結城友人は魔王である   作:パラドファン

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 皆様はどうせ失踪するだろうなと、思っていた事でしょう。しかし私パラドファンはこの結城友人は魔王であるを絶対に完結させる事を誓います。
 まぁ、その犠牲と言いますか、ポケモンの方は完全に書くことを諦めるんですがね。
 いやぁ、当時2本同時にやろうと思った過去の自分をブン殴りに行きたいものですねぇ、HAHAHA……
 話を戻しまして、この結城友人は魔王であるを読んでいる方々の為に誠心誠意続けていく所存でございますので応援よろしくお願いします。


二週間に一回投稿無理だなぁ


いざシュツジン! ケッセンのステージ0707

 

 

 

 

「まずは姉さん達と合流しないと」

 

 

 一人離れていたために友人は勇者部と離れたまま樹海化に巻き込まれてしまった。

 レーダーで友奈達の位置を確認すると、すでに四人は集まっていて、風だけが壁側の少し離れた位置ににいるようだ。

 

 

「風先輩は偵察かな? 急いで合流しないと!」

 

 

 いつ、戦いの火蓋が切られるかわからない。

 友奈達と急いで合流するべく、友人はホルダーからフォーゼウォッチを取り出すと、ベルトのスロットに装填した。

 

 

『アームータイム! 3・2・1 フォーゼ!』

 

 

 フォーゼアーマーへと姿を変えて、友奈達の元へと飛び立つ。

 ロケットモードの速度は凄まじくあっという間に友奈達の元へ到着する。

 

 

「姉さん!」

 

 

「友くん……って、ロケットォ⁉︎」 

 

 

「何よそれ⁉︎ 友人、アンタどんな登場してんのよ!」

 

 

 フォーゼアーマーによる登場に勇者部はそれぞれ驚きの反応を見せた。

 友奈と夏凜はロケットモードの姿のインパクトに動揺した様子で声を上げ、樹はポカンと口が開いたままだ。東郷も見かけは平常だが、わずかに目を見開いている。

 

 

「そんな驚く……?」

 

 

 と、友人は改めて自分の姿を見る。

 自分ではロケットに変形するというのはカッコいいと思っているつもりだが、皆にとってはそうではないらしい。

 

 

「皆、それよりも敵の動きよ」

 

 

 変形を解除し人型に戻った友人だが、気落ちした様子でいることにクスリと苦笑を交えつつ東郷が目下の問題へと切り込んだ。

 

 

「そうね。樹海化してから随分と経ったけどこっちに来る気配がないのは不気味かしら」

 

 

「なんで攻めてこないんだろう……?」

 

 

 これまでバーテックスは顕現してからはその目的である『神樹様の破壊』のためにまっすぐ攻め込んできていた。それが、今回は壁の外側で沈黙しているというのだから、夏凜の言うように不気味さを感じずにはいられない。

 何かを狙っているのか。どちらにせよこれまでの単調で知性を感じられなかった動きから一転して、思惑のあるような動きに、友奈からも疑問の声が上がる。

 

 

「……どのみち、神樹様の加護が届かない以上は私達からは攻め込めないけどね」

 

 

「なら、加護が関係ない僕が壁の向こうを確認してこようか?」

 

 

 ジオウの力は神樹様の加護により力を得ている勇者とは全くの別物であるため、壁の外に出ても問題はない。それにフォーゼアーマーの機動力なら、壁まで距離程度ならすぐに往復することができる。万が一攻撃を受けても、逃げ切ることは容易だ。

 

 

「駄目よ、友人君。相手の狙いが分からない以上、壁の外にまで単独で向かうのは危険よ」

 

 

 万が一を想定する東郷の言葉に「確かに」と納得して、思いとどまる友人。

 するとちょうど偵察に出ていた風が苦い顔をしつつ戻ってきた。

 

 

「敵さん、壁ギリギリの位置からこっちが動くのを待ってるみたい」

 

 

 どうやらバーテックスたちは迎え撃つ構えのようだ。

 こちらは樹海化が長引くと現実世界にどんな悪影響が起きるかわからない以上、そう時間をかけられない。

 

 

「決戦よ、皆準備を!」 

 

 

 風の号令で各々が構える。

 しかし決戦、という言葉に樹は身を強張らせているようだ。

 そんな樹の緊張を感じ取った友奈は手をワキワキとさせながら、おもむろに樹の背後へ回る。

 

