結城友人は魔王である   作:パラドファン

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現在ニコ動がサーバー攻撃で見れなくなり、ゆゆゆを見ることがで出来ないから執筆出来なくなってしまいました。
なのでクマさんと相談して復旧までオリジナル回などを執筆したりしてます。

追記 オリジナル回は本編終了後に投稿予定です

下でクマさんが学マスに触れている事でしょうから、僕も触れて起きましょう。
自分の推しはリーリヤです!


ユウシャマンカイ0707

 

 

 新たに『仮面ライダージオウ 鎧武アーマー』へと姿を変えた友人は大橙丸Zを構え、起き上がったレオへと向かって走り出す。

 対するレオは再び火球を生み出して友人目掛けて放つ。

 

 

「ふッ!」

 

 

 迫りくる火球を友人は大橙丸Zで斬り裂く。

 その瞬間──両断された火球が爆発し、爆炎が友人を包み込む。

 

 

「友人ッ!」

 

 

 風は爆炎に飲み込まれた友人へ向けて声を上げる。

 友人には勇者と違ってバリアも無い。防御してない状態であの火球を受けてしまってはひとたまりも無いだろう。

 風自身も先程火球を受けた時には大剣で防いだが、あまりの爆炎の威力の高さに一時は動けないほどの衝撃を受けた。

 

 

「友くん……」

 

 

 ダメージの抜けない重い体を引きずり、友奈は友人へと届かない手を伸ばす。

 誰もが息を呑む中、そこには爆炎に包まれながらも悠然と立つジオウの姿があった。

 

 

「……この防御力ならッ!」

 

 

 鎧武アーマーの全身を覆う装甲により、レオの放つ火球は耐えられる程度の威力になった。

 降り注ぐ火球を斬り、一気呵成に攻め立てようと駆け出す。

 しかし、それが見逃されるはずもなく、レオは先程までの倍以上の数の火球を一気に放ってくる。

 

 

「全部叩き斬る!」

 

 

 ──後ろには友奈が、そして大事な仲間達がいる。

 決して一つたりとも後ろには行かせない、と友人は鎧武アーマーの両肩と両脚のサブアームを展開して、迫り来る無数の火球を切り裂きながら進んでいく。

 

 

『フィニッシュタイム! 鎧武!』

 

 

「受けてみろッ!」

 

 

『スカッシュタイムブレーク!』

 

 

 友人は大橙丸Zから、くし切りにしたオレンジ型のエネルギーの斬撃をレオへ放つ。

 放った斬撃はレオの体表を浅く斬り裂くに留まるが、友人は飛び上がるとエネルギーを纏わせた二振りの大橙丸Zで斬り付けてその巨体を地面へと叩き落とす。

 

 

「凄い……」

 

 

 自分達を追い詰めていたレオ相手に一歩も引けを取らず、一人で相手取る友人の姿を見て友奈は呟いた。

 

 

「友くんが頑張ってるんだ……」

 

 

 ━━友人が強敵相手に一人で戦っているのに姉である自分が倒れているわけにはいかないと友奈は力を振り絞って立ち上がる。

 

 

「あいつ一人にだけ、任せっきりにするもんか……」

 

 

 ━━完成型勇者の自分が倒れているわけにはいかないと、夏凜は刀を地面に突き立てながら力を振り絞って立ち上がる。

 

 

 いざ突撃、と二人が構えたと同時に後方から強烈な光が放たれる。

 二人が振り向いた先では巨大なアサガオの花が咲き誇っていた。

 花の中心には八つの砲台が搭載されたまるで艦艇を思わせる装備に乗る東郷の姿があり、東郷自身も普段の勇者服とは異なる白い羽衣を纏っている。

 

 

「もう、許さない……」

 

 

 大切な親友を、仲間を、そして世界をただ無感情に蹂躙していったバーテックス。

 レオが放った火球は勇者を撃墜するのと同時に樹海をも炎に包もうとしている。

 一体どれだけの被害が出るのか、どれだけの悲しみを生むのか、あの(もののけ)共は理解しないだろう。

 ()()()()()()()()()()()()と、東郷は決意を表するように額に観の丸が描かれた鉢巻を巻く。

 

