この素晴らしい天才物理学者に祝福を!!   作:血の一族

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『天才物理学者の桐生戦兎は遂にアクセルの街へとたどり着くと約束通りにウィズの魔道具店へと住まわせ貰う事となった』


『戦兎さん。今度のラボは随分と広いですね。見た事ない設備も有りますし一体どれぐらいの広さがあるんですか?』


『そうだな…寝室が10室に最新設備の風呂が2つに俺専用のラボがひとつってところだな』


『とんでもなく広いですね!?このラボが凄いというのは分かりましたけど気になる事がひとつあるんですよね』


『俺のラボに気になるところ?それって何処だよ』


『お店の地下にこんな空間を一体どうやって作ったんです?これだけの空間を作るとなるとウィズさんのお店だけじゃなく周りのお店にも色々と影響があると思うんですけど…』


『……』


『戦兎さん?』


『てな訳でこの素晴らしい天才物理学者に祝福を!!第10話のスタート!!』


『私の話をスルーした!?』




この素晴らしい冒険者ギルドに祝福を!!

翌日俺とゆんゆんはウィズから冒険者ギルドの場所を聞くとギルドへと向かって歩いていた。目的地にあったギルドの建物は如何にも酒場という雰囲気がある建物だ

 

 

俺達は扉を開けて中に入ると昼間から酒を飲んでいる冒険者達が中で騒いでおり俺達が入って来た事に気付いたウェイトレスが俺達の元に近づいて来る

 

 

「いらしゃいませ!!食事ならお近くのお席で冒険者登録なら奥のカウンターでどうぞ!!」

 

 

ウエイトレスの言葉を聞くと俺達は店の奥にあるカウンターに向かう。そして丁度並んでいる人が居なかった窓口に行くと金髪の女性が俺達に

 

 

「冒険者登録ですね?登録には千エリス程必要ですか大丈夫ですか?」

 

 

その言葉に俺は予め持っていた財布から俺とゆんゆんの分の登録料2千エリスを出す。すると金髪の女性は俺達の前に記入欄のある用紙を差し出した

 

 

「こちらの用紙に生年月日と名前と体重、身長を書いて下さい。だいたいの数値で大丈夫ですよ」

 

 

俺達は手早く記入をすませると用紙を女性へと手渡す。すると金髪の女性は俺達の用紙を見てある事に気付いた

 

 

「変わった名前に、黒い髪と赤い瞳…貴女達はもしかして紅魔族ですね?」

 

 

「はい。確かに私達は紅魔族です」

 

 

俺の言葉に反応した冒険者達が大勢いたのか、彼らの視線をバッチリと感じる。馬車での移動の時も感じたがやはり紅魔族というのは里の外では重宝される存在なのか?俺がそんな事より考えていると金髪の女性が何かの装置を俺達の前に出してくる

 

 

「それではこちらの機械に手をかざして下さい」

 

 

「この機械は一体何ですか?」

 

 

随分と珍しい形をした装置だこの世界にやって来て2年程経っているがこの装置目にしたのは今回が初めてだ

 

 

「この装置は手をかざした人物のステータスを図る事が出来るんです。そのパラメータからその人に適正のある職業を選ぶんですよ」

 

 

「手をかざした人物のステータスが分かる装置…どんな仕組みが是非とも知りたいですね。この装置、分解して見ても良いですか?」

 

 

「はぁ?」

 

 

金髪の女性は俺の言葉に驚いた声をあげる、すると隣で話を聞いていたゆんゆんが慌てた様子で前に出ると

 

 

「失礼しました!この子は珍しい物を見ると分解したくなるという変わった癖があるんです!!」

 

 

「はぁ…そうですか…」

 

 

金髪の女性はゆんゆんの言葉に戸惑った表情を浮かべるが直ぐに気を取りなおすとゆんゆんにその機械に手をかざす様に促した。

 

 

「これは…凄いですね!!知力と魔力が非常に高いです!!これならば最初からアークウィザードになれますよ!」

 

 

ゆんゆんのステータスを見た金髪の女性は感心した様子でそう言った

 

 

「じゃあ、アークウィザードでお願いします」

 

 

「分かりました!!ゆんゆんさん。これからアークウィザードとしての活躍をご期待しています!!」

 

