 

「ごめん。でも、勇者の適性が高くてもどのチームが神樹様に選ばれるか、 敵が来るまでわからないんだよ。 むしろ変身しないで済む確率の方がよっぽど高くて……」

 

ーーでも、実際に選ばれてしまった。

変身しないで済むかもしれない、そんな言葉にもう意味はなくて、風に向けられる東郷の非難は続く。

 

「こんな大事なこと、ずっと黙っていたんですか……」

 

「東郷ッ!?」

 

言って、東郷は車椅子を操作すると、部室から出て行った。

風は追い縋るように手を伸ばすが、その手は何を掴むことも無く、ただ空を切る。

 

「私、行きます」

 

友奈がそんな東郷をフォローするべく追いかける。

残されたのは、友人と風と樹の三人。

近くの椅子に力無く腰を下ろした風は、うなだれた様子でボソりと呟く。

 

「やっぱり、怒るわよね……」

 

落ち込む風になんと声をかけて良いのやら、友人と樹は互いに顔を見合わせる。

と、風は俯いたまま友人に問いかけてきた。

 

「友人は……無いの? 私に」

 

「……確かに黙ったことに対してはちょっと怒ってます」

 

風の問いに、まず素直な気持ちを吐いた友人。

 

「…………ごめん」

 

意気消沈と謝罪の言葉を口にする風だが、友人の想いはそれだけではない。

 

「でも僕も、風先輩と同じことを聞かされたらおいそれと話せたとは思えないんです」

 

「……え」

 

「だって知ってたら、もし選ばれなくても姉さんも東郷さんも先輩も樹ちゃんも黙ってる人じゃないですから」

 

もちろん僕もーーそう言って、友人はさらに続ける。

 

「皆優しくて、皆強いから。勇者じゃなかったとしてもバーテックスとの戦いには関わったと思います」

 

「結局危険なのには変わりなくて……。それだったら黙っていた方がいいかもしれない」

 

「そう思ったから、風先輩も黙ってたんでしょ?」

 

たぶん風は、これまでも幾度と悩んできたのだ。勇者部の真実を皆に伝えるべきか否かを。

ーーそして、終ぞ言い出すことはできなかった。

僅かな望みに賭けて、自分たちが世界の命運を担うかもしれないという事実に押し潰されそうになりながら。

それがどれだけ辛いことか。

友人には、想像もつかなかった。

 

 

「……うん」

 

だから、友人は風へ言葉を紡いだ。

怒るでも、悲しむでもなく、ただ励ますために。

 

「だったら気にしないでください。先輩は僕たちを思って、黙っててくれたんですから」

 

そんな友人の言葉に、風は心なしか救われたようで落ち込んだ様子から笑顔を見せる。

 

「……昨日、友奈にも同じこと言われたわ」

 

「へ?」

 

「うん。やっぱり姉弟ね、アンタら……」

 

「……そうですか?」

 

「そうよ」

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

「えっとー、説明足りてなくてごめんねー」

 

「それだと、もっと怒らせると思うんですけど……」

 

「本ッ当に、ごめんなさい!」

 

風は自身の精霊である犬神を呼び出し、彼(?)を相手に東郷さんに謝る練習をしていた。

 

「低姿勢過ぎるかな……?」

 

「でも、変に謝るよりは真摯な方が良いと思いますよ?」

 

今回は事情が事情だ。

東郷も冷静になれば風のやんごとなき事情も理解してくれるだろうから、関係が悪化するようなことは無いだろう。

でも、だからこそ言葉にするべきなのだ。

もしこのままの関係が続くようなら、世界を守るという使命も果たすことは叶わないだろう。そんな時だーー

 

「ーーーッ!?」

 

端末からけたたましいアラーム音が鳴り響く。

ーー樹海化警報。

画面を見るまでもなく、世界はその有り様を変えていく。

 

「まさか連日とはね……」

 

風も流石にこの事態は予想していなかったのか、呟く言葉に動揺が感じられる。

 

 

ーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

ー

 

 

 

世界が変わった。

踏みしめていた教室の床は植物の大地に。

窓から見えていた街並みは色鮮やかな景色にに。

総じてこの世のものとは思えない樹海の様子に呆ける友人と樹に、風は鋭く叫ぶ。

 

「友人、樹、行くわよ!」

 

「……う、うん」

 

「はい!」

 

風と樹は端末を、友人はライドウォッチとドライバーを取り出し、腰に巻く。

 

『ジオウ』

 

ライドウォッチを起動させ、ドライバーの右側のスロットに装填する。

 

「変身!」

 

叫び、ドライバーを回転させる。

時計を模したエフェクトからライダーの文字が飛び出し、時計のバンド状のエネルギーが友人を包む。

 

『仮面ライダージオウ!』

 