 

「我、敵軍ニ總攻擊ヲ實施ス」

 

 

 八門ある砲台をすべて展開させ、地中から飛び出してきた魚座へ向けて集中砲火を行う。

 非満開時は傷を負わせることすら容易ではなかった魚座も一撃ごとにその肉体は吹き飛んでいき、やがて御霊が露わになる。

 

 

「この程度の敵なら、封印の必要も無いみたいね」

 

 

 剥き出しになった御霊にエネルギーを集約し撃ち抜く。

 撃ち抜かれた御霊は崩れ落ち、光となって天に昇っていく。

 その光の一部が、友人の元へと向かってくる。

 

 

『アギト』

 

 

 友人のホルダーのウォッチが金と銀のアギトウォッチへと変化する。

 

 

「いつ見ても妙な散り方……」

 

 

 天へと昇っていく光、まるで星々へと還っていくかのように幻想的な光景だ。

 醜悪な侵略者でありながら、散り際は神秘的ですらある。

 と、そんな思考を遮るように、目の前にホログラムのウインドウが現れた。

 

 

「な、何ッ⁉︎」

 

 

 マップが開かれたそこには凄まじい速度で神樹へと向かっていく双子座の反応が映されていた。

 

 

「このバーテックス、小さくて速い!」

 

 

 表示されたデータによれば、双子座は他のバーテックスに比べて3mほどと圧倒的に小さい。

 それ故に誰も気づけなかったのだ。このままでは神樹に到達するのは時間の問題だろう。

 咄嗟に東郷は砲撃を開始するが──

 

 

「軽やかに躱した⁉ このままじゃ……ッ」

 

 

 双子座は砲撃を意にも介した様子もなく、ひらりと躱して神樹へと進んでいく。

 このままではあっという間に神樹に到達されてしまう。その時━━

 再び樹海から光が放たれ、集約していき、やがて樹を象徴する鳴子百合の光の花が咲き誇る。

 

 

「私たちの日常は、壊させない……」

 

 

 満開により樹は淡い翠と白を基調とした巫女服を思わせる衣装を纏い、背中に巨大な輪を携えた姿に変じると、声を張り上げる。

 

 

「そっちに行くなぁぁぁぁ‼︎」

 

 

 背中の輪から小さな鳴子百合の花を生じさせると無数の翠色の光を放つワイヤーを解き放つ。

 双子座も無数のワイヤーからは逃れることができず、瞬く間に全身を絡め取られる。

 

 

「おしおき!」

 

 

 全身に絡められたワイヤーを引き絞り、双子座の全身をバラバラに刻む。

 そうしてむき出しになった御霊を一本のワイヤーを貫いて破壊する。

 

 

『ビルド』

 

 

 再び天に昇る光の一部が友人のホルダーのウォッチへと宿り、赤と青を基調としたビルドウォッチへと変化する。

 

 

「樹ちゃん、やってくれた!」

 

 

 ひとまずの窮地を脱せたところだが、未だにレオとの戦いは続いている。

 幾度かレオ本体にダメージを負わせることはできたが、融合体ゆえかこれまでのバーテックスと比べても回復速度は尋常ではなく、火球でじりじりとダメージを受けているこちらが圧倒的に不利だ。

 ──と、ここで唐突にレオの火球の投射が途切れた。

 

 

「なんだ……?」

 

 

「友くん、あそこ!」

 

 

 困惑していると友奈がレオの背面を指差す。

 そこには今までとは比べ物にならない大きさの──太陽を思わせる特大の火球が生み出されていた。

 

 

「何よ、あのヤバそうで元気っぽい球……」

 

 

 ──やられた!