 

金髪の女性は冒険者カードをゆんゆんに手渡すと俺に目線を向けて来た。

 

 

「さぁ、貴女もこちらの器具に手をかざして下さいね」

 

 

そう言う金髪の女性は期待に満ちた目をしていた。そりゃそうだろう何せ紅魔族の人間が2人もいるんだから期待するなという方が無理な話だ。しかし彼女のそんな期待も直ぐに裏切る事になる

 

 

「これは…魔力が無い?知力はゆんゆんさんよりも高いですけどそれ以外のステータスは普通ですね。」

 

 

そう言う金髪の女性はとても残念な物を見る物でありそれは周りの冒険者達からも感じた。

 

 

「紅魔族の癖に魔法を使えないのかよ…」

 

 

「紅魔族にも落ちこぼれはいるのね…」

 

 

周りからそんなヒソヒソ話が聞こえ来る。馬車の時に一緒に乗っていた冒険者達からは感じなかったがやはりそういう反応があるか

 

 

この事はある程度予想していた為に気にはしていないが俺の隣にいるゆんゆんはそうではないらしく目を真っ赤に輝かせながら感情を高ぶらせており今にも文句を言い出しそうだった

 

 

「ゆんゆん。落ち着いて下さい。私は別に気にしてはいませんしこういう反応されるのは予想していました。彼らにはこれからの活躍で私の事を認めさせますよ」

 

 

俺の言葉を聞いたゆんゆんはとりあえずは納得してくれたのか怒りのオーラが消える。気を取り直した俺は金髪の女性にアークウィザード以外に適正のある職業を聞く

 

 

「そうですね…めぐみんさんのステータスだと上級職であるアークウィザードになるのは不可能です。なれるとしたら基本職の…って何ですかこの『仮面ライダー』という職業は?」

 

 

(仮面ライダーという職業があるのか…そもそも仮面ライダーって職業なのか?いや、ある意味職業かも知れないが…)

 

 

「めぐみんさん?」

 

 

どうやら考え込んでしまったらしく彼女に心配をかけてしまったらしい。俺は彼女に考え事をしていた事を伝えると

 

 

「じゃあその仮面ライダーでお願いします」

 

 

「えっ?宜しいのですか?」

 

 

彼女は俺の言葉が意外だったのか驚いた表情を浮かべる

 

 

「はい。仮面ライダーで構いません」

 

 

「分かりました!めぐみんさん。仮面ライダーとしてのご活躍を期待しています!」

 

 

そして俺は冒険者カードを受け取るとゆんゆんの元へ戻ると彼女をスカウトしたいのか多くのパーティーの人間が話しかけておりそしてゆんゆんが俺に気付くと

 

 

「パーティーに誘ってくれるのは嬉しいんですけど私をパーティーに入れるならめぐみんも一緒じゃなきゃ嫌ですよ?」

 

 

ゆんゆんの言葉に一瞬冒険者達は顔をしかめるがやはりゆんゆんを入れる事のメリットの方が大きいのかその提案を受け入れ今日一日パーティーを組む事となった

 

 

そしてゆんゆんの実力を確かめる意味合いもあり初心者向けの依頼を受けると依頼の為に今は街の外に向かって歩いた

 

 

移動中の冒険者達は一緒にいる俺に対して聞こえるか聞こえないかぐらいの小声で好き勝手な事を言っている

 

 

(あのめぐみんって子、紅魔族の癖に魔法が使えないんだろ?)

 

 

(しかも選んだ職業は仮面ライダーってヤツらしいぜ?わけわからんよな?)

 

 

(まぁ、恐らくは有能な親友と一緒にパーティーにいれば報酬のお零れが貰えるからそれが目的だろ?)