そして、友人は仮面ライダージオウへと変身を果たす。

同じく姿を変えた犬吠埼姉妹とともに、壁の向こうから迫るバーテックスの姿を捉える。

 

「3体同時に来たか……モテすぎでしょ」

 

「あわわわわ……」

 

「バーテックスにモテても嬉しくはないですね……」

 

今回やってきたバーテックスは三体。

その内赤と黄色の二体ーー蟹座、蠍座ーーが先行し、青の一体ーー射手座ーーが遅れて神樹様に向かっている。

 

「結城友奈、到着しました!」

 

と、離れていた友奈が合流したので、早々に片付けてしまおうと風が皆に指示を飛ばす。

 

「遠くの奴は放っておいて、まずは手前の2体まとめて封印の儀いくわよ!」

 

「了解!」

 

飛び出そうとする友人だが、ふと遅れる射手座の様子が気になった。

友奈も同じく気になったのか、立ち止まり射手座を注視している。

ーーと、射手座が口らしき器官を大きく開いて、その奥を怪しく光らせ始めた。

 

「あっ!?」

 

その異変に気付いた友奈が声を上げるが、時すでに遅し。射手座の口から長い針のようなものが風に向けて発射される。

 

「わっ!?」

 

風は間一髪のところで射手座が放った長い針を、武器の大剣を使って防いだ。

 

「お姉ちゃん!!」

 

驚いた樹が駆け寄るが、風は腕が痺れた程度で特にダメージはないようで無事をアピールするようにひらひらと手を振っている。

ならば、と友人はジカンギレードを銃モードで構えるが、射手座が動き出す方が早かった。

今度は下の口を大きく開くと、その中から大量の短い針を上空に向けて放った。

 

「なっ!?」

 

「い、いっぱい来たー!」

 

放たれた針は弧を描くように友人たちに向け、落下してくる。

あんなものを喰らってはひとたまりもない。

全力で走って、なんとか針から逃れる。

 

「撃ってる奴をどうにかしなきゃ!」

 

動かない場をどうにかするべく、友奈が射手座に突貫する。

が、させまじと蟹座が射手座の射線に割り込んだ。そして自身の周囲に板のようなものを生み出すと、その板で短い針を反射させて友奈を狙った。

 

「姉さん、後ろ!」

 

「あわわわっ!?」

 

友人の声に慌てて振り返った友奈は迫り来る短い針をなんとか拳で全て撃ち落とした。

 

「ふう……」

 

着地し、息をつく友奈だが、その隙を狙った蠍座に地中から尻尾の針を突き立てられた。

 

「姉さん!?」

 

高く打ち上げられたが、精霊の牛鬼が友奈の身を針から守ってくれていた。

しかし、それで攻撃は終わりではなく、空中で身動きの取れない友奈に対して、蠍座はまるで蝿でも叩くかのように友奈を尻尾で地面に叩きつけた。

 

「このっ!」

 

友人は急いで友奈の元へ向かおうとするが、また短い針が射手座から放たれ、それを蟹座が反射させ、と攻撃を避けるばかりで風や樹共々、樹海の根の影でまるで身動きを取れなくされた。

その間にも蠍座の攻撃は続き、友奈は尻尾を幾度と叩きつけられている。

 

「……なんとかしなきゃ!」

 

戦いが長引けば、樹海もただでは済まない。

そうなれば現実世界にも大きな悪影響をもたらす。早くバーテックスを倒さなければならない。

友人は必死に考えをめぐらせるが、焦るばかりで大した案など浮かばない。

同じく身を潜める風も、攻勢に出る隙を伺ってはいるが、絶え間なく続く射手座と蠍座の攻撃に為す術もない。

 

「友人さん……」

 

不安な様子の樹に腕に縋られる。

そこで友人はホルダーに付いた赤と金の色を見る。

 

「……風先輩、樹ちゃん、僕があいつらをどうにかします」

 

「ちょっ!? バカ言わないの、死ぬわよ!」

 

「策なら、あります」

 

ホルダーから友人はクウガライドウォッチを取り出す。

ーーもう、これに賭けるしかない。

ウォズが言うにはクウガライドウォッチに込められた力は《肉体能力》の強化。これを使えばあの二体のバーテックスの連携を崩せる可能性がある。

友人はクウガライドウォッチのベゼルを回転させ、スイッチを押した。

 

『クウガ!』

 

クウガライドウォッチをドライバーの左側に装填させ、回転させる。

 

『アーマータイム! クウガ!』

 

ソニックウェーブが鳴り響き、紋章と赤をベースにしたアーマーが炎に燃えながら装着される。

 

「祝え! 全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ・クウガアーマー。まず一つ、ライダーの力を継承した瞬間である」

 

「アンタ、誰に向けて言ってんの……?」

 

「……ていうか、急に出てきたよ?」

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

『フィニッシュタイム!』

 