 

「ひゃっ! な、なんですか⁉︎」

 

 

 樹の脇をくすぐる友奈。

 固く閉ざされていた樹の頤は大きく開かれ、ケラケラと笑う。

 

 

「緊張しなくて大丈夫! 皆いるんだから」

 

 

 不意打ちのくすぐりと満面の笑顔の友奈を前に、樹の緊張も解けたようだ。

 微笑ましいものを見るように顔を綻ばせていた風だが、改めて決戦を控える勇者部に対して号令をかける。

 

 

 

「勇者部一同、変身よ!」

 

 

「「「「はい!」」」」

 

 

 風の声に勇者へと姿を変える一同。

 友奈は、ヤマザクラを意匠にしたピンクの装束を、東郷は、朝顔を意匠にした瑠璃色の装束を、樹は、鳴子百合を意匠にした若草色の装束をそれぞれ身に纏う。

 

 

 ──そして、三好夏凜。

 赤色を中心とした衣装を纏い、二振りの脇差を構えている。

 左肩に刻まれた花びらの刻印は【レンゲツツジ】。花言葉は『情熱』。

 

 

 勇者部の変身を感知したのだろう。

 壁の外に控えていたバーテックスたちがゆっくりと神樹の貼る結界を乗り越え侵攻を開始した。

 

 

 

「敵ながら圧巻ですね……」

 

 

 進軍し始めたバーテックスを見て東郷が呟く。

 敵の数はレーダーを見てわかっていたが、七体と残っていたバーテックス全てがやってきていることになる。

 

 

「逆に言うと、こいつら殲滅すれば戦いは終わったようなもんでしょ」

 

 

「さすがは完成型勇者、余裕だね」

 

 

 あけすけにそう言い切って見せる夏凜に、思わず口を挟む友人。

 対して、夏凜は「当然でしょ」と言わんばかりに胸を張ってみせる。

 

 

「皆、ここはアレ行っときましょう」

 

 

 と、「いらさいいらさい」と樹や東郷、友奈や友人を招き寄せる風。

 

 

「あれ? どれよ……?」

 

 

 困惑する様子の夏凜だったが、皆が肩を組む様子を見て、風が何をしようとしているのか察したようだ。 

 

 

「円陣? それ必要……?」

 

 

 呆れた様子で友奈達を見ながら夏凛は問う。

 しかし風は意に介した様子もなく、「決戦には気合が必要なんでしょう?」とひらひらと手を振って夏凜を招く。

 

 

「まぁまぁ、こうゆう時はノリと勢いも大事だし僕達も加わろうよ」

 

 

 友人は乗り気ではない様子の夏凜を諭して、円陣に加わろうとその背中を押す。

 

 

「ちょっと痛いっての! 友人、腕のやつどうにかできないわけ!?」

 

 

「腕……? あっ、ごめん」

 

 

 円陣に加わろうとするが、夏凜から両腕の『ブースターモジュール』を指摘される。

 とりあえず腕から外して空中で待機させておき、もう一度円陣に加わろうとするが──

 

 

「肩! ゴツすぎて隣の樹が潰れてるわよ!」

 

 

「うわっ、樹ちゃんごめん!」

 

 

 腕のモジュールを外すだけではだめだったようだ。

 仕方なくフォーゼウォッチをスロットから外し、アーマーを解除してから改めて円陣に加わる。

 そうして友人が円陣へ加わったのを見て、風が口を開く。

 

 

「アンタ達、勝ったら好きなもの奢ってあげるから絶対死ぬんじゃないわよ」

 

 

 風からの激励に勇者部一同はそれぞれ

 

 

「よ〜し美味しい物いっぱい食べよう! 肉ぶっかけうどんとか!」

 

 

 ──友奈は、変わらぬ日常への願いを 

 

 

「言われなくても、殲滅してやるわ」

 

 

 ──夏凜は、己が存在意義である勇者としての自負を

 

 

「私も、叶えたい夢があるから……!」

 

 

 ──樹は、ようやく見つけた遠き夢への希望を

 

 

「頑張って皆を、国を、守りましょう!」

 

 

 ──東郷は、皆が生きる四国の地を守るという信念を

 

 