 

 

仕方がない事だとは割り切っているが俺のこの力を知った時に散々馬鹿にしてきたコイツらはどんな反応を見せるのか今から楽しみだ。今からそう考えると俺の口から笑みが零れる

 

 

今回のクエストはジャイアンドトードの討伐だ。ジャイアンドトードとは所謂巨大なカエルのモンスターであり毎年この時期には餌を得る為に街の近くへとやって来る

 

 

ジャイアンドトードの繁殖期には多くの家畜や農家の人々が行方不明となっておりそんなジャイアンドトードの駆除も冒険者の仕事となっている

 

 

因みにジャイアンドトードの肉は大変美味らしく大切な食料として多くの人々に愛されているらしいその為討伐したジャイアンドトードの肉はギルドが高値で引き取ってくれる事となっていた

 

 

そして街の出口から草原に出ると早速数体のジャイアンドトードを見つける

 

 

「さて、ゆんゆんの実力を見せて貰うぜ?」

 

 

「任せて下さい。インフェルノ!!」

 

 

ゆんゆんはインフェルノで離れたところにいたカエル達を一瞬で丸焦げにする。すると俺達に気付いたカエル達はズシンズシンと音を立てながら近づいて来た

 

 

するとゆんゆんはドラゴンフルボトルをポケットから取り出すと其れを手に握ったままアーネスの時のようにライトオブセイバーを発動させる

 

 

「…ライトオブセイバー!!!」

 

 

ゆんゆんが放ったライトオブセイバーはあの時と同じドラゴンの姿となっておりそのドラゴンはカエルを何体か飲み込みその姿を消したそしてドラゴンに飲み込まれたカエルは死体さえ残さずに消滅する

 

 

「スゲェ…こんな魔法見た事ねぇぞ!!」

 

 

ゆんゆんの魔法を見ていた冒険者達が驚いた様子でゆんゆんにそう言っていた。そしてゆんゆんの魔法の音を聞きつけたのか別のカエルが此方に向かって来ており其れに気付いた俺はホークガトリンガーを構えながら前へと躍り出る

 

 

「オイ、魔法を使えない紅魔族はひっこんでろよ!!」

 

 

パーティーのリーダーである男が見下すようにそう言っているが俺はそんな言葉を無視するとポケットからラビットフルボトルを振りながら猛スピードで移動する。

 

 

そしてそのスピードでジャイアンドトードを翻弄すると持っていたホークガドリンガーでジャイアンドトードを一掃した。

 

 

その様子を間近で見ていた冒険者達は唖然とした表情で俺の事を見つめている、ゆんゆんのように死体ごと消し去る事は出来なかったが奴らの度肝を抜く事が出来たので満足する事にした

 

 

「さてと、魔力を回収して置きますか」

 

 

俺はジャイアンドトードの死体から魔力をフルボトルに回収する

 

 

「驚いたぜ、魔法を使えない落ちこぼれ紅魔族だと思っていたがまさかこんな隠し玉を持っていたとはな」

 

 

「これが私の親友のめぐみんの力よ!さぁ、めぐみんに今まで馬鹿にして来た事を謝りなさい!」

 

 

「あ、あああ。そうだな、えっと…めぐみんっていったな?済まなかったな、お前の事を馬鹿にして来て」

 

 

「別に気にしてはいませんのでもう良いですよ。私としては貴方達の驚いた顔を見れた事で満足していますから」

 

 

そう言うとその冒険者は改めてレックスと名乗った後俺にもう一度謝罪の言葉を口にした後ギルドへと戻ると先に食事をするというレックスと一旦別れ先程の金髪の女性…ルナにクエストの達成を報告した

 

 

「クエストお疲れ様です。此方が報酬になります。それにしてもゆんゆんさんは兎も角めぐみんさんの討伐数も中々凄いですね!これも仮面ライダーという職業の力なのですか?」

 

 

「天才物理学者であるこの私が作ったライダーシステムは最強無敵!あんなカエル程度敵ではありません!」

 

 

「めぐみんさんが何を言っているのかは分かりませんが優秀な人材が現れるのは良い事です。つい先日にも非常に高い魔力を持った方が現れたんですよ?魔力だけならばゆんゆんさん以上の高さを持った方でした」

 

 

「私以上の?どんな人なのか一度会ってみたいわね」

 

 

自分以上の魔力を持つという人物に興味があるのかゆんゆんがそう言うと一足先に食事を終えたレックスが俺達の元に歩いて来ると俺達にある事を持ちかけてきた

 

 

「めぐみん。ゆんゆん。フリーならば俺達のパーティーに入らないか?俺達は近い内に王都に拠点を移す予定だ。お前達の実力ならば王都でもきっと通用するだろう。俺達のパーティー加入について真剣に考えてみてくれないか?」

 