クウガライドウォッチをドライバーから外して銃モードのジカンギレードのスロットに装填すると、友人の姿は赤の戦士から緑の戦士のものへと変わる。

同時、一目散に走り出す友人。

そんな友人に対し、射手座と蟹座が迎撃と言わんばかりに針の雨を降らせる。だが姿が変わり、聴覚が超強化された友人にはバーテックスらの攻撃が手に取るように分かった。右へ左へ、上へ下へと攻撃を回避し、狙いを定める。

 

『クウガ! スレスレシューティング!』

 

放たれた疾風の弾丸は、見事射手座を捉え、その威力に崩れ落ちるようにして、その巨体を地に堕とす。

 

「よし! 今、だ……?」

 

続けて蟹座を、と友人が構えたその時だ。

友奈を襲っていたはずの蠍座が、蟹座に向かって投げ飛ばされてきたのだ。

 

「そのエビ運んで来たよ―!」

 

どうやら投げ飛ばしたのは友奈のようだ。

元気よく手を振りながらやってくる姿に、友人は安堵する。

と、状況を見て飛び出してきたのだろう。犬吠埼姉妹もその場に合流した。

 

「どう見てもさそりでしょ!」

 

「どっちでもいいよぉ……」

 

そんなやり取りについ顔を綻ばせていると、友奈の背後から青い影が飛来した。

 

「東郷さん!」

 

影の正体は青い勇者服を纏った東郷だ。

長大な砲身を持つ狙撃銃を携え、動かない足を補助するべく四本の触腕が装備されている。

左の胸元に刻まれた花びらは【朝顔】。花言葉は『愛情の絆』。

 

「遠くの敵は私が狙撃します」

 

開口一番、東郷は風に対してそう告げた。

 

「東郷……戦ってくれるの?」

 

風の言葉に東郷は静かに頷く。

 

「援護は任せてください」

 

頼もしい東郷の言葉に、風も思わず顔を綻ばせる。

対して東郷は穏やかな笑みで返すと、すぐに射撃位置を確保し、伏射姿勢に入った。

そんな東郷に当てられた形で風も友人たちに指示を飛ばす。

 

「手前の2匹、まとめてやるわよ! 散開!」

 

「「了解!」」

 

飛び出す友奈と樹の背を見送り、友人は狙撃銃のスコープを覗く東郷に声を掛ける。

 

「東郷さん!」

 

振り返った東郷の目を、友人は仮面越しに見る。

 

「……いいんだね?」

 

「ええ。もう迷わない!」

 

確かに東郷の目に迷いの色はなかった。

それを確認すると、友人は友奈たちを追うべく駆けだした。

 

「じゃあ、援護よろしくね!」

 

 

 

 

 

 ◆◆◆◆

 

 

 

 

東郷の射撃によって射手座が抑えられている間に、勇者たちが蟹座と蠍座の二体を取り囲んで封印の儀を開始した。

二体の御霊が剥き出しとなり、まず蟹座をということで友奈が友人へ合図する。

 

「いくよ、友くん!」

 

「うん!」

 

二人して飛び出して攻撃を仕掛けるが、何と蟹座の御霊がギリギリのところで回避してくるので、まるで攻撃が当たらない。

 

「この御霊、絶妙に避けてくるよ!」

 

「代わって友奈! 友人!」

 

風の声に友人と友奈はすぐに後ろへ跳ぶ。

割り込むようにして飛び出してきた風は御霊に向けて自身の大剣を振るうが、やはり御霊はひらひらと攻撃を回避してくる。

ならばーーと、風は己の精霊である犬神を呼び出す。

 

「点の攻撃をひらりと躱すなら!」

 

風は大剣を構えると、精霊ーー犬神の力を解放させて剣を巨大化させた。

 

「面の攻撃でぇーーー!」

 

巨大化した大剣を振り回し、御霊を吹き飛ばす。

 

「押し潰す!」

 

上から叩きつけるように振るわれた一撃によって、蟹座の御霊は完全に破壊される。

砕かれた御霊は光へと形を変え、天へと昇る。

しかし、その一部は友人の腕に備え付けられたホルダーのブランクウォッチに宿り、形状が変化する。

 

『龍騎』

 

銀と赤のウォッチ。刻まれた数字は2003年で300年以上前の年代だ。

 

「やっぱり……バーテックスを倒すとウォッチができるんだ」

 

ーー仮面ライダー。

友人自身もそうであると、ウォズからは告げられている。

しかし仮面ライダーとは何で、何故ライダーたちの力がウォッチとして存在するのか。友人にはわからなかった。

 

「さぁ、次行くわよ!」

 

風の声で意識を切り替えた友人は、続けて蠍座の御霊を狙う。

しかし、御霊はその数を十以上に増やしており、どれが本物か判別がつかなくなってしまった。

 