 レオは通常の火球では威力不足だと判断すると、あの特大火球を準備してきたのだ。

 もしあの火球が放たれれば、勇者部の皆どころか樹海の被害による現実世界への影響がどれほど巨大なものになるか想像もつかない。

 

 

「皆は早く封印を! 僕があれを止める!」

 

 

 ──やるしかない。

 今も東郷が全火力による砲撃をレオに行ったが、大したダメージにはなっていなかった。

 融合体となったレオを倒すためには封印しかない。

 今にも火球が放たれようという中、友人は友奈達に向けて叫んだ。

 

 

「友くん、待って!」

 

 

 今にもレオへと立ち向かおうとする友人を、友奈は呼び止める。

 ただ続く二の句は出てこず、浮かんでくるのは恐怖や不安ばかりだ。

 友人が無理をしているのは、なんとなくわかる。もしもの事があったらと思うと「やめて!」と叫んでしまいたくなる。だから──

 

 

「……大丈夫?」

 

 

 ただ一言だけ問うと、友人はそんな友奈の心配を見透かすの様に応える。

 

 

「うん、僕は大丈夫だよ」

 

 

 その表情は仮面に隠れて見えないが、友奈には友人が微笑んでいることがわかる。

 ──もしもは、きっと起こらない。だから大丈夫だ。

 

 

「行きましょう、風先輩」

 

 

「友人、無茶するんじゃないわよ!」

 

 

「はい!」

 

 

 そうして勇者たちが散会していった直後、レオがついに特大火球を投下し始めた。

 

 

『フィニッシュタイム! 鎧武!』

 

 

 封印の儀が間に合わない以上は自分があの火球をどうにかしなければならないと素早くベルトを操作する。

 

 

『スカッシュタイムブレーク!』

 

 

「行っけぇぇぇぇぇ‼︎」

 

 

 アーマーが外れて装着前の展開前の鎧武ウォッチに描かれた顔の状態に戻る。

 非展開状態に戻ったアーマーをサッカーボールの要領で特大火球に向けて蹴り飛ばす。

 アーマーはエネルギーを纏うと、まるで巨大なオレンジとなって火球に衝突すると、共に爆散する。

 

 

「なんとか、なった……」

 

 

 とはいえ消耗は大きい。

 無茶をした自覚のある友人自身もそうだが、アーマーを火球にぶつけるという特大の無茶をさせた鎧武ウォッチは起動すらしなくなっている。

 

 

「……姉さんたちは、大丈夫かな?」

 

 

 思わず漏れた声は酷く不安気で、つい笑ってしまう。

 先ほど心配する姉に大丈夫と答えた側なのに、同じことをしてしまうあたりは姉弟だなと思う。

 そんな友奈達だが、封印の儀を行うべく取り囲もうとしているようだが、レオは近付けまいと火球を乱射し始めた。

 

 

「くっ……邪魔よ!」

 

 

「友奈さん、今です!」

 

 

 風は大剣を巨大化させ火球が接近される前に薙ぎ払い、樹はワイヤーで火球を迎撃する。

 その隙にレオを封印するべく友奈が走り出すが、レオの放った火球が迫る。

 

 

「させない!」

 

 

 友奈を狙う火球を移動台座からの砲撃で、東郷が撃ち落とす。

 

 

「封印開……ッ!」

 

 

 東郷たちの援護もあり、友奈はついにレオの直下まで辿り着くが、レオは自爆覚悟で火球を友奈へ向けて放つ。

 

 

「させるかって!」

 

 

 間一髪のところで夏凛が刀を投げて迫る火球から友奈を守る。

 

 

「……っ封印開始!」

 

 

 友奈は拳を掲げ、裂帛の気合いをもって封印の儀を開始する。

 そうしてレオの動きが鈍りだしたところへ他の部員たちも合流することで、恙なく封印の儀は完了された。

 

 

「よし、後は御霊の破壊を……」

 

 

 そう思って友人は御霊を探すが、どこを見回しても御霊を見つけることができない。

 と、ここで辺りが急に暗くなったことに気づいて「まさか⁉」と上を見る。そこには──

 

 