 

レックスは俺達をパーティーに誘って来るが俺達の答えは決まっていた

 

 

「申し訳ありませんがお断りします。私達は暫くはこの街を拠点にする予定ですし、何よりもパーティーを組む相手は既に決まっていますしね」

 

 

「そうか、それは残念だな。でも気が変わったらいつでも言ってくれお前達なら歓迎するぜ」

 

 

レックスはそう言うと俺達から離れまた新たなクエストを受ける為に掲示板へと向かって行った。

 

 

その後俺達はギルドから魔道具店へと帰るとそのまま地下にあるラボへと直行し手に入れたフルボトルの浄化を始めた。そして夕食頃にはボトルの浄化が終わり新たなフルボトルが生成された。

 

 

「これは…ロックフルボトルか」

 

 

俺は生成されたばかりのロックフルボトルを装置から取り出してからそう呟くと近くで本を読んでいたゆんゆんに声をかける

 

 

「ゆんゆん。申し訳ないですがドラゴンフルボトルを私に渡してくれませんか?」

 

 

「別に構わないけれど…もしかしてこのフルボトルとのベストマッチするフルボトルが見つかったの?」

 

 

「そんな所です。後ドラゴンフルボトル専用の武器を開発しておきたいと思っているので」

 

 

「わかったわ。そういう事ならめぐみんにこのボトルを渡して置くわね」

 

 

ゆんゆんは俺の言葉に疑う事なくボトルを渡して来る。ドラゴンフルボトル用の武器を作るのは本当だか俺がゆんゆんからフルボトルを預かった理由は他にもあるそれはゆんゆんとドラゴンフルボトルとの相性の良さだ。余りにも相性が良過ぎるこの世界では測る事は出来ないがもしかしたらハザードレベル3を既に超えている可能性がある…それはつまり

 

 

「このまま行けばゆんゆんは間違いなく仮面ライダーになる…出来ればゆんゆんには仮面ライダーにはなって欲しくはない…このままゆんゆんからドラゴンフルボトルを引き離す事が出来れば…」

 

 

俺はそんな事を考えながら武器の開発作業に集中する。そして武器の開発作業がひと段落すると俺は作業を中断し凝り固まった身体を解す為に背伸びをしながらラボの壁に設置されている時計へと目をむける。時計の針は既に夜が明けている時間を指しており俺はかなりの時間開発に気を取られた事に気付いた

 

 

そして俺は小休止と簡単な武器のテストを兼ねてラボから店に上がって来ると営業中のウィズが俺に気付き声をかけて来る

 

 

「おはようございます。めぐみんさん…その様子だと徹夜をしたみたいですね。いけませんよ、めぐみんさんは成長期なのですからちゃんと睡眠は取らないと!」

 

 

ウィズはまるで母親みたいな事を言って来るが俺の身を案じたゆえの言葉なので大人しく聞いておく事にする

 

 

「すいません、ウィズさん…ところでゆんゆんはもう起きているんですか?」

 

 

ウィズは謝罪にしては軽い俺の言葉に溜息を吐くと色々と諦めたのかゆんゆんについて説明してくれた

 

 

「ゆんゆんさんなら朝早くにギルドにクエストを受けに行きましたよ?めぐみんさんが開発を頑張っている間に自分も冒険者として頑張るんだって言ってましたから」

 

 

ウィズ曰くゆんゆんは少しでも冒険者としての経験を積む為なのか朝早くにクエストを受けにギルドへと出かけたらしい。ゆんゆんがクエストを受けているならば俺も武器の調整の為に簡単なクエストを受けに行くかと考えているとルナが店の中へと息を切らしながら慌てて入って来た

 

 

「ウィズさん!申し訳ありませんが力をお借り出来ませんか?」

 

 

「私の力を借りたい?ルナさん、一体何があったのか説明して貰えませんか?」

 

 

「はい!実は最近この辺りで悪魔が目撃されているのはご存知ですか?」

 

 

ルナ曰く最近この辺りで悪魔の存在が確認された為ギルドはその悪魔の討伐クエストを出したが多くの実力のある冒険者達がその悪魔に返り討ちにあってしまったという話だ

 

 