「勝とう! 終わったらみんなで祝勝会だ!」

 

 

 ──友人は、勇者部と過ごす希望ある未来を

 

 

 各々がそれぞれの想いを胸に、円を囲む勇者部はそれぞれ顔を見合わせる。

 勝ち気にほほ笑んだ風が、一度息を整えると高らかに声を張る。

 

 

「よ〜し、勇者部ファイトォー!」

 

 

「「「「「「オー!」」」」」」

 

 

 

 

 

 ◆◆◆◆

 

 

 

 

 

『出陣』

 

 

 夏凜の精霊──義輝が法螺貝を吹く。

 出陣の合図を受け、夏凜と友人の二人が先陣を切って飛び出していく。

 

 

「さあ、一気に殲滅よ!」

 

 

「行こう!」

 

 

「アタシ達も!」

 

 

「「はい!」」

 

 

 続いて風、友奈に樹と飛び出していき、東郷はその場で援護するため狙撃体制を取る。

 

 

「バーテックスの進行速度にバラつきがある……?」

 

 

 端末のレーダーを確認し、呟く東郷。

 

 

「あの巨大なやつ、明らかに別格の威圧感……」

 

 

 最奥に控えている獅子座と表示されるバーテックスは他の個体に比べても一回り程大きい。

 明らかな強敵の予感に加え、他のバーテックスたちが神樹様への侵攻を始める中で、獅子座だけは変わらずはるか後方に留まったまま動かない。

 違和感以上の言い知れぬ圧力を感じつつ、東郷は真っ先に神樹に迫る牡羊座へまず狙いを定めた。

 

 

「友人、合わせなさい!」

 

 

「了解!」

 

 

 夏凜の号令に合わせるように友人は手元にジカンギレードを呼び出すと、スロットに剣ウォッチを装填する。

 

 

『剣! ギリギリスラッシュ!』

 

 

 友人は電撃が纏われた剣を、夏凛は勢いを乗せた一太刀を、跳ねる様に向かってくる牡羊座の正面へ叩き込む。

 二人の連携攻撃により牡牛座の勢いが落ちたところに、後方からの東郷が放った銃弾が貫く。

 

 

「まずは、一匹封印するわよ!」

 

 

 完全に牡羊座が沈黙したところへ、間髪入れず夏凜が封印の議を開始する。

 

 

「出てきた!」

 

 

 牡羊座の御霊が露出される。

 しかし、その御霊は最後の抵抗といわんばかりかドリルのように高速回転し始める。

 

 

「何、回ってんのよ!」

 

 

 悪あがきと断じた夏凜が思い切り振りかぶって刀を投擲する。

 

 

「──ッ⁉」

 

 

 さすがに刀一本の投擲では高速回転する御霊に対しては有効打とはならず、簡単にはじき返されてしまった。

 

 

「なら、僕が!」

 

 

『フィニッシュタイム!』

 

 

 すぐさま友人は御霊に向けて飛び出し、ウォッチのボタンを押してドライバーを操作する。

 

 

「東郷さん!」

 

 

『タイムブレーク!』

 

 

 後方にいる東郷に向けて叫び、連携を図る。

 了承の声は届かないが、東郷ならやってくれる──そう信じた友人は右足に力を込めて高速で回転する牡羊座の御霊に向けてキックを放つ。

 その一撃により、御霊にダメージが入り回転が止まる。

 直後に東郷による一撃で、御霊の核が撃ち抜かる。

 

 

「まず一体目ね!」

 

 

 核を失った牡羊座の肉体は砂となって消え、御霊は光となって天へと昇る。

 その光の一部が友人の腕のホルダーへ集約され、新たなウォッチが生成される。

 

 

『鎧武』

 

 

 オレンジをベースに紺で縁取られた外観に、2013という年号が刻まれた新たなウォッチ。

 はたしてこれが何なのか、なぜバーテックスを倒すたびに新たなウォッチが生成されるのか、未だにわからない。

 不穏な気配を感じつつ、友人は援護してくれた東郷に礼を伝えるべく、手を振る。

 

 

「ありがとう! 東郷さん!」

 

 

 距離がある故に返事はないが、東郷には届いていることだろう。

 

 

「さすが、早いわね」

 

 