「そ、そんな……」

 

 

「嘘でしょ……」

 

 

 呆然と呟いた声が夏凜と重なる。

 レオの頭上、はるか高くに御霊はあった。

 優に数百メートル、いや数キロメートルはあるだろう。

 空を超え宇宙にまで跨るほど巨大な御霊を、どう壊せばいいんだ……。

 

 

「大丈夫! 御霊なんだから、今までと同じようにすればいいんだよ」

 

 

 皆が絶望や諦観に飲まれていく中、友奈の決して屈しようとはしない力強い声が樹海に響き渡った。

 

 

「どんなに敵が大きくたって、諦めるもんか!」

 

 

 そうだ──『なるべく諦めない』──まだ、諦めるには早い。

 まだ何も手を尽くしていない。なるべく、できることをして、諦めるのはそれからだ。

 

 

「勇者って、そういうものだよね」

 

 

 友奈の言葉に、皆が奮起する。

 諦めかけていた心に希望が宿り始める。

 

 

「行こう、姉さん!」

 

 

「──うん!」

 

 

 友奈へ呼びかけると、力強く返事が返ってくる。

 あれほど巨大な御霊だ。壊せるかはわからない。

 でも──『なせば大抵なんとかなる』──やってみるしかない。

 

 

「行こう友奈ちゃん! 今の私なら友奈ちゃんを運べると思う!」

 

 

 東郷に促され、友奈は移動台座へと移る。

 友人も大気圏突破能力のあるフォーゼアーマーへと姿を変え、飛び立つための準備をする。

 

 

「待ちなさい友人、アンタはずっとあいつの相手をしてたじゃないの!」

 

 

 ここまで融合体と化したレオを相手取り、戦い続けてきた友人だ。

 いくら全身をジオウのスーツで覆っても、ここまで数え切れない程の火球を受けてきた。

 風はこれ以上の無茶をさせられないと、慌てて止めようとするが──

 

 

「大丈夫です。あれを壊さないと、僕らの……皆の日常が壊されてしまう」

 

 

 友人の決意は固い。

 あの御霊を壊すことは、あの日──姉を、友達を、そして世界を救うと誓った、魔王として為さねばならないことだ。

 

 

「だから、行かないと」

 

 

「友人……」

 

 

 固い決意を見せる友人を前に、風は口を噤むしかなくなる。

 しばらく悩んで、頭をガリガリと掻いて、風は吹っ切れることにした。

 

 

「あ〜もうッ! 封印はアタシ達に任せなさい! そして、アンタ達絶対帰ってくるのよ!」

 

 

「「「はい!」」」

 

 

 本当なら自分も一緒に行ってやりたい。

 だが、融合体と化したレオを抑えておくには樹と夏凜の二人だけでは心許ない。

 三人を送り出すと、地上に残った三人は改めて気合を入れる。が──

 

 

「こいつ……侵食が早い!」

 

 

「拘束力が無くなっちゃう……!」

 

 

「頼むわよ、三人とも……」

 

 

 今までのバーテックスとは桁違いの速度で樹海を侵食していくレオを、封印の儀で拘束しておける時間はそう長くない。

 刻一刻と封印可能時間が削られていく中で、風達は宇宙へ飛び立った友人達へ思いを馳せる。

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

「あれは⁉」

 

 

 空を突き抜け、宇宙に到達したというところで、突如御霊から小さく分裂した破片が放たれ始めた。

 

 

「御霊が攻撃⁉︎」

 

 

 融合体の最後の抵抗故か、かなりの数の破片が投じられている。

 これがそのまま地上に落ちれば、被害がどれだけ出てしまうのかは想像もしたくない。

 

 

「迎撃するわ、地上には落とさない!」

 

 

「僕も手伝う!」

 

 

 移動台座の砲台による迎撃を開始した東郷に続き、友人もロケットモードを解除し、思い切り両腕を振るう。

 

 

「ダブルロケットミサイル!」

 

 