現在は王都で活躍している魔剣の勇者に討伐を要請しているところだが彼は今現在別のクエストに行っている為にアクセルの街に到着するのは時間がかかるという事らしい。

 

 

切羽詰まってしまったギルドは街の冒険者達に協力を依頼すると同時に元は凄腕のアークウィザードであったウィズに協力を要請しに来たのだ

 

 

「つい先程も討伐隊が組まれ何度目かの討伐に向かいましたが彼等だけでは不安なのでギルドの要請で私がウィズさんに協力お願いしに来たんです」

 

 

「その悪魔の特徴は分かりますか?」

 

 

俺の言葉にルナはその悪魔の特徴を俺達に話す

 

 

「確か…右目に傷を負っていました」

 

 

俺はルナのその言葉を聞くのと同時にラボから飛び出していたルナの言葉が本当ならば俺はその悪魔には覚えがあった

 

 

その悪魔は俺とゆんゆんが里にいる時に闘い何とか撤退させる事に成功した悪魔…ホーストに違いないからだ

 

 

「めぐみんさん!?」

 

 

ルナは飛び出していった俺に驚いた声をあげるが俺は気にせずに開発途中だった武器を持ってゆんゆんの元へと向かう

 

 

そしてアクセルの街にある正面の門をくぐるとアクセルからそんなに離れてはいない草原でゆんゆんと昨日パーティーを組んだレックスがリーダーを務めるパーティーと討伐依頼を受けたがホーストにやられたのか冒険者達が倒れていた

 

 

*********************************

 

 

ゆんゆんと冒険者…レックスがリーダーを務めているパーティーは今大ピンチに陥っていた数日前から噂になっていた悪魔が最近アクセルの周辺へと襲来したのだ。

 

 

それを知ったギルドは冒険者達に正式に討伐を依頼しその依頼を受けたゆんゆん達は悪魔を討伐する為に悪魔が目撃されたポイントで警護しているとその悪魔が襲来して来たのだ

 

 

そしてその悪魔はゆんゆんにはとても見覚えある悪魔だった

 

 

「貴方は…まさかホースト!!アクセル周辺に現れる悪魔って貴方の事だったの!?」

 

 

「お前は確か紅魔族の…ゆんゆんっていったな?まさかこんな場所でお前と再会するとはな。お前が居るという事はあのめぐみんって奴もここにいるのか?」

 

 

「居たとしてもあんたに話す必要なんてないわよ!!」

 

 

私はめぐみんからプレゼントされた小刀を構えながらホーストと対峙する。そして他の冒険者達もホーストを取り囲む

 

 

「ふん。お前達だけで俺に勝てると思ったのか?だとするなら俺も舐められた物だぜ、まぁ、ビルドが来るまでの暇つぶしには丁度いいな」

 

 

ホーストがそう言うと見てる者が圧倒される殺気を放つ、ゆんゆん達冒険者はその殺気にたじろぐが臆する事なくホーストと対峙する。

 

 

「へぇ、中々に骨のありそうな奴らだぜ。だがなお前達じゃ役不足なんだよ!」

 

 

ホーストがそう言うとホーストを取り囲んでいた冒険者達はホーストに切りかかるがホーストはまるで虫を払うかのように右手を振るうと冒険者達は吹き飛ばされた後地面に転がり動かなくなるが息が辛うじてある事は分かった。

 

 

そして私と残ったレックス達は戦闘態勢を崩さずに向かい合っていると其処にウィズさんの何処に居る筈のめぐみんが息を切らした様子で現れた

 

 

「ハァ、ハァ…たっく、ゆんゆんは全くどうしようもありませんね!私を放ってこんな危険なクエストを受けるんですから!」

 

 

めぐみんは私にそう毒を吐くと私達にとっての因縁の相手であるホーストと対峙する

 

 

「まさか、こんな何処で貴方と再会するとは思いませんでした」

 

 

「俺の方こそ久しぶりだなめぐみん?いや、仮面ライダービルド。…やはり似ているなあいつと」

 

 

「一体何の話ですか?」

 

 

「お前には関係のない話だ。さぁこの前のリベンジマッチと行こうぜ?」

 

 

気になるところはあるもののホーストの言葉を聞いた俺はドラゴンフルボトルとロックフルボトルを取り出すと其れをビルドドライバーへと装填する

 

 