 合流してきた風たち。

 前線組が揃ったところで続いてのバーテックスへ目標を──というところで、神樹様の根の陰から一体のバーテックスが姿を現した。

 

 

「まずい!」

 

 

 即座に腕のホルスターから、カブトウォッチを取り出そうとするが──

 友人が動くより早く、忍び寄ってきていた牡牛座によって大音量の音波が放たれる。

 

 

「うっ……」

 

 

「何よこの音、気持ち悪……」

 

 

 牡牛座の放つ音波は音量も凄まじいながら、三半規管を直接揺さぶられるような不快感を友人たちへもたらす。

 耳を手で覆っても貫通してくる怪音波により、まともに動くこともましてや立っていることすら叶わない。

 

 

「このッ!」

 

 

 友人はジカンギレードの銃モードで怪音波の発生源と思わしき、牡牛座のベルを狙う。

 しかし、立っていることもままならない中で狙いが定まるわけもなく、見当違いの方向へ銃弾は飛んで行ってしまう。

 

 

「皆!」

 

 

 一人後方で援護射撃を行っていた事で怪音波の範囲外に居た東郷。

 友人に続くように牡牛座のベルに向けて狙撃しようとトリガーに指をかけるが、突如地面から土煙と共に飛び上がってきた魚座によって、妨害を受けてしまう。

 

 

「……ッ!」

 

 

 振動と土煙が邪魔をして、遠方の牡牛座への狙いが定まらない。

 ならばと近づこうにも足の鈍い自分の機動力では容易く魚座に捕捉されてしまう。

 

 

「まずい……」

 

 

 一気に状況がバーテックス側の有利へ傾いた。

 先手を取り、牡羊座を早々に鎮めることで機先を制したつもりだったが、恐らくはそうなるようバーテックス側に仕向けられていた。

 

 ──迂闊だった。そう言う他にない。

 

 戦いに赴く直前の違和感、無視をするにはあまりに大きいものだった。

 後悔しても先は立たず、牡牛座の怪音波によって動けない友人達に天秤座と水瓶座が迫っているのが、東郷の眼には鮮明に映った。

 

 ──もし今、攻撃を受けたら全員タダでは済まない。

 

 焦り、東郷は手元の狙撃銃を乱射する。

 しかし、狙いの定まらない攻撃ではバーテックスの外郭を貫くことは叶わず、ましてや自分一人では封印を行うことができない以上は、牡牛座をどうにかしない限りはただのジリ貧だ。

 わずかな隙を突いて牡牛座のベルを狙うが、魚座はそれを許さない。

 近すぎず、遠すぎず、付かず離れずで的確に東郷の狙撃体制を崩しに来る。

 直接攻撃を仕掛けてくるなら、多少のダメージ覚悟でも全火力を賭して突破する腹積もりだったが、それすらもバーテックスには見抜かれている。

 焦る。それもバーテックスの狙いの一つであることはわかっている。

 状況は悪化するばかりだ。前線の皆は動けず、天秤座と水瓶座は着々と迫っている。

 

 ──このままでは、皆が……!!

 

 絶望的な状況の中、音を愛する少女が強い怒りを胸に奮起する。

 

 

「音は、音は……皆を幸せにするもの……」

 

 

 強烈な怪音波に苦しめられながら、樹は必死に立ち上がる。

 

 

「──こんな音はぁぁ‼︎」

 

 

 絶叫しながら放たれた樹のワイヤーが牡牛座のベルを絡めとる。

 

 

「樹!」

 

 

 妹が作り出した絶好の機会。

 逃す風ではなく、即座に飛び上がると手元に大剣を呼び出す。

 

 

「……まずは、お前らぁ!」

 

 

 迫り来る天秤座と水瓶座に対し、巨大化させた大剣を振りかぶり一刀のもとに両断する。

 

 

「今なら!」

 

 

『フィニッシュタイム!』

 

 

 友人はジカンギレードにフォーゼウォッチを装填し、牡牛座へ向けて構える。

 

 

『フォーゼ! スレスレシューティング!』

 

 

 ジカンギレードからミサイルを模したエネルギー弾が放たれ、牡牛座は樹海へと沈んでいく。

 

 

「よし、三体纏めて封印するわよ!」

 

 

 どうにか危機的状況を脱した勇者部。

 風はそのまま地に落ちた三体を封印することを狙うが──

 

 