 両腕のブースターモジュールをミサイルのように解き放った後はジカンギレードを手元に呼び出し、一つひとつだが着実に破片を撃ち落としていく。 

 

 

「くっ……」

 

 

「東郷さん!」

 

 

 と、ここで東郷の火砲の発射間隔が開いてきた。

 大気圏突破に加え、迎撃のための砲撃で満開を維持するためのエネルギーと体力を使いすぎたのだ。

 ふらつく東郷の身体を友奈が支える。

 

 

「大丈夫。友奈ちゃん見てて……!」

 

 

 気丈にもそう答える東郷。

 そうしている間にも迎撃から漏れた破片が大気圏へと突入していき、断熱圧縮により赤熱化していく。

 霞む視界の中、どうにか目を細めることで安定させると落下する破片を撃ち抜いていく。

 

 

「一個たりとも通さない!」

 

 

 東郷に続くように、友人も狙いの速度を上げていく。

 しかし、小さい破片はともかく、大きいものではジカンギレードの火力では撃ち落とせない。

 苦し紛れにホルダーのウォッチを手に取ると、ジカンギレードのスロットに装填する。

 

 

『フィニッシュタイム!』

 

 

 ジカンギレードの銃口に炎のエネルギーが集約されていく。

 

 

『龍騎! スレスレシューティング!』

 

 

 銃口から燃え上がる龍の様なエネルギー弾が放たれ、降り注ぐ御霊の破片を飲み込んでいく。

 東郷も残った力を振り絞り、八つある砲台にエネルギーを集約させた超火力の一撃を解き放つ。

 二人の放った火砲は降り注ぐ破片の尽くを焼き尽くした。

 その隙に東郷と友人は一気に加速し、御霊までわずかという距離にまで迫ることができた。

 

 

「うっ……」

 

 

「東郷さん!」

 

 

 ここで東郷の力に限界が来てしまった。

 満開状態を維持することも困難になりつつあるようで、移動台座の一部は花が散っていくように消えてしまっている。

 

 

「二人とも、ごめん……ちょっと疲れちゃったみたい」

 

 

「大丈夫、後は僕達に任せて!」

 

 

「ありがとう東郷さん! 見ててね、やっつけてくる!」

 

 

 申し訳なさそうにする東郷だが、友人と友奈から帰ってくる力強い言葉に穏やかな笑みを見せる。

 

 

「いつも見てる」

 

 

 その笑みを背に、友人と友奈の二人は飛び出す。

 東郷は御霊へと向かっていく二人を見送ると、せめてもと残された力を砲台に集約させ、解き放つ。

 

 

「満開!」

 

 

 眩い光が友奈に向かって集まっていく。

 巨大なヤマザクラの花が咲き誇り、白装束と背に負うリングに巨大なアームが発現する。

 

 

『ビルド』

 

 

 友人はビルドウォッチを起動させて、左のスロットに装填させてドライバーを回転させる。

 

 

『アーマータイム! ベストマッチ! ビ・ル・ドー!』

 

 

 赤と青を基調とした装甲を身に纏い、両肩にボトルを模したデバイスである『フルボトルショルダー』と右手の大型のドリル『ドリルクラッシャークラッシャー』を携えた『仮面ライダージオウ ビルドアーマー』へと姿を変える。

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

「祝え! 全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ・ビルドアーマー。また一つ、ライダーの力を継承した瞬間である」

 

 

 封印の儀を行なっている風達の側に突如現れ祝辞をあげるウォズ。

 

 

「アンタいきなり何してんの……?」

 

 

「また、突然現れた……」

 

 

「ほんと、なんなのコイツ……」

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

「僕から行くよ!」

 

 

 ジオウでは勇者の満開の力を超すほどの力は得られない。

 ならば、と友奈が一撃を入れるための一番槍になって見せよう。

 友人はドライバーに装填されたウォッチのボタンを押す。

 

 

『フィニッシュタイム! ビルド!』

 

 

 ドライバーを回転させて 御霊に向けて必殺技を放つ。

 

 