『ドラゴン!ロック!ベストマッチ!』

 

 

『Are you ready?』

 

 

「変身!」

 

 

『封印のファンタジスタ!キードラゴン!イエーイ!』

 

 

俺はドラゴンハーフボディとロックハーフボディで変身するビルド4つ目のベストマッチフォームキードラゴンフォームへと変身完了する

 

 

キードラゴンは紺と金をメインカラーとしたフォームであり複眼はそれぞれドラゴンの横顔と南京錠を模している。そして胸部には特殊装甲『ブレイズチェストアーマー』が装着されおりその機能でドラゴンフルボトルの成分を蒼い炎に変換する。

 

 

そしてその蒼炎を纏った部分は『ブレイズアップモード』と呼ばれるモードに自動的に移行するようになっておりそれによりビルドの攻撃力が上昇するようになっている。

 

 

そしてロックハーフボディの左腕には鍵を模した特殊武器『バインドマスターキー』を装着しており其処から鎖で繋がった肩部にある装甲『BLDセキュリティショルダー』で生成した鎖と錠前を射出する。

 

 

その上腕に装着されている『BLDセキュリティグローブ』の機能で敵の武器の安全装置を強制的に作動させ使用不能にする事も出来る上に自分自身の装備に異常が起きた時に自動的に制御してくれる安全装置の役割を果たすのだ

 

 

*********************************

 

 

「あれは…仮面の戦士?もしかしてあれが噂の仮面ライダーって奴か?」

 

 

「そう言えば数日前に街の近くで悪魔が討伐された話があったよな?その時にその仮面ライダーが活躍したって話を聞いたぜ!!」

 

 

周りの冒険者がめぐみんの事を見て全員驚いていた。それはそうだろう魔法を使う事の出来ないダメダメ紅魔族のめぐみんが噂に聞いた仮面ライダーだったのだから。しかし私には驚いている彼らの事よりも気になっている事があった

 

 

「ドラゴンと鍵がベストマッチ?一体ベストマッチの法則ってどうなってるのよ?」

 

 

めぐみんは私のそんな呟きを無視するとホーストに向かって走り出した

 

 

*********************************

 

 

俺はドラゴンハーフボディの腕にある白い刃『ファングオブレイド』でホーストの身体を切り付けるがホーストには大きなダメージにならずに逆にホーストの反撃を受ける。

 

 

でもそれは俺の計算のひとつだ。ドラゴンハーフボディには変身者である俺の感情の高ぶりにより必殺技の威力を底上げする機能が搭載されているのだ。

 

 

その上俺は胸部装甲「ブレイズチェストアーマー」の機能でドラゴンフルボトルの成分を蒼い炎に変換するとその蒼い炎を腕に纏う事で自動的に移行するブレイズアップモードにより殴打力を上げた

 

 

 

「オラオラオラオラァァ!!」

 

 

俺は激しいラッシュ攻撃をホーストへと決めていく。そしてファングオブレイドの刃に炎を宿す事で斬撃攻撃も上げ更に殴打攻撃と組み合わせる事でホーストに着実にダメージを蓄積させて行く。

 

 

更にホーストから距離を取るとロックハーフボディに搭載されているBLDセキュリティショルダーで生成された鎖と錠前を射出した。

 

 

そして遠距離から放たれた鎖と錠前を受けたホーストは俺の反撃を許さない猛攻により片膝をついた

 

 

「チィ…まさかこの短期間の間にここまで力をつけやがって…」

 

 

忌々しくそう言うホーストを俺は一瞥するとホーストにトドメを刺す為に必殺技を発動させる

 

 

「コイツでトドメだ!!」

 

 

俺がそう言った次の瞬間、俺の全身に電流が流れると変身が強制的に解除されてしまった

 

 

*********************************

 

 

「ガッハ…」

 

 

変身が解けためぐみんはその場に倒れ込んでしまい、その時にビルドドライバーとドラゴンフルボトルもその場に転がってしまう

 

 

「ハァハァ…」

 

 

めぐみんは立ち上がろうとするが力が入らないらしい、どうやら予想以上にキードラゴンの負担が大きかったようだ。

 

 

しかもビルドドライバーを使用した事による負担も相まってめぐみんはもう指一本動かせそうになかった…そしてホーストはその場から立ち上がると一歩また一歩とめぐみんに近づいて来た