「待ってください! バーテックスの様子が……」

 

 

 牡牛座、天秤座、水瓶座の三体が、突如として後方に控えていた獅子座の元まで退がりはじめた。

 

 

「後退……?」

 

 

 あまりに不可解な動きに思わず全員の足が止まる。

 ゆっくりと後退していく牡牛座、天秤座、水瓶座の三体を迎え入れるように、獅子座の中心から巨大な炎の円が出現し、後退してくる三体を飲み込んでいく。

 炎が晴れると、そこには牡牛座、天秤座、水瓶座、獅子座の四体のバーテックスが融合し誕生したバーテックス━━レオ・スタークラスターがいた。

 

 

「まさか、あれがウォズの言っていた災禍なのか……」

 

 

 レオ・スタークラスターの圧倒的な存在感に、友人は先日のウォズの言葉を思い出す。

 災禍──あれがその正体だというなら、確かだろうと納得してしまう。

 元より一回り以上の体躯を誇っていた獅子座を中心に合体したこともあって、さらなる巨躯と四体のバーテックスが有していた特徴的な部位が表出した姿からはレオ・スタークラスターが間違いなく強敵であることを示している。

 

 

「ちょっとこんなの聞いた事ないわよ!」

 

 

 想定外の事態に動揺を隠せない夏凜と風。

 樹もあまりの事態からくるに困惑しきりだ。

 

 

「でも四体まとめて倒せるよ!」

 

 

 友奈は楽観視しているが、先日ウォズから受けた忠告もあって友人はそうは思えない。

 

 

「友奈の言う通り、まとめて封印開始よ!」

 

 

 風も友奈の言葉に勇気付けられたように勇ましく声を上げる。

 が、そんな声をあざ笑うようにレオ・スタークラスターの正面から、円を描くように無数の火球が出現し友人達に向けて放たれる。

 突如の猛攻に勇者部はそれぞれ回避運動を取るが、火球はまるで追尾してくるように軌道を変えて追ってくる。

 

 

「追ってくるなら!」

 

 

『カブト』

 

 

 友人は腕のホルスターから取り出した、カブトウォッチ起動してドライバーに装填する。

 

 

『アーマータイム! Change Beetle! カブト!』

 

 

 友人は赤と銀を基調とし、肩のアーマーと頭部にカブトムシの角を模した装甲を装備した《カブトアーマー》へと姿を変える。

 

 

「カブトの速度なら!」

 

 

 カブトの司る力は《高速移動》。

 正確には特殊な粒子が全身に巡ることで時間流を自在に移動する力で、単なる高速移動と違い、自身の体感する時間そのものも加速されるものだ。

 友人はそれを知らないのだが、その力を十全に使いこなし、迫り来る火球をジカンギレードで撃ち抜いていく。

 

 

「よし、皆は……」

 

 

 時間加速が終了し、友人は皆の様子を確認する。

 既に友人以外はレオの火球によって倒れていて、風はレオの生み出した特大の水球に囚われている。

 

 

「風先輩っ!」

 

 

 皆も心配だが、この状況で最も危ないのは水球に囚われている風だ。

 助けるべく、スロットからカブトウォッチを取り外し新たにフォーゼウォッチを装填する。

 

 

『3・2・1 フォーゼ!』

 

 

 フォーゼアーマーへアーマーチェンジし、風を助けるべくロケットモードの最大加速で水球へと突っ込んでいく。

 風が囚われた水球の中心へとロケットモードの推力を使い強引に突っ込んでいく。

 途中、風を助け上げるためロケットモードを解除する。

 途端に水の抵抗を全身に受けることになり、徐々に速度が落ちていくが、なんとか風の手を掴み、ギリギリで水球を突き抜ける。

 

 

「大丈夫ですか⁉︎ 風先輩!」

 

 

「助かったわ……友人」

 

 

 水球に囚われたことで大きく体力を消耗している様子の風。

 

 

「ひとまず休んでください」

 

 

 どこかで風を休ませるべく、着陸する場所を探す友人だが──

 

 

「樹達をあんな目に合わせた奴相手に休んでられない。二人であいつを抑えるわよ」

 

 

 風の声音には最愛の妹を傷つけられたことに対する怒りと戦意が込められており、軽々に断ることは出来そうにない。

 

 

「わかりました」

 