『ボルテックタイムブレーク!』

 

 

 友人の目の前に御霊まで続く数式に基づくグラフが現れる。

 グラフの上をすべるように加速し始めると、右手の『ドリルクラッシャークラッシャー』を御霊へ向けて突撃していく。

 

 

「行っけぇぇぇ‼︎」

 

 

 先ほどの東郷の砲撃で傷ついた箇所を抉るようにドリルを振るう。

 しかし、御霊のあまりの硬さに、大した手ごたえを得ることができない。

 

 

「諦めないっ! 絶対に!」

 

 

 東郷が友人達へ繋いだバトンを決して無駄にはさせない、と強く拳を握り込む。

 すると、想いが通じたのか右手の『ドリルクラッシャークラッシャー』が巨大化していく。

 身の丈を優に超すほどの大きさとなったドリルを構え、友人は更にさらにと御霊の装甲を削り取っていく。

 

 

「──ッ!?」

 

 

 だが、そんな奇跡も長続きしない。

 無茶をさせた反動か『ビルドアーマー』への変身が解除されてしまう。

 

 

「まだだ!」

 

 

 と声を張り上げるが、無茶の反動は肉体にも出ていて、既に右腕はまともに力が入らない。

 左手でなんとかベルトを操作していき、一回転させる。

 

 

『タイムブレーク!』

 

 

 最後の一撃でエネルギーを集約させた蹴りを撃ち込む。

 無茶苦茶な体勢で放ったため、威力は乗らず、身体も蹴りの反動で投げ出されてしまう。

 

 

「……姉さん、今だ!」

 

 

 体勢も整わない中で、友人は友奈へとどめを託した。

 

 

「うん! 後は任せて!」

 

 

 友奈は、ここまで東郷と友人が砕いていった御霊の損傷個所へ向かって飛び込んでいく。

 

 

「おりゃあ!」

 

 

 友人の開けた穴から、アームの拳で殴りつけて御霊を徐々に破壊しながら更に奥へと突き進んでいく。

 どれだけ殴り続けていればいいのかは友奈にはわからないが、拳を振るうことを辞めるなく殴り続けていると━━

 

 

「か、硬いっ⁉︎」

 

 

 今までとは比べにならない強度の場所に到達し、ガツンと拳が弾かれてしまう。

 あまりの硬さに「どうすれば」と気を取られた瞬間、御霊の修復が始まり友奈を押し潰そうとしてくる。

 

 

「ゆ、勇者部五箇条! ひとぉぉーーつ! なるべく諦めない‼︎」

 

 

 極大の圧力がかかる中で、友奈は必死に拳を──アームを振るっていく。

 ここで御霊を破壊できなければ、あの融合体の手によって神樹は斃され、世界が滅びてしまう。

 大切な仲間も、友達も、親友も、そして家族も、いなくなってしまう。

 まだ、自分には拳を振るう力が残っている──やれることが残っているんだ。諦めるには早すぎる。

 

 

「更に! 五箇条もうひとぉぉぉーーつ! なせばたいてーーい!」

 

 

 全身の力を込めて拳を振るう。何度も、何度も、何度も──

 すると大きなヒビが広がっていき、ぼろぼろと崩れていく。その先にはまるで星の中心かのように燃え盛る御霊の核と思しきものがあった。

 これを破壊すれば、この戦いが終わると直感して、友奈は最後の力を振り絞り拳を繰り出す。

 

 

「なんとかなぁぁーーーる‼︎」

 

 

 友奈の渾身の一撃により、御霊の核はついに打ち砕かれた。

 崩壊していく御霊の外殻が、徐々に光と化して天へと昇っていく。

 

 

「やったんだね、姉さん……」

 

 

 友人は崩れゆく巨大な御霊を見て安堵して呟いた。

 

 

『響鬼』 『キバ』 『オーズ』 

 

 

 散っていく光の一部がウォッチに宿り、変化する。

 その中の一つだけ、他のウォッチよりも一回りほど大きい、目の引くマゼンタのものへと変化した。

 

 

『ディケイド』

 

 

 ──このウォッチは一体……?