 

 

「どうやら時間切れの様だなぁ?さぁ、大人しくウォバルク様の半身を渡すか此処で俺様に殺されるかどちらかを選びな?俺様としては大人しく渡してくれると嬉しいぜ。何せお前達を殺したらあいつが悲しみそうだからよぉ」

 

 

「残念だがウォバルク様の半身ってのに覚えがなくてね、あんたの提案を飲めそうにないな。仮に覚えがあったとしても聞くつもりもないが」

 

 

ホーストはめぐみんの言葉を答えと受け取ったのか何も言う事はなかった。そしてそのままホーストはまともに動けないめぐみんトドメを刺そうとする。そして私はめぐみんを守る為ホーストに向かってライドオブセイバーをぶつけるとホーストに向かって叫んだ

 

 

「めぐみんに手を出さないで!!」

 

 

「ゆんゆん、こいつはアーネスよりも強い!!お前じゃ勝つのは無理だ!!早く逃げろ!!」

 

 

めぐみんの言葉に私は自分の胸が熱くなる感覚を味わうといつの間にかめぐみんに怒鳴っていた

 

 

「ふざけないで!!」

 

 

そう叫んだ私の声は私自身今まで聞いた声の中で1番大きい物だった…

 

 

 

「めぐみんを置いて逃げれる訳ないでしょ!?私を馬鹿にするのもいい加減にしてよ!私達は友達じゃないの!?困った時ぐらいは頼りなさいよ!!」

 

 

「ゆんゆん…」

 

 

めぐみんは私の雰囲気に驚いているのか何も言えなくなっていた

 

 

「ホースト!!私は貴方なんかに負けない!!貴方を倒してめぐみんを街のみんなを守ってみせるわ!!」

 

 

そう叫んだ時私の身体の中から強い魔力らしき物が溢れてくるのを感じた。其れと同時に何処からか何らかの鳴き声が聞こえて来ると小さなドラゴンが現れホーストに小さな炎を吐いて攻撃してくる。そして攻撃が終わったドラゴンは私の手の中に収まった

 

 

「馬鹿な…それはクローズドラゴン!?一体何処から?」

 

 

めぐみんの言葉によりこの小さなドラゴンの名前を知った。其れと同時にこのドラゴンが何の為に使う物なのかも理解する。

 

 

私はクローズドラゴンの攻撃を受け未だに怯んでいるホーストの隙を突き地面に転がっているドライバーとロックフルボトル、ドラゴンフルボトルを拾うとクローズドラゴンに空いている小さな穴とクローズドラゴンの後ろにスロットに装填させる為のパーツを見て私は自分の考えが正しかった事を確信するとビルドドライバーを腰へと取り付ける

 

 

「駄目だ!!ゆんゆん。今のお前に其れは使えない!!」

 

 

めぐみんは私の身を案じてそう言うが私は辞めるつもりなどはなかった。そして私はドラゴンフルボトルを振ると手元にあるクローズドラゴンにフルボトルを装填するとドラゴンの頭と尻尾を片手で畳み赤いボタンを押してビルドドライバーに装填した

 

 

『ウェイクアップ!』

 

 

『クローズドラゴン!』

 

 

そしてゆんゆんはビルドドライバーのボルティクレバーを回転させる。するとビルドの変身の時に現れた装甲材質『トランジェルソリッド』が展開されると其処にドラゴンハーフボディが2つ生成される。ゆんゆんはめぐみんの時と同じように拳をボクシングの様に前後に突き出すポーズを取ると

 

 

『Are you ready?』

 

 

「変身!!」

 

 

『Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! Yeah!』

 

 

ゆんゆんは左右両方がドラゴンハーフボディに金色のファイヤーパターンが刻まれた装甲『ドラゴライブレイザー』と『バーンアップクレスト』を纏いそして頭部には『フレイムエヴォリューガー』という装甲の追 加により先程のビルドの変身した物から大きく姿が違うライダーへと変身した。 そう…今ここにビルドに続くもうひとりの仮面ライダー…仮面ライダークローズが誕生したのだった。




次回はゆんゆんが変身したクローズの初戦闘と第1部の最終話です。評価と感想を待っています

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