 

 友人にも風同様に、友奈を傷つけられた事に対する怒りがある。

 

 

「──僕に考えがあります」

 

 

 作戦と呼べるほどではないソレを伝えると、風は「いいじゃない」と勝ち気な笑みを見せる。

 ならばと一気に飛び上がり、レオ・スタークラスターの頭上を抑える。

 

 

「行きますよ。風先輩!」

 

 

「ええ、やってやりましょうとも!」

 

 

 そのまま友人は風を抱え、一気にレオ・スタークラスターに向けてブースターを吹かす。

 降下する力も加えた圧倒的速度のまま飛び出すと、風は巨大化させた大剣を振りかぶる。

 

 

「くらえぇぇっ!」

 

 

 フォーゼアーマーの速度を利用した風の一撃は、レオの巨体を大きく揺らす。

 

 

「まだだ!」

 

 

『フィニッシュタイム! フォーゼ!』

 

 

 友人はジオウウォッチとフォーゼウォッチのボタンを立て続けに押して、ドライバーを回転させる。

 

 

『リミット! タイムブレーク!』

 

 

 ロケットモードによる加速で最高速度まで到達すると、レオの巨躯へ向けてドリルのように体を回転させながら突っ込んでいく。

 最高速度にしてマッハ40にもなる威力で突撃を受けたレオ・スタークラスターは一気に地面へと叩きつけられる。

 

 

「ナイスよ、友人!」

 

 

 落下する風をフォーゼアーマーで先回りして受け止めて、着地する。

 友人と風の連携攻撃には、あの巨躯といえどもすぐには起き上がってこない様子だ。

 

 

「ひとまずは抑えれましたね」

 

 

「これから、どうするかね……」

 

 

 ここまでの怒涛の展開からようやく一息を付けた二人。

 とは言え、先程の攻撃でダメージを受けてしまい現状動けているのは二人だけな上、レオ・スタークラスターの他に、姿を隠している魚座と襲撃時から姿が見えなかった双子座という二体のバーテックスが残っている。

 

 

「僕があいつを抑えないと……」

 

 

 レオに対抗するには、カブトでは回避は出来ても攻撃の威力が足りず、それ以外のウォッチでは攻撃力はあっても回避ができない。唯一フォーゼは、回避能力と攻撃力が両立できるが、回避が速度任せな以上、回避と攻撃が同時には行えない。

 ならばと新しく手に入れたウォッチに掛けるべく、友人は早速ホルダーから鎧武ウォッチを取り出す。

 

 

『鎧武』

 

 

 鎧武ウォッチを起動させて、左のスロットに装填しドライバーを回転させる。

 

 

『アーマータイム!』

 

 

 頭上に巨大な鎧が生成される。

 どうなるんだと見ていると、いきなり鎧が落下してくるので身構える。

 しかし、予想される衝撃は訪れることはなく、すっぽりと頭に嵌った後に展開されて腕や脚と各部に装備されていく。

 

 

『ソイヤッ! ガ・イ・ム〜!』

 

 

 友人は紺とオレンジを基調として、鎧武者とオレンジを合わせた容姿の《鎧武アーマー》へと姿を変える。

 

 

「祝え! 全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ・鎧武アーマー。また一つ、ライダーの力を継承した瞬間である」

 

 

 新たな姿となり、いつものように唐突に現れたウォズ。

 彼はいつも以上に大仰な仕草で、まるで英雄譚でも語るかのような高高とした語り口で盛大に称えあげる。

 そんなウォズの語りを背に受けつつ、友人は両肩の装甲から二振りの大橙丸Zを引き抜くと、レオ・スタークラスターに向けて突き出した。

 

 

「──ここからは、僕のステージだ!」

 

 





 
 どうもクマさんです。
 はい、ということで今回はなんとかそこまで間が空かずに済みましたね。



 ──さて、パラドファン君は二週間に一話などとほざいていますが、そう言うならもっと自前のクオリティーを上げてほしいものです。
 彼自身は「成長したので、大丈夫です!」などと言っていますが、私から言わせればまだまだと言わざるを得ないわけです。
 まあ、私自身も素人に毛に生えた程度で「何を言うか」状態なのですが、誠心誠意作品の質の担保に努めさせていただく所存です。








 ……これでやっと学マスやれる()
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