 と、友人はディケイドウォッチに気を取られてしまうが、まずは友奈の安否が最優先だと思い直して、周りを見回す。

 すると、満開が解除された状態で意識を飛ばしているのか、身動き一つ取らないまま地上へと落ちていく友奈の姿が見えた。

 

 

「姉さん⁉」

 

 

 慌てて友人はフォーゼアーマーに変身する。

 いろいろと無茶をした反動が遅れてきているようで、僅かでも動くと全身のどこかしらが痛んでくる。

 なんとか追いついた友人は、友奈へ声をかける。

 

 

「姉さん!」

 

 

 すると意識を飛ばしていたのは一瞬だったのか、友奈からは「やったよ……」と確かな返事が返ってきた。

 しかし、このまま生身で地上まで戻るわけにはいかないだろう。

 どうするべきかを考えていると、視界の端に鮮やかな蒼いアサガオの花が映った。

 

 

「東郷さんか!」

 

 

 友奈を抱え、ブースターを吹かせると、小さかったアサガオの花が徐々に大きくなり、そこに腰掛ける東郷が手を振る姿が見えた。

 これが最後の無茶だと、再度ブースターを吹かす。

 アサガオの花に着地すると、いよいよ身体が限界を迎えたようで、着地したそばから崩れ落ちてしまった。

 抱えていた友奈を潰してはなるまいと、何とか横に下ろすと、ついに指一本と身体が動かなくなった。

 倒れるように横になったところで、仮面越しに友奈と東郷の二人と目線が合う。

 

 

「やったね……」

 

 

「友人君も友奈ちゃんも、二人ともお疲れ様……」

 

 

「おいしいとこだけ、取っちゃった……」

 

 

 友奈の言い様に思わず苦笑して、ふと見上げるとこちらを見下ろす東郷の瞳が申し訳なさそうに潤む。

 

 

「ごめん。最後の力で、これだけは残したけど……どうなるかはわからない」

 

 

「大丈夫、きっと何とかなるよ」

 

 

「うん、神樹様が守ってくれるよ」

 

 

「……そうね」

 

 

 東郷の潤んだ瞳が閉じられ、同時にアサガオの花の花弁も閉じていく。

 頭上に広がる宇宙の景色が見えなくなると、ぐんと何かに引っ張られるような感触とともに下へ下へと一気に落ちていくのが感じられる。

 

 

「……」

 

 

 意識が遠くなっていく。

 霞んでいく視界に、東郷と友奈が映り込む。

 

 

「…………」

 

 

 不安からか、二人の手が震えている。

 もうわずかな力も出ない手で二人の手をそっと握りながら、友人は神へと祈った。

 

 

 ──どうか、皆が無事でいられますように、と。

 

 

 霞みがかった視界が徐々に暗転していく─────────────

 ──────────────────────

 ──────────

 ─────

 ───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かくして、彼らは全てのバーテックスを討滅した。力尽きた戦士たちには休息が与えられるが、果たしてどんな未来が彼らを待ち受けるのか──おっと、この先はまだ早すぎましたね」

 

 

 

 

 





すみません、今回は私のせいでお待たせしました。どうもクマさんです。
いやあ……仕事が忙しいと文字書く時間ってとれないものですね。
まあ、本当はパラドさんが自前で全部書いてしまえれば言うことはないんですが……まだ安心して任せられないんよなぁ……



さて、私信としましては前回にボソッと呟いていた学マスのことを話しましょう。
我が推しは宇宙一の可愛さを誇る藤田ことねさんとなったわけですが、先日のYellow Yellow Big Bang衣装に4人の諭吉さんが旅立たれ、水着で更に1,5人の栄一さんまで旅立つことになりました。ぴえん……


どこかで聞いた話では次のイベントもことねがいるとかで今からワクワク(寒気)が止まりません。







──なぁんで風が満開してないんだ……? 
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