「な、なんか増えたー!?」

 

「どれが本物なの!?」

 

友奈と友人は、突如増えた御霊に困惑するばかりだったがーー樹は冷静だった。

 

「数が多いなら……。まとめてぇーっ!」

 

武器であるワイヤーで大量の御霊を縛り上げ、一挙に切断した。

そして、最後に残った本物の御霊を細切れにして破壊した。

 

『カブト』

 

また、天に昇る光の一部がウォッチに宿り、赤と銀のウォッチに。今度は2006年と刻まれている。

 

「……ほんとに、なんなんだろ」

 

 

 

 

 

 ◆◆◆◆

 

 

 

 

 

風と樹、二人の尽力によりどうにか蟹座と蠍座を封印し終え、残す一体は射手座のみとなった。

しかし、蟹座を封じたとはいえ遠距離から放たれる針の雨は厄介そのもので、踏み込むタイミングを逃していると、唐突に風がスマホを取る。

 

「東郷……」

 

どうやら相手は東郷のようだ。

ーー先だってのやり取りでは部室での確執を引き継いでいる様子はなかったが、どうなのだろうか。

そんな友人の危惧は、結果として無為に終わる。

 

『精一杯援護します!』

 

「心強いわ、東郷!」

 

漏れ聞こえた東郷の声とそれに答える風の言葉から、二人の関係が悪化する事態は避けられたようだ。

 

「アタシの方こそーー」

 

風がそう言いかけて、その眼前で射手座が東郷の正確無比な狙撃に撃ち抜かれた。

 

「えっと……ホントごめんなさい、ハイ」

 

精一杯の援護の結果、射手座を撃墜してみせた東郷の威力に風の言葉はまた尻すぼみとなる。

勇者部部長のそんな情けない背中に、友人は東郷に対しての拍手を送ることしかできなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

気を取り直して、射手座の封印だ。

 

「封印開始!」

 

風の合図の元、四方を囲んだ勇者たちはそれぞれ気合と共に武器を構える。

射手座の下の口の部分から吐き出されるようにして御霊が露出するが、それは凄まじい速度で射手座の本体の周りを回りだした。

 

「この御霊速い!」

 

「くっ!」

 

友人は即座にジカンギレードを構えるが、あまりの速度で狙いが定まらず、他の部員たちも同様だ。

刻一刻と時間だけが過ぎていく。

すると突然、御霊が撃ち抜かれた。

 

「東郷先輩!?」

 

「撃ち抜いた!?」

 

撃ち抜かれた射手座の御霊は光となって天に昇っていく。

その一部は、また友人の持つウォッチに宿る。

 

『フォーゼ』

 

オレンジと白へと変化したウォッチには、2011年と年代とともにロケットを模したマークが刻まれている。

 

 

 

 

 ◆◆◆◆

 

 

三体のバーテックスとの戦いが終わり、勇者部は学校の屋上に戻った。

友人と友奈は東郷の元へ駆け寄る。

 

「東郷さんかっこよかったー! ドキっとしちゃった」

 

「本当に凄かったよ! ありがとう東郷さん」

 

続けて、風も東郷に歩み寄る。

 

「でもホントに助かった。東郷、それで……」

 

「覚悟は出来ました。私も勇者として頑張ります」

 

「東郷……。ありがとう。一緒に国防に励もう」

 

「国防……はい!」

 

風と東郷は無事に仲直りを果たし、友人と友奈、そして樹は一安心と微笑みあう。

ひと笑いして一息ついた頃。東郷がふと思い出したように友奈に尋ねたを

 

「そういえば友奈ちゃん、課題は?」

 

「はっ!? 課題まだだった……! アプリの説明テキストばかり読んでて……」

 

「そこは守らないから頑張ってね」

 

「そんなー!?」

 

時間は既に逢魔が時に近い。

そう言えば、友奈は課題をコツコツでなく一気にこなすタイプだった。

提出は明日の一限。目の前に積み上がった課題を前にした友奈の絶叫が屋上に響く。

 

「友くん~!」

 

縋られる友人だが、甘やかすつもりなどない。

そもそもコツコツとこなしていればいい話だ。

 

「ごめん姉さん……」

 

「そんなー!? 友くんまで!」

 

「勇者も勉強も両立よ、友奈ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 




いやー宣言通りに1ヶ月かかりましたね。

……だが私は謝らない!
多分冒頭でパラドさんが地面に頭擦り付けるほどの土下座してると思うので、それを見て嘲笑ってやりましょう。HAHAHA!

まぁ……これ程かかった理由の6割くらいが、最近2人でガンダム見てるってのに尽きるんですがね()

……いや、ホントすみませんでした(全力土下座姿勢)


次回はもう少し早く投稿したいなぁ……(願望)
と思ってますので、次回もどうぞよしなにm(_ _)